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G-エッヂ Vol.055

キュートでハードな切れ味で贈る「G-エッヂ」Vol.055は
月よりも別の所に目がいっちゃうウサ耳美少女が表紙!

瀬戸内くらげ「チベスナちゃんは笑わない【第3話】」は
素直になったチベスナちゃんのエッチはいつもより積極的で…!?

飛野俊之「トモ母ハンターズ!【第2話】」では
強気なママもねちねち玩具責めには耐えられない!?

人妻から獣人・OL・お姉さん・母親・調教などなど特濃エロスの目白押し!
あなたの欲望を満足させる作品を取りそろえております!!

【収録作品】

■瀬戸内くらげ:チベスナちゃんは笑わない【第3話】
■りゅうき夕海:チン貸契約【中編2】
■巻貝一ヶ:NTR風俗にハマッちゃった処女OLちゃん
■大波耀子:ともだちのおかあさん【番外編2】
■三顕人:プールの落とし物
■いぬいねこ:かわいい子にはナニがある【第4話】
■飛野俊之:トモ母ハンターズ!【第2話】

■表紙イラスト/りゅうき夕海

執筆陣りゅうき夕海,瀬戸内くらげ,巻貝一ヶ,大波耀子,飛野俊之,三顕人,いぬいねこ
表紙イラストりゅうき夕海
価格価格660円(税込)
発行日2024/09/20

ゲネシス『G-エッヂ』(毎月20日)

comicアンスリウム Vol.138 2024年10月号

情熱と煩悩のアダルトコミック誌『comicアンスリウム』2024/10月号!

今号はエノキドォ先生描く、お布団の中で汗だく部屋着娘が目印!

もちろん中身も人気作家陣の新作漫画や描き下ろしイラストが満載!

残暑と嵐の季節に贈る、濃密エロスのタイフーン♪

淫香沸き立つ没頭SEXで超人気作家・エノキドォ先生が描く、本能剥き出しギャルの寝取られマジ交尾!!

超生っぽイチャラブ作家・GURIDA先生が贈る、欲求不満巨乳若妻の求め合い中出しセックス☆

ドラマチックな濃密エロ作家・トロ太郎先生が贈る、俺のこと好きすぎる年下女子がエッチな仕草でアプローチ♪

ポップでエッチなラブコメのカリスマ・初雲丹いくら先生が贈る、清楚なお嬢様彼女と親に内緒で念願の初エッチ♪

あまあまオフィスラブマスター・ももずみ純先生が贈る、真面目な会社の先輩が社内えっちで酔ってとろとろ♪

大人気イチャ甘濃密作家・ぷらむ先生が描く、柔肌彼女と海でこっそりラブラブエッチ♪

胸キュンストーリーテラー・てばさきのぶお先生が描く、ズボラな先輩と蒸し暑い部屋でぐちゃぐちゃの情熱的SEX☆

淫乱積極女子の金字塔・けーしむ先生が描く、ゲーマー童貞があっさり攻略しちゃう巨乳教師の弱いトコ♪

ファンタジー×エロで魅了するカリスマ・海山そぜ先生が贈る、人間を舐めた淫魔を四人の肉棒で快楽に堕とす――!!

乱れる豊満女子クリエイター・エビフライ定食先生が贈る、クールな同僚に教えられつつ社内でドキドキの脱童貞☆

ヤりたい放題の盛りギャル党・染岡ゆすら先生が贈る、淫乱イケイケギャルと露天風呂で盛り上がる3P♪

クールな淫乱女子メーカー・おきょう先生が描く、幼馴染の中性的巨乳JKとリードされるあま〜い3P♪

濃厚フェラプレイの一番星・つくは先生が贈る、俺のこと大好きな年下幼馴染と眠れない夜の初エッチ☆

エッチでドラマチックな恋愛バイブル・やまもと先生が描く、完璧美少女な先輩と熱を移し合う初えっち♪

ほろ苦い叙情派エロの申し子・べってぃ先生が描く、優等生JKを学校で●す最後の日…!

やわ肌ヒロインを恥辱に染める新鋭・ナマこんにゃく先生が贈る、ダーリンにメロメロな美少女とのエッチで遊ぼ♪

執筆陣エノキドォ,GURIDA,トロ太郎,初雲丹いくら,海山そぜ,piyopoyo , エビフライ定食 , てばさきのぶお , けーしむ , やまもと , 士郎正宗 , つくは , ごさいじ , クール教信者 , ぷらむ , おきょう , 綺羅丸 , 染岡ゆすら , べってぃ , 山本AHIRU , ももずみ純 , ナマこんにゃく
表紙イラストエノキドォ
価格価格1,100円(税込)
発行日2024/09/20 

ジーオーティー『comicアンスリウム』(毎月20日)

第33回「フランス書院文庫 官能大賞」 二次選考通過は114作品

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 第33回「フランス書院文庫 官能大賞」(5月末締切り分)の二次選考通過作品が9月17日に発表された。一次選考を通過した229作品から、二次選考で114作品に絞られた。

 「e-ノワール部門」「ノンフィクション部門」は選考に含まれていない。最終選考の発表は10月上旬頃を予定。なお、第34回「フランス書院文庫 官能大賞」の応募締切りは11月末日となっている

