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【135話】愛妾セラフィーナの思惑

 ロレンシアが出産した子供のうち、借り腹で産まれた十一人は湿原園テケリ=リに送られた。

 ――民族自治領テケリ=リ。

 女官総長ヴァネッサの郷里であり、多くのショゴス族が暮らす湖畔の湿地帯。奉仕種族のショゴスは仕える主君が見つかるまでの間、テケリ=リの長老から手解きを受けるのが古くからの伝統であった。

 ――しかし、最後に生まれた十二人目の子供は、ショゴス族の形質を遺伝しておらず、まさしくベルゼフリートとロレンシアだけの子供だった。

 母親譲りの真紅の赤毛。父親からは褐色の肌を受け継いでいた。

 ヴァネッサはベルゼフリートの形質を強く受け継いだ末子を欲しがった。髪色こそ赤毛だが、父親似の顔立ちをしていた。皇帝の子供は大勢いるが、父親似の男児はほんの数人しか産まれていない。

 ヴァネッサは女官総長の権限で、ロレンシアが産んだ十二人の兄弟姉妹をショゴス族の郷里へ送り、テケリ=リの長老に委ねようとした。しかし、セラフィーナが異を唱えた。

「書状をしたためました。ロレンシアは私の家来。家来の子供ならば、主人の娘に仕えるのが主従の道理ですわ。ラヴァンドラ伯爵家に預けた我が娘ギーゼラの家来とします」

 セラフィーナの言い分でもあり、ロレンシアの望みでもあった。

 ロレンシアの子供をセラフィーナの息女に仕えさせる。母が果たせなかった騎士の忠義を子に託す。強い思いが込められていた。

「リア、貴方に使いを命じます。この書状をラヴァンドラ妃殿下に届けてください」

「ラヴァンドラ妃殿下への使者に私を?」

「ええ。無位無冠の愛妾に過ぎない私から、女官総長のヴァネッサさんにお頼みしても難しい話ですわ。なにせ相手は女官の総頭。三皇后に匹敵する宮中の実力者。であれば、我が娘ギーゼラを引き取ってくださった宰相派の上位王妃、ラヴァンドラ妃殿下から申し上げたほうがよろしいでしょう?」

 昨年の末月、セラフィーナが産んだ三つ子のうち、三女のギーゼラはラヴァンドラ伯爵家に引き取られ、メガラニカ帝国の帝都アヴァタールで暮らしていた。

「⋯⋯ですが、セラフィーナ様。ラヴァンドラ妃殿下は宰相派の王妃。新興財閥の歴史が浅い貴族とはいえ、宰相閣下の重鎮です。地位の高い妃様でございます。側女が使者では、門前払いにされるやもしれませんよ?」

「リアは本来、ヘルガ妃殿下仕えの側女。蔑ろにされませんわ」

「ですが⋯⋯」

「心配性ですわね。でも、大丈夫よ。念のため、ヘルガ妃殿下に裏書きをお願いしておりますわ」

「それならば安心です! ヘルガ妃殿下のお力添えをいだけるのなら、お受け取りいただけると思います!」

 リアは犬の尻尾をふりふりと左右に揺らしている。

「リア、何も心配はいりませんよ。書状の内容を読んでいただければ、ラヴァンドラ妃殿下は必ずや提案を聞き入れますわ。ロレンシアは男児を産んでくれました。フォレスター辺境伯家の男児⋯⋯。使い道はいかようにでもありますわ。ふっふふふふ♥︎ 才気溢れる子の養育を委ねるのですから、むしろ感謝してほしいくらいですわ♥︎」

 セラフィーナは筆を止める。何やら考え込む。

「あら? そういえば⋯⋯。ララノア、ちょっと、こちらに来て」

「いかがされました。セラフィーナ様?」

「湿原園テケリ=リとはいかなる場所なのでしょうか? 私はメガラニカ帝国に詳しくありません。ララノアは熟達の冒険者と聞いていますわ。帝国の地理にはお詳しいのでしょう? ショゴス族の自治領と聞いているけれど、何方の所領なのですか? 領主のお名前は?」

