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【ブレイブ文庫】どれだけ努力しても万年レベル0の俺は追放された~神の敵と呼ばれた少年は、社畜女神と出会って最強の力を手に入れる~2

どんなに努力してもレベルが上がらず、周りの冒険者たちから【神の敵】と蔑まれていたティント。開幕土下座してきた社畜女神・エステルとの出会いにより、一夜にして世界最強の存在となった彼は襲来してきた魔族・ヒズミを退け、勇者の娘のアイタナとライラの姉妹を救うことに。そして、それがきっかけでアイタナはティントを「アニキ」と慕うようになり始めて……!? 社畜女神とムチムチ系無知っ子に囲まれた冒険者ライフ第2巻!

著者蓮池タロウ
イラストそらモチ
価格¥836 税込
発行日2025/2/25

コミックトウテツ Vol.109(表紙:葛城ゆう)

一水社『コミックトウテツ』
(毎月25日)

総特集「オトナの世界へようこそ…!」

一夜の冒険が彼女を変える【月島ナツキ】、息子の親友を私は【鉛棒なよなよ】、何人もが男が私を本気で…【山田タヒチ】……まぐわう人妻たちが大充満!

夫じゃ満足できないのは……イケナイことですか? オトナの関係はダメですか?

こんなに感じるカラダがいけないの。人妻の私を狙って絡みつく男たちの視線がいけないの。手を出しちゃいけない女だってわかってるくせに。オトナなんだから欲しがられたら胸も乳首も背すじもアソコも感じちゃうわよ。お、おしりの穴だって……。

◆月島ナツキ「男を知ってしまった人妻のお話」

眼鏡妻のせつない懇願。夫の浮気を口実に私はこの人の腕の中で悦びを知った…。

◆鉛棒なよなよ「友達の母 Vita Sexualis」

僕の初めては友達のママでした。静かな騎乗位に禁じられた想いが交錯する。

◆山田タヒチ「ひとづまドリーミン」

人妻の押し隠す欲望のドリーム34ページ!あの日経験した快感を私は忘れられない…。

すべての人妻を〈オンナ〉に変える! 全方位射精エロコミZINE!

WEB展開「Comicトウテツ(饕餮)」夜のオナニーサポート全力搾精!

表紙イラスト葛城ゆう
執筆陣山田タヒチ/月島ナツキ/鉛棒なよなよ/葛城ゆう/一水社編集部
価格770円(税込)
発行日2025/02/25

【224話】化猫騒動〈その弐〉 姉妹喧嘩の後始末

 金緑后宮の主、帝国元帥レオンハルト・アレキサンダーは苦悩していた。

「一悶着が起きるとは思っていた⋯⋯。しかし、ここまでこじれるのは想定外だった。いい加減、大人になってくれ⋯⋯」

 ただでさえ軍務省の激務で頭を抱えている。そんな状況下で姉妹喧嘩の仲裁をしなければならなかった。長女シャーゼロットと六女ブライアローズが帰ってくるなり大喧嘩を始めたのだ。

(いっそ本音をぶちまけたい。私だって姉上達とはそれほど仲良しじゃない⋯⋯。はぁ⋯⋯。なぜにブライアローズは帝城ペンタグラムに逃げたのか⋯⋯。家出するならヘルガの離宮で世話になれと私は言ったぞ)

 鬱憤を内心に抑え込んでいるうちは、まだ精神的な余裕がある。

「いっそベルゼフリート陛下に取りなしてもらったほうが上手くいくのでは⋯⋯?」

 実現可能が皆無の妙案を口走ってしまう。

 シャーゼロットとブライアローズは正反対の二人だが、どちらもアマゾネス族の女。種族のさがには抗えない。

 ベルゼフリートという優秀な種馬に気に入られるためなら、あの二人はどんなことでもするだろう。レオンハルトでもそうだ。アレキサンダー公爵家の当主を引き受け、帝国元帥の地位に立っているのも、全てはベルゼフリートの正妻になるためだった。

「元帥閣下⋯⋯。よ、よろしいですか?」

 執務室に入ってきた秘書の側女は、疲れ切ったレオンハルトに哀れみの視線を向ける。

「ああ、大丈夫だ。どうした?」

「キャルル様が入室を求めておられます」

「そうか。キャルルがやっと来たか。部屋に通してくれ」

 レオンハルトは髪の毛を掻きむしり、勢いでかんざしを握りつぶしてしまった。

「大変お疲れのご様子です。冷たい飲み物をお持ちいたしましょうか?」

 気を利かせた側女は微笑みかける。

「そうだな。蒸留酒を樽ごと飲み干したい」

「閣下。こんな時間からお酒は⋯⋯」

「その顔、笑えるな。冗談に決まっているだろう? 気遣わせて悪い。問題ない。単なる心労だ」

「心の疲れは問題大有りだと思います⋯⋯。無理はなさらないでください」

 肉体的には無敵のレオンハルトも、精神的な疲労が積み重なればいつかは限界を迎える。

「今夜はベルゼフリート陛下を盗られたからな。気が滅入る」

 気晴らしにベルゼフリートを呼ぼうとしたら、帝国宰相ウィルヘルミナに日程を押さえられていた。

(ベルゼフリート陛下に癒やしてもらいたい。はぁ⋯⋯。もっと早く予定を入れていれば⋯⋯。今月は完全に出遅れた。ウィルヘルミナめ⋯⋯。淫魔のくせに、どうしてもああも小賢しいのだ)

 今頃、ウィルヘルミナとベルゼフリートは星嵐后宮で仲睦まじくお愉しみの最中。そう思うと胃がムカムカとしてくる。

「はいはーい♪ 使いっ走りの末妹ちゃんが推参しました~!」

 呼び出したキャルルが執務室に現れた。

 帝国軍のいかめしい軍服は、可憐な美少女になぜかよく似合う。

 父親が違うとはいえ、同じ母親の胎から生まれた姉妹なのに、どうしてこんなに外見が違うのだろうとレオンハルトは思う。キャルル曰く、筋肉を筋肉で押さえ込むのが細身を維持するコツらしい。

