「ミルク。濃いめの」
オロバスはコーヒーが入ったマグカップをルミターニャに押し付けた。
「オロバス様? これはコーヒーですよ? 苦い飲み物はお好きでないと思っておりました」
「コーヒー牛乳は飲める。ルミターニャのミルク、たっぷり入れてよ」
ルミターニャは乳首に刺しているニップルピアスを外し、新鮮なミルクをカップに注ぐ。真っ黒な液体に白黄色の体液が混ざり、母乳仕立てのコーヒー人乳が出来上がった。
「どうぞ、オロバス様。お召し上がりください」
「⋯⋯。……うっ⋯⋯!」
「どうされました?」
「もっと多目にしてよ⋯⋯。まだ苦い」
「失礼いたしました」
一口だけ飲んで顔を顰めたオロバスは、ルミターニャにマグカップを押し付ける。
「無理にコーヒーを飲まれる必要はないと思います。コーヒーが飲めれば大人というわけでもありません。私だって好きな飲み物ではありません。苦手な味です」
「いいから。そんなの聞いてない。はやくミルクを注いでよ」
「はい。かしこまりました」
ルミターニャは含み笑いの表情を作りながら、オロバスの我が侭に付き合う。
母乳止めのピアスを外し、右の乳首をマグカップの縁に添えた。
湯気の立ち上るコーヒーに温白色の母乳が滴り落ちる。乳房の上下を圧迫し、新鮮なミルクを絞り出す。勢い良く噴射された母乳は、コーヒーの黒色を薄めていく。
「これならいかがでしょう?」
「ふぅ。これなら、まあまあかな」
大量の母乳で希薄させたコーヒーを飲み干す。退魔の勇者を育てる聖乳は、幼年の魔族を育む栄養となる。
ルミターニャの母乳を日常的に摂取するオロバスは、いずれ強大な力を持つ魔族へと進化するだろう。
「さてと、仕事に取りかかろう。ルミターニャの身体を元通りにする。まず、これからは妊娠させないように避妊具を使う」
セックスをしないという選択肢はない。オロバスは馬頭鬼族の長。これは人間の王や領主とは違う。一族を導く馬頭鬼の長は、猛烈な性欲を肉体で燻らせている。
身心ともに成熟すれば、劣情を押さえ込むこともできるが、幼く未熟なオロバスは暴走しかねない。性奉仕婦とのセックスは生活の一部となっていた。
「は、はぁ。避妊ですか⋯⋯?」
馬頭鬼族は避妊をしない。膣内射精が基本で、外出しが行われるの稀だった。
「アナルなら妊娠しないけど、そればっかりだと飽きるじゃん。でも、オマンコを使って妊娠したら、ずっとお腹が膨らんだまま。それはそれで問題だ」
ルミターニャは丸々と膨らんだお腹を見下ろそうとした。
頭部よりも大きい両乳のせいで、視界が遮られ、腹部の全貌を見ることは叶わない。けれど、風船のように大きく膨張しているとは強く自覚している。
「品物をさっそく取り寄せた。僕ら馬頭鬼族は避妊しないから、在庫が品薄で大変だったよ。でも、半日で手元に届いた。さすがビアンキだ」
「それは一体⋯⋯? ゴム風船のように見えますが」
オロバスが摘まんでいるのは、紫色の細長い萎んだ風船に見えた。風船は息を吹き込んで膨らませる玩具だ。
村を訪れた道化師が、子ども達に売っていたのをルミターニャは見たことがある。
「コンドーム! これをオチンポに装着するらしい。馬頭鬼族の奴で、これが一番大きなサイズなんだってさ。射精口をゴムで覆えば、精子がオマンコの奥まで入らない」
オロバスは脚絆を脱ぎ捨て、下半身を露出させた。そそり勃たつ陰茎をルミターニャに見せつける。股間から生えた陰茎は、人間の生殖器とは形状が大きく違う。
亀頭の先端は真っ平らで、巨根を支える陰茎骨が入っている。勃起している状態だと足が三本あるかのようだった。
「——始めるぞ。避妊セックス! 跪け。奉仕しろ、ルミターニャ」
張り切っている主人は命じる。忠実な性奉仕婦ルミターニャは、執務室の絨毯に額を擦りつけた。
四つ這いの姿勢で馬尾を左右に大きく揺らす。膝を床に付けた状態で背を反らし、巨尻を突き上げる。
股割れのベビードールは膣口と肛門を隠さない。スカートの裂け目からは雌の生殖器が丸見えだった。漆黒の恥毛が生えた女陰からは、淫蜜の雫が滴り落ちる。
