2024年 2月22日 木曜日

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【138話】女官メイドの寡黙な一日〈午後〉

NOVEL【138話】女官メイドの寡黙な一日〈午後〉

 

 帝城ペンタグラムは皇帝ベルゼフリートの居城であり、多くの女官が暮らす本拠である。下層には天空城アースガルズの炉心機関部がある。浮遊島の全エネルギーを担う動力炉、低層雲からの淡水抽出、上下水道および浄水場、地上からの物資や人員を運ぶ昇降籠、数々の重要施設が集中していた。

(下級女官の食堂に来るのは久しぶりです。まさか陛下と一緒に来る日がこようとは⋯⋯。人生、何があるか分かりません)

「うわぉお~っ! すごい! 大食堂だ⋯⋯! 初めて来た! 広い! でかいっ!! 知らない女官がたくさんいる⋯⋯!」

(やっぱり混んでいますね。人が多い⋯⋯)

 警務女官のユリアナは皇帝を護衛する近衛だ。職場は皇帝の私的な生活領域である禁中。上級女官の上澄みであり、よほどの事情がなければ下級女官が働く下層には立ち寄らない。

 大きく分けると帝城ペンタグラムには二つの領域がある。

 物々しい警備が敷かれている大正門を潜らなければ辿り着けない禁中。ベルゼフリートにとっては日常生活を送る普段の場所だが、ほとんどの女官は近づき難い御所である。

 もう一つの通用門は女官や側女などの宮人が使う出入り口であり、馴染み深い。日用品の買い出しで妃仕えの側女が頻繁に利用する。実際、側女のリアは買い出しや注文品の受け取りで週に二回は通用門を使って入城している。

 下級女官用の食堂は様々な役務を担う大勢の女官が収容できる広さだ。しかし、昼時は足の踏み場もないほどに混む。冬場は外の庭園で食事を取る女官がいないため、混雑の度合いがさらに増す。

「今回の仕事は酷かったな。まさか予備の動力炉が狂うなんて⋯⋯」

「偶になら、ああいう慌ただしい大仕事も悪くありません」

「そうかぁ?」

「久しぶりに機巧士らしい仕事ができました。楽な仕事ばかりだと腕が鈍りますよ」

 ベルゼフリートとユリアナの前には、背の低いドワーフ族の工務女官が二人いた。

 メイド服の装いではあるが、見た目は作業服と近しい。前掛けのエプロンからは機械油の匂いがした。仕事終わりの二人は仲よさげに雑談を交わしている。

「工務女官長がすっ飛んできたときは驚いた。あの人、あんなに早く走れたんだな。いやはや、珍しいもんが見られた」

「焦りもしますよ。天空城の基幹設計を完璧に理解しているのは、女官総長と工務女官長だけです。数多くある予備炉の一つといえど、天空城の浮力が失われたら一大事。緊急時には現場に駆けつけるでしょうとも」

「経年劣化っぽいが担当の点検班は何を見ていたのやらだ」

「工務女官長は大変お怒りでしたね⋯⋯」

「炉心を覆ってたミスリル銀のコーティングが完全に剥がれたんだ。どう考えたって保守点検の不手際さ。工務女官長もさぞお怒りだろう。あたしが責任者だったら怒髪天かな。担当の点検班は始末書もんだよ」

「少し可哀想ではあります。動力炉を止めて、炉心を直接確認しないと分からなかったはずです。定期点検のマニュアルに問題があったと思いますけどね」

「お優しいな。あんだけ派手に破損してたんだ。点検時に見逃したとしか思えない」

「形ある物はいずれ壊れます。今までよく動いていたと褒めてあげたいくらいです。なにせ、この天空城が製造されたのは、あの破壊帝が正気だった頃ですよ?」

「上層の部分だけだろ? あたしの曾祖母が言うには、下層の基礎部分は栄大帝の時代に造られたとか⋯⋯。つまり、もっと古い。軽く一千年は経ってる。メガラニカ帝国の全盛期は優れた工務女官がいたと何度も聞かされたよ」

「要するに私達のご先祖様でしょう」

「そりゃご先祖様はすごいさ。でも、栄大帝時代は予算が潤沢だった。はぁ~。隣国との戦争も終わって、資材の調達もできるようになったんだから、天空城をちょいと弄くりたいもんだ」

