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【31話】首無しのハーレム帝国

 帝都で名を馳せた女冒険者カレンティアの失踪事件は、大きな騒動となった。

 母方の血筋が伯爵家であり、ちょうど後継問題で揉めていることも火に油を注いだ。四年前に母のベロニカ、そして娘のカレンティアが連続失踪。

 大混乱の伯爵家は、さらなる事態に見舞われる。老齢の伯爵が心労で亡くなったのだ。

 雪解けの春が過ぎ去り、夏の盛りに差し掛かった頃、カレンティアの捜索は打ち切られた。当主を失った伯爵家では、分家筋が代理当主を擁立していた。本家筋のベロニカやカレンティアが見つかってしまうと非常に不都合であった。

 分家筋が支配を固めた伯爵家では、行方不明になった母娘の帰還を望んでいない。しかし、探し出そうとする者はいた。

 ヒースウッド修道院に出入りする商人達から情報を得て、北方辺境の荘園に辿り着いた冒険者が一人。その男はレーヴェ家の当主が暮らす闇樹館の扉を叩いている。

「――すみません。クロヴィスと申します。帝都からやってきた冒険者です。レーヴェ家の方々に聞きたいことがあって、この地に来ました」

 クロヴィスは手の甲で額に垂れた汗を拭う。北方の夏は涼しいが、炎天下で歩き続けたせいで、滝のように汗が出てくる。

「反応なしだな。本当に留守なのか? 荘園の村長から聞いた話と違うぞ。レーヴェ家の人間はこの屋敷にいると……」

 玄関の周囲を見渡す。人間が暮らしている気配はあった。

 軒先に幼児用の玩具が片づけてある。土いじりをした痕跡も見つけた。綺麗な泥団子が天日干しされている。

(レーヴェ家の当主は火事で手足を失っている。そんでお世話係のメイドが一人、娘が三人だったか……? 四肢を失ってもヤることはヤってんだな。恐れ入るぜ。俺と同い年くらいで三児の父親だろ? こんなド田舎でもお貴族様はやんごとないってことだ)

 隣町でも情報は仕入れた。異教の地を統べるレーヴェ家の評判はとても悪かった。しかし、実際に訪れてみると荘園の住人はクロヴィスを歓待した。荘園の管理を任された村長の頼みで、冒険譚をいくつか披露すると、無償で食事や寝床を提供してくれた。

(やけに親切過ぎる気もするけどな。レーヴェ家の指示だったりするのか? もっと排外的な村社会だと思ってたぜ)

 昨年の冬に行方不明となったカレンティア。父親の墓参りを済ませたのは、村の司祭から聞いている。ヒースウッド修道院では「商人に頼んで帝国北方に向かった」と分かった。カレンティアの足取りはレーヴェ家の荘園に続いていた。

 愛する婚約者は、この地で消息を絶った。そんな気がしてならなかった。

 荘園で働く住人はカレンティアについて「何も知らない」と口を揃える。だが、出入りする行商人は「昨年の冬、カレンティアという娘がレーヴェ家を訪ねたかもしれない」と教えてくれた。

(この地を治めるレーヴェ家に聞けば何か分かる。……と思ったんだがな。誰も出てこない。本当に留守か? 仕方ないな。一度、戻るか?)