№ 二次選考通過作品 タイトル(作者名)
1代表取締役社長・一 陽菜(T.Sさん)
2むっちんぷりん~僕だけの巨乳従姉と巨尻女上司(H.Nさん)
3汚風学園 音楽教師輪姦契約(R.Hさん)
4淫らで優しすぎる若叔母 優香 22歳(M.Sさん)
5生意気 女を性奴隷(K.Hさん)
6倒錯プレイの長い夜(H.Aさん)
7熟女食いセールス(N.Nさん)
8新米CA精飲奮闘記(R.Gさん)
9囚われた美人女教師(Y.Uさん)
10美人妻を狙った恐るべき陥穽(Y.Uさん)
11加奈子の秘密(M.Uさん)
12悪魔の生け贄(Y.Uさん)
13エリート妻色情飼育 性奴隷は人妻にかぎる(S.Mさん)
14童貞豹変(M.Tさん)
15牝鹿とブルーシートハウスの性獣たち(H.Hさん)
16労働賛歌~働くぜ 働くぜ バッチバチに輝け!~(H.Aさん)
17住宅営業はおいしい仕事(T.Uさん)
18食中花・美奈子(I.Sさん)
19囚われの性淑女 由利(K.Hさん)
20二人の優しい姉とのじゃれ愛(H.Sさん)
21美園三姉妹との歪で淫らな「姦」係(N.Mさん)
22友人の母、息子の友人。そして2人は淫らな関係(Nさん)
23逆転世界の獣たち(M.Mさん)
24アクメウォッチを使っていちいち絡んでくる金髪ギャルを失神するまでイかせまくったら、セフレにさせられた挙句付き合うことになりました。今では最高の彼女です。(T.Mさん)
25女子大生 家庭教師の秘密 少女の指に屈して(Oさん)
26貸し出し妻~三人の雄と一人の妻(Pさん)
27肛虐バレエレッスン(T.Sさん)
28人妻奴隷・香織からの手紙 ー半年間の奴隷契約に香織はー(T.Rさん)
29痴監列車(N.Tさん)
30我が社の爆乳CEOは孕みたがりのマゾメスでした~バリキャリマンコ完全調教~(Sさん)
31聖なる女学院にて堕落~堅物JKと生真面目シスター~(Sさん)
32満願成就(S.Kさん)
33未通女義母は凌辱の渦に呑み込まれ義息の愛を女体の深淵に受け取り至福の涙を流す(J.Kさん)
34くのいち夏梨 淫謀に囚われた蜜肉(Rさん)
35午前七時三十八分発 痴漢電車のヒロイン綾乃は、今日も朝からイキまくります(I.Iさん)
36嗜虐の宴(K.Hさん)
37誘辱姦係~性癖覚醒の記録~(Y.Mさん)
38母子相姦短編集 ~黒色編~(H.Tさん)
39仕掛け上手な牝猫たち(A.Yさん)
40叔母寝取り(K.Kさん)
41被虐本能 人妻女教師の秘められた素顔(R.Mさん)
42二人の義妹(K.Aさん)
43大家さん、ヤリすぎです!(M.Mさん)
44女性社員寮 のぞき見管理人(G.Kさん)
45黒き淫獣のバレリーナ(K.Tさん)
46学校へイこう!~毎日増える羞恥校則、常識や羞恥心も操られてしまう女子たちの恥辱と屈辱の学生生活~(Nさん)
47父ちゃんが託した俺の義母(T.Mさん)
48媚肉の送別会─三人の美女とレストラン(K.Yさん)
49おべんとう屋さんの、ある母娘(A.Tさん)
50姉の尻穴(Eさん)
51義母受妊~根っからのマゾで性欲を持て余した義理の母親と愛情いっぱいの変態セックス&無責任中出しをして俺の子種で孕ませます♡~(W.Kさん)
52抗えない肉欲 ―上司の妻と淫乱逃避行―(M.Kさん)
53未亡人理事長~僕を捕食する母と娘~(S.Mさん)
54バレンタイン・コンドーム(H.Aさん)
55ヒロイン全員子持ち人妻の小説が完成した!(Hさん)
56女神の娘の夜伽~伯爵令嬢レイアナの純潔は領民のために散る~(D.Dさん)
57従者の証(H.Nさん)
58教え子である、Jカップ103cm、メートル越えおっぱいの淫乱ドスケベJKに不純異性交遊の事実を突き付けたら、反対に自分の人生が教え子に握られることになった話(Aさん)
59教え子であるJカップ103cmメートル越えおっぱいの淫乱ドスケベJKと、ヒップ100cmのムチエロ優等生ビッチJKに快楽調教されて、二人の共有肉バイブにさせられる話。(Aさん)
60青き淫蜜の戯れ-若い狼の愛に翻弄される美白人母娘-(Mさん)
61四畳半と三姉妹――俺の好きな長女と俺を好きな次女と俺が好かん三女(T.Mさん)
62母奴隷 哀愁の調教日記(H.Mさん)
63裸のママは、僕の魅惑のヴィーナス(M.Tさん)
64右手をねんざしたからギャルハーレムになった話(Sさん)
65美人女教師 禁断官能補習への誘い(N.Uさん)
66隣りのシンママは元婚約者の娘 ~四世代の女、愛と絆~(N.Iさん)
67男の少ない世界で引きこもり種男ハーレムライフ!(R.Rさん)
68オタクとギャルとイロイロと ~オタクにも優しい金髪褐色巨乳ギャルビッチと、イチャラブコスプレエッチするお話~(Yさん)
69憧憬が性愛に変わるとき―――二人の女の物語(N.Aさん)
70幼なじみ童貞指導(N.Hさん)
71実姉と義姉【禁断の愛と復讐の連鎖】(K.Aさん)
72宅飲み大好きな彼女は、いつも最初に寝てしまう ~ 俺以外全員女の飲み会で彼女にバレないように内緒の浮気エッチ ~(T.Sさん)
73初体験保健室(T.Nさん)
74姉の邂逅、妹の懺悔(T.Aさん)
75花神寵虐(S.Kさん)
76イオマンテの贄は啼き濡れて(N.Aさん)
77★中出しガチャ★ 異世界転移した俺はHのたびにガチャを引く!(Rさん)
78母子公開調教 そして聖母は愛奴になる(H.Mさん)
79姉とその友達に射精させられる話(Kさん)
80自殺しようと山に入ったら、ご主人様に尽くすのが大好きな万能変態メイド拾った(Sさん)
81姉妹奴隷 復讐の性宴(U.Tさん)
82欲望と怒りの矛先は美しき女体(T.Kさん)
83502号室にて(D.Kさん)
84復讐の波紋 生徒会長飛鳥 復讐の生贄(A.Nさん)
85夫の単身赴任中に隣に住む年下の男の子に寝取られた私~訳あり一人暮らしのお隣さん。親切心でお世話をしていたら、いつの間にか身体の関係に発展して、そのままラブキス生ハメで妊娠に至った話~(Sさん)
86好意を振り撒いてくるドスケベな後輩女性社員に誘惑されまくりなラブラブ交尾する話(J.Tさん)
87ゆうしゃ は かえりうち に あった(H.Sさん)
88淫辱の果て~騙され辱められた美人母娘~(Y.Bさん)
89AV堕ちした清楚女優 可南子(N.Sさん)
90淫堕の聖職(S.Hさん)
91青にたゆたう(K.Mさん)
92美少女ばかりの学園で生徒会長になったので、全女子生徒を肉便器奴隷にして楽しんじゃうつもりです(K.Hさん)
93無頼の牙(K.Hさん)
94百合花―レズ風俗にハマった母、女同士の愛蜜交姦―(Nさん)
95愛欲の乱れ咲き(I.Uさん)
96JKお義姉ちゃんは義弟をHで落としたい(S.Tさん)
97痴漢囮捜査官 四宮さくら完全敗北(Y.Yさん)
98異世界で館の主人になったんだけど、つよつよメイドたちに囲まれて生きていくことになりました(Sさん)
99左遷され女子バレー部管理人になった俺が、チーム全員の美少女たちから性処理係にされ、毎日ドエロくてド変態な行為ばかりしている件。(T.Sさん)
100拉致監禁された店員たち(I.Hさん)
101完璧超人、超絶美少女の敬語妹は俺といちゃらぶしないともう頑張れないらしい。(Mさん)
102底辺生活を送っていた僕がいつの間にかお金持ちで美人な女子大生(社長)に溺愛されてた話(Mさん)
103俺を毛嫌いしている妹が義理だった(Mさん)
104獣人の奴隷を買ったんだが、性欲が強すぎて困っている。(Mさん)
105もし学園のアイドルが俺のメイドになったら(Mさん)
106マジカルチンポを持つ俺こそが勇者でした(Mさん)
107初恋は成就するのか?=義姉と姪と、あまあま性活=(S.Aさん)
108限界お嬢様は求められたい(S.Hさん)
109痴漢魔に喰われる美女たち(Y.Aさん)
110銀盤の小悪魔と天使~氷の三角関係(Y.Aさん)
111ヤニ吸う寿音さんのお口が疼く~仕事を辞めたら長身デカパイヤニカスイケメンお姉さんに拾われて甘々セフレ生活が始まってしまったお話(Sさん)
112あいのり/毒をくらわば(Nさん)
113隷従 -ある女子大生の悲劇-(U.Oさん)
114イタズラ電話に騙されてアルバイトの男の子とエッチしちゃった女店長の話(K.Mさん)

〈魔法と奇跡のミスティリオン ~最強を喰らう最弱の聖導士~〉【5話】囀る古鳥亭の接客婦(♥︎)