「ふざけてないで真面目にやってくれ。仮にも私は帝国元帥。そして、キャルルは帝国兵の規範となる将校なのだぞ」

 レオンハルトとキャルルの姉妹仲は良好だ。公の場でなければ口調を正す必要はないが、緊張感を保たせるために注意しておく。

「私はいつだって超真面目ですが? 軍の犬となって、辺境での魔物退治から、国境警備までをこなす兵士の模範生であります!」

 頬を膨らませてキャルルは反論する。

「分かった。小言は私も嫌いだ。実はキャルルに頼みことが――」

「――シャーゼロットお姉ちゃんとブライアローズちゃんの喧嘩仲裁ならお断りっ!」

 両手でバツ印を作り、キャルルは拒絶する。

「いや、いやっ! ちょっと待て! 私はまだ何も言ってないぞ」

 頬から垂れた冷や汗が、乳房の谷間に流れ落ちた。レオンハルトは言葉に詰まる。説得する言葉を必死に考えているようだった。

「呼び出したのは、その件じゃないと?」

「まあ⋯⋯。えっとだな⋯⋯。その件ではある」

「やっぱり⋯⋯! ブライアローズちゃんは放っておくのが一番なのです! なぜなら! どうせ数ヶ月すればシャーゼロットお姉ちゃんの怒りも鎮火するから」

「そうか⋯⋯? そうであってほしいが⋯⋯」

「実家暮らしだった頃も三年に一度くらいはあった定期イベントでしょ。私達を産んだ母上は『争い合えば強くなる』って姉妹喧嘩を煽ったりさ」

「母上は火に油しか注げない人だからな」

 自分に相応しい伴侶を見つけられなかったアマゾネス族の女は、妥協で子作りをする。自分の娘達に過度な期待や教育を施す悪癖は、己のコンプレックスに起因する。

「いつだって私達が損な役回り。いい加減、そういうのやめたくない? お偉い元帥閣下が貧乏くじを引かなくたっていいじゃないですか~」

 ソファに腰掛けたキャルルは、呑気にネイルの手入れを始めた。

「今回は他所よそに迷惑がかかってる」

「どちらの他所様よそさま?」

「女官だ。苦情が来てる。うちのブライアローズが遊泳禁止の湖で浮かんでるから引き取ってくれとな⋯⋯。あの馬鹿はよりにもよって御苑の湖で寝てるそうだ」

「最近、暑いから」

「そういう問題ではなかろう」

「あれ? その件で皇帝陛下から手紙が届いてません?」

「耳ざといな。手紙は届いた。内容も読んでいる。ベルゼフリート陛下は面白がっているようだ」

「ブライアローズちゃん。皇帝陛下からのウケはいいからね。お姉ちゃん達はそこが気に入らないじゃない」

「ベルゼフリート陛下は好きにさせていいと⋯⋯言ってはいたが⋯⋯」

「慈悲深さに甘えちゃいましょうよ。金緑后宮が平和になる」

「しかし、帝城ペンタグラムの管理権は女官にある」

 ベルゼフリートは「ブライアローズをしばらく好きにさせてほしい」と手紙を送ってきた。「各女官長に配慮を頼んである」と締めくくられていたが、残念ながらメガラニカ皇帝に実権はない。

(女官は妃達や側女を嫌ってる。ベルゼフリート陛下の願いだろうと関係ない。仕事を邪魔する者は許さないだろう。特にブライアローズは⋯⋯な⋯⋯)

 女官達はベルゼフリートの意思を尊重する。しかし、命令に絶対服従であるかと問われれば、その答えは否だ。

 命令系統の頂点に立っているのは女官総長である。帝国元帥の権限で女官総長を動かすこともできる。しかし、レオンハルトは正妻特権を行使する気がない。

(こんな情けない家族問題で特権は使ったと知られれば、どんな悪い噂が宮中に流れるか⋯⋯)

 来年には新たな妃の入内がある。大切な時期に軍閥派の評判を落としたくなかった。

「女官総長ヴァネッサが出てくると面倒だ。次の三頭会議で嫌味を言われる」

「言わせておけばいいじゃないですかー?」

「私は宰相や神官長に嗤われたくないぞ。とにかくだ。ブライアローズを連れ戻してこい。⋯⋯タイガルラも使っていいから」

「ふーん。私とタイガルラお姉ちゃんで後始末?」

「他に頼める相手がいない」

「ルアシュタインお姉ちゃんとレギンフォードお姉ちゃんは暇そうだけど? 最近は帝国軍の任務も振られてない。デートの準備で大忙し。新しい服を買い込んでるよ」

「あの姉上達には頼めないだろう」

 こういう時だけ、レオンハルトは四女の顔に戻る。

「んっ、ごほん! 恐れながらレオンハルト元帥は、アレキサンダー公爵家の当主! 軍務省の頂点に君臨する御方!」

「キャルル? いきなりどうした?」

「頼むのではなく、いっそ命令してはいかが? レオンハルト閣下?」

「⋯⋯⋯⋯」

「普段から偉そうに軍規を説いてる年長組のお姉ちゃん達は従わざる得ないでしょう?」

「命令はできる。⋯⋯だが、無理強いはしたくない」

 レオンハルトは顔を背けた。キャルルは立ち上がって机を叩いた。

「もう! 歯切れが悪い! シャーゼロットお姉ちゃんに地方出張を命じたでしょ。その時みたいに命令しちゃえばいい! レオンハルトお姉ちゃんは帝国元帥! 私達の中で一番偉いんだから!」

「あれは軍務省の仕事だった。今回は違う」

 目線を合わせようとしないレオンハルトに、キャルルは呆れてしまった。

「あれはあれで、シャーゼロットお姉ちゃんがねてたよ。皇帝陛下の護衛任務から外されちゃったわけで⋯⋯」

「仕方ないだろう。牛頭鬼の魔物と戦ったのはブライアローズだけだ。人間化状態のキュレイと会ったのはシャーゼロットだ。⋯⋯そうだ。護衛任務で思い出したぞ。ベルゼフリート陛下とデートの約束したそうだな?」

「私は違います~。抜け駆けした卑怯者は三人! ルアシュタインお姉ちゃん、レギンフォードお姉ちゃん、タイガルラお姉ちゃんで~す」

「キャルルもこの前、黄葉離宮でベルゼフリート陛下と遊んでいたろ?」

「私は皇帝陛下のお情けで夜伽に呼んでもらっただけ」

「十分だろ。私はここ最近、ベルゼフリート陛下とはご無沙汰だ。正妻なのに⋯⋯」

「それよりもさ、元帥閣下。あの三人、怪しくない? 避妊失敗を装って孕む気だったりして?」

「安心しろ。絶対にさせない。もし妊娠したら軍規違反で絞り上げてやる。⋯⋯というか、シャーゼロットの機嫌が悪いのは、それも影響してそうな気がするな」

「あるかもしれませんねぇ~。ていうか、絶対にそうでしょ」

「はぁ⋯⋯。私はずっと執務室で書類と格闘だぞ。頭脳戦はアマゾネスの専門外だ。しかも、懐妊報告をあげてくる公妃まで⋯⋯。他の奴らだけ美味しい思いをしている⋯⋯。ずるい」

「そうだとしてもさ、いい歳して八つ当たりとか、普通する? お立場がある元帥閣下はしないでしょ。それに比べてシャーゼロットお姉ちゃんもお子様なんだから⋯⋯。長女のくせに」

「私だって好き勝手できるのなら、星嵐后宮に突撃して、ベルゼフリート陛下を略奪してくるぞ」

 レオンハルトは拳を握りしめる。やろうと思えばできる。しかし、そんなことをすれば大問題になる。

「⋯⋯とにかくキャルルに任せた。ブライアローズをなんとかしろ。これは元帥命令だ」

「了解。分かりましたよー。タイガルラお姉ちゃんを道連れに、ブライアローズちゃんを回収してきます」

「連れ帰ってきたら自室に閉じ込めておけ」

「あ。そうそう! 元帥閣下に聞くことがあった」

「なんだ? 毎度のことだが、広報部署への転属は無理だぞ。これから軍縮計画が本格的に始まる。実働戦力の核となるキャルルを手放す気はない」

「そっちじゃなくて、鈴蘭離宮の化猫騒動って知ってます? 女官の間で有名になってるアレな噂話」

「化猫の幽霊が出るという噂だろう。調査はヘルガに一任してる」

「ヘルガ妃殿下がね⋯⋯。ふーん」

「些細な噂話だ。ヘルガがやる気を見せていたから自由にさせている」

「その件で女官達から陳情とかは?」

「女官長からは何も言われていない。だが、どうせ使い道のない離宮だ。工務女官長には建物の解体を提案している。新しく妃を迎えても、鈴蘭離宮に住みたがる変人はいないだろう」

「鈴蘭離宮の化猫が外を出歩いてる。そんな話まであるけど?」

「軍務省に対処を求めてきた公妃はいる。そのうち解決する問題だ。ヘルガが上手くやるだろう。この話は捨て置け」

 ヘルガの調査報告次第ではあったが、レオンハルトは鈴蘭離宮を取り潰して、化猫騒動に決着を付けるつもりだった。

(このところ、やることが多すぎる⋯⋯)

 保護国に置いた西アルテナ王国の防衛、帝国軍の大規模な軍縮、旧帝都ヴィシュテルの復興計画など、重要な案件が山積みとなっている。

(ルテオン聖教国の動向も警戒が必要だ。教皇は反帝国の立場を鮮明にしているが、だとしたらは何が狙いだ⋯⋯?)

 多忙な帝国元帥は小事にかまけている余裕はなかった。


【ちょっとした裏話】アレキサンダー公爵家の七姉妹について

 アレキサンダーとキャルルが出てきたので、姉妹仲について設定資料をちょっとだけ公開!