 クロヴィスは荘園に戻って出直すつもりでいた。踵を返した瞬間、闇樹館の重たい扉が開き、奇天烈な格好のメイドが現れた。

「どなたですか? 商人さん……ではなさそうですわね?」

 黒騎士の兜で素顔を隠したメイドだった。荘園の村長から話は聞いていた。火事で顔に火傷を負って依頼、レーヴェ家のメイドは素顔をひた隠しにしている。

「俺はクロヴィス。帝都の冒険者です」

「帝都の? 冒険者?」

「……あぁ、えっと……これ、ギルドカード……! 確認してください。俺は怪しいものじゃないですよ」

 メイドが扉を閉めようとしたので、クロヴィスは冒険者の身分を示すカードを見せた。去年の冬に査定で合格し、ランクが一つ上がっている。

「本当に上級ランクの冒険者様ですね。なぜレーヴェ家に? ギルドに依頼を出した覚えはありませんわ」

 半開きの扉はメイドの警戒心を示している。クロヴィスを怪しむ口調だった。

「俺は人を探しています」

「誰かからの依頼で人探しですか?」

「違います。俺の……。個人的な要件です。カレンティアという女性を知りませんか?」

「知っていますよ。今、ここにおりますから」

「え……!?」

 玄関の扉が全開になる。まず視界に飛び込んできたのは、メイドの豊満な爆乳だ。

 大きすぎる膨らみで、メイド服の乳袋がパンパンになっている。重力をひしひしと感じさせ、超大な存在感を放つ。素肌を一切見せていないのに、肉付きだけで淫猥な雰囲気がある。クロヴィスの男根が反応し、半勃起状態になってしまう。

(すっげぇ……デカパイだ……。まるでカレンティアみたいだぜ……。だけど、黒髪だし……声も違うな。それにこのメイドさんは……)

 メイドは妊娠していた。

 腹部の膨らみは肥満にも見えたが、ボディラインの歪さで妊婦だと分かった。しかも、片手で小さな赤ちゃんを抱えていた。

「この子はカレンティアですよ。レーヴェ家の娘ですから、立派な女性レディですわね。冒険者様はこの子を探していたのでしょうか?」

「あ……いや……。この赤ちゃん……カレンティアちゃんって言うんですか?」

「ええ。ヴォルフ坊ちゃんのお嬢様ですわ。去年の冬に産まれた子です。半年ほど前ですわね。白金の御髪が綺麗でしょう? 他にも娘が二人おりますの。子育てで大忙しですわ」

「……メイドさんが母君で?」

 騎士兜を被ったメイドは漆黒の長髪。抱いている女児の髪は眩いプラチナブロンド。必然的にメイドが産みの母ならば、父親のヴォルフガングが白金髪だと思い込んだ。

「私の名前はリリトゥナです。そして、質問の答えは肯定いたしますわ。隣町にも寄られたのなら、当家の噂を耳にしたのでは?」

「ええ。まぁ……。はい」

「あら? もしや勘ぐっておられる? ヴォルフ坊ちゃんとは合意の関係ですわ。顔に大火傷を負った醜女を憐れんでくれたのです。感謝しておりますわ」

「俺は余所者ですし、偏見はありませんよ」

「ふふっ♥︎ 帝都でだって珍しくはないでしょう? ご主人様と使用人の肉体関係なんて、ありふれた話ですよ。もちろん、レーヴェ家が正式な奥方を迎え入れるときは、身を引くつもりですわ。無関係な余所様にお話すしすることではありませんけれど……。ふふふっ♥︎ くふっ♥︎ くっくくくくっ♥︎」

 リリトゥナは嘲るがごとく大笑いする。

「気分を害したなら謝罪します。隣町では色々な噂を聞きました。でも、俺は町の人間じゃありません。ただ……行方不明の恋人を探しているんです。その赤ちゃんと同じ、カレンティアという名前の女冒険者です」

「そうだったのですか。お気の毒に。けれど、そんな女性は知りませんわ。荘園で働く者達に聞かれては? 余所者の相手は村長に任せておりますの」

「もう聞きました。誰も知らないと……。でも、ある行商人が……昨年の冬、カレンティアがレーヴェ家を訪ねたかもしれない。そう教えてくれました」

「……そう。いい加減な行商人だわ。口が軽い癖に、真実でもないなんて。『昨年の冬、カレンティアという娘がレーヴェ家に誕生した』それを勘違いなさったのね。取引先の行商人を変えたほうが良さそうだわ。あとで、ヴォルフ坊ちゃんにお伝えしないと」

「昨年の冬は誰も来なかったんですか?」

「冬の間は誰も来ておりませんわ。唯一の道は豪雪で閉ざされ、春先は雪崩の危険があります。ここは辺境ですから」

 黒騎士の兜でリリトゥナの表情は見えない。しかし、言い表せぬ不気味な感じを覚えた。

(行商人から話を聞いたってのは、言わなきゃよかった。失言だったぜ。怒ってる気がする)