  教会の読師見習いでありながら、女癖の悪さで知られるシオン。の師匠は養父のアルバァンダートであるが、もう一人の師匠はアイリスだった。

 ただし、アイリスが教えてくれるのはの性技である。ジェルジオ伯爵領の城下街に店を構える〈さえずる古鳥亭〉で働く接客婦だ。

 〈さえずる古鳥亭〉は老舗の酒場で、如何わしい店というわけではなかった。主な客層は旅人や商人とその用心棒達、ジェルジオ伯爵城で働いている者達も訪れている。

 愛用されている理由は、〈さえずる古鳥亭〉が深夜早朝も営業しているからだ。

 いつでも料理や酒を提供してくれる。そのため、夜警を終えた騎士達が頻繁に利用している。店側も騎士が立ち寄ってくれるので、悪質な客が来ないと喜んでいた。

 〈さえずる古鳥亭〉の一階と地下は酒場で、二階から上は宿屋になっている。手狭てぜまな裏庭には隊商の馬を繋ぐ厩舎きゅうしゃがある。

「昔は地下室を食料庫にしていたけど、お客さんが増えちゃったのよ」

 アイリスが働き始めた頃、地下室は酒樽や食料品が山積みだったという。当時はまだ商人に知られておらず、今ほどは繁盛していなかった。しかし、今は地下室にテーブルと椅子を置いても椅子が足りないくらいだ。

「昔って⋯⋯何十年前⋯⋯?」

 腹を立てたアイリスは、人差し指でシオンの眉間を叩いた。

「痛っ! なにすんだよ。アイリス!」

「失礼な子ね。私の旦那が死んじゃった年よ。だから、十二年前くらいかしら。そんな昔でもないわ」

「俺が生まれた年なんですけど⋯⋯。それ」

 アイリスの夫は十二年前に事故で亡くなった。大工職人の夫に先立たれたアイリスは、幼い息子を女手一つで育て上げた。

 ジェルジオ伯爵はアイリスの身に起きた不幸を哀れみ、生活資金の援助をしようとしていた。しかし、アイリスは申し出を断り、誰かに頼ることなく、立派に一人息子を養育した。

 成人したアイリスの息子は亡き父親の遺志を継ぎ、大工職人になった。腕を見込まれて帝都の大工ギルドに引き抜かれたのは二年ほど前。息子の栄転をアイリスは涙を流しながら見送った。

 ここまでは立派な母親であった。

「十年程度の時間はあっという間よ? 乳飲み子だった甘えん坊の息子が帝都に旅立って⋯⋯。あの子、手紙を送ってきたの。来年には恋人と結婚するかもしれないわ。私が結婚した歳を考えれば、早すぎるなんて言えないわよね?」

 乳房をブラジャーを外す。アイリスの豊満なオッパイが露わになる。広がった乳輪は茶色く、垂れ気味の爆乳は熟れきった果実を連想させる。若々しさはないが、経産婦の美熟母は妖艶な肉付きだった。

 子持ちの未亡人は、遠方で暮らす息子を想う母親から、色欲深い淫母に豹変する。

「いつもみたいに馬屋の裏で私は良かったのに⋯⋯♥︎ わざわざ私の家でやろうだなんて♥︎ 今夜は期待していいのかしら♥︎」

「ちょっと待った。俺は〈さえずる古鳥亭〉が借りてる食料庫に女の幽霊が出るから呼ばれたんじゃなかった?」

「その件はお願いしたいわ。私はまったく気にしないけど、お店の若い子は怖がって食料庫の仕事を任せられないのよ。泣いてる女を慰めるのはお得意でしょ?」

 真っ裸のアイリスは、もっこり膨らんだシオンの股間に鼻先を近づける。馴れた手付きで革ベルトのバックルを外し、そそり立つ男根を乳房で挟んだ。

「まだまだ毛も生えてない愛くるしいオチンポだわ。素直で可愛い息子こども♥︎」

 舌先から垂らした唾液を潤滑剤にして、アイリスはパイズリを始めた。爆乳の谷間に圧迫された亀頭が赤熱している。愉しみながら、アイリスは両手で爆乳を上下させる。

 ぐにゅ♥︎ ぐりゅんっ♥︎

 乳房の柔らかな媚肉でこすりつけてくる。若娘のシャーロットが知らない淫猥な技法をアイリスは熟知していた。

「ふふふっ♥︎ 良い匂い⋯⋯♥︎」

 我慢汁の香りを堪能するアイリスは、舌を伸ばして尿口を刺激してくる。シオンは堪らず射精しそうになるが、パイズリの圧迫が緩み、おあずけの状態でニヤニヤと笑われた。

「辛抱強くなったわね。でも、いつまで我慢していられるのかしら♥︎」

 シオンの興奮が鎮まったのを確かめてから、再びアイリスはパイズリを再開する。完璧な射精管理による寸止めが繰り返される。乳間で放精させるつもりは微塵もなかった。

「意地っ張りね♥︎ くすくすっ♥︎ じゅるぅっ♥︎」

 たぷたぷの爆乳は、少年の男根を弄び、煽り立てる。出産して二十年以上が経ったというのに、乳首からは温白色のミルクが滴っていった。アイリスは挑発的な上目遣いの目付きで、陰茎の裏筋を舐めた。

「はぁはぁ⋯⋯ッ! アイリスはさ、いい歳こいて盛り過ぎだよ⋯⋯!」

 昂ぶった性欲が理性を凌駕した。シオンは無抵抗のアイリスをベッドに抱き倒す。鷲掴みにした爆乳を揉みしだく。最愛の夫と死別し、育てた息子とも離れて暮らす、孤独な未亡人は股を開いた。

「⋯⋯ッ!」

 ほんの一瞬、お互いに躊躇ためらった。視線が重なり合う。唾を喉奥に押し流すタイミングまで同じだった。

 愛液でビショ濡れのオマンコに暴発寸前のオチンポを挿入すれば、引き抜く間すらなく、膣内に精子を解き放ってしまう。

 男女の野獣的な生殖本能に抗う忍耐力は既に失われていた。迷いは一秒に満たぬ刹那、シオンの男根がアイリスの膣道を進む。

「あんっ♥︎ んぁっ♥︎」

 肉襞が絡み付き、締めつける。悦びで蠕動ぜんどうする肉壺に、熱々の精液が流入した。息を荒くしたシオンが突き上げてくる。アイリスは背後に回した両足を交差させて、シオンの腰をきつく固定する。

「シオンはガキンチョのくせにいい男だわ♥︎ あぁっ♥︎ んぁっ♥︎ んぅっ♥︎ ん゛ぉおおぉっ~~♥︎」

 アイリスも情欲を解き放った。恥じらいを捨てて喘いだ。母親として子育てに費やした十二年分。心の奥底に封じた禁欲を発散する。亡き夫に求めた気持ちを、若すぎる愛人に慰めてもらう。

 びゅぅるっ! びゅぅびゅるぅぅッ!!

 膣内射精の鳴動めいどうが下腹部で反響する。パイズリの寸止めで精製された子種は子宮内を元気よく泳ぎ回る。

(シオンがいつまで私と遊んでくれるかなんて分からないもの。それなら今は思う存分、愉しみたいわ⋯⋯)

 絶頂の余韻を噛み締めるアイリスは、抱きしめたシオンを離さなかった。息子が独り立ちするまでは、事故死した亡夫にみさおを立てた。

「んふぅっ♥︎ あぁっ♥︎ はぁはぁ⋯⋯♥︎ シオン⋯⋯♥︎ もう少しだけ⋯⋯このまま⋯⋯♥︎」

 アイリスとシオンの愛人関係はおよそ一年前から続いている。最初は秘密の関係だったが、頻繁に二人で姿を消していれば噂にはなる。幸いにも帝都に旅立った息子は、母親が幼い少年を愛人にしているとは知らない。

(勢いでいっぱい出しちゃったよ。アイリスなら大丈夫だとは思うけど⋯⋯)