・長女シャーゼロット[趣味]家庭菜園&観葉植物&生花

・次女ルアシュタイン[趣味]読書&自作絵本の読み聞かせ(ベルゼフリート限定)

・三女レギンフォード[趣味]舞踊&裁縫&音楽

・四女レオンハルト[好物]お酒(ベルゼフリートにお酌をさせること)

・五女タイガルラ[好物]プロテイン

・六女ブライアローズ[日課]睡眠・惰眠・二度寝・食事・セックス

・七女キャルル[日課]人脈作り&可愛くなること!

▼仲良しグループ

 まず父親が三人いるため、同じ父親の姉妹は関係性が比較的良好です。

 仲良しグループは長女&次女&三女、四女&五女、六女&七女の組み合わせです。

▼キャルルの「お姉ちゃん」呼び

 七女のキャルルは姉達を「名前+お姉ちゃん」と呼ぶが、ブライアローズだけは「ブライアローズちゃん」。親しい姉や寛容なレオンハルトには砕けた口調で話しかけるが、長女シャーゼロットには敬語しか使わない(というか、ほとんど会話がない)。

▼レオンハルトと姉妹の微妙な関係

 レオンハルトは当主&帝国元帥なので姉達を呼び捨てですが、昔のように「姉上」と言うこともあります。年長の姉達は扱い難いので、プライベートな頼みは妹達に任せる。その代わり妹達には甘め。ダメな妹であるブライアローズを庇いつつ、面倒見のいいヘルガ・ケーデンバウアーの離宮に預けられないか暗躍中。軍務省の正職に復帰させるのは諦め気味。

▼相性最悪の組み合わせ

 相性が最悪なのは長女と六女。シャーゼロットは后宮の廊下で寝てるブライアローズを見かけると、容赦なく蹴り飛ばしている。

▼皇帝派閥と七姉妹

 七姉妹の全員が皇帝の子供を出産済み。

 ベルゼフリートは全員と仲が良く、姉妹丼をおねだりしたことがあるが、自分の体力や精力が保たないと気付いて撤回。ブライアローズを帝城ペンタグラムで引き取ろうとしたが、女官の猛反対にあって頓挫した。

▼女官からの評価は↓の通り。

 四女>>>皇后特権の壁>>>次女>長女・五女>三女・七女>>>六女

[主人]四女レオンハルトは正妻特権持ちの皇后、命令されたら女官は服従しなければならない。

[良好]次女ルアシュタインは読書家であるため、図書管理の財務女官と仲が良い。お淑やかな常識人タイプなので、よっぽどのことをしなければ怒らない。揉め事も起こさないが、恨みを買ってしまうと長引く。

[普通]長女シャーゼロット・五女タイガルラは普通。女官とすれ違っても互いに干渉をしない。良くも悪くも棲み分けをしている。そもそも女官に興味関心がない。

[嫌悪]三女レギンフォードは女官を露骨に見下すことがあるため、そこそこ嫌われている。七女キャルルはメイド服を着ようとして揉めたことがある。

[唾棄]六女ブライアローズは女官からすると「仕事の邪魔」の一言に尽きる。

▼妹の夫を寝取るシャーゼロット

 正妻のレオンハルトを例外として、ベルゼフリートと最も親しい関係にあるのはシャーゼロット。帝国元帥の業務に忙殺されるレオンハルトを尻目に、ベルゼフリートと距離を縮め続けた。趣味の家庭菜園でベルゼフリートの好物を育てており、食べ物で釣って寝室に誘い込んでいる。

コミックメガストア Vol.015(表紙:玉乃井ぺろめくり)

コアマガジン『コミックメガストア』
(偶数月24日)

これを読まずして何で抜く、みんなの性癖を全力応援!
極上のザ・エロマンガをたっぷりお届け♪

◆COVER ILLUSTRATION
玉乃井ぺろめくり

◆COMIC LINEUP
【隣のこわ~いオオカミさん】urute>>超肉食?狼お姉さん
【君は輝く月花のように 第2話】ぐすたふ>>メイド志願の教え子に大人のご奉仕を教えこまねば
【イキ体関係】ロケットモンキー>>気持ちいいエッチに必要なこと
【私、死んだっぽいのですがまだイケたことが無いのであの世には逝けませんッ!】神楽もろみ>>イクまでは死んでも死にきれない
【六畳一間のアリス】おとぎりふあ>>心が壊れてしまった女の子
【女子大生調教日誌 第十三話】船堀斉晃>>列車調教、車窓越しの露出で羞恥絶頂
【ダブルクイーン】くろふーど>>キャストになった幼なじみとアフター
【家出姉妹が寿司食べに来るので困ってます】EB110SS>>寿司で釣れるプリプリおま●こ
【ドキドキ卵活マッサージ】ジョン・K・ぺー太>>卵巣鷲掴みマッサージ
【夕焼けハートタイム―幼馴染は密の味―】Low>>清楚系女子、幼馴染クンとはズコバコ
【陰キャと陰キャでオフパコしてみた】四条定史>>一度でいいからSEXしてみたい陰キャの男女
【レトロゲーム放浪記】河原野アパラ>>レトロゲームとサメ映画を愛する漫画家による美少女ゲーム紹介

表紙イラスト玉乃井ぺろめくり
執筆陣玉乃井ぺろめくり / urute / ぐすたふ / ロケットモンキー / 神楽もろみ / おとぎりふあ / 船堀斉晃 / くろふーど / EB110SS / ジョン・K・ペー太 / Low / 四条定史 / 河原野アパラ
価格880円
発行日2025年02月24日

COMIC失楽天 2025年03月号(表紙:orico)

ワニマガジン社『COMIC失楽天』
(毎月24日)

表紙はoricoの描く調教済みの豊満ボディ♪
連動コミックでは、巨乳JDのノンストップ痴態をフルカラーでお届け!!
カノジョの妹と本能SEX、素人モデルの処女喪失……アブナイ繋がり大特集♪

(まさかこんな若い女のコが隣に引っ越してくるなんて)

フルカラーで送る巨乳JDのドスケベプレイ♪ 表紙連動! orico『隣りの穴』
最近の楽しみは、隣に住む女子大生の私生活をコッソリ鑑賞すること……。
可愛くてオッパイもデカくて、まさに超SSR美女♪
今日もいつものように眺めていたら、何やら年上の男が来客…?
「ちゃんとつけてる?」「…はい」
スカートをまくり上げた彼女の秘部には、エグいものがズッポリ♪
ハードな調教プレイは延々とつづいて……!?

「折角だし ヤリたい様にヤっちゃいませんか?」

カノジョの妹とヤリたい放題!! 注目は、utu『一口ちょうだい!』
博也(ひろや)のカノジョ・瑠衣(るい)には双子の妹・芽衣(めい)がいた。
明るくざっくばらんな瑠衣とは正反対の内気な清楚系の芽衣に惹かれる博也。
そんなある日、風邪で寝込んだ瑠衣の代わりに、芽衣が約束のライブに現れる。
清楚系だと思っていた芽衣が普段は見せない小悪魔性で博也を誘ってきて……!?
カノジョとは違い、大きなおっぱいと大胆なフェラに我慢できるはずもなく……。

さらに大人気作の続編、どらのやま『だって発情しちゃうから』を収録!!
ついに付き合うことになった2人。お預けの日々が続き、うずうずムラムラ爆発SEX!!