「民族自治領のテケリ=リは、ショゴス族の長老達が治めている土地です。領主はいません」

「領主がいない? それなら統治はどなたがされているのです?」

「長老達の話し合いで治めています」

「そう。どういう場所? 内陸部にあると聞いていますわ」

 

「私も冒険者組合からの依頼で何度か行った程度ですが、広大な湿原が広がる湿潤な土地です。普通の種族は暮らしにくい⋯⋯気がします。夏は蒸し風呂みたいな皮膚に粘りつく暑さで体調を崩しかけました。しかし、ショゴス族には居心地が良い場所らしいです」

「湿潤なのでしょうね。テケリ=リはショゴス族だけが住んでいるのですか?」

「商売や旅行で訪れる者はいます。しかし、永住が許されているのは、ショゴス族と所縁がある者だけです。たとえばショゴス族と婚姻した者や⋯⋯ロレンシアのように借り腹となっている者を⋯⋯囲っています」

「なるほど。ロレンシアの身体は大きく変貌してしまいました。⋯⋯そういった所業を快く思わない者達もいると聞いておりますわ」

「ショゴス族の文化ですから、口出しはできません。しかし、ヘルガ妃殿下を筆頭に開明派の貴族は⋯⋯廃止を強く訴えております。借り腹となった女は、ショゴス族に手厚く保護されますが、子産みを強要される立場でもあるので⋯⋯。⋯⋯肉体改造をされてしまったら、子飼いの繁殖奴隷として一生を送ります」

「教えてくれてありがとう。そういう事情があるなら、ヘルガ妃殿下は私の書状に裏書きしてくださりますわ。安心いたしました」

 セラフィーナは再び筆を手に取る。だが、ふと気付く。重要なことを聞きそびれていた。

「ロレンシアの産んだ男児の名は? 胎孕たいよう廟堂びょうどうからの知らせでは何と言っていたのかしら⋯⋯?」

「ロレンシアは決められずにいるようです。なにせ産まれたのは十二人。一人一人に名前を付けるのも一苦労です」

「くふふふふ♥︎ 無理もありませんわね。三つ子の私でさえ名付けには悩みましたものっ♥︎ ふふふっ♥︎ 我が子に想いを託すのは母親の楽しみでもありますわ。⋯⋯そうそう、子供の名前といえばララノアとリアは決めているのかしら?」

 ララノアとリアは顔見合わせる。二人ともベルゼフリートの赤児をお胎に宿していた。

「その昔、私が駆け出しの冒険者だった頃、親しくさせてもらった仲間がおりました。その者達の名を付けようと考えております」

「私は祖父と相談しますが⋯⋯。男子なら父の名を、女子なら母の名をと思っております」

「良きことですわ。陛下の御子を孕んだ胎は、順調に育っているようですわね。晩秋はめでたき慶賀けいがの季節となることでしょう。子産みの悦びを存分に味わってほしいわ♥︎」

 黄葉離宮の側女は七人。全員がベルゼフリートの皇胤で孕んだ。リアはヘルガ仕えで借りている側女であるが、しばらくは返さなくてよいと返事をもらっている。

 黄葉離宮の女達は皇帝の覚えがめでたい。セラフィーナを嫌う者は宮中に多いが、皇帝のお近づきになれるのならと、年季奉公を望む側女が現れ始めた。

(陛下の子を授かれるのなら⋯⋯そういう側女が多くいるようですわね。近づいてくる側女を上手く利用できればと考えもするけれど、今はまだ早いわ)

 セラフィーナは申し出を断っている。しかし、リア、ララノア、ルイナ、アリスティーネ、エルフィン、テレーズは出産時期が重なる。六人が胎孕たいよう廟堂びょうどうに入っている間、黄葉離宮に残る側女はロレンシアだけとなってしまう。

 側女はもう何人か必要だ。しかし、他の妃から借りるつもりにはなれなかった。年季奉公は一時の主従関係。ある意味では妃からの密偵だ。

 セラフィーナは信頼できる側近を欲していた。

「ロレンシアが黄葉離宮に帰ってきたら、皆で祝ってあげましょう」

 ――ロレンシアが黄葉離宮に戻るのは、今より一週間後のことであった。

 帰参したロレンシアは出産を終えたとセラフィーナに報告し、十二番目に産まれた息子はジゼルと名付けられた。

 ヴァネッサを始めとするショゴス族の女官は、自分達が植え付けた卵子で実った御子だとしてジゼルの養育権を主張した。しかし、セラフィーナの働きかけで、軍閥派のヘルガと宰相派のラヴァンドラが動き、女官達の横暴な要求は退けられた。