 一通りのプレイはアイリスから手ほどきを受けた。結婚する前から経験豊富だったとアイリスは武勇伝を語る。

 シオンはアイリスと結婚した夫に同情したが、似たもの夫婦で、性豪同士が意気投合しての結婚だった。「自分の死因は腹上死! 美女の腹の上で死にたい!!」と高らかに宣言していた夫は、十二年前の事故であっさり逝ってしまった。

 その話を聞かされたシオンは笑えばいいのか、悲しめばいいのか、さっぱり分からなかった。

(歳は恐くて聞いてないけど、二十歳の息子さんがいるんだもなぁ。どんなに若く見積もっても⋯⋯)

 衰え知らずの美貌だが三十代ではない。しかし、絶対に妊娠しない年齢でもなかった。愛人になった当初は避妊に気を使っていた。中出しをしてしまったある日、アイリスは「こんな歳で妊娠したら恥ずかしいでしょ?」と避妊薬を飲んだ。

(アイリスはあの薬を今もちゃんと飲んでるのかな? そうじゃなきゃ、オマンコの中じゃ出させてくれないはずだけど)

 アイリスの年齢を知る〈さえずる古鳥亭〉の店主が、シオンを「物好きのエロガキ」と苦笑いしていたくらいだ。周囲に冷やかされる一方で、アイリスの胸に実ったたわわな乳房に惹かれる男は大勢いる。

 言い寄ってくる酒場の男は素っ気なくあしらう。愛人として飼っているのはシオンだけのようだった。そういうアイリスの性的趣向は少年愛ショタコンだと周りは思い始めている。

(最近はアイリスもちょっと恐いんだよな。馬屋の件だって知れわたってる。昔はちゃんとバレないように気をつけてたのに⋯⋯)

 ジェルジオ伯爵やリンロッタ夫人の耳に届いたのだ。城内で知らないのは新入りくらいであろう。その話を伝えてもアイリスは暢気な態度で、さほど焦っていなかった。帝都の息子にさえ知られなければいいと思っているようだ。

(まだ離してくれそうにないや。このまま二回戦をやれってこと? 仕方ないや。家にあがりこんじゃったし、食べさせてくれた食事は、精が付く料理ばかりだった。でも、朝は礼拝堂で祈祷しなきゃいけない。徹夜の性奉仕コースかな)

 シオンはアイリスの乳首を咥えた。ピアスの穴が空いている。若い頃は両乳首と臍に付けていた。結婚のプレゼントで夫から贈ってもらった品だった。

 夫の葬式で付けたのが最後。箪笥の奥にしまい込まれていたが、最近はシオンのために付けてくれるようになった。

 墓参りでアイリスは「夫が喜んでくれそうだわ」と言っていたが、愛人同伴で本当に喜ぶのかは疑問だった。祟られたくなかったシオンは、若くして亡くなった夫の墓前で心からの謝罪をしておいた。

 人妻には手を出さない。大聖女に誓った約束は守っている。しかし、未亡人はグレーゾーンではあるかもしれない。

「あぁっ♥︎ んぁっ♥︎ 最近、お城はどう? 鍛錬場で大きな騒ぎがあったと聞いたわ。んぅっ♥︎」

「魔導具の暴走だよ。新入りの騎士見習いが粗悪品を買ったんだ。両手両足を折る大怪我だった。診療で村を巡回してたルフォン先生を呼び戻さなきゃならなかった」

「魔導具ねぇ。うちの店でも絶倫になる指輪を商人に売り込んでた魔女がいたわ。お城の騎士が来たのを見て、慌てて出て行ったけれど⋯⋯。んぁっ♥︎ もうちょっと強く吸って♥︎」

「魔女って、魔法使いか?」

「吸ってくれないの?」

 シオンは乳房を押し退けて、アイリスに訊ねる。

「真面目な話を先にさせてくれよ。伯爵様が布告を出すとお決めになった。魔導具の無許可販売は、これからは厳しく取り締まる。〈さえずる古鳥亭〉が密売現場になったら、営業停止もあるぜ?」

「それは困るわ。次に見かけたら、お城の騎士に言えばいい?」

「そうしてほしい。その魔女は本物に見えた? 実際に魔法を使ったりしてたか?」

「帝国の魔法使いじゃないわ。食事の食べ方が汚かった」

「どうしてそれで分かるんだ? 俺は食事作法で魔法使いかどうかなんて判断できないぜ」

「帝国で魔法を学べるのは貴族階級よ。料理の食べ方を見れば、その人間の生まれや育ちはすぐ分かるわ」

「なるほど。だったら、その女は売人ってだけかな」

「いいえ、本物の魔法よ。ジョッキを浮かせたり、杖の先から水を出したりしていたわ。使じゃないってだけ」

 シュトラル帝国で魔法を学ぶ方法は二つ。帝都の魔法学院に入学するか、第五魔法を会得した魔導師に弟子入りするかだ。しかし、魔法学院の入学が認められるのは原則として貴族のみ。魔導師が貴族以外の者を弟子にするのも法律違反となる。

(外国から流れてきた女魔法使いってことか⋯⋯)

 魔法は貴族の特権。帝国は平民に魔法を与えない。しかし、隣国のシャンキスタ王国やサファイ=フィンデイル連合などの地域では、魔法の才能がある者に教育を施しているという。

「その魔女を見かけたら俺にも教えてくれ。アルバァンダート先生がいないから、魔法絡みの件は俺が出張ることになりそうなんだ」

 単なる魔導具の密売人なら、騎士達だけでも手に負える。しかし、本物の魔法使いは相手が悪い。

「分かった。あの魔女が来たらお城に使いを出すわ♥︎ あぁっ♥︎ んぁっ♥︎ あんっ♥︎ 真面目な話はもう終わりでいいでしょ? 思いっきり膣内なかに出していいからぁ♥︎」

「前に教えてくれた安全日ってヤツ?」

「妊娠しづらい日はあるけど、確実な避妊法じゃないわ。それに今日はたぶん排卵日。妊娠しやすい日よ」

「え?」

「シオンは帝都に行くんでしょ? シャーロットお嬢様から聞いたわ」

「あぁ、うん。近々、そうなるかも」

「お嬢様が魔法学院に推薦入学する件も聞かされた。今までは踏ん切りが付かなかったけれど、最後の機会かもしれないから、最近は避妊してないわ」

 弱腰になったシオンをアイリスは逃さない。

「息子はもう帰ってこないし、一人で暮らすにはこの家は広すぎるわ。お金の心配もしないで。お嬢様が手切れ金をくれたわ。私が孕めるかは分からないけれど、試してみたくなるじゃない?」

前話 | 次話

〈魔法と奇跡のミスティリオン ~最強を喰らう最弱の聖導士~〉【4話】ジェルジオ伯爵家の愛情

 ハロルド・ジェルジオ伯爵とリンロッタ・ジェルジオ夫人は仲睦まじい夫妻だ。温厚な性格で知られ、城内の使用人から慕われている。階級に対する義務的な敬意ではなく、親愛の情を向けるに相応しい人格者であった。

 シオンは伯爵夫妻を敬愛していた。ところが、大切に育てられた娘は両親を煙たがっている。最初は反抗期かと笑っていたが、どうも収まる気配がない。

 伯爵夫妻の一人娘であるシャーロットは、両親とはまったくの似ていない。天才肌で気難しく、凡人を寄せ付けぬ覇気を撒き散らす女傑の美少女。他者を寄せ付けぬ高貴な令嬢は、恐れられることも多いが、一部の領民から熱狂的な人気があった。