 背筋がぞくりとする。迷宮の最深部で怪物と遭遇したかのような気分だった。

「そうですか。……お時間を取らせてしまって申し訳なかったです」

「いえいえ。とんでもない。わざわざ当家を訪問してくださったのです。よろしければお茶を飲んでいきません? 炎天下の中、荘園から歩いてこられたのでしょう。ゆっくりと涼んでいってください。旅のお話や冒険譚をヴォルフ坊ちゃんにお聞かせく――」

 闇樹館に招き入れようとした瞬間、リリトゥナの胸元に抱かれていた乳飲み子が泣き声を上げた。

「――おぎゃっ! おぎゃあぁあぁー! ふぇええ~~んっ!!」

 空気を押しのける言葉なき叫びが鼓膜を揺らす。母乳のぬくもりを求めて、小さく柔らかな両手でデカパイを掴んだ。

「あら、あら。もう……。本当に……普段は静かな子なのに……。カレンティアったら……。今日はどうしたのかしら? 仕方ありませんわねぇ……♥︎」

 リリトゥナは器用にメイド服の襟元を緩めて、ブラジャーをずらし、左の片乳を引っ張り出した。泣き叫ぶ乳児の唇に乳首を押し当てる。

「おっぱいを吸って静かにしていなさい。お客様の前ですわよ」

 晒し現れた爆乳のバストサイズは、乳児の体躯を上回る。メイド服の上からでもデカパイなのは分かっていたが、実物が露出すると、その存在感は一層大きい。

「じ、ぢぶ……しっ、しつぅ、ごほん! 自分は失礼します! ご厚意はありがたいのです。しかし、これ以上はご迷惑になるので!」

 慌てた様子のクロヴィスは背を向けた。母乳をせがむ愛娘のためとはいえ、初対面の異性に乳房を見せたリリトゥナの行動に動揺した。

(なんていうか、貞操観念がやっぱ田舎だな。教会の教えが行き届いていない異教の地だからか? 普通は見せないだろ……。はあ。こっちが悪いわけじゃないのに……)

 恋人のカレンティアを思い出す。彼女も母親譲りの爆乳の美女だった。リリトゥナの授乳姿を目撃し、クロヴィスはみっともなくギンギンに勃起してしまった。

(メイドのリリトゥナさん……。乳輪がめっちゃデカいな。茶黒色だった。まさに母親ママの身体だな。子供を孕むとああなるのかな。――俺の探してるカレンティアとは大違いだ)

 クロヴィスはカレンティアの美体を知っているつもりだった。乳首の突起は控え目で、鮮やかな桃色の乳輪。爆乳の女性という共通点はある。だが、探している恋人とレーヴェ家のメイドは別人に違いないのだ。

「クロヴィスさんは荘園にいつまでご滞在なさるのですか?」

 立ち去ろうとしたクロヴィスを呼び止める。

「分かりません。近日中に旅立つかもしれません。行商人の話を聞いてここまで来ましたが、カレンティアは見つかりそうもない。いつまでも村長のご厚意に甘えるわけにもいきません。……それに……もう半年以上が経ってしまった。俺だけならともかく、仲間にも迷惑をかけっぱなしだ」

 クロヴィスは振り返らない。黒森の細道を小走りで駆けてくる仲間の姿が見えたからだ。

「あのお嬢さんがクロヴィスさんのお仲間ですか? 冒険者には見えませんね。あんな慌てた走り方では転んでしまいそうですわ」

「旅の同伴者ですよ。彼女は冒険者組合の受付嬢です。俺が北方に旅立つと言ったら、仕事を休職してついてきてくれた。俺まで行方不明になるんじゃないかと心配しているんですよ。長旅と夏バテで疲れていたから、村長の家に置いてきたんですが、追いかけてきたみたいです」

「…………。もし荘園を出られるなら明日がよろしいでしょう。夏は豪雨が降ります。ぬかるんだ悪路では地すべりも起こりますからね。帰れるときに帰ったほうがいい。おやまぁ、やっぱりあのお嬢さん、転びましたね」