ご無沙汰カップルのびしょ濡れ濃厚ラブラブH……こやま滋『コロちゃんステイ!』
着替えの最中にカメラマンが入ってきて……ねどころみつき『シャッターを閉じたあと』
ご褒美は中出し4P!? 目指せ優勝!!……またのしたさぐる『俺達の性冠ロード』
大人に翻弄される未熟なカラダ♪ 王道脅されSEX!……ごまゴリラ『悪い子になれば』

<表紙作家>
orico

<収録作品>
隣りの穴/orico
一口ちょうだい!/utu
だって発情しちゃうから/どらのやま
コロちゃんステイ!/こやま滋
シャッターを閉じたあと/ねどころみつき
俺達の性冠ロード/またのしたさぐる
悪い子になれば/ごまゴリラ

表紙イラストorico
執筆陣orico / utu / どらのやま / こやま滋 / ねどころみつき / またのしたさぐる / ごまゴリラ
価格660円
発行日2025年02月24日

【223話】化猫騒動〈その壱〉 湖畔に浮かぶ眠姫

 帝城ペンタグラムの御苑で優雅な昼食を楽しんだセラフィーナ達は、食後の運動も兼ねて湖の遊歩道を散策していた。

 貯水槽の役割を担う広大な人工湖は、妃達の暮らす離宮に生活用水を供給する心臓部だ。

 天空城アースガルズには水源がない。大気中の水蒸気から水を生成している。生活用水は帝城ペンタグラムに貯えた後、濾過ろかや消毒などの浄水処理が行われてから、張り巡らせた水道管で離宮に供給される。

 必要不可欠な生活インフラであるため、浄水施設は工務女官が日常的にメンテナンスを行っている。

「あれは何をしているのかしら?」

 両目を細めたセラフィーナは、怪訝な顔つきで遠方を見つめる。三隻の小船が湖の真ん中でなにやら悪戦苦闘していた。

 最初は溺れている誰かを救助しているのかと思った。しかし、工務女官達は爆竹を破裂させたり、鉄網を投げ込んだりと物騒なことをしている。

「あの女官達⋯⋯。本当に何をしているのでしょう?」

 工務女官達は、湖上で誰かを捕まえようとしていた。湖畔を囲む柵には「遊泳禁止」の看板が掲示されている。関係者以外の立ち入りは厳禁、誰も湖に入ってはならないのだ。

 セラフィーナの疑問にリアが答える。

「ブライアローズ様だと思います。お出かけ先で姉君のシャーゼロット様と大喧嘩されたらしいです。それで⋯⋯。その⋯⋯。金緑后宮に戻らず、帝城ペンタグラムで居候していると聞きました。⋯⋯よくある家出です」

 リアはどう説明すればよいものかと苦笑いしていた。

「湖上で起きている騒動との関連が、よく分からないのだけれど?」

「ブライアローズ様は夢遊病を患っています。色々なところで寝てしまうんです。帝城ペンタグラムを抜け出して、湖の上で寝てしまったのかもしれません」

 さらにリアの説明をロレンシアが補足する。

「今朝方、湖面に水死体が浮かんでるという騒ぎがありましたわ。眠っていたブライアローズ様を見間違えたのでしょう」

 ロレンシアは慎重に言葉を選んでいた。素行に問題はあれど、相手はアレキサンダー公爵家の高貴な側女である。

 メガラニカ皇帝の後宮ハーレムでは弁えるべき当然の礼節。しかし、騎士時代のロレンシアには見られなかったへりくだった態度だ。

 セラフィーナが愛妾の振る舞いを覚えたように、ロレンシアも側女の自覚が強く芽生えていた。

「あら? あの服装は警務女官かしら?」

 セラフィーナからすると、工務女官よりも警務女官のほうが馴染み深い。工務女官では引き上げられず、ついに薙刀を構えた警務女官が登場した。

 警務女官は多種多様な武装を扱っているが、正式な武具は薙刀である。鋭い矛先でブライアローズの腹部を突く。だが、刃先がぐにゃりと曲がってしまった。

 相手は強力な異能持ちであり、デタラメな身体能力を誇るアマゾネス族の女傑。下級女官の力では対処できない。

 警務女官は激怒し、何やら怒鳴りつけている。工務女官は慌てて暴言を止めようとした。

「あれはダメそうですわ」

 他人の苦労だと思えばこそ、セラフィーナは笑ってしまう。湖の管理を任された女官達からすれば、たまったものではない。

「ブライアローズ様はお強い御方ですし⋯⋯女官の手には負えないでしょう」

 心優しいリアは女官に同情的だった。御苑の湖は天空城アースガルズの生活水を支える水瓶だ。頑強なブライアローズが取水口に吸い込まれたら、壊れるのは浄水施設のほうだろう。

「無防備に寝ているのに、まったく攻撃が通じていない⋯⋯。控えめに表現しても怪物です」

 寝込みを襲われて無事で済む人間はいない。そう思っていた時期がロレンシアにもあった。メガラニカ帝国で暮らすようになってから、ありとあらゆる常識が通用しなくなった。特に後宮は外界と何もかもが異なる。

「女官達も苦労が多そうですわね」

 距離が遠すぎて激昂した女官達の口汚い罵倒は、セラフィーナ達には聞こえない。湖上で夢見心地のブライアローズの耳にも届いていはいないだろう。

 こうなってしまったら上級女官の応援を呼ぶか、軍閥派の実力者に引き取ってもらうかの二択だ。おそらくはタイガルラとキャルルが駆り出されて、金緑后宮に連れ戻されるだろう。

 王妃や公妃、側女から目の敵にされる女官であるが、天空城アースガルズの生活インフラは彼女達によって支えられている。

 苦労話は事欠かない。ロレンシアは帝城市場マーケットで聞いた奇妙な噂を思い出していた。

「宮中の騒動といえば⋯⋯。この前の買い出しで化猫騒動の噂を耳にしました。セラフィーナはご存知ですか?」

 取るに足らない宮中の噂話を嬉々として話題に上げる。そんなありふれた行動も、ロレンシアが宮中の暮らしに染まった証だ。

 俗世から隔離された天空城アースガルズは変化が乏しい。暇を持て余した女仙達はお喋りのネタに飢えている。

 かつてのロレンシアは無意味な雑談を嫌悪するタイプの無骨な女騎士だった。けれど、古い諺にある「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったものである。現在のロレンシアは、お喋り好きの立派な側女になっていた。

「化猫騒動? 聞いた覚えがありませんわ」

 興味津々な様子でセラフィーナは詳細を知りたがった。

鈴蘭すずらん離宮りきゅうに化猫の幽霊が現れるという噂です。軍務省の管轄下にある離宮ですが、現在は空き家で誰も使っていません。そうした主人のいない離宮は女官が清掃をしているのですけど⋯⋯」

「そこで女官が幽霊を見たっていうのかしら?」

 幽霊話の怪談はセラフィーナの好みにやや反する。好奇心旺盛な元冒険者の側女と違って、王家の温室で育てられた女王は恐怖に魅力をちっとも感じない。

「清掃で訪れた女官達は、鈴蘭離宮の廊下で猫の足跡を見つけたそうです」

「足跡?」

「はい。猫らしき肉球の足跡が床や壁に⋯⋯」

 空き家に野良猫が住み着く。珍しくもない話に聞こえるが、天空城アースガルズに野生動物は存在しない。

 女仙が発する瘴気は猛毒である。迷い込んだ野生動物は衰弱死してしまう。

 それでもペットを飼いたがる女仙はいる。一番有名なのは食用魚を大規模養殖しているウィルヘルミナであろう。瘴気の蔓延する天空城アースガルズでも魚類の飼育は可能だった。星嵐后宮の池では釣りが楽しめる。