 シャーロットは民衆が思い描く理想の貴族に近しい。高圧的な気質であるものの、両親と同様に下々の者を虐げることはない。弱者を甚振る強者を排撃するであった。

 風評を要約すると、ジェルジオ伯爵家は領民に好かれた善良な貴族だ。

「シオン。鍛錬場で起きた魔法の騒動を解決したそうだな。の言うとおりだった。奴が留守でも、シオンがいればしっかり仕事をこなしてくれる。城内で噂になっておったぞ。首輪に宿っていた風の悪魔を追い払ったとな」

 ジェルジオ伯爵はシオンの養父アルバァンダートを「爺や」と呼んでいる。長らく家に仕えているアルバァンダートに寄せる信頼は大きい。

「風の悪魔⋯⋯? 伯爵様、それは噂に尾ヒレが付きまくってますよ」

 シオンは鍛錬場で起きた出来事に訂正を入れる。それでもジェルジオ伯爵はニコニコと笑っていた。

「いいじゃないか。シオン。良い話は大袈裟おおげさに広まったほうがいい。死人は出なかったのだからな。大怪我をした騎士見習いも後遺症は残らぬそうだ」

 ジェルジオ伯爵は我が子を可愛がるように、シオンの頭を撫でた。格式高い名家のジェルジオ伯爵家の当主は、たとえ相手が馬屋で働く下男だったとしても親しげに接してくる。

 良くも悪くも親しみやすく、性格が貴族らしくない。それは奥方も同様だった。

「でも、危ない真似をしてはダメよ。シオンはまだ正式な聖導師ではないのですから⋯⋯。悪い噂を耳にしましたわ。祓魔ふつまに失敗した帝都の聖職者が命を落とされたとか⋯⋯」

「爺やの手紙にもその件が書かれていたな。近頃、質の悪い魔導具が出回っておるようだ。帝都だけでなく、各地で魔法事故が起きいる。教会はその対処に追われているようだ」

「アルバァンダートには早く戻ってきてもらいたいわ。領内で起きた問題をシオン一人に対処させるわけにはいかないでしょう。騎士団は魔法絡みの事件があるとすぐシオンを頼ろうとするわ」

 リンロッタ夫人のシオンの活躍を喜んでくれたが、同じくらい心配もしていた。魔法を打ち消す祈りは、信仰心と魔力の戦いだ。強大な魔法が相手であれば、返り討ちに遭うこともある。

「大丈夫ですよ。奥方様。あの首輪にかけられていたのは粗雑で弱い魔法でした。伯爵様が仰ったように、禁制品の魔導具をばら撒いてる悪人がいます。アルバァンダート先生の懸念は正しかったようです。だから、俺は皆の役に立ちたいです」

 シオンは伯爵と夫人に、竜紋の魔法製品が引き起こした事件だと説明した。

「これ以上、私の領内で被害者を出したくない。関所の検査と魔導具の販売については厳しくせねばなるまい。不安を煽りたくはないが、民衆に注意喚起をすべきか⋯⋯」

 ジェルジオ伯爵は真っ白なヒゲを撫でながら考え込む。魔導具の販売は許可制となっている。しかし、何を持って魔導具とするかは曖昧だった。シャンデリアの結晶灯も魔力で光り輝いている。魔法は社会生活を支える基盤だった。

 魔導具の販売を厳格に禁止すれば、大混乱が起きてしまう。ジェルジオ伯爵領に限らず、結晶灯などの日用品は売買が黙認されていた。

「ふむ。よし。決めたぞ。悪質な魔法製品を買わぬように布告を出すとしよう。事件がさらに起こるようなら、密売人の取り締まりも検討せねばな。しかし、それは爺やが戻ってきてからで良いだろう」

 ジェルジオ伯爵は執事に指示を出す。領主が施策の大方針を決めた。次は優秀な政務官である執事が、末端の現場まで行き渡らせる。

 ジェルジオ伯爵領は帝都から離れた辺境であるが、そこそこ裕福な土地柄で、都会の喧噪けんそうを嫌った優秀な文官が流れてくる。

 多くは政争で敗北した年老いた官僚だ。辺境とはいえ、名門の伯爵家仕えならば、経歴の面目は維持できる。難点があるとすれば、牧歌的な人間が多いことだろう。野心ある武官や魔法使いは息苦しさを感じてしまう。

「シャーロットのこと、シオンはもう聞いたのかしら?」

 奥方はシオンがあえて避けていた話題を突如として振ってきた。

 リンロッタ夫人は生暖かい笑みを浮かべてみる。隣に座るジェルジオ伯爵は悪さをした息子を庇いたいが、庇いきれないといった複雑な表情をしていた。

 シャーロットとシオンが寝室で共寝していることを伯爵夫妻は察している。しかし、知らぬ存ぜぬで今まで過ごしている。注意や警告は一度もされなかった。

 たった一人の跡取り娘を穢した罪は重い。本来であれば処罰が下る。温情があれば追放刑、最悪の場合は縄で吊られて命を奪われる。

 伯爵令嬢の純潔は婚前で失われて良いものではない。

「お嬢様が帝都の魔法学院に推薦入学される話ですか?」

 シオンはとぼけた。

「シャーロットが三年生に進学したら、私の実家が所有する別邸を贈るつもりよ。でも、たった二人で暮らすには広い御屋敷よ。使用人が必要だと思うわ。シャーロットはシオンを専属の従者にしたいと強く望んでいるの」

「爺やとも相談して決めたのだ。シャーロットは魔法の才能に恵まれた。帝都の魔法学院に通わせるのは貴族の義務だ。すまないが、シオン。娘の我儘わがままに付き合ってくれ。あの子はお前を手放したくないようだ」

 シオンは静かに頷いた。気になったのは伯爵夫妻がどこまで聞いているかだ。

(伯爵様と奥方はシャーロットお嬢様が俺の子供を産むとか言ってるのも知っているんだろうか?)

 口を開いたが何も言葉が言えず、シオンは慌てて唇を結んだ。問い返す、その勇気がシオンにはなかった。視線を逸らした先に、夫人付きの侍女ケイティがいた。

 元々はリンロッタ夫人の実家に仕えていた女騎士である。武家出身の騎士階級であるが、病気を患って長期療養中だった。職務復帰後はメイドになったが、剣の装備を許されている。

(口は閉じておこう。黙認されているからこその関係⋯⋯。あの目は念押しされてる気がする。誰もが知らない振りをしていれば平和なんだ)

 そもそもシャーロットが両親にどう伝えているのかが分からない。

(お嬢様と帝都で暮らす⋯⋯か⋯⋯。猶予は半年くらい)

 いずれにせよ、ジェルジオ伯爵とリンロッタ夫人の承諾は得られてしまった。外堀は埋められている。

 シャーロットが魔法学院の三年生に飛び級を果たし、お祝いに屋敷を贈られる日は近い。シオンが帝都へ赴く運命は決まった。

 ◆ ◆ ◆

 領主への事後報告を終えたシオンは退室する。

「――はぁ」

 廊下で小さな溜息を吐き出した。シャーロットの性格は誰よりも知っている。やると言ったら、絶対にやり遂げるのがジェルジオ伯爵家の若き女傑だ。

(俺の子供を産んだら、ますます話がややこしくならないか?)

