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ロリババア専門アンソロジー 千代娘 巻の七(表紙:スモモ)

一水社『ロリババア専門アンソロジー 千代娘』
(不定期)

冬ながらもほっこり暖かいロリババアの季節です。

ロリババアの祝賀とご僥倖を愛でつくす愛と祝福に満ちたシリーズ第7弾!
新年もロリババアを崇め煽て奉り、その恩恵を満身に受けましょう!!

◆煩悩おばあちゃん【鬼が出るか蛇が出るか】
性欲強すぎな鬼娘とのまぐわい!!
◆パルコ長嶋【座敷童にできること】
座敷童に看病される至福の瞬間!!

★収録作品★
【鬼が出るか蛇が出るか】煩悩おばあちゃん
【座敷童にできること】パルコ長嶋
【鬼姫と!】くまじろ
【お節介焼の先住民】奥坂前上
【推しに看取られて】Dかけつ
【滞納エルフの色仕掛け】シブハル
■表紙イラスト/スモモ

タカアマハラに集う鬼娘も座敷童も、現し世へくだりて煩悩とケラクの赦しを得ん。
ヨロヅの世のナガヒト、世のトホヒトとまめまめしくウレシウレシの世ををツクリ賜ひ。

新年も千代娘と共にサチ多からんことを!
万代不滅祈願!!

執筆陣スモモ / 煩悩おばあちゃん / パルコ長嶋 / くまじろ / シブハル / 奥坂前上 / Dかけつ / 一水社編集部
表紙イラストスモモ
価格1,100円(税込)
発行日2025/01/19

【212話】ラヴァンドラ伯爵邸での家族団欒

 ラヴァンドラ伯爵家は、帝都アヴァタールの一等地に屋敷を構えている。

 広大な敷地を有する本邸のほか、複数の別邸がある。

 帝都随一の大財閥ラヴァンドラ商会の本拠も兼ねているため、普段から大勢の商人が出入りしていた。

 当主のラヴァンドラ王妃は天空城アースガルズで暮らしており、屋敷に立ち寄る機会は少ない。伯爵家の管理は執事長に委ねられている。

 商会に傭兵部門はあるものの、領地持ち貴族と異なり、私的戦力の騎士団は抱えていない。屋敷の守衛は騎士や帝国軍人に比べれば、練度は大きく劣る。素人に武器を携行させている程度の者達だ。

 ラヴァンドラ伯爵家の最大戦力はゴーレム達だった。

 守衛は侵入者を発見次第、警報を作動させてゴーレムを起動させる監視要員に過ぎない。

 緊急時に出動する液体金属製のゴーレム達は、ケーデンバウアー侯爵家から買い付けた特注品である。一般的な騎士や帝国軍人よりも純粋な戦闘能力は高い。欠点があるとすれば、ゴーレムには自我がないため、判断能力に欠けることであろう。

