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【第1話】レーヴェ家の娘達、長女ダザリーヌと次女アヴェロアナ

「ダザリーヌ! 御主人様の書斎に入って来るときはノックをしなさいっ! いっ、いつも言っているでしょう!」

 叱りつけた勢いで我が身の痴態を誤魔化す。心臓の鼓動が跳ね上がっていた。頭が真っ白になった後、大慌てで恥部を隠した。

 はだけさせていたメイド服の上衣を直す。ボタンを閉めて乳房を収納する。焦ってボタンがなかなか閉まらない。

(まったくもう! 困った娘だわ……!! 誰に似たのかしら……!? あらやだ……! ボタンを掛け間違てしまったわ!)

 脱ぎ捨てた下着が床に転がっている。そちらは回収する余裕がない。

「そうだった! またノックするの忘れちゃった。ごめんなさい。お母様。てへ♪」

「てへ♪ じゃありません!」

「だってー。お腹すいちゃったのー! ぺこぺこー!」

 私をお母様と呼ぶ幼女は、四年前に生まれたヴォルフ坊ちゃんの娘ダザリーヌだ。天真爛漫てんしんらんまんで、寝ているとき以外は春風のように飛び回っている。

「子供部屋に戻っていなさい。すぐに夕食を作って差し上げますから」

「はーい。ところで、お母様? お父様と何してるの?」

 私の顔は引きつった。子供は遠慮を知らない。

 幼女の好奇心を刺激してしまったらしい。性的知識が皆無なダザリーヌは、私とヴォルフ坊ちゃんが何をしているかなど、察せられるわけがなかった。

(あぁっ! もうっ! もうっ!! ど、どうしましょう? まずはヴォルフ坊ちゃんにオチンポを引き抜いてもらって……。いいえ、結合部はスカートで隠れているわ。これならオマンコに挿入しているとは分からない。だったら、このまま誤魔化してしまえ……!)

 深呼吸で平静を装う。車椅子に座るヴォルフ坊ちゃんは現実逃避で、窓の外を無言で眺めている。顔色は熟れたリンゴのように真っ赤だ。

 きっと私も同じ顔色になっている。

「私は御主人様を人肌で温めているのですよ。冷たい風が入って来るから、扉を閉めて出ていきなさい」

「お父様。寒いの?」

 ダザリーヌは書斎から出て行こうとしない。

(――あっ。これは不味い)

 いい具合に誤魔化せたと思ったのに、私は言い訳をしくじった。

「私も手伝うわ! 寒がりなお父様を温めたい!」

 長女のダザリーヌは絶望的に察しが悪い。次女のアヴェロアナだったら、今頃は空気を読んで出て行ったはずだ。

 私はどうしたものかとくびさする。

「……お姉ちゃん。……ダザリーヌお姉ちゃん。お父様とお母様が困ってる。勝手に書斎に入ったらダメなんだよ」

 アヴェロアナがダザリーヌの手を掴んで引っ張った。三歳の妹、四歳の姉。一つ違いの姉妹は妹のほうが年上に見えてしまう。

「アヴェロアナ、良いところに来てくれたわ。ダザリーヌを連れて行ってくださいね。早く書斎から出ていきなさい」

「はい。……お母様」

「えー。ちょっと! ねえ。引っ張らないでー。アヴェロアナちゃん」

「こっち。お姉ちゃん。行こう。お母様に怒られちゃう。にも叱られるよ」

 アヴェロアナの控え目な性格は、元気過ぎる姉の反動かもしれない。だが、言われた通りに動いてくれる。私としてはありがたい。三歳児とは思えぬ聡明さだ。

 ダザリーヌも賢い娘である。けれど、素行に結び付いていない。

 娘達は書斎を出ていき、ドアが閉じた。廊下で騒いでいる声が聞こえる。

 私とヴォルフ坊ちゃんは、示し合わせたように安堵の溜め息をついた。

吃驚びっくりしたよ。心臓が飛び出すかと思った。セックスの現場を娘達に見られるところだった」

「メイド服のスカートを脱がなかったのは正解でしたわ。……書斎の扉にも鍵が必要ですね」

「そうかもしれない」

「まぁ……大人になったら私とヴォルフ坊ちゃんが何をしてたか気付くと思いますよ」

「やっぱ見られたかな?」

「はい。ダザリーヌにはオッパイ丸出しの痴態をがっつり見られちゃいました」

 子供に見られて、私とヴォルフ坊ちゃんはすっかり興醒めしてしまった。

 このまま子作りを続ける気になれず、挿入状態のオチンポを引き抜く。結合が解除され、オマンコは名残惜し気にぬぢょりと粘液の細糸を引いている。

「お掃除フェラをいたしますわ」

 舌先でヴォルフ坊ちゃんのオチンポを綺麗に舐め取る。私はセックスの終わりにフェラで淫行の汚れをお掃除する。

「んぅっ♥︎ んぢゅぅぅうっ♥︎ んぢゅっ♥︎ んぅっうお゛っ……♥︎」

 尿道の残滓を吸い出していると、ヴォルフ坊ちゃんは射精し始めてしまった。口内に苦甘い精液が広がる。私は頬を膨らませて、舌で掻き混ぜる。飲み干すコツは唾液を含ませること。

「んふっ……♥︎ んあぁぁ~~ぁっ♥︎ ごくっんぅ♥︎」

 私は口を大きく開いて見せつける。舌に貯めた精液を一気に嚥下えんげした。本当は子宮に収めたかったが、娘達の乱入が入ってしまってはしょうがない。

「それでは夕食の支度をしてきます。何かあればお呼びください」

 ヴォルフ坊ちゃんの乱れた服装を整える。二度の射精で萎んでしまったオチンポを優しく脚絆ズボンにしまった。

「ありがとう。本当に……。でも、必要以上に尽くさなくていいんだよ。僕はここで静かに暮らすだけで幸せだ。こんな不具の身体じゃ、奥さんだって娶れない。だというのに、可愛い娘達を与えてくれた」

「坊ちゃん……?」

「僕は人生の高望みをしていないんだ。復讐だとか、失ったものを取り戻すだとか、人並以上になりたいだとか……。欲張りは性に合わない」

「私は強欲な女かもしれませんね。御主人様の望みを叶え、御家を繁栄させたいですわ。ヴォルフガング・ゴットフリート・レーヴェ卿の手足となる。隷属の誓いは永遠に……。忠実な手足としてお仕えいたしますわ」

 子宮に両手を添える。御主人様の精子を授かった胎。懐妊が待ち遠しい。ひたすらに愛おしいのだ。

(三人目の娘が産まれたら次は四人目……。レーヴェ家の子供に相応しい首を探さなければいけないわ)

 荘園の農民からは選ばない。レーヴェ家の領民を生贄にすればヴォルフ坊ちゃんが悲しむ。それに、たった二〇〇人程度の閉鎖的な田舎で失踪者が出たら怪しまれる。

 ――かといって、隣町の人間を使うのはしゃくだ。私は町の奴らが好きになれない。

 危険リスクも大きい。大きな町には小賢しい聖職者がいる。司祭どもは私の正体を見破る。

 既に一度、手痛い失敗を犯した。あれは四年前、ちょうどダザリーヌを産もうとしていた時期だ。知り過ぎた司祭は、自殺に見せかけて始末した。けれど、新しい司祭がもう赴任している。

 二度も続けて殺せば、いくら間抜けな教会でも気付く。手荒な手段はもう使えなくなった。

(次も遠方から誘き寄せた人間を使う。もちろん、誰でもいいわけじゃないわ。善し悪しはとっても大切。レーヴェ家のかおとなるのだから……)

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