 このとき起こった不毛なやり取りはベルゼフリートを大いに辟易させたという。

 司法神官の仲裁により、結局はヘルガとラヴァンドラの意向通りに進んだ。遺伝検査でジゼルはヒュマ族と診断され、ショゴス族の遺伝子が混ざり込んでいなかった。血縁が決め手となった。

 

 ジゼルは帝都アヴァタールのラヴァンドラ伯爵家に引き取られ、くはセラフィーナの娘ギーゼラに仕える家来となる。

 十数年後、成長したジゼルはアルテナ王国の東西統一戦争でジゼルは初陣を飾る。フォレスター辺境伯の地位を継ぎ、聡明な騎士と勇名を馳せる。

 はるか先の話であるが、ロレンシアが愛息に託した想いは果たされる。

「――ときに、ララノアは物探しが得意ですか?」

「物探し? 何の話でしょうか⋯⋯? セラフィーナ様?」

 セラフィーナの唐突な申し出にララノアは首を傾げた。

「私はあるアクセサリーを探しているのです。。八年か九年ほど前までシーラッハ男爵家が所有していたのですが、帝都の商人に売り払ったそうです。どうにか見つけ出したいわ」

「手がかりはありますか? たとえば形状や見た目が分かるようなものは?」

「これを見てくださる?」

 セラフィーナは写し絵をララノアに見せる。

「写し絵⋯⋯。精巧に描かれていますね」

「軍務省と宰相府も翡翠の首飾りを捜索していますわ。しかし、まったく情報が得られておりませんの。元々は哀帝の寵姫アンネリーが持っていたかもしれない貴重な逸品ですわ。ララノアは帝都で名を馳せた一級冒険者でしょう? 貴方達の力をお借りしたいわ」

「冒険者だったときのツテを使えば、お役に立てるとは思います。ですが、私達は宮廷の女仙となった身。もはや下々の世に降り立つことはできません」

「ご安心なさい。軍務省の許しを得ておりますわ。アリスティーネとルイナは武器を持ちたがっていたでしょう? 宮中では許されませんが、外でならば問題ないとのことですわ」

「帝都アヴァタールに降りて良いというのですか?」

「ええ、もちろん。私の護衛もしてもらわねばなりませんわ」

「セラフィーナ様も同行されると⋯⋯!?」

「あら? 驚くことなのかしら?」

「驚きますよ。本来、宮廷の女仙は地上に降りません。天空城アースガルズから離れるのは儀式祭典でやむを得ずの場合だけ⋯⋯と私は思っていました」

「許可があれば外出できますわ。ロレンシアのときもそうだったはずですわ」

「それはそうですが⋯⋯」

「ちょうど良い機会です。帝都アヴァタールを見聞したいですわ。身体の調子が良くなってきましたし、ちょっとは運動をしないと」

「我々も通常の状態であれば、セラフィーナ様を護衛するのに何ら問題はありませんが⋯⋯孕み胎の身では⋯⋯万が一もありますよ⋯⋯?」

「レオンハルト元帥の妹御、タイガルラさんが護衛に加わっていただけますわ。万が一は起こりえません。半年後にはララノア達の胎は、今よりももっと大きくなっているのだから、むしろ探すのなら今のうちですわ」

 ララノア達の身体は妊娠初期の状態で、まだ肉体に大きな変化はなかった。ホルモンバランスの崩れで、体調の悪い日が続いていたが、最近は安定していた。

「翡翠の首飾りとやらはそれほど重要な代物なのですか? タイガルラ殿はアレキサンダー公爵家の重臣⋯⋯。よほどの事情があるのでは?」

「ええ、まあ。詳しくは明かせません」

 

「⋯⋯左様ですか」

「散逸したメガラニカ帝国の財宝を再び集める計画があるのです。ユイファン少将は私に首飾りの捜索を命じられましたわ。そういう話だと思ってください」

「⋯⋯⋯⋯」

 ララノアはセラフィーナが嘘を言っていると気付いた。もし歴代皇帝の財宝を蒐集するというのなら、軍務省が表立って出てくるはずがない。

(セラフィーナ様は誤魔化されている。おそらく翡翠の首飾りを探し求めているのは国防上の理由⋯⋯。参謀本部のユイファン少将の名が出てくるならまず間違いない。翡翠の首飾りは重要なアーティファクトなのだろうか⋯⋯?)