「——偉大なる馬頭鬼の大君主オロバス様。忠実なる性奉仕婦ルミターニャにご下命賜りますようお願い申し上げます」
見事な服従の体位だった。徹底的に調教された高級娼婦。洗練された性奴隷の所作。オチンポに屈服する忠実な雌は馬尾を揺らす。
「顔を上げろ。まずは忠誠を示せ」
威風堂々と仁王立ちするオロバスは、血管が浮き出た男根をルミターニャの顔面に載せた。それは馬頭鬼の極太オチンポに忠愛を捧げる儀式であった。
野性的なマウンティング。亀頭を何度も押し当て、尿道から垂れた我慢汁が頬に塗りたくられた。
「はぁはぁ⋯⋯。ご奉仕させてください♡ お許しを♡ セックスを♡ オマンコをお願いいたします♡ オロバス様⋯⋯♡」
肉棒から発生する雄々しい性臭を嗅ぐルミターニャは、オロバスに懇願する。子宮が熱を宿し、淫穴と化した膣口はヒクつき、愛液が濁流となって溢れ出す。
「コンドームを僕のオチンポに被せろ。これを使えばルミターニャは妊娠しない。以後、セックスするときは必ず避妊具を付ける。破れないよう、丁寧につけるんだぞ」
「はい⋯⋯♡」
蕩け顔のルミターニャは、渡されたコンドームを巨根に被せる。浅紅色の亀頭は、紫色の薄ゴムで覆われた。避妊具のサイズは足りておらず、半分までしか入らなかった。
「これでいいのかな⋯⋯? まあいいか」
「お慰めいたします。オロバス様⋯⋯♡ どうぞ♡ オマンコをお使いくださいませ! んぁま♡ んあぁ♡ んくっ♡ あぅぅぅふぅ〜♡」
ルミターニャは四足の家畜となった。突き上げた巨尻をオロバスの股間に押し当てる。膨らんだ腹部を両腕で抱え上げ、お互いの生殖器が結合する。
(セックス♡ オチンポが来るっ♡ 子宮の底までっ♡ きたっ♡ 始まるぅ♡ 立ちバックで犯されちゃうぅ!!)
オロバスは腰を前後に振り始める。ルミターニャは四つ足の体勢で、魔族の横暴な獣欲を受け止めた。
下半身がぶつかり、皮膚が波打つ。パンッパンッパンッと大きな肉音が室内に響いた。
「あぁぅぅううぅあぁぁ♡ あぅ♡ んくっ♡ あぅぅ♡ あんっ♡ ああんっ♡ あんんぅぅう⋯⋯♡」
拡張手術済みのオマンコは、極大の種付け棒を全て呑み込む。反り返ったカリ首に膣襞が絡み付く。陰唇がめくれ上がり、ジュポジュポッ!と淫猥な水音がなった。
人類の窮地を救った勇者を産み育てた母親は、魔族の雄々しい人外オチンポに完全屈服していた。
長年連れ添った夫。
成長を見守った息子。
愛する家族には一度も見せたことのない雌顔で、ルミターニャは肉欲を煽る艶めかしい吐息を漏らす。そして、己を犯す獣の名を叫んだ。
「オロバスさまぁ⋯⋯♡ んあぁ♡ オロバスさまぁぁああぁ〜♡」
絶頂に達したルミターニャは全身を小刻みに震わせた。膣の収縮するタイミングで、オロバスは溜め込んだ子胤を放精する。
「んっ! んぅ! ん⋯⋯? ふぅ。腰が下がってるぞ。尻をもっと上げてよ」
「はいっ♡」
睾丸に蓄積されていた精子が、裏筋を通る尿道を激走する。
「なんか変な感じ。先端が膨らんでるのかな?」
噴出した精子は子宮に進入できない。コンドームの先端にある精液溜りでせき止められている。
避妊具を使ったセックスにオロバスが違和感を覚える中、ルミターニャも物足りなさを感じていた。
(子宮が渇いている⋯⋯。オチンポに飢えているのぉ⋯⋯♡ これが夫への裏切りだと分かっている。だけど、私のオマンコは⋯⋯望んでる♡ オロバス様の子胤で孕みたい⋯⋯っ♡ 孕みたいのぉ♡)
ルミターニャの淫乱な子宮口は、精子で膨らんだコンドームの先端に噛み付き、新鮮な射精されたばかりの子胤を吸い取ろうとする。
「だめ。まだ尻を振るな。出し終えてない」
「あんぅっ♡ はい⋯⋯っ♡ 申し訳ごいませんっ♡」
尻を突き上げた雌馬の姿勢を維持する。馬頭鬼族の射精は数分続く。最初の射精は子宮内の環境を整えるもので、さらさらとした液体だ。量は多いが精子の密度は低い。
