2024年 2月22日 木曜日

【美少女文庫】アネハメ 姉の最強魔眼に魅入られて(フランス書院)

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【美少女文庫】親の遺した借金で人生詰んだ→学園一の美少女令嬢に買われました。(フランス書院)

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【美少女文庫】異世界チートWエルフ嫁(フランス書院)

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【魔法少女フェアリーナ ~怪人女王に悪堕ち変身~】第零章 厄災の終焉、魔法少女フェアリーナ

短編小説魔法少女フェアリーナ【魔法少女フェアリーナ ~怪人女王に悪堕ち変身~】第零章 厄...

「もう逃げ場はないわ。ついに貴方を追い詰めた! ここまでよ! !!」

「ぐぅっ……! くそが……!!」

 怪人の支配者に相応しい異形の化物。その身体は傷だらけだった。口元から漏れた紫色の血液を腕で拭う。おどろおどろしい異形の面貌には冷や汗が滲んでいる。絶体絶命の窮地。しかし、威風堂々たる風格と眼光の鋭さは衰えていない。虚勢であろうと怪人王ジェノシスは、悪の化身として生まれたプライドを貫き通した。

「おのれ……! よくも、よくもォ……!! この俺をここまでっ……!」

 表皮に血管を浮き上がらせて激昂する。不倶戴天の怨敵、魔法少女フェアリーナを睨みつけた。

「この屈辱! 絶対に許さんぞ! 魔法少女フェアリーナぁあああああああああああああっ!! くらえっ!! 大魔炎弾デストロイ・フレイム!!」

 枯れかけている魔力を絞り出す。魔法で顕現させた無数の炎球が魔法少女フェアリーナに襲いかかった。

「あはっ♪ 攻撃のつもり? なぁーにそれぇ? 怪人王のくせに弱すぎ! ちっぽけな花火にしか見えないわ」

「ほざくなっ! 人間のメスガキ風情がぁっ!!」

「よわよわっ! 笑っちゃう! 苦し紛れの攻撃が魔法少女に通じるわけないじゃない。その程度の威力じゃ、私の魔法防壁は破れない。配下の雑魚怪人達のほうがもうちょっと頑張ってたよ?」

「ぬぐぅッ!」

「ほらほらぁ~? 髪の毛一本すら燃やせないのかしら? もうちょっと頑張りなさい。怪人王の名が泣いてるわよぉ?」

 灼熱の炎が直撃する寸前、不可視の壁に怪人王ジェノシスの攻撃は阻まれた。

「脆弱、貧弱、惰弱! 雑魚の親玉も結局は雑魚なのかしら? ざぁ~こっ! こんな弱っちい魔法でよく今まで戦えてたわね。あっ! そうか、逃げ回ってたんだっけ?」

「くうぅっ……!」

 怪人王の大魔炎弾は最新鋭の戦車すら燃やし尽くす威力だ。人類が誇る現代兵器を灰燼に帰す恐るべき攻撃であった。しかし、魔法少女フェアリーナにダメージは与えられない。

(くそっ! 生意気なっ! だが、渾身の一撃をこうも安々と防ぐとは……! 凄まじい魔力が防壁に込められている!)

 魔法の暴力を振るう怪人は人類の天敵だった。科学技術に基づく物理的な破壊兵器では、魔法の防壁を突破できない。同じく魔法の使い手である魔法少女フェアリーナだけが怪人に対抗できる。

(今の儂では……、いや、たとえ万全の状態だったとしも、あの魔法防壁は破れぬ! 強いっ! 強すぎる!! 悔しいが認めるしかない。魔法少女フェアリーナ! このガキは怪人王である儂より遙かに強いのだ……!!)

 万策尽きた怪人王ジェノシスは悔しげに歯を噛みしめる。屈辱で歪んだ表情の裏には恐怖心があった。

(敗北ゥ……! あるえん! 怪人王が負けるというのか!? こんなちっぽけなガキにィっ!!)

 今まで大勢の人間を虐殺してきた悪しき怪人の首魁は、初めて死の恐怖に直面していた。

「貴方の負けよ。その悪趣味な玉座に填め込まれた隕石が貴方の心臓部なんでしょ?」

「うっ……!?」

「歴代の魔法少女が何度も怪人王を追い詰めた。だけど、滅ぼせなかった。その石ころを砕かない限り、貴方は復活し続ける。そういうカラクリだったのね!」

「…………くっ!」

 怪人王ジェノシスは無言を貫く。玉座を庇うように立ち尽くす間抜けな姿は、魔法少女フェアリーナの指摘を全肯定していた。

(配下の怪人は全て屠られた。儂のコアである宿魂石が完全に破壊されれば……儂はこの世界から消滅してしまう。このガキさえいなければ……っ! くそっ! くそぉおっ!! 下等な人類ごときに負けるなどぉおっ……!!)