 この他にも昆虫や植物、菌類キノコを愛育する変わった妃もいる。しかし、猫や犬は飼えない。

「後宮に猫⋯⋯? おかしいですわ。だって、天空城アースガルズで猫は生きていけないでしょう? 私達が有害な瘴毒を撒き散らしているのだから」

 瘴気で満ち溢れた後宮は皇帝と女仙だけの聖域。ベルゼフリートの実子ですら、女仙と臍帯で繋がれている胎内にいる間だけしか耐性を持っていない。

 セラフィーナ達の胎内に宿った赤子達も母胎から分娩され、臍帯の繋がりが絶たれた瞬間、瘴気の毒に犯される。

「化猫の怨霊が鈴蘭離宮に住み着き、足跡を残しているのだと女官達は噂しています」

 その噂話を教えてくれたのは、帝城市場でランジェリーを専門に扱っているショゴス族の庶務女官だった。

 ロレンシアは体型が大きく変わり、持ち込んだ衣類が着用できなくなった。それでも踏ん切りがつかず、出産前はクローゼットに昔の服を入れて残していた。

 使えない古着を捨てる決意を固めたのは初産を終えて、黄葉離宮に戻ってきた日だった。

 ショゴス族の肉体改造を受けたロレンシアは、産後も腹が膨れ上がった臨月状態のままである。宮中随一の超乳巨尻に加えて、巨大なボテ腹に合った衣服を探し出すのは苦労が多かった。

 帝城内の市場を歩き回り、ついに見つけたランジェリー専門店は、格安でロレンシアの下着を作ってくれている。ちょっとした取引の結果だ。

 ロレンシアの立派な苗床腹を見た店主は「私の卵子を寄生させてくれるのなら格安で下着をお作りします。時間をいただけるならドレス類だって仕立てますよ」と持ちかけてきた。

 市場の店舗で下働きをしている下級女官がベルゼフリートの子を孕む機会は皆無だ。しかし、ロレンシアに卵子を預ければ、代理出産してくれる可能性がある。

 ロレンシアは少し迷った。

 既に十一人の卵子を寄生させている。だが、縫製職人のショゴス族と懇意になれば、衣服で困ることはなくなる。

 一人分の卵子が増えても大した違いはない。決心したロレンシアは取引に応じ、新たな卵子を子宮に受け入れた。代償もあるが、魅力的な取引だった。

「皇帝陛下の寵愛を授かれず、悲嘆して自殺した妃が化猫になったという話です。懇意の店主から『身籠った女仙を妬んでいるから、妊娠中は鈴蘭離宮に近づかないでほしい』と警告されました。そして、つい最近、身籠った公妃の前にも化猫が現れたと⋯⋯」

「鈴蘭離宮に外で化猫を見た方がいらっしゃるのですか?」

 リアは驚いた顔で聞き返した。

「⋯⋯軍務省は見間違いだと取り合ってくれなかったそうです。噂を教えてくれた女官も、どの公妃が化猫を見たのかまでは知らないようでした」

 化猫の噂話を信じ切る気にはなれなかった。だが、寒気を感じたセラフィーナは、お腹を守るように抱いてしまう。不安な気持ちはリアやロレンシアも同様だった。

 湖畔のほとりで立ち話をしている三人の妊婦達は、大切な御子が宿るボテ腹をさすった。大きくなった腹部を妬ましい目線で睨む女仙はいる。

 後宮には数多くの美女がいるものの、皇帝の御手付きは極々一部である。そのうえ、妊娠できるのは、さらに限られた寵姫だけだ。

 嫉妬と羨望の眼差しをセラフィーナ、ロレンシア、リアの三人は常日頃から感じている。

「あれ? おかしいです。⋯⋯だって、自殺した妃様なんておられませんよ?」

 リアの知る限り、自殺した妃は一人もいなかった。天空城アースガルズで不幸な死を遂げた女仙はいない。

 過去において、有名な女仙の自殺者は、哀帝に仕えた寵姫アンネリーである。しかし、大妖女レヴェチェリナの暗躍が明らかになった今、それも歴史の再考証が始まっている。

「それに鈴蘭離宮はずっと使われていなかったはずです。私がヘルガ妃殿下の側女として入内したとき、軍務省の倉庫扱いされてました」

 リアの語るところによれば、資材置き場に困った軍務省は鈴蘭離宮を物置扱いにしたという。立地は悪くなかったが、そんな離宮を貰いたがる妃はおらず、今の今まで空き家状態が続いていた。

「もしかするとロレンシアは揶揄われたのかもしれませんわ」

「そうでしょうか? 本気で私の身を案じているようだったのですが⋯⋯」

 ロレンシアはがっかりした表情で溜息をつく。卵子を子宮に受け取ってからは、親しくしていた相手だった。

 黄葉離宮の側女以外では初めて出来た友人である。最近は帝国流の化粧や髪の手入れなども指南してもらっていた。

「その女官も別の誰かに噂を吹き込まれたのでしょう。きっとそうに違いありませんわ。たとえば廊下の汚れを動物の足跡と見間違えたとか⋯⋯。噂に尾ヒレは付き物ですわ」

 不気味な噂を払拭しようとセラフィーナは上品に笑い飛ばす。

 ところが、噂の真実性を否定する話を教えてくれたリアが、今度は真逆のことを言い放った。

「ああ⋯⋯。でも、ヘルガ妃殿下が鈴蘭離宮を調査しておられました。化猫の噂は上級妃の方々もご存知みたいです。何かはあるのかもしれません」

 王妃ヘルガ・ケーデンバウアーは主席宮廷魔術師であり、皇后に次ぐ実権を持つ上級妃だ。セラフィーナは嫌な予感を覚えた。

(多忙なヘルガ妃殿下が調査? いいえ、あの御方は変わり者だから興味があれば動きそう。けれど⋯⋯軍閥派の上級妃が出張るほどのことかしら?)

 一昔前なら笑い飛ばせる怪談だった。しかし、大妖女レヴェチェリアは天空城アースガルズの最深部に分身を仕込み、もっとも警備が厳重な帝城ペンタグラムの一角を吹き飛ばした。

 他にもアンネリーの首飾りなど、危険な忌物がメガラニカ帝国には伝わっていた。

「化猫の噂が真実だったとしても、鈴蘭離宮に近づかなければいいだけのことですわ」

 セラフィーナは鈴蘭離宮に近づかないと心に誓った。しかし、その誓いは三日後に破られる。セラフィーナとロレンシアはヘルガの呼び出しを受けて、鈴蘭離宮の調査に同行を強いられる。

【222話】教皇庁の思惑 異端の乙女

 その日、ルテオン聖教国の教皇庁では密談が行われていた。

 老婆は机上の古びた羊皮紙を束ねる。

 教皇庁の機密文書館から集められた歴史的資料。メガラニカ皇帝に関するあらゆる記録を蒐集し、重要な記述を書写したものである。

 老眼鏡をかけた老婆はメガラニカ帝国と教会の歴史を遡った。歴代の年代記作家が遺した膨大な資料を読み解くのは一苦労だった。しかし、労苦に見合う大きな学びはあった。

「教会の頂点に君臨する教皇は、メガラニカ帝国の連邦制度に組み込まれた際、法王に名を改めた。破壊帝による大虐殺時代、教会は独立し、再び名誉を取り戻した。現代の教会は忌まわしき過去に取り憑かれ、メガラニカ帝国を過度に敵視しているが、これはに過ぎない」

 枢機卿の地位を預かる老婆は、年若い修道女に語りかける。身分は天と地ほど開いている。しかし、老女は眼前の乙女を高く評価している。

「さて、ここまでの前置きを聞いたうえで、ぜひ貴方の意見は? 私の主張はに聞こえますか?」

 老婆は問いを投げかける。半端な覚悟しか持たぬ俗物であれば、枢機卿の機嫌を損ねない回答を必死に探るだろう。無論、そんな答えは望んでいない。

 修道女は臆する様子も見せず、期待通りの応答をしてくれた。

「はい。恐れながら、です。主流派の耳に入れば貴方様の地位も危ぶまれます。教会の尊厳を踏みにじる勢力を擁護していると受け取られるでしょう」

「メガラニカ帝国は教会の尊厳を踏みにじる勢力ですか?」

「メガラニカ帝国は教会の敵になりえます。これまでの五〇〇年間、鎖国状態でありましたが、皇帝の即位で息を吹き返しました。中央諸国にとって大きな脅威となりつつあります」