 伯爵令嬢が父親不明の私生児を出産。ジェルジオ伯爵家の醜聞である。なんとか説得できないかとシオンは苦悩する。

「シオン」

「うわっ⋯⋯! って、ケイティさんか⋯⋯。ビックリしたよ」

 廊下で突っ立っていたシオンの背後に、ケイティが忍び寄っていた。昔は重装鎧を着込んでいた大柄な女騎士だった。静かに歩くのが癖になっている。

 今は似合わないメイド服を着ていて、腰に下げた長剣がさらに見栄えのアンバランスさを増していた。

「どうしたの?」

「伯爵様と奥方様の前では言えなかったけど、アイリスがシオンに頼み事をお願いしたいそうよ」

 酒場で働く給仕のアイリス。その名を聞いて思わずシオンは苦笑いした。シャーロットから女性関係の清算を近日中に済ませるように言いつけられたせいだ。

「頼み事って魔法絡み?」

 夜のお誘いならケイティに言伝ことづては頼まない。

 騎士団がシオンを頼ったように、市井の人々も魔法絡みの事件は聖職者に相談する。しかし、アルバァンダートが不在の現在、頼れる相手は読師見習いとはいえ、実力が確かなシオンだけだった。

「そうとは限らないわ。幽霊絡みかもしれない」

「幽霊だって?」

「詳しくはアイリスが聞いてほしいわ。チーズや酒樽を保管してる地下洞窟の貯蔵庫で物音がするそうなの」

「鼠とかの害獣じゃない? それの原因」

「女がすすり泣く声を聞いたという者もいるわ。それともシオンは心当たりがある? ではなく、なら⋯⋯」

「喘ぎ声? ああ、誰かが貯蔵庫を愛の巣に⋯⋯って俺じゃないぞ!」

「そうよね。シオンがよく使っているのは馬屋の裏だと聞いているわ」

「そうそう。あぅ? え? は⋯⋯? えぇ!? ちょ、ちょっと! ケイティさん? なんで?」

「知ってるに決まっているでしょう」

「それ、もう御屋敷の皆、知ってるの? お嬢様さえ知ってたんだけど⋯⋯」

「私は奥方様から聞きました」

「うぎゃあああ! そんなっ! 嘘だ!」

 崩れ落ちたシオンは電流を流された魚のように悶絶し、廊下の床でのたうち回った。

「嘘を言うと思います?」

「それなら、僕はそろそろ自害用の小剣を用意する頃合いかな⋯⋯。泣きたくなってきた。奥方様が知ってるなら、伯爵様も知ってるじゃんか! 俺に向けられた生暖かい笑みは⋯⋯そういう⋯⋯!! お二人に知られていたなんて! ああ、死にたい⋯⋯!! 死んで償いたい⋯⋯!!」

 ケイティは思わしげに長剣の柄を握った。その瞳には怒気が宿っている。

「待った! ごめん! 冗談だよ。ケイティさん。ジョーク! 分かる? 取るに足らない戯れ言! 介錯を求めたわけじゃないぞ! まだ俺は死にたくない」

「私はそういう冗談が嫌いです」

「悪かったよ」

「そもそも今さら乱れきった素行を悔い改めても手遅れです。大聖女様も見放しています」

「そんなことない⋯⋯。大聖女様は優しいから許してくれる⋯⋯はず⋯⋯」

「とにかくアイリスの依頼は伝えました。本当に困っているようなので、助けてあげてください。アルバァンダート先生が戻られてからでも良いとは思いますが」

「いや、行くよ。調べるだけは調べる。アルバァンダート先生がいつ帰ってくるか分からないし⋯⋯」

「そう。でも、無理はしないように」

 用件を済ませたケイティはきびすを返した。やはり歩き方が武人のそれだった。侍女のメイド服が戦闘服に見えてしまう。

「ねえ。ケイティさん、元気にしてる?」

 どんな言葉をかけるべきか迷った末、シオンは声を振り絞って訊ねた。

「ええ、心身ともに健康です。もうはかけません」

 立ち止まったケイティは振り返らずに応えた。レザー製のチョーカーで隠した首回りの古傷をさすっている。傷は塞がっても、痕は消えない。

 ケイティ・グランメニルがジェルジオ伯爵家の騎士団を辞した理由は、ほんの数人だけが知っている秘密だった。シオンの淫らな痴話と違って、秘されるべき内容の話だった。

 ケイティは婚約者に逃げられてしまった。しかも、婚約者を寝取った相手は、こともあろうにケイティが可愛がっていた妹だった。二重の裏切りはケイティを精神を病ませた。

「その髪、似合ってる。伸ばしてるほうが俺は好きだ。騎士の鎧兜を被らないのなら、邪魔にもならないでしょ」

「手入れは大変です。でも、ありがとうございます。シオンの言う通りでした。着飾ってみるのも悪くはありません」

 自殺未遂まで追い詰められたケイティだったが、周囲の助けもあって快方に向っている。リンロッタ夫人から化粧を習っているという話をシオンは聞いていた。

 極端から極端に奔るケイティの傾向は要注意だとアルバァンダートや魔法医師のルフォンは危ぶんでいた。しかし、シオンはさほど心配していなかった。

 さなぎから羽化したちょうが恐る恐る空を飛んでいる。シオンにはそう見えた。辛い事件ではあったが、自由を手にする切っ掛けにもなった。

 武骨なグランメニル家では戦いのことばかりを教わっていた。武家で名の知れた騎士の一族は厳格だった。生真面目なケイティは家の教育に何ら疑いを抱かず、立派な女騎士になった。しかし、時代錯誤な側面はあった。

 ケイティの妹は、そんなグランメニル家を嫌っていたという。家の教えに忠実だった姉の婚約者を寝取った。それはある種の報復だったのかもしれない。

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〈魔法と奇跡のミスティリオン ~最強を喰らう最弱の聖導士~〉【3話】祓魔の奇跡

  シオンが騎士達の鍛錬場に到着したとき、騒ぎを聞きつけた大勢の野次馬が集まっていた。

「通してくれ。そこを退いてくれ! 関係者以外は鍛錬場から出て行ってくれ。見世物じゃないんだぞ」

 レイナードが声を荒げて、人混みを掻き分ける。その後ろをシオンは付いていった。

「あの人はいつから浮いてる?」

 事細かな説明は不要だった。変事は一目瞭然。レイナードの言うとおり、言葉よりも見た方が状況把握は早かった。

 魔法でなければ起きえぬ超常現象がそこにはあった。

「あの騎士は大地に嫌われ、空に好かれている。しかし、居心地は良くなさそうだ。どう見てもあれは悪しき魔法だな。風が吹き荒れてる。単純な浮遊魔法じゃなさそうだ」

 騎士鎧を着込んだ新兵が浮遊している。風に弄ばれて身体がクルクルと回転運動していた。

 意識を失っているらしい。叫び声は聞こえない。あれだけ振り回されれば気絶するのも無理はない。

「俺が正門の立哨りっしょうを終えて、新兵の朝練を見に来たら空で溺れてた。ギブソン! 来い! こっちだ! エドがああなった時、お前が模擬戦もぎせんの相手だったんだろ」

「エド? ギブソン? 俺の知らない名前だ」

「そりゃそうだ。鎧の重さも知らないくらいのヒヨッコさ。訓練を始めて二週間」

  幼少期からジェルジオ伯爵城で暮らすシオンは、城内で暮らす使用人や騎士団の面子とは知り合いだった。名前すら聞いた覚えのない相手は新入りだけだ。

「はっ! はい! 自分がギブソンであります。司祭様!!」

 聖職者のローブを着ているシオンに片膝を着く。子供であることに驚いているようだったが、真っ白なローブと教会の経典を抱えていれば、どんな相手だろうと司祭に見えてしまうのだろう。

「悪いね。ギブソン。俺は見習いだ。お前と同じでヒヨッコさ」

「え?」

「まあヒヨコ同士仲良くしよう。まずは情報共有だ。常識的に考えればヒヨコが空を飛ぶなんてありえない。エドが地上を嫌ってばたいてしまった理由に心当たりは?」

「えっと⋯⋯! その⋯⋯あの⋯⋯!!」

 緊張しているギブソンは言葉に詰まる。

「よし。質問を変えようか。普段と変わったことはあった? 何でもいいよ。たとえば朝食で変なキノコを食べたとか、妙ちくりんな呪い言葉をつぶやいていたとか、大地の悪口を言い始めたとか、お空を口説き始めたとか、似合わないを身に付け始めただとか。どうだろう?」