本気の孕ませ汁は、2回目以降の射精で放たれる。粘性が極めて高く、質感は泥々としていて、子宮内壁にこびり付く特濃の精液だ。
「もっと手足を踏ん張らせなよ。そんで、もっとオマンコを押し付けて」
「はいっ♡ これでどうでしょうか? んぁっ♡ あんっ♡」
オロバスの性欲解消には、最低3回の射精が必要だ。最初の射精でコンドームの膨張は臨界点に達する。だが、オロバスは次なる放精に向けて、肉棒を捻じ込む。
ルミターニャはこの先に起こる未来を予期していた。むしろその結果を期待していたのかもしれない。
馬頭鬼族の極太オチンポに魅せられた淫母は、下腹部の筋肉を引き締め、一気に膣圧を高めた。
「オロバスさま? オマンコの具合はいかがでしょう♡」
「ンっ! ンンッ! ンっ⋯⋯! ふぅ⋯⋯!! 人間のオマンコのくせに悪くない! 勇者エニスクのクソ野郎を産んだ穴を滅茶苦茶にしてる感じがするからかな? こんだけ穴を拡げたから、もう人間と交尾はできないだろ!?」
「はいぃ♡ オロバス様のためにある淫乱オマンコですぅ⋯⋯♡ 」
性奉仕婦ルミターニャは破裂したコンドームから漏れた精子を膣内で吸引する。精液の出し過ぎで避妊具が壊れたことにオロバスは気付いていなかった。だから、3回目の射精もそのまま敢行した。
「出すぞっ! ルミターニャ!!」
「はいっ! オロバスさまぁっ!!」
ルミターニャの良心は二重の意味で、罪悪感に苛まれる。魔族とのセックスは夫と息子への背徳である。
また、避妊の失敗は主人であるオロバスの意向に逆らうものだ。
オロバスの子を身籠もる必要など1つも無い。だが、それでもルミターニャは求めてしまう。破滅に向かって突き進む淫行の原因。それは自己中心的な我欲であった。それは全ての生物が抱く原初的な行動理念でもある。
(強いっ♡ 強すぎるっ♡ まだ子どもの魔族だっていうのにっ♡ すごい精力! すさまじい性欲!! 荒々しい強引な種付け⋯⋯! こんなのっ! だめっ! もう無理っ! 私自身の欲望に抗えないっ!! )
——より優秀な雄の子胤で孕み、優れた子を産む。
ルミターニャは初代魔王を打ち負かし、魔族の住む魔界を封じ込めたヴァリエンテ家の女だ。強い異性との子作りを望むのは、勇者を産むために仕組まれた血脈の運命だった。
(あぁ⋯⋯。精子が⋯⋯流れ込んでる⋯⋯! 避妊失敗してしまいましたぁ♡ 人間の矮小なオチンポとは比べものにならないっ♡ オロバス様の濃厚な子胤♡ 強い雄の遺伝子! 雄の胤が私の卵に群がってくるぅううぅ! 避けられるはずがないわぁ♡ きっとこの種は赤ちゃんの卵に当たっちゃう⋯⋯♡)
魔族のオロバスと勇者の血統を持つルミターニャ。本来なら交わるはずのない相反する者同士は激しく交合する。
快楽堕ちしたルミターニャの子宮は、オロバスの子胤を迎えいれた。膣を引き締め、ありったけの精子を搾り取る。
立ちバックで巨尻を押し上げるルミターニャは、背を弓のようにしならせた。
(当たっちゃえ♡ 孕んじゃえ♡ 私に可愛い赤ちゃんを授けて♡)
誤算があったとすれば、ルミターニャが魔族と交配できる身体に改造され、オロバスを優れた種馬だと認識してしまったことだ。
ルミターニャの胎は馬頭鬼族の君主オロバスを優秀な交配相手として認めてしまった。
そして、より多くの子を残そうとルミターニャの精神に強く働きかける。
本来なら血を紡ぎ、魔王に対抗する勇者の特性であった。しかし、それゆえに勇者の母は強い魔物の子胤を欲してしまう。
「ぁん⋯⋯あんぅ⋯⋯♡ あんぅぅう⋯⋯♡」
「次は⋯⋯どうしよ。うーん。いいや、まだ立ちバックでヤるぞ。ちゃんと立ってろよ」
3回目の射精を終える。オロバスはルミターニャに次弾をぶち込もうとした。その矢先、執務室の扉を叩く音が聞こえた。
「ん? なんだろ? 盛り上がってきたところなのに」
オロバスは何か予定をいれていたかと首を傾げる。
「——オロバス様。ビアンキです。魔王様が幹部会を招集なされました。至急、出立のご準備をお願いいたします」