 国宝であれば管轄は宰相府、皇帝の御物であれば財務女官が取り仕切る。宰相府と軍務省が協力して捜索するなど、通常はありえない。

「リアには留守を任せますわ。黄葉離宮に残りなさい。出産を終えたロレンシアが胎孕たいよう廟堂びょうどうから帰ってきますわ。しばらくの間、お世話をしてあげなさい」

「承知いたしました。セラフィーナ様」

「ララノアは外出の支度をお願いします。正式な許可をいただくまで、時間がかかると思いますわ。タイガルラさんとの打ち合わせは、黄葉離宮の客間を使ってください」

 翡翠の首飾り――軍務省と宰相府は本腰を入れて捜索に乗り出した。

 三代の皇帝を破滅させた三人の人物が、同一の装飾品を偶然所持していたとは考えにくい。

 哀帝の寵姫アンネリー、死恐帝を暗殺した帝国宰相、現皇帝の肉親を処刑する原因となったシーラッハ男爵。

 関連性に気付いたユイファンとセラフィーナはある不安を抱いていた。

 災禍を生じさせた皇帝はもう一人いる。大陸統一国家を滅亡させ、メガラニカ帝国を辺境国まで衰退させる原因となった破壊帝。その被害は凄まじく、外海からやってきた黒金の勇者に討たれ、死後の災禍が終わるまで、甚大な被害を大陸全土に与え続けた。

(破壊帝が狂気に取り憑かれた理由は分かっていませんわ。もし翡翠の首飾りがメガラニカ帝国の皇帝に破滅させる呪物だったとしら⋯⋯)

 セラフィーナは妻として、夫の身を案じていた。表向きには十四歳になろうとしている少年。しかし、実年齢は九歳程度の幼児だ。特殊な出生だったせいで年齢が一致していない。

(⋯⋯そもそも破壊者ルティヤとは何なのでしょう? 大陸を荒廃させるだけの禍々しい力。もっと諸外国に知れ渡っていても良いはず)

 セラフィーナの疑問は的を射ている。隣国のアルテナ王国ではメガラニカ皇帝の存在が忘れ去られていた。実のところ言えば、メガラニカ帝国内においても、破壊者ルティヤの伝承は正しく伝わっていなかった。

 メガラニカ帝国の皇帝は特別な力を持ち、非業の最期を迎えると恐ろしい災禍が起こる。その程度の認識しかなく、破壊者ルティヤの正体は禁忌とされ、一切の研究を禁じられていた。

(禁忌を明文化したのは栄大帝の時代、つまり大宰相ガルネットが帝国憲法で定めた。大神殿では始皇帝の時代から、破壊者ルティヤが禁忌の存在だったというわ)

 転生体とは破壊者ルティヤの器。無限に等しいエネルギーを抑えこむ強力な封印。封印が破られたとき、阿鼻叫喚の惨劇が始まるのは、セラフィーナも記憶の追体験で知っている。

(陛下に危害を加える危険物なら、一刻も早く破壊しなければいけないわ。出来ることなら、私の手で破壊したい。私の忠愛が本物だと内外に知らしめるためにも⋯⋯)

 愛妾のセラフィーナはベルゼフリートの温情で優遇されているに過ぎない。もう一人の愛妾であるユイファンは軍務省に所属し、少将の地位にいる情報将校だ。

(地位が欲しいわ。もっとベルゼフリート陛下のお側に⋯⋯)

 アルテナ王国の女王にも関わらず、宮廷内でのセラフィーナはちっぽけな情婦でしかなかった。


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