「あっ! そういえば! 自分と模擬戦もぎせんを始める前! 浮かび始める直前に首輪が光ってました」

 シオンは空を見上げる。エドの首元で魔力を放出している首輪を睨んだ。

「原因はそれで決まりだ。しかも、あれは犬用の首輪だよ。趣味が最悪だ。ちなみに出所を知っているかな? ジェルジオ伯爵家はあんな支給品を配ってない。どこぞの商人から個人的に買ったはずだ。犬の首輪に魔法をかけるような奴。売主には最初から悪意が会ったに違いない」

「さあ。そこまでは……」

「そう。ありがとう。ギブソン」

 レイナードが割り込むように訊ねる。

「首輪が原因だって? ちっ! 悪い魔法がかけられてるんだな。くそ。あれを外せばいいわけか」

「そうだよ、レイナード。だけど、犬が自分で首輪を外せると思う? うわっ! こりゃ不味いぜ。腕の関節がヘンテコな方向に曲がり始めたぞ」

 空中で乱舞するエドの四肢は、遠心力で折れてしまった。

「シオン。頼む。エドの首や背骨が折り曲がる前にどうにかしてくれ」

「分かってるよ。悪さをしてるのは風の精霊シルフかな? 俺の見立てじゃ、単なる浮遊魔法ではない。それとも⋯⋯。んー。ルフォン先生や御嬢様なら一目でどの階位魔法に属すか分かるだろうけど⋯⋯」

「難しそうか?」

 レイナードは不安げな表情を作った。もしシオンの手に置けなければ、隣町にいるルフォン先生を連れ戻す必要がある。

 どんなに急いでも一日はかかる。回転の速度は増している。エドの四肢が先に遠心力で引き千切れてしまうだろう。

「心配しなさんな。多分、大丈夫だ。聖職者のサクラメントは、小難しい魔法原理を素っ飛ばせる。聖女様の奇跡を信じろ。細かい理屈はどうでもいいのさ。でも、あの高さから落下したら死にかねない。重力は無慈悲だ。丈夫な布が欲しい。衝撃を和らげる毛布とか用意してる?」

「野外天幕のフライシートがある。それで受け止める。力仕事は俺らに任せてくれ」

「じゃあ、さっそく始めよう。気をつけてくれ。エドが真下に落ちるとは限らない。風が荒ぶってる」

「分かった。受け止めは動ける部下を使う。おい! 新兵! これからエドを地上に降ろす。お前達は集まった見物人達を下がらせるんだ」

 レイナードの号令が鍛錬場に響いた。要するに新兵も邪魔だから下がってろということだ。慌てた様子で新兵達は野次馬を誘導する。

 この騒ぎにちっとも動じない先輩の騎士達は、野営時に雨除けで使うフライシートを広げた。普段の重装備は外している。

 浮遊乱舞するエドの動きに合わせて、シートを広げたまま、いつでも駆け出せる体勢だった。

 準備が整ったのを見届けたシオンは祈り始める。

「――我が祈りは折れぬ剣」

 教会の経典を開いたシオンは聖句をそらんじる。

「――我が信仰は砕けぬ盾」

 空中に浮かんだエドの身体が急停止する。まるで見えない十字架に張り付けられたように四肢が引き伸ばされた。

「――我が救済は断ち切れぬ鎖」

 突風が吹き荒れている。首輪に宿る悪しき魔法はシオンに牙を向けた。

「――汝の憐れな魂を救い上げよう」

 たじろぐことなく、シオンは祈祷の言葉を続ける。

「――汝の罪科を天秤に乗せよう」

 首輪に込められた魔力が抜けていく。

「――汝の贖罪を笏杖しゃくじょうで仰ごう」

 荒ぶる風は聖言に抗えなかった。

「――人の子らよ、願い望み、救いを求めよ」

 首輪に亀裂がはしった。その光景を目にした群衆達がざわめき始める。

「――欲する者のみに私は奇跡を与える」

 空を見上げた聖職者は、人間をもてあそぶ悪しき魔法を信仰で打ち砕いた。

「――悔い改めよ。祝福の刻は到来した」

 首輪は砕け散った。浮遊していた新兵の身体が重力に従って自由落下する。待機していた騎士は上手い具合にフライシートで受け止めた。

 意識を失ったエドは血の泡を吹いている。

 幸いにも呼吸はあった。手足が滅茶苦茶な方向に折れていたものの、頸椎けいついや背骨は無事だった。

 ◆ ◆ ◆

「酷い怪我だ。死にはしないだろうけど、やっぱりルフォン先生を呼び戻すべきだ。自然治癒の範囲で収まるものじゃない。首は魔力による火傷だ。跡が残るだろうな。腐食してる」

 シオンはエドの首に触れる。黒い痣ができていた。魔力で皮膚が焦げて壊死を起こしている。

「浅いな。腐ったのは表皮だけだ。頸動脈けいどうみゃくまでは達してない」

 気の利く騎士が包帯と薬草を持ってきてくれた。

「ありがとう。傷の消毒は俺がやるよ。エドの身体に触れないほうがいい。祓い消した魔法の余韻よいんが残ってるかもしれない」

 血が混じったよだれを拭き取り、焦げた首周りに応急処置を施した。

「営舎に運ぶ。エドの身体に触れると不味いのか?」

 レイナードは確認する。

「直接触れなきゃ大丈夫。厚手の手袋を外さないようにしておけばいい。念のためさ。何の魔法がかかってたのか俺には分からないんだ。三十分くらいかな。アルバァンダート先生ならそう言うだろうさ」

「首輪の破片はどうする? 鍛錬場に飛び散ってしまった。回収すべきか?」

「俺が集めるよ。でも、探すのを手伝ってほしい。もちろん、触るのは僕だけだ。魔法は必ず痕跡を残す。鑑定してもらえば、どんな魔法が悪さをしていたか分か⋯⋯おや? おお、良かった。エドの意識が戻ったよ。やあ、お元気かい? 気分はよろしくないだろうけどね」

 真っ青な顔でガタガタと唇を震わせるエドはシオンの手を握った。

「し、しさいさま⋯⋯! あぁ⋯⋯! ごめぇ⋯⋯あぁ⋯⋯!!」

「俺は読師見習いのシオン。視界がぼやけてるのかな? お髭を生やしたアルバァンダート先生に見えた? 新入りさんじゃ、俺を知らないかな? まあいいさ。悪い魔法は消えた。折り曲がった腕や足はルフォン先生が綺麗に治療してくれる。俺じゃ治療魔法が使えないから、首元の消毒だけしておくよ」

「あ、ありが⋯⋯どぉ⋯⋯ご⋯⋯」

「感謝は聖女様に捧げるといい。俺は祈りを捧げただけさ。命を救われた恩を返したいのなら、ジェルジオ伯爵家に忠義で返すこと。高い勉強代だったが学ぶことは多かったろ。さあ、行った、行った!」

 鍛錬場の騒ぎは文字通り一件落着した。シオンの不埒な素行を知らない新入り達は、幼年の聖職者に崇敬の眼差しを向けている。「悪魔祓いだ!」「奇跡で呪いを打ち砕いた!」と興奮気味にささやいている。

「人助けの賞賛はいい気分になれる。眠気が吹き飛んだよ」

「やれやれ。エドの事情聴取とお説教は治療が終わってからだな。えらい騒ぎを起こしやがって⋯⋯。ともかく助かった。ありがとう、シオン。間抜けな殉職者を出さずに済んだ」