「幹部会? 定例の日程は⋯⋯。ん、ああ、そっか! 停戦協定の話かな? 僕がいないところで全部、話し終わったらしいのにさ。でも、魔王様に呼ばれてるなら行かないと⋯⋯。ルミターニャ、今回は中途半端だけどここで終わり」
「オロバス様。魔王様から、勇者の母親も同伴させるようにとご命令が下っております。ルミターニャにも随伴の準備をさせます」
囚われのルミターニャは馬頭鬼族が住む大屋敷で過ごしてきた。ある程度の自由行動が許され、魔王城の公共部分なら、許可さえあれば自由に出歩けた。
しかし、オロバスの性奉仕婦として暮らした4年間、幹部会に呼ばれたことは一度もない。
魔王の幹部会は魔界を統治する各一族の君主が集う場だ。最上位の魔族しか出席が許されない。
そこにルミターニャが呼ばれるのは異例中の異例だった。
「分かった。支度するけど、さすがにお風呂に入ってる時間はないか⋯⋯。性奉仕はこれで終わりだ。急ぐよ。ルミターニャ。遅刻すると宰相に小言を言われる」
「んぁ♡ オロバスさぁまっぁああっ♡ だめぇ♡ そんな乱暴に抜かれるとぉぉお♡ んほぉ♡ んひぃいぃぃいい〜っ♡」
膣穴の奥深くまで突き刺さっていた陰茎がズルリと引き抜かれる。
先端の亀頭を覆う紫色のコンドームは破裂し、避妊具の役割を果たしていない。そうとも知らずオロバスは不快感からコンドームを外した。
「なんかぬちょぬちょして気持ち悪い。どうしよ。やっぱ湯浴みをするくらいの時間はある?」
「⋯⋯用意させております」
ビアンキは怪訝な顔付きで、紫色のコンドームを睨んでいた。
正しく機能していれば、避妊具の外側に精子が付着しているはずはない。ところが、ルミターニャの膣液だけでなく、白濁液がベッタリとまとわりついていた。
「どうしたの? ビアンキ?」
「いえ、なんでもございません。急ぎましょう。オロバス様」
「はいはい。お風呂ね。手際が良くて助かるよ。ルミターニャも恥ずかしくないように汚れた陰部を拭っておくように。服はそのままでいいよ」
床に這いつくばるルミターニャは、荒々しい息遣いで喘いでいる。オロバスは不様な痴態を晒す淫女に背を向け、ビアンキと共に浴室へ向かう。
執務室に残された性奉仕婦ルミターニャは、巨尻を突き上げ、ふしだらな体勢で淫悦に浸っていた。
(はぁはぁ⋯⋯♡ 私はわざと妊娠セックスしてしまった⋯⋯♡ オマンコの中でオロバス様の元気な精子が泳いでるぅ⋯⋯♡ 子宮が孕みたがっているのが⋯⋯分かってしまうぅ♡ 出てくる⋯⋯っ! くるぅ⋯⋯っ♡ 子宮の奥から赤ちゃんの卵がっ⋯⋯♡ 出ちゃうぅ⋯⋯♡ だめっ⋯⋯。止められないっ⋯⋯♡)
子宮内を暴れ回る魔族の精子は、猛烈な速度で左右の卵管を遡り、卵巣から排出された複数の卵子に襲いかかった。
「はぅ〜⋯⋯♡」
膣内に放たれた数十億の精子のうち、卵子と結びつけるのはごく僅かだ。人間であれば卵子と精子は1対1で混合する。だが、子宮を孕み袋に改造されているルミターニャは複数の卵子を1度に産む。
ーーとぅくんっ♡
下腹部の左右にある卵管採で、精子を受け取った卵子が芽吹く。それぞれ8つの卵が胤と結合し、雌雄の遺伝子が混ざり、生命を宿す受精卵となった。
「⋯⋯ごめんなさい⋯⋯許してっ⋯⋯! 抗えないの⋯⋯もう⋯⋯私は⋯⋯ぁ⋯⋯♡」
愛液で濡れた股間の淫穴から収まりきらなかった白濁液が滴り落ちる。殺された夫への謝罪はルミターニャの本心だ。しかし、激流のようなセックスの性悦に抗えず、オロバスの子胤を欲しているのも本音であった。
相反し、矛盾している。けれど抗えない。清純な勇者の母親から、魔族の性奉仕婦に堕とされたルミターニャは悲哀の涙を流す。
(孕んでしまいました⋯⋯♡ またぁ、オロバス様の赤ちゃんを産んじゃう⋯⋯♡)
元の身体に戻りたいという感情は弱々しい。一方で、覚えてしまったセックスの快楽は手放せなくなっていた。
ノクターンノベルズ連載
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