 受付嬢は石ころで躓き、盛大にひっくり返った。

「あちゃあ……。たくっ……。怪我してなきゃいいけど……。ドジな奴なんですよ」

「いいえ、あのお嬢さんは狡猾です。アレ、わざと転んでますね」

「へ……。まさか? 演技?」

「はい。怪我はしていないでしょう。クロヴィスさんは慕われているのですね。早く助けにいってあげてください。あのお嬢さんはそれを期待していますわ」

 メイドは玄関の扉を閉める。

「――末永くお幸せに」

 別れの言葉を告げられた。

 その声色は聞き覚えがあった。先ほどまで話していた使用人の口調ではない。勝ち気な女冒険者カレンティアの声に似ていた。自分を叱りつけ、時には励ましてくれた愛する婚約者。もう一度、レーヴェ家のメイドと話してみたくなった。

「え……あのっ……!! ちょっ……!」

 息を呑んだクロヴィスは振り返る。しかし、もはや手遅れだ。

 施錠の音が鳴った。闇樹館の扉はもう開かれない。

「何だったんだ。さっきの声……? カレンティア? いや……まさかな。俺の聞き間違い……か……?」

 釈然としなかったが、クロヴィスは転んだ受付嬢を放置したままにはできなかった。

 メイドが言った通り、派手に転んだくせに受付嬢は無傷だった。わざと転んだ可能性は高い。しかし、それを指摘するほど野暮な男ではない。手を差し伸べると、受付嬢は嬉しそうに笑顔を作った。

 頬をリンゴのように赤く染めた受付嬢はクロヴィスに抱きつく。婚約者を失った男の心は揺さ振られている。カレンティアの手掛かりは途絶えてしまった。これから先、見つかるかは分からない。

「痛い……。お尻を打っちゃいましたぁ……。クロヴィスさん! 酷いです! 私だけ置いていくなんて!」

「悪かったよ。大丈夫か?」

「足を痛めたかも……。痛いです……」

「手を繋いで帰ろうか。あぁ……。そうだな……。もう帰ろう……。十分、よくやったよな。カレンティアは見つからなかったよ」

 クロヴィスの旅は終わった。

 この決断は大帝国の滅亡を決定づけたが、当人達にその自覚はない。

 ◆ ◆ ◆

 メイドは玄関の覗き窓からクロヴィスと受付嬢が帰っていくのを見届ける。

 二人は恋人同士のように手を握っていた。不思議なことに嫉妬で怒りを覚えた。だが、婚約者の不貞を責める資格は、今の彼女にはない。

「これで……戻れないわね……。でも、これでいい」

 肉体の主導権を移譲されたカレンティアは安堵していた。リリトゥナはクロヴィスの首を刎ねるつもりで、闇樹館に誘い込む気だった。しかし、冒険者組合の受付嬢が同行していると知った途端、潔く手を引いた。

 正しい判断だ。利口で狡猾な受付嬢は旅の道中、帝都に手紙を送り続けていた。もし自分達が行方不明になったら、冒険者組合が本格的な調査に乗り出すための布石だ。

 これから先、受付嬢は外堀を埋めていくだろう。帝都への帰路でクロヴィスを自分の物にしてしまう。

(腹立たしい女。でも、しょうがないわ。先にクロヴィスを裏切ったのは私なのだから……。私の子宮はヴォルフ坊ちゃんに恋している)

 カレンティアは子供部屋に赤子を連れて行く。姉のダザリーヌとアヴェロアナがお昼寝している横に寝かせた。自分と同じ名前を与えられた異父妹カレンティア2世。貌を覗き込むと、鏡を見ている気分になる。

「母乳は後で母さんからもらいなさい」

 クロヴィスの前で授乳を披露したが、カレンティアの乳房は母乳が出せない。母胎の泌乳は出産を済ませてから始まる。他の先輩メイドと違って、新人メイドはまだ産んでいない。