 修道女は取り繕いのない本心を語る。静かに耳を傾ける老婆は満足げに頷いた。

「正しい見解だ。貴方はとても優秀な修道女ですね。牢に入れておくのが惜しい。この意味は分かっておりますね?」

「⋯⋯⋯⋯」

 修道女は目線を伏せる。監置室と呼ばれる一室に修道女は閉じ込められていた。鉄格子の扉は外から鍵がかけてある。外観は牢屋と大差がない。

 居心地は悪くない。良いところは、寝具や日用雑貨などが備わっていることだ。鉄格子付きではあるものの、広い窓から外を眺めることもできる。

「私が先ほど述べた歴史の解釈は、貴方の書斎で見つかった論文から抜粋したものです。よく出来たレポートでしたよ。ああ、でも、念のために確認しましょう。貴方が書いたもので間違いありませんか?」

「はい」

「誤魔化しどころか、弁明も要求しないのですね。貴方は」

「異端審問の際に告白しております。隠すつもりはございません」

「残念です。貴方が用心深く立ち回っていれば、教皇候補者に残り続けていたでしょう」

「⋯⋯⋯⋯」

「異端として名を奪われることもなく、現在のような不名誉な立場にも立たされなかった」

「恐れながら⋯⋯。貴方様が何を言わんとしているのか、理解に苦しんでおります」

「実直であれど、その美徳も度が過ぎれば身を滅ぼす。出世したいのなら保身を考えに入れておくべきでした」

「つまり、私が愚か者だと?」

「貴方は賢い。愚か者ではありません。しかし、馬鹿正直な生き方が許されるほど、教皇庁は甘くないと言っているのですよ」

 枢機卿は笑顔を崩さない。皮肉と受け取れる言葉を吐きつけ、修道女の反応を見ている。

「教会とルテオン聖教国の未来を憂いて行動していたつもりです。恥ずべき振る舞いはしておりません」

「存じておりますとも。貴方はメガラニカ帝国と友好関係を結ぶべきだと考えている。異端者と糾弾されても、自身の論説を曲げなかった。お美事な頑固っぷりです」

「歴史を読み解けば分かります」

「何が分かるのですか?」

「意地の悪いことをなさる⋯⋯。貴方様は承知のうえで質問をされておりますね」

「長生きの秘訣です。老人は性格が悪くなるものですよ。さて、底意地の捻くれた私にご教示いただけませんか?」

「メガラニカ帝国の皇帝と戦えば負けます。絶対に勝てません」

「戦いに絶対はないと思いますが?」

「⋯⋯万が一にでも勝ってしまったら、負けたとき以上の犠牲が出ます。言葉選びを間違えました。絶対に勝ってはいけないのです。それこそ、大陸全土の文明が滅びかねないほどの被害が出ます⋯⋯。メガラニカ帝国とは適切な距離を取りつつ、友好関係を結ぶべきです」

 教皇候補だった才女は異端者の烙印を押され、追放処分の身に落ちた。聖籍を抹消され、名もなき修道女として地下牢に繋がれていた。

「至極真っ当な意見です。しかし、現在の教皇庁では受け入れ難い思想だ。ゆえに貴方は異端者として隔離されています。枢機卿会議の馬鹿さ加減にも呆れるばかです」

「その発言⋯⋯良いのですか⋯⋯? 私が密告すれば異端審問にかけられますよ?」

「密告しようとする者は、そんな態度は取りませんよ。貴方を追い落とそうとしたルームメイトは、事前に密告すると警告してくれたのですか?」

「⋯⋯⋯⋯。いいえ」

「少しは他人を疑うことですね」

「人を信じるのは美徳です。私が誤った道を歩まぬように止めようとしてくれた。そう考えることもできます」

「そんな高尚な理由ではないと思いますよ。単純に教皇候補のライバルを追い落としたかったのでしょう」

「⋯⋯年齢を重ねた聖職者は性格が悪くなると聞きました。事実のようです」

「私は悪徳を積み重ねた枢機卿ですからね。だからこそ、教会の生き残る可能性を高めるために全力を尽くせるのです」

「アルテナ王国の女王セラフィーナと皇帝ベルゼフリートの再婚を認めるように働きかけたのもそのためですか」

「手打ちは必要です。メガラニカ帝国の侵攻をグウィストン川に押し止めました」

「教会が説いてきた性道徳に反しています」

「政治の清濁です。何よりもこちらが譲歩しなければ、メガラニカ帝国は王女だったヴィクトリカを亡き者にしていたでしょう。女王セラフィーナが懐妊した時点で、娘のヴィクトリカは唯一無二の駒ではなくなった」

「東アルテナ王国を緩衝地帯とする計画は良案です。しかしながら、我らが担ぎ上げた王女ヴィクトリカはメガラニカ皇帝の御手付きとなり、男児を産んでしまいました。東アルテナ王国の女王に即位しても、この事実は消えません。⋯⋯将来的には武力侵攻の口実とされかねません」

「そうですね。現在のところ、アルテナ王家で唯一の男児です。世間一般には父親が誰であるかは伏されているものの、帝国の虜囚であった時期の懐妊となれば、答え合わせは簡単です」

 ヴィクトリカが秘密出産した男児は、明らかにベルゼフリートの子供だった。

「あちらとこちらの価値観は異なります。それでも交渉できる相手です。中央諸国の国々が暴走する前に、教会としてメガラニカ帝国と関係を築いておくべきかと⋯⋯。私は常々、そう思っております」

「現在の枢機卿会議が迎合的な方針を許すと思いますか?」

「いいえ。だから、私はこの通りの有り様です」

「とはいえ、教皇庁も馬鹿者ばかりではありません。何よりも貴方のように本音を垂れ流す正直者ばかりでもない。唐突ではありますが、その部屋から出られるようになりますよ」

「僻地の修道院に送る目処がつきましたか?」

「違いますよ。貴方が行く場所は西方の果てです。グウィストン川を渡ってもらいます」

「メガラニカ帝国に⋯⋯?」

「異端審問で有罪となった貴方は、出自と真名を抹消され、聖籍も剥奪されています。新しい生まれと名前をあげましょう」

「私に何をさせたいのです?」

「メガラニカ帝国との衝突を避け、友好関係を築くのなら、橋渡し役が必要です。幼帝ベルゼフリートは女好き。後宮には千人以上の美女を侍らせているそうです」

「私は貢物ですか」

「貴方の容姿は優れておりますからね。おかげでルームメイトからの妬心を向けられたようです。教皇候補を脱落したからといって、貴方の価値が無くなるわけではない。教会のために働いてもらいます」

「私を貢いだところで、相手が受け取るとは限りません」

「まずは送りつけてからでしょう。拒否されれば次を考えます」

「承知しました。それが教会の信徒を守ることに繋がるのなら引き受けます」

「貴方の自己犠牲に感謝します。教会の理想は、メガラニカ帝国が聖大帝時代のように戦争を忌避し、対外戦争を引き起こさぬ平和国家であり続けることです」

「幼帝ベルゼフリートが栄大帝や破壊帝のようになってもらっては困ると⋯⋯」

「ええ。まさしく。大陸史に名を刻む栄大帝と破壊帝。一方は大宰相ガルネットと共に大陸統一の偉業を成し遂げ、もう片方は大陸に大虐殺と荒廃を齎した。両者に共通するのは、勢力拡大に意欲的だった点です」