「強く同意します。横柄おうへいな妃の離宮をリフォームするより、帝国黄金期の失われたテクノロジーを復活させるために、貴重な時間と労力を割きたいですね」

「離宮の施工管理は地獄だもんな。水漏れで深夜に呼びつけてきたあの性悪公妃だけはマジで許さん。陛下の前では猫被りしてるくせに、あたしらの前だと酷い態度だ。たくっ! 工務女官は業者じゃないっての⋯⋯!」

 外見が美少女であるものの、中身はドワーフ族にありがちな職人気質。不老の女仙でなければ、三十代後半には厳めしい風格を醸す女丈夫となっていただろう。

「離宮の修繕は主人によりますからね。ユイファン少将の光芒離宮に出向いた工務女官は幸せそうでしたよ。滞在されていた陛下と一緒にペンキ塗りをしたと聞きました。そのあと、寝室にお呼ばれもしたと⋯⋯」

「うぉお! まじ? いいな、それ! めっちゃ羨ましい! 陛下とお近づきになれるなら、どんな雑務だってやってやるのに⋯⋯。何かの間違いで下層の機関室まで遊びに来てくれないもんかね」

 ベルゼフリートが背後にいるとも知らず、工務女官の二人はお喋りを続けている。

(前にいる二人は機関室の工務女官かな? ふーん。天空城アースガルズの機関室ね。工務女官長の案内で一回だけ視察した気がするような? 動力炉は危険だからって見せてくれなかった⋯⋯。でも、いつか見に行こうかな。面白そう)

 行列に並ぶベルゼフリート指先で毛先を丸める。灰色の地毛に混ざったウィッグの長髪は違和感がない。警務女官にしては気配が無防備であるが、今のところ怪しむ者は一人もいなかった。

「⋯⋯⋯⋯」

 ユリアナはベルゼフリートにピッタリと張り付いていた。仲の良い警務女官二人が女官で昼食を食べようとしている。周囲にはそう見せておかねばならない。

(まあ、怪しまれたところで、大きな問題はありません。変装を見破るほど観察眼が鋭い女官なら、変装した陛下だとすぐ気付くはず。お戯れだと分かってくれるでしょう。騒ぎを起こす愚か者でさえなければ、正体を悟られようと構いません)

 ベルゼフリートは近くで談笑する女官の噂話に耳を傾けたり、好奇心溢れる視線で周囲を見渡している。満面の笑みを浮かべていた。落ち着きなく挙動不審であるが、人混みの中で目立つほどではない。

「やっと食事にありつけそうだ。これってさ、好きな食べ物を取ればいいの?」

 順番が回ってきたベルゼフリートは金属製のトレーを両手に持った。

「⋯⋯⋯⋯」

 ユリアナは頷いた。女官の食堂はビュッフェ式。盛られた大皿から、好きな食べ物を好きなだけ取り分ける。

「選り好みできるんだ。しかも、食べ放題! いいね!」

 配膳の手間だけでなく、種族によって食事の選り好みがあるため、多種多様な種族が住むメガラニカ帝国では、ビュッフェ式の食事風景が一般的だった。

(念のため毒味はしておかないと⋯⋯)

 ユリアナはベルゼフリートと同じメニューを取り分ける。

 毒物が混入しているはずはない。しかし、ベルゼフリートの死はメガラニカ帝国の滅亡を意味する。どれだけ馬鹿げた保険であっても、かけておきたくなるのが女官の心情であった。

「あれ⋯⋯? 氷晶コーラがないや。品切れ中? ちょっと残念。これだけ人が多ければ無くなるのもしょうがないもんね。まあいいや」

(氷晶コーラ⋯⋯。豪雪地帯のナイトレイ公爵領で生産されている特産品。甘さがきついので私は苦手⋯⋯。ですが、陛下は好きでしたね。品薄の原因は吹雪で物流が乱れているせいでしょうか⋯⋯?)

 氷晶コーラはベルゼフリートが愛飲している清涼飲料水だ。しかし、一般的な商品ではなく、ナイトレイ公爵領のご当地ジュースである。愛飲者は少なからずいるが、人気商品というほどではない。

 ユリアナは品切れの理由を物流の遅延だと推測した。しかし、原因においては間違っていた。吹雪ではなく、帝国軍が濃霧の真偽を確かめるまで、一時的に街道の交通を規制したからである。

「そういえば、そろそろ氷晶大根の収穫期だ。ナイトレイ公爵領の収穫雪祭。あぁ~ぁ~。冬期にも巡幸があればいいのに! またいつか参加したい」

 ナイトレイ公爵領などの寒冷な北方地域で栽培されている氷晶大根は、砂糖の原材料となる農作物である。凍った大地でしか発育しない特殊な植物。葉の部分が氷体と似ていたので、氷晶大根と呼ばれている。

(ナイトレイ公爵領で暮らされていた陛下は、食事の好みが北方寄りですね。魚卵を好かれているのは、おそらく宰相閣下の影響⋯⋯? パンに魚の卵を乗せるのはサキュバス式のような?)