 ――もし産むのなら生贄が必要だ。

 カレンティアは寝室に向かう。真夏の最中だが寝室は窓を閉め切っていた。

 熱気が籠ってしまうが、騒々しい喘ぎ声が漏れるよりはいい。扉をノックし、性宴の会場に入室する。

「おぉっ♥︎ んぉっ♥︎ あんっ♥︎ さあ、ヴォルフ坊ちゃん♥︎ たっぷりお飲みください♥︎」

「はぁ♥︎ んぁっ♥︎ あぁんっ♥︎ ベロニカ様ばかりずるいですわ。ヴォルフ坊ちゃん♥︎ 私のおっぱいもお召し上がりくださいっ♥︎」

 ベッドの寝そべった二人の美熟女が、ヴォルフガングを豊満な乳房で挟んでいる。乳首から噴き出るミルクを飲ませていた。四肢欠損の青年は交互に母乳を吸う。

 ベロニカの右手がヴォルフガングの陰嚢を揉んでいる。陰茎の竿はダミエーラの左手が握りしめていた。二人の美熟メイドは股間に手を伸ばし、御主人様のオチンポを苛めるように搾精する。

「くふふっ♥︎ 出したいのですか? ヴォルフ坊ちゃん♥︎」

「あらあら♥︎ でも、まだ射精してはいけませんわ♥︎」

 射精の寸前で手扱きは動きを止める。完璧な射精管理によって、一度も放精が叶わない。亀頭は我慢汁でずぶ濡れだ。

「ふふっ♥︎ ヴォルフ坊ちゃん。ほら、ご覧ください。やっぱり私の娘は戻ってきましたわ。裁きの日は遠退きましたね。賭けは私達の勝ち。これからずっとこの幸福な日々が続く♥︎ 永久に……♥︎ レーヴェ家の繁栄を謳歌したいのです♥︎」

「リリトゥナの予想通り。当然だわ。帝都に残した恋人よりもヴォルフ坊ちゃんを選ぶ♥︎ 分かりきっておりましたわ。さあ、カレンティア。服を脱いで、こちらに来なさいな。このままだと私とベロニカ様の手扱きで、射精させてしまうわよ」

 ベロニカとダミエーラに急かされ、全裸になったカレンティアはベッドの上に登り、猛々しく勃起したオチンポに跨った。

 身籠った下腹部の出っ張りがより目立つ。クロヴィスではなく、ヴォルフガングの精子で孕んだ胎だ。懐妊で肥大化した爆乳は、母親を凌駕する巨峰が実った。乳輪が茶黒に染まったのは、実母からの遺伝で間違いない。

 伯爵家の母娘はそっくりだった。男の好みも――。

「私を探しに来た男は……私を諦めましたわ。私も……昔の男は捨てました。だから、お願いします……♥︎」

 カレンティアは騎乗位でヴォルフガングと交わる。挿入された瞬間、溜めに溜められた精液が噴出した。膣内で精液が暴れている。

「くっ……! うっ……。カレンティア……! 僕は……!!」

 必死に何かを訴える。左右から押し付けられた乳房に溺れて、ヴォルフガングは苦しげだ。だが、カレンティアは構わずに腰を振り始めた。上下に尻の肉が揺れる。金槌で釘を打ち付けるように、リズミカルなテンポで肉音が鳴る。

「いいのっ……♥︎ もう我慢なんかしないで♥︎ 私を奪って……♥︎ 理性なんかいらないっ♥︎ 道徳心も……! 教会の信仰も……!! ヴォルフ坊ちゃんだって、私を犯したいんでしょ? 犯してっ! 滅茶苦茶にしてぇっ!! 私の心を堕としなさいっ……♥︎ ダミエーラや母さんを虜にしたように……!! リリトゥナを誘惑したように♥︎」

「カレンティア……? 操られて……うわっ……!!」

「違う! 本気だから……私は……本気っ……!! ほとぼりが冷めたら、帝都に行きましょう♥︎ 伯爵家の家督を奪いに……! お祖父ちゃんは遺言を書いているわ。分家筋に爵位や財産を渡しはしないっ……♥︎ 奪い返せるわ……♥︎ ヴォルフ坊ちゃんは伯爵家を乗っ取れるのぉっ……♥︎ クロヴィスと結ばれたあの女にも、私の幸せを見せつけてやるんだからっ……♥︎」