 銀髪の魔法少女フェアリーナは勝ち誇った笑みを浮かべた。

「半世紀も続いた魔法少女と怪人の戦いは今夜で終わりよ」

 歴代の魔法少女に成しえなかった怪人王ジェノシスの討滅が果たされようとしている。怪人災害がついに終焉を迎える。眼前の宿魂石を破壊すれば、怪人王ジェノシスの命は潰えるのだ。

「諸悪の根源である貴方を倒し、怪人災害が存在しない平和な世界を取り戻すわ!」

「平和……? くっくくくく! 平和だと? そんなものはない! 人類が真の平和を手にするはずがないのだ。悪は滅びぬ! 悪の権化である儂は何度でも蘇るのだ! 自分が絶対の正義で、純粋な善と信じ切っているお子様には理解が及ばぬらしいな! くはっははははははは!」

「命乞いだったら聞いてあげたのに負け惜しみ? 可哀想な奴。雑魚は雑魚らしく不様を晒して叫べばいいわ! 正義の鉄槌を私が下してあげる!!」

「魔法少女フェアリーナ! 貴様は無知蒙昧だ。何も分かっていない! 宿魂石が破壊されようと悪は滅びぬ! この世に正義はなく、清らかな善などない! いずれは貴様も思い知るだろう……!!」

「負け犬の遠吠えだわ。怪物の貴方に改心なんて期待しない。地獄で好きなだけほざいてなさい! 怪人災害で亡くなった人々の無念を晴らす……! 私のパパとママを殺した罪……! その薄汚い命をもって償うがいいわ!! 正義と善は存在するわ。魔法少女こそがその証明よ!」

「怪物……! 儂が怪物かっ! ならば問おう! 魔法少女フェアリーナ! 貴様は怪物以上の化物ではないのか!? どちらが正しかったか、思い知るぞ! くはっはははははははは……!!」

 怪人王ジェノシスは狂気じみた高笑いを上げる。怪人の首魁は堂々たる不遜の態度だった。これから塵にされるというのに、魔法少女フェアリーナを嘲笑っていた。

「ふんっ! 正義は勝つわ。貴方は悪だから負けたのよ。裁きの業炎で焼き尽くしてあげる」

 魔法杖に魔力が集まる。魔法少女フェアリーナの膨大な魔力が一点に集中し、眩い聖光で辺り一面が輝いた。背中の妖精羽から、微細な光子の鱗粉が発生している。

(妖精の鱗粉……! あれが来るかっ! 怪人には猛毒! 軟弱な怪人であれば一呼吸で死に絶える! だが、真の恐ろしさは業炎の火種となること! いかなる怪人も攻略できなかった必殺魔法! この儂ですらも抗えぬ魔法攻撃の極み……!!) 

 怪人王ジェノシスが造り上げた怪人を一撃で葬ってきた魔法少女フェアリーナの必殺の大魔法。歴代最強の魔法少女が放つ魔法攻撃は、正真正銘の一撃必殺技。怪人王ジェノシスですら、この魔法攻撃を防ぎきる方法を見つけられなかった。

 相手は無敵の魔法少女フェアリーナ。怪人の敗北は必然だった。

「銀焔は悪に裁きの鉄槌を下す! 己の罪を悔い改めなさい!! ――必殺魔法ジャッチメント・インフェルノ!」

 天に掲げられた魔法杖から火花が散る。空気中に漂っていた魔法鱗粉が一斉に起爆した。微細な一粒に込められた甚大な魔力が炸裂し、全てを焼き尽くす業炎が顕現する。

 凄まじい爆発は怪人王ジェノシスの魔法防壁を木っ端微塵に吹き飛ばし、怪人細胞で形成された肉体を粉々に燃やし尽くした。

「おのれ! おのれぇえ! 忌まわしい浄化の炎めっ! 儂の身体が滅びてしまうぅうっ!! くそっ! くそぉぉぉおおぉぉっ! ちっぽけな小娘に怪人王の儂が負けるなどぉおお! あっていいものかあぁぁぁっ! ぐぎゃあああああああああああああああぁぁ!!」

 溶鉱炉に落ちても傷付かない怪人王ジェノシスの身体が灰となって、燃え尽きていった。しかし、まだ魔法少女フェアリーナの攻撃は終わらない。

「我が名は魔法少女フェアリーナ! 災厄の王に終焉を与え、新たな時代を告げる魔法少女! 今宵、星読の予言は果たされる……!! 塵となって滅びなさい!! 巨悪の化身ッ!!」

 大龍の姿に転じた業炎は宿魂石に食らいつく。怪人王の玉座に填め込まれた漆黒の隕石。怪人王の肉体を滅ぼした魔法少女はこれまでにも存在した。しかし、コアである宿魂石の破壊に成功した魔法少女は一人もいない。

 ――宿魂石に亀裂が走る。

 怪人王の宿魂石は怪人細胞を生み出す元凶。物理的な破壊を拒む魔法物質である。正体は半世紀前に宇宙から飛来した隕石だった。魔法少女を支援してきた政府の研究者は、怪人王の心臓部分が別にあると突き止めた。

 ――灼熱の業炎に焼かれ続けた宿魂石はついに砕け散った。

 第十三代目の魔法少女フェアリーナに手によって、半世紀に及ぶ怪人王との戦いに終止符が打たれた。

 銀髪紅眼の美少女は燃やし尽くした怪人王の拠点を見渡す。死闘の夜は終わり、崩れた天井から朝陽の光が差し込んでいた。

「パパ、ママ……。全部、終わったよ。怪人をこの世から消滅させた。一匹残らず駆逐した……! 怪人王ジェノシスが消滅した今、怪人災害はもう起こらないわ」

 膨大な魔力量を誇る魔法少女フェアリーナだったが、全ての魔力を使い果たした。変身状態が維持できなくなり、普通の少女に戻ってしまう。

 銀色に輝いていた髪は漆黒に、紅の炎を宿していた両眼は黒茶色に染まる。魔法で換装していた戦闘衣装は、ありきたりな学校制服に変わった。魔法少女に変身していなければ、彼女は普通の少女なのだ。

「やった……! 私がやったんだ! 悪をこの世から滅ぼした……!!」

 怪人王がこの世から消滅すれば、魔法少女の存在理由はなくなる。戦いに駆り出されることはなく、平穏な人生を送り、好きな人と幸せに暮らす。

 ――このとき、姫神ひめがみ美羽みうは幸福な未来が訪れると信じ切っていた。

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