 正方形の食パンにバターとイクラを乗せている。

 ベルゼフリートは何の疑問も抱いていないが、サキュバス族が好むパンの食べ方だった。ウィルヘルミナであれば、さらに特濃精液を塗りたくる。

「へえ、新発見。ザクロジュースってサキュバス向けの飲み物なんだ。あっちの共用ドリンクバーになかったのは、ここにあったからかな?」

 サキュバス族用の食事が並ぶ棚には飲用精液など、特殊なものが並んでいる。

 ザクロジュースは精力を高める効果があるとされており、精液の割り材としてよく使われていた。もちろんベルゼフリートはザクロジュースを原液で飲む。

「⋯⋯⋯⋯?」

 ユリアナは不審な視線に気付いた。女装したベルゼフリートに意識を向ける者が近くにいる。

(コック帽の庶務女官⋯⋯。副料理長? わざわざ厨房を離れてなぜ食堂に? 配膳は部下の仕事でしょうに)

 庶務女官のメイド服を見れば職務内容はすぐ分かる。白い前掛けのエプロンは料理人の証だ。

 階級はコック帽で一目瞭然だった。最上位の料理長は一人しかいないが、副料理長は十人以上いる。交代で食堂の厨房を担当し、料理長の指示で皇帝の担当料理人を任されることもある。

(女官の食堂はそれぞれの副料理長が交代制で勤務している。仕事に追われている身でありながらなぜ⋯⋯?)

 皇帝近衛の警務女官と庶務女官の副料理長では職域が大きく異なる。だが、ユリアナは役職付きの女官を全て記憶していた。

 食事に毒を混入させるのは、古来からもっとも使われてきた暗殺方法だ。対暗殺に特化したユリアナからすれば、料理人は常に警戒する対象だった。

「お話は女官総長と料理長から伺っています。あちらの席を空けておきました。氷晶コーラを二本、目印に置いてあります」

(わざわざ食糧倉庫から備蓄を持ってきたのですか。ご苦労なことです⋯⋯)

「栓は抜いておりません。毒味をしたければ、陛下が口を付ける前にどうぞ」

「⋯⋯⋯⋯」

「それともう一つ。警務女官長のハスキー様が護衛に付きます。陛下にはばれないようにするそうです。先ほど連絡がきたばかりなので、まだ近くにはいないかと思います」

 伝言を告げ終えると副料理長は足早に去ってしまった。振り返ったベルゼフリートはたたずむユリアナの態度を訝しむ。

「どうしたの? ユリアナ? 知り合いでもいた?」

「⋯⋯⋯⋯」

 ほんの一瞬だがベルゼフリートに向けられた異様な気配を感じた。

 近づいてきた副料理長のものではない。副料理長にユリアナの意識が向けられている間、ベルゼフリートを注視していた者がいた。

(気のせい⋯⋯? ここは帝城ペンタグラム。世界で一番安全な場所。女仙以外の者はここにいない。瘴気で覆われた天空城に侵入する方法は皆無。敵がいるなど、絶対にありえない。私は神経質になっているのでしょうか⋯⋯だけど⋯⋯)

 ユリアナに悟られまいと気配を消した。考えすぎかもしれないが、そう思えてしまった。

(ハスキー様なら気配を隠す必要はありません。陛下にさえ気付かれなければいいのだから⋯⋯。何か⋯⋯とても嫌な予感がする⋯⋯)

 確信はなかった。勘に等しいが、警戒の度合いは高まった。足下の影が揺らめいた。

(ハスキー様を遣わしたのはヴァネッサ様がかけた保険の一つ。皇帝陛下の御身に万が一は許されない⋯⋯)

 ユリアナの異能スキル――影の具象化。

 天生の能力であり、魔術や神術と違って術式の発動を必要としない。己の影をベルゼフリートと繋ぎ合わせた。こうしてお互いの影を結んでおけば、引き離されることはない。


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