「世論工作は難しいですよ⋯⋯。メガラニカ帝国内で聖大帝は尊ばれていると思います。しかしながら古すぎます。大昔の人物です。栄大帝の偉業に比べれば威光は霞みます」

「工作活動はこちらの仕事です。貴方は橋渡し役。いわば、友好親善大使です。教会とメガラニカ帝国の衝突を避けるための保険となってください」

「焦っておられますね。バルカサロ王国の手綱が切れましたか?」

 修道女は本質を突いた。それまで表情を崩さなかった老婆が口元を歪ませる。

「さすがですね。その通り。バルカサロ王国はどう転ぶか分かりません」

「内乱ですか?」

「当初は枢機卿会議も戦費調達の重税で地方反乱が起きたと思っていました。しかし、そういうレベルではなさそうです。バルカサロ王国の軍師団が機能していません」

「地方反乱なら国軍が動きます。動けない理由は⋯⋯」

「可能性は二つあります。国軍が反旗を翻したか、争い合ってる勢力のどちらにも加担できない事情がある」

「国軍による反乱は考えにくいです。機能不全を起こしているのなら後者でしょう。王位継承を巡って何かが起きているのでは? 王族絡みとなれば国軍の動きは鈍くなります」

「いずれにせよ、バルカサロ王国の国内情勢は緊迫しています。教会の干渉は逆効果になる。だから、手綱を握るような真似はできなくなりました。このような国際情勢です。貴方が果たすべき役割の重要性を認識いただけましたか?」

「メガラニカ帝国の後宮に入り、皇帝の女になれと仰るのですね」

「異端認定された時点で、貴方は聖職者の道を絶たれています。乙女である必要もないでしょう。新たな名前と身分は近日中に伝えます。後宮入内を果たした暁には、皇帝ベルゼフリートの子を孕む。それくらいの覚悟を持ってください」

「承知いたしました。心得はありませんが、微力を尽くし、女を磨いておきます。ルテオン聖教国と教会のために⋯⋯」

 枢機卿の面会から一週間と経たずに、教皇候補者だった乙女は新たな名を与えられた。旅立つ先は西の最果て、メガラニカ帝国の帝都アヴァタールに向かう。

【221話】夫婦双愛、宰相の后宮にて〈下〉

「ねえ。ウィルヘルミナ。久しぶりに地上でデートしない? お出かけしながらイチャイチャしたいな。お忍びでさ、他の妃達にも秘密で⋯⋯。やってみない?」

「いけません。しばらくの間、地上外泊は禁止です」

 ウィルヘルミナは断固たる態度で首を横にふる。

「ちっ! ダメか」

「皇帝陛下、おそれながら言葉遣いが悪いですよ。ネルティの悪癖が移っていますね」

「サキュバスなのにウィルヘルミナはお固いよ~。もっとさ、オッパイと同じくらい柔らかくなろうよ~。楽しくデートして、いっぱいセックスしようよ。ね?」

「ダメなものはダメです。きちんとした理由があります」

「それは何度も聞かされた」

「⋯⋯冒険者組合が本部機能を帝都アヴァタールから移そうとしている動きは分かっておりますね?」

「えーと、うん。この前にやった交渉でしょ。ちゃんとアルテナ王国の王様として、セラフィーナと一緒に取引をしたよ。⋯⋯それって関係あるの?」

「国外の情勢が荒れております。冒険者組合によれば、中央諸国ではメガラニカ帝国に対する危機感が高まり、軍事力を増強しています」

「そりゃ、そうだろうね。アルテナ王国をケーキみたいに分割しちゃったんだ。嫌われもするよ。でもさ、僕らからすれば、先に喧嘩をふっかけたのは向こうだ」

 ベルゼフリートは口を尖らせる。戦争回避のために三皇后が最後まで動いていたのをベルゼフリートは知っている。

 始まってしまった戦争はメガラニカ帝国の圧勝であった。しかし、戦場に投入された兵士の厭戦機運は、三皇后の想定を超えていた。

 女官総長の大反対を押し切り、皇帝ベルゼフリートを制圧後の王都ムーンホワイトに派遣し、現場の士気を高めなければならなかった。

「もしかしてさ。中央諸国でメガラニカ帝国の悪評を流してるのは⋯⋯」

「セラフィーナの前夫だったガイゼフ・バルカサロです。帝国の脅威を喧伝しています」

「あの人も頑張るね。ご苦労なことだ」

「恐れながらメガラニカ帝国の皇帝に私的な恨みが深いようで⋯⋯。なぜでしょうね。心当たりがございますか?」

「ウィルヘルミナだって分かってるくせに⋯⋯。白々しい」

「息子を殺され、妻を寝取られたからでしょうね。あと愛娘も辱めて妊娠させたりも」

「はい、はい。業の深さは自分自身が分かっておりますよー。僕とセラフィーナに対する怨恨はいかほどかな? 道徳的には反論できないのが辛いところだ。一つだけ言い訳をするなら、戦争を終わらせるには、僕とセラフィーナが子作りするしかなかったじゃん、って感じかな?」

「それらのことは講和条約で中央諸国に飲み込ませました。不本意であれ、中央諸国は女王セラフィーナの再婚を認めています。前夫が騒ぎ立てたところで、そこまで問題はなかったのですが⋯⋯」

「不穏な言い回し⋯⋯。復讐心に燃えたガイゼフが東アルテナ王国を焚きつけて攻めてくるとか?」

 ベルゼフリートは地図を指差す。グウィストン川の東側では女王ヴィクトリカが反帝国感情を持つ民衆を集めている。メガラニカ帝国も逃げていく民を黙認していた。

 反乱分子を抱え込んでも持て余すだけだ。恭順しないのなら、捨ててしまえと放置していた。

「いいえ。戦争の最前線に立たされたアルテナ王国はメガラニカ帝国の力を思い知りました」

「現場の兵士は復讐戦をする気にはなれないだろうね。少なくとも戦力が揃うまでは」

「東西の経済格差は如実に現れています。分断といえど、東西で三対七です。穀物地帯は西側に集中しているため、国力差は覆りません」

「儲けすぎって話まであるじゃないの? 僕のところに陳情が来てたよ。『メガラニカ帝国との交易で西アルテナ王国の商人が大稼ぎしてる。あいつらはずるい!』ってさ。旧帝都ヴィシュテルの復興費を捻出させるから、少しは落ち着いてきたみたい」

「東西のアルテナ王国で大きな問題は起きていません」

「東側も?」

「東側の統治にガイゼフは関われていないようです。ヴィクトリカはそれなりに賢明な君主です」

「勝ち目のない戦いをするほど馬鹿なわけじゃないと⋯⋯。ん~。どうだろね? ヴィクトリカはメガラニカ帝国に単身で侵入するくらい無謀だよ?」

「無謀さはバルカサロ王家の血筋かもしれません。我が国として懸念してるのは、むしろバルカサロ王国の本国です」

「最初の戦争だって発端はバルカサロ王国だった。まだ帝国の土地を諦めてないの?」

「予測がつきません。国内情勢の混乱に拍車がかかり、行き過ぎた国粋主義がどんな暴走を起こすか⋯⋯。危険視しています」

 バルカサロ王国はメガラニカ帝国との正面衝突を避ける程度の狡賢さがあった。

(損得勘定ができる軍事国家でした。しかし、それは先の戦争で大敗北を喫する前の話⋯⋯。伝え聞く情報を分析すると、国家の著しい変質が起きているように思える)

 ウィルヘルミナは地図上のバルカサロ王国を睨みつける。国家の規模でいえば、小国のアルテナ王国とは比較にならない国土を誇る。

(最大の友好国であったアルテナ王国とは断絶している。反帝国勢力の東側ですら、バルカサロ王国を卑怯者と罵る状況です)

 戦争に巻き込まれた挙げ句、もっとも被害を受けたアルテナ王国はバルカサロ王国に対し、強い怒りを向けていた。バルカサロ王国は同盟国だったアルテナ王国を完全に切り捨てた。

 この事実は国民感情を悪化させた。

 少数ではあるものの、一部の国民は皇帝の愛妾となったセラフィーナを支持している。その背景はバルカサロ王国の裏切りに起因していた。

「バルカサロ王国とは北部で国境が接しております。急峻な山岳地帯であるため、人の往来は制限されていますが、ここ最近になって西アルテナ王国に密入国する民が増加しています」