「僕はそんなのっ、望ま……はぅっ……くゅ……ん……!」

 首無しメイド達は主人の身体に縋りついた。恥部を擦り付け、一斉に甲高い喘ぎ声を奏でる。三人の肉体に宿ったリリトゥナが悦びを歌う。差し出された三人の乳房を咥える。

「もっと繁栄できるわ。お願いよ。の望みを叶えて……♥︎ 坊ちゃん♥︎」

「黒森の根を広げるのです。伯爵家の力さえ手に入れれば、隣町を潰すのは簡単だわ。本物の貴族になるのですから♥︎ 母娘おやこの懇願をお聞き入れくださいませ♥︎ 坊ちゃん♥︎」

「レーヴェ家の繁栄は当主の義務ですわ。亡くなられた先代と奥方、使用人達の遺志を汲んでくださいませ♥︎ 坊ちゃん♥︎」

 誰かが裁きを下してくれる。しかし、ヴォルフガングの破滅願望は叶いそうになかった。

(いけないことなのに……。僕は……快楽に負けてる……。これからも奪い続けてしまうんだ。カレンティアを盗ったように……。赤ちゃんの胎動が伝わってくる)

 黒森の支配圏はこれからも広がっていくだろう。伯爵家の力を吸い取り、隣町を勢力下に置く。無論、その程度では侵略は止まらない。広大な帝国を少しずつ、長い歳月をかけて着実に蝕んでいった。

 ◆ ◆ ◆

 およそ一世紀後、大帝国を統べてきた帝室がげ変わる。異形の暗躍を悟った冒険者組合は、諸外国に助けを求めた。しかし、反抗の隙を与えぬ鮮やかな帝位簒奪は止められなかった。

 帝室男子は根絶され、皇女や皇妃などの若い女は新帝に娶られた。教会の一夫一妻制を廃し、新帝の子を作るハーレムが誕生した。

 そして、一年と経たずに旧帝国の征服完了はで示される。

 新帝国の樹立を宣言した日、国民の前で首無しの妊婦達がお披露目となった。若い皇女は当然、殺された皇帝の妻である皇妃、さらに徹底抗戦を唱えていた母后までも孕んでいた。

 間引きは完遂され、旧帝室の血筋は完全に滅びた。レーヴェ家の子種で妊娠した女だけが生存を許された。胎を膨らませた旧帝室の女達は敗北を認め、皇朝交代を国民に告げた。

 レーヴェ家の繁栄は極みに達した。

 黒森の根が国土全域に広がり、狂信的な国民は首を皇帝に捧げ始めた。いつしかそれが義務となり、頭部欠損の新生児が生まれるようになる。人間の国ではなくなった。

 黒森に覆われた首無しの帝国。異形の支配する魔境。原生樹の根本に埋まった供物の頭は、おぞましい山を築いていた。原生樹から注がれる生命力で、四肢欠損の大帝は老死を迎えられなかった。

「――あぁんっ♥︎」

 オマンコを貫かれた首無しメイドが喘ぐ。憑代にされている美女は千人を超えた。

 ハーレムの女は等しくメイドだ。妻に相応しい肉体をリリトゥナは求め続けている。

 今、抱いている首無し美女は旧帝室の女。ずっと抵抗を続けた皇帝の母親を犯している。何千人もの家臣を従えた高貴な淑女はメイドに零落し、何十人もの子供を産ませた。玉座に腰掛けた四肢欠損の不具者に性奉仕を続ける。

「ヴォルフ坊ちゃん……♥︎」

 リリトゥナの声が混じっている。母后は両手で乳房を揉み、噴き散らかした。控えていた者達も続々と群がってくる。その中には古参メイドとなったダミエーラ、ベロニカ、カレンティアの三人もいる。原生樹から供給される生命エネルギーのおかげで、オチンポの精力は底なしだ。群がってくる女に種付けする生態系が築かれた。

「愛しておりますわ。もっと私達を抱いてぇ…♥︎」

 ヴォルフガングは無貌の美女メイドに愛されながら、裁き日を待ち続ける。

「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」「坊ちゃん♥︎」

 取り囲むメイド達に代わる代わる種付けしていった。差し出されたオマンコにオチンポを挿入する。交配し、孕ませ、産ませる。赤子には国民達が捧げた貌を与える。植物栽培のような家畜的繁栄だ。

 終わりなき幸福が続く悪夢。勇者が現れ、自分の首を刎ねることを望んだ。

 ――未だに終わりは訪れない。

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