 レイナードは張り詰めていた緊張を緩めた。暴漢やモンスターが相手であれば、騎士の武力でねじ伏せられる。だが、魔法相手にはお手上げだった。

「先々月も似たような騒動で、城下街に俺とアルバァンダート先生が呼び出された。どころか、哀れな若者がいたよ。レイナード、可哀想な新兵を締めあげても意味なんかないよ。『身体を軽くする魔法の首輪』どうせそんな売り文句に踊らされて怪しい売人から買ったんだろうさ」

「可哀想なもんか。騎士見習いのくせに訓練で楽をしようとしたせいだ」

「よくある話だろ」

「いいや、腐った根性を叩き直す。訓練を疎かにする奴は実戦で使い物にならん」

「あんだけ痛い目を見たんだ。もう魔法なんかりだろうさ」

「それにしてもすごいもんだな。魔法を打ち消す聖職者の奇跡ってのは⋯⋯」

「祈るだけさ。原理上、信仰魔法は誰にだってできる。真摯な気持ちさえあれば」

「朝の礼拝を邪魔して悪かった。夜に酒場で奢ってやるよ」

「酒場か⋯⋯。アイリスとは顔を合わせたくないんだよなぁ」

「御嬢様に知られたんだったか?」

「それはお前のせいだ」

「十二歳のガキンチョが色恋じゃ、経験豊富で随分とませてるな。相手を選ばず、手を出しすぎだ」

「人妻と年下には手を出してない。聖女様に誓った」

「聖女様は遊び人がお好きなようだ。男の趣味は悪い。女好きのシオンに恩寵を授けるなんて。まったく笑っちまうよ」

「首輪にかけられた魔法がもっと強力だったら、俺の手には負えなかったよ」

 人類魔法体系には位階がある。

 第一魔法から第九魔法までの九段階。第一魔法を修めなければ第二魔法は修得できない。つまり、次の位階に進むには、下位の魔法をマスターする必要があった。

 第九魔法を極めた者は、人類の全魔法が使える。

 唯一の例外は第零魔法である。魔法を打ち消す魔法。魔力を使わず、信仰心のみで発動する教会の秘蹟。求められる資質は真摯な祈り。大魔法使いであっても信仰心に欠けている者は、第零魔法を発動できない。

 その特異性ゆえに、第零魔法を認めない魔法使いも多かった。強い祈りさえあれば発動できる。定型の起動呪文を必要とせず、法定式が存在せず、魔力源もいらない。

 聖女が滅焉の忌名を持つ由来だ。教会が語る伝説によれば暴虐なドラゴンの大魔法を聖女はことごとぎ払ったとされている。

 魔法はより強い魔法に負ける。それが魔法法則の基本であるが、第零魔法だけは当てはまらない。

 猛烈な信仰心は魔法を打ち砕く。

 シオンのような魔力無しの弱者が使える唯一の神秘は、魔法を打ち消す祈りだ。教会の聖職者は暴走した魔法を無効化する専門家スペシャリストだった。信仰心の強いシオンは、聖女の恩寵ゆえか、おおよその魔法を祈りで消し飛ばせる。

「おっと。さっそく首輪の断片を見つけたぞ。ん? これは⋯⋯?」

 シオンは足下に転がっていた首輪の一部を拾い上げる。

「どうしたんだ? シオン」

「ちょっとこれを見てくれ。首輪に描かれていた紋章みたいだ」

「焦げ臭いな」

「前の騒動でも見かけた。これ。ドラゴンのマークだ」

 シオンは地面で燻っていた破片を拾い上げた。焼失が著しいものの、辛うじて漆黒竜のシンボルが確認できる。創設期の教会を脅かしてきた不倶戴天の怨敵、竜大帝ドラゴンロードを讃える紋章だった。

「嫌な感じだ。城下街で悪さをした魔法の剣⋯⋯。柄に同じマークが彫ってあった」

「もしかしてドラゴンロードの竜紋じゃないか? 何だって錆び付いた伝説の悪竜が?」

 レイナードでもこれが悪しき象徴だとは分かった。反教会の魔法使い、魔法至上主義者が好んで使うマークでもある。

「さあね。でも、アルバァンダート先生が帰ってくれば、何か分かるかもしれない。ご学友のところに出かけたのは、これの出所を調べるのが目的だったはずだ。最近、この手の事件は沢山起きている」

「そうか。なら、アルバァンダート先生の帰りを待つとしよう。それとだ。首輪の回収が終わったら鍛錬場をお祓いしてくれるか?」

「鍛錬場のお祓い? 意味ないと思うぞ?」

 力のある聖職者であれば聖域結界を結び、邪悪な魔法を寄せ付けない領域を創生できる。しかし、第零魔法のサクラメントしか使えないシオンには不可能な芸当だ。

 そもそも魔法がかけられていたのは、首輪であって鍛錬場という場所ではない。祈りを捧げることはできるが、単なる気休めでしかないと説明する。それでもレイナードは騎士達が見ている前で、お祓いをしてほしいと頼んできた。

「形だけでもやってくれ。聖職者が浄めてくれれば騎士達が安心するからな」

「聖女様の恩寵が欲しいなら、朝の礼拝を欠かさずすればいいのに⋯⋯」

 シオンには特別な才能が何一つない。シャーロットような魔法の才能、レイナードのような剣技の才能、若人わこうどが望む力を世界は与えてくれなかった。

 無才の少年はひたすらに祈り続けた。聖女の恩寵は信仰心さえあれば、万民に等しく与えられる。

 悪しき魔法を祓えるのは聖女の力を借りているのであって、シオン自身の力ではない。強い想いさえあれば、誰でもシオンと同じ祓魔ふつまのサクラメントができるはずだった。

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美少女ゲーム情報誌
月刊メガストア2024年10月号

巻頭特集
悠刻のファムファタル(エスクード)
催●性指導 Secret Lesson(だーくワン!)
催艶嬢学園2 〜熾天使たちの花園〜(アストロノーツ・シリウス)
双天†恋姫 -至源の王-(BaseSon)
蛟の巫女(Liar-soft)

メーカー応援ページ
冥王さまのお仕事記録簿(あいりすミスティリア!R/オーガスト×FANZA GAMES)
Kiss and Kiss(カスタムオーダメイド3D2&2.5シリーズ/Kiss)
My FAVORITE Things(アストラエアの白き永遠 FHD Re:Eternity/FAVORITE)

巻中特集記事
光翼戦姫エクスティア コンチェルト4 (Lusterise)
紬の花嫁(Hending)
D.C.5 Plus Happiness 〜ダ・カーポ5〜プラスハピネス(CIRCUS)
恋愛弱者の幼馴染少女と恋愛強者の彼女(Waffle)
三毒繚乱(TinkerBell)ほか

執筆陣メガストア編集部
表紙イラスト
価格電子:価格550円(税込)
発行日2024/09/15

コアマガジン『月刊メガストア』
(毎月15日、紙30日)

【オシリス文庫】新妻はとろとろになるほど愛されたい クーデレすぎる未来の嫁の面倒な7日間 番外編(5)

「それで、試してみたいことがあるんですけど」

コンビニの前で「拾う」「拾われる」という出会いから
同居生活を経て、ついに結婚に至った克樹と麻友。

書類上の関係は変わったものの
いちゃラブ度は変わらないふたりが
今回チャレンジするのはあのプレイ。

愛する新妻の提案に乗らないわけがない。
『クーデレすぎる未来の嫁の面倒な7日間』番外編、第5巻!

著者桐刻
イラストうなさか
価格¥915(税込)
発行日2024/9/13