「え? なんで? わざわざメガラニカ帝国の勢力圏になった西側? まさか敵情視察ってヤツ?」

「着の身着のままで逃げ込んでいるようです」

「⋯⋯難民じゃん」

 ベルゼフリートは呆れた口調でつぶやいた。

「バルカサロ王家の統治が揺らいでいます。アルテナ王国ほどではないにしろ、敗戦の影響は及んでいるはず⋯⋯」

「でもさ、バルカサロ王国は戦場にならなかった。直接の被害は全てアルテナ王国が受けたんだ。どうして難民が出るわけ?」

「地方反乱が起きているかもしれません」

「⋯⋯⋯⋯」

「そんな顔をしないでください。敵国が弱っているからといって、こちらから攻めたりはしません。大妖女レヴェチェリナが帝都を襲撃した際、敵が魔物であったため、バルカサロ王国とルテオン聖教国は静観してくれたのですから」

 中央諸国に対する働きかけでは、魔狩人と冒険者組合が大きな役割を果たしてくれた。

「万が一に備えて、タイガルラやキャルル、それにブライアローズまで国土防衛に動員してたって、僕は聞いてるよ」

「外交は軍事力が大前提です」

「世知辛い世の中だ」

「目下のところ、メガラニカ帝国が取り組まなければならない課題は旧帝都ヴィシュテルの復興です」

「とんでもない金額を注ぎ込むもんね」

「外国に干渉しているような暇はありません。西アルテナ王国の管理だけでも手一杯なのですから」

「そういえばさ、復興したらあっちに遷都するの? しないって話だったよね? 帝都帰還の議論が盛んらしいじゃん」

「ドワーフ族はそう主張していますね。現実的にはエルフ族の反対が根強いので難しいです。私も帝都を遷す気はありません」

「ドワーフ族には悪いけど、今更って感じだもんね。僕も帝都を移すのは非現実的だと思う」

「しかしながら、法律的な話をすると、帝都アヴァタールは未だに臨時首都だったりします」

「じゃあ、五百年くらい臨時首都のまま?」

「当時の事情を知っているのは大神殿の大長老達⋯⋯それこそカティア神官長やアストレティア王妃くらいなものですけれどね。長命なドワーフ族からすれば祖父祖母の悲願と言ったところでしょうか」

 ウィルヘルミナはベルゼフリートの灰色髪を撫でつける。半端な癖毛であるため、伸びてくると毛先がヘンテコな方向に曲がってくる。

(今朝のお相手はヴァネッサですか。女官総長は澄ました顔でヤることはヤっていますね。まったく本当に⋯⋯ショゴス族の女官メイドは節操を知らない)

 上級サキュバスのウィルヘルミナが匂いを嗅げば、誰が夜伽役を担当したかすぐ分かる。

「あ! そうだ。ウィルヘルミナに聞くことがあった! 来年に妃の入内があるんでしょ?」

「予定はしております。派閥間の調整や選定基準で三頭会議を開催することが決まりました」

「じゃあ、年内に女官の登用試験があるってのは本当? ヴァネッサに聞いても教えてくれないんだ」

「工務女官を増員しなければなりません。技巧系の職人枠で募集をかけます。天空城アースガルズの総点検を年内に完了させるためです」

「ああ、なるほど。ここ最近の工務女官は大忙しだったね」

「⋯⋯とは言うものの、技量と美貌を兼ね揃えた逸材は、既に女官登用されています。年齢制限を低くして受験者を増やす予定ですが、合格者は多くとも二十人程度でしょう」

 皇帝の血酒を飲んだ者は、適合すれば不老不病の女仙となる。短命な種族であっても、当代の皇帝が存命する限りは生き続ける。

 生涯現役を貫くことになる。そのため、女仙の質は落とせなかった。後になって暗愚な女だと分かっても、女仙になってしまったら宮廷から追い出せない。

(皇帝陛下にはまだ話せませんが、ルテオン聖教国からの貢女こんにょについて、そろそろ判断を下さねばなりませんね)

 教会の総本山があるルテオン聖教国は、水面下でメガラニカ帝国と接触し、とある交渉を進めていた。すぐさま中央諸国との緊張関係が緩和するわけでないが、突発的な武力衝突は避けたい。それが互いの本心だった。

(教会がどのような女を送ってくるかは興味があります。融和派からの提案と考えれば、それなりの人格者。有能な人間なら皇帝陛下の手練手管で絡め取りたい)

 ウィルヘルミナはベルゼフリートの男根を指先でまさぐり始めた。下着の中に手を突っ込み、陰嚢を揉みほぐし、勃起した肉棒を握る。

(あぁ♥ なんて逞しいオチンポなのでしょう♥ こんなに過敏に反応して♥ 亀頭が我慢汁でベトベトですね♥ くふふふ⋯⋯♥ 今夜のセックスが楽しみです♥)

 悦びを隠せず、淫魔の尻尾が震える。後宮で暮らす女にしか味わえない性悦の極致。一度でも交われば快楽の虜になる。教会の淑女では想像できない世界が後宮にはある。

COMIC BAVEL 2025年3月号(表紙:しおこんぶ)

文苑堂『COMIC BAVEL』
(毎月22日)

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『初恋の従者』江ノカ

兄嫁の淫乱な肉体を満たす! 禁断の火遊びーー。
『なかったことにすればいい』定宏

お茶目で欲求不満なOLと不思議な生き物の危険な遊び♪
『ハッピータイム』柴崎コウ

真面目女子のまさかの豹変! イキすぎドS覚醒プレイ☆
『SちゃんとMくん』萠乃雪路

ドすけべお姉さんと興奮が止まらない生ハメFUCK!
『Hは100点の後で』waves

バブみ強めな小柄カノジョのご褒美えちえちタイム☆
『甘えたってイイんですよ?』二条かため

乳圧MAX幼なじみとのドキドキ校内ラブコメエッチ☆
『いっぱい犯していいですか?』お坐

新人賞佳作! 派手ギャルに想いを告げるイチャラブH♪
『初Hは幼なじみで』ぽぺにすた

笑って共感できる癒やし系日常コメディ第96話っ♪
『ほのみぶれいくっ! 第96話』夢乃狸

悪役が恋の気持ちに目覚める時!? ウブな悪党の攻略術!!
『チョロかわ女幹部さん』すなぎもDX

表紙イラストしおこんぶ
執筆陣しおこんぶ / 玉砂糖 / nanohana / 遠野えすけ / オジョウ / コットン / 香山リム / そら豆さん / あずみ京平 / みなまっくす / 葱戸ロン / ヤマダユウヤ / ミツき / うさ城まに / 箱れぇま / 絢乃ばる / Flugel / ヒノ山田 / 来太 / ヲナヲ / サンクロワ / はつやすみ / 江ノカ / 定宏 / しばさきこう / 萠乃雪路 / waves / 二条かため / お坐 / ぽぺにすた / 夢乃狸 / すなぎもDX / Dermar / 湊ゆう / コミックバベル編集部
価格通常版:1,210円(税込)
FANZA【デジタル特装版】1,430円(税込)
発行日2025年02月22日

COMIC MILF 2025年2月号(表紙:シェルツ)

ティーアイネット『COMIC MILF』
(偶数月22日 販売2ヵ月のみ)

【表紙】
シェルツ

【執筆陣】
高津「夏、田舎、畳と布団、母。」
ジャイロウ「令和性教育実習革命!〈第2話:メスとオスは多いほど盛り上がる!〉」
青妬かげ「お姉ちゃんとおそろいのパーカーえっち結」
成島ゴドー「ご近所さんは実はHなお姉さんでした〈第1話〉」
遠峰犬玉「爆乳デカ姉と少年」
SINK「ヤリ穴の妻たち〈その1〉」

表紙イラストシェルツ
執筆陣シェルツ / 高津 / ジャイロウ / 青妬かげ / 成島ゴドー / 遠峰犬玉 / SINK / 鳥空マヨ / MUJIN編集部
価格899円
発行日2025年02月22日