 主席宮廷魔術師ヘルガ・ケーデンバウアーの自信作であったが、メガラニカ帝国軍では採用を見送った。

 貴重なマナメタルを大量に使用する生産コストの高さ、そのうえ維持費も莫大なのである。ゴーレムの強さは兵士の平均を上回るものの、組織運用の面で人間に劣っていた。

 そして、不採用となった最大の理由は、鍛え上げた精鋭に比べれば弱すぎること。

 低コストで大量生産できるのなら、使い道はいくらでもあったが、軍縮を掲げて人員削減を進めている今、高価なゴーレムを購入する余裕はなかった。

「中尉! 部隊の配置を終えました!! 敷地外は帝都警備兵が固めております! 現在のところ異常はありません!」

 現在、ラヴァンドラ伯爵家の屋敷では、最精鋭の特殊部隊が警戒にあたっていた。

 指揮を任された中尉は、国軍所属の経験豊富な軍人である。

「警戒を維持せよ。皇帝陛下の御訪問は一部の者にしか知らされていない。ラヴァンドラ伯爵家の使用人や帝都警備兵を頼みにするな」

「はっ!! 承知いたしました!!」

 皇帝ベルゼフリートと愛妾セラフィーナは、天空城アースガルズを離れて帝都アヴァタールに降り立っていた。

 冒険者組合との会合場所に、ラヴァンドラ伯爵家の屋敷が選ばれた。

 通常時であれば、グラシエル大宮殿で話し合いが行われいたはずだ。しかし、大妖女レヴェチェリナの一件があり、安全性の問題で候補から外された。

 国軍最精鋭の特殊部隊は、帝国元帥レオンハルトの命令で動いている。ベルゼフリートには警務女官達がついているが、瘴気を撒き散らす女仙は大規模展開が難しい。

 屋敷全域の警備には百人以上の数が必要だった。

 アルテナ王国の白月王城に滞在したときは、隔離区画を設けることで、瘴気の影響を最大限に抑制した。女仙の宿泊施設があるグラシエル大宮殿も同様である。

 一方、商業活動を営むラヴァンドラ伯爵家は人の出入りが頻繁で、立ち入り禁止の区画を作れば怪しまれてしまう。

 皇帝ベルゼフリートの訪問を悟られる可能性があった。

「正門に帝都冒険者組合のギルドマスターが到着しました。随伴者は特級冒険者ネクロフェッサーだけです」

「一人か? 天文監察補助隊ネクロ・アストロモアは?」

「ネクロフェッサー、一人だけです。というべきかもしれませんが、手勢は連れてきていません」

「特級冒険者ノエル・ウェイジャーはどうした?」

「別働隊の定時報告によれば、冒険者組合の宿泊所に残っています」

「事前の申告通りだな。ギルドマスターの本人確認を済ませたら通せ。ただし、武装解除を徹底させろ。帝国に多大な貢献をしてきた冒険者であっても警戒は必要だ」

「特級冒険者ネクロフェッサーにかせを付けますか? 能力制限の異能所持兵スキル・ソルジャーを正門に配置しています」

 部下の提案を中尉は思案する。ネクロフェッサーの実力は、特殊部隊の総力を上回る。

 死恐帝の災禍を生き延びた熟達の老冒険者ベテラン。帝国の古き英雄が、皇帝に危害を加えるとは考えにくい。しかし、皇帝の護衛任務ではあらゆる可能性を考慮する必要があった。

「能力制限はしなくていい。冒険者組合はメガラニカ帝国と交渉するためにやってきた。交渉材料の一つにされるかもしれない。許されるのは武装解除までだろう」

 中尉は交渉の具体的内容を聞かされていない。

 この時期に皇帝がわざわざ出向いていることから、国政の重要事項だとは分かる。三皇后の決定がなければ、皇帝が天空城アースガルズを離れて、地上に降り立つはずがない。

「警務女官長ハスキーに詳細を伝達だ。愛想の悪いメイド達だが、普段に比べ向こうも歩み寄りを見せている。にはで応じろ」

「中尉殿、先にルアシュタイン大将へ報告したほうがよろしいのでは?」

「無論だ。ルアシュタイン大将には私が口頭で伝える。アレキサンダー公爵家の方々がおられれば、特級冒険者も恐るるに足らん」

「肯定であります! それにしても、すごい戦力ですね。まさかもいらっしゃるとは思いませんでした!」

「レオンハルト元帥やヘルガ上級大将が警護にあたる案もあったそうだ。しかし、ほんの数ヶ月前に帝都襲撃があったばかりだ。三皇后も皇帝陛下を地上に送りたくなかったはず⋯⋯。それだけに重要な会合だ。今一度、気を引き締めろ」

「はい!」

 軍務省は皇帝の護衛にアレキサンダー公爵家の七姉妹から四人を選んだ。

 次女のルアシュタイン、三女のレギンフォード、五女のタイガルラ、七女のキャルル。帝国軍の最強戦力をになう姉妹達は、いずれも一人で一軍に匹敵する。

(アレキサンダー公爵家の七姉妹がいれば恐いものはない。しかし、妙な人選だ。長女のシャーゼロット様がおられないとは⋯⋯)

 中尉はシャーゼロットの不在をいぶかしんだ。

 皇帝護衛の重要任務に帯同するのは、年長組と呼ばれる長女から三女までの三人衆。姉妹の力関係は外部からも透けて見える。

 公爵家の当主であり、帝国元帥の地位に立つレオンハルトが頂点なのは当然として、その次に強い発言権を持つのが長女のシャーゼロットだった。

 

(個人的な勘繰かんぐりを部下の前で口にはしないが、陛下の護衛以上に優先される重要任務があるというのか?)

 ◆ ◆ ◆

 ベルゼフリートは二台のベビーベッドに寝かされた赤ん坊と対面する。転落防止用の木製フェンスに手を掛けて、つま先立ちの姿勢で我が子の顔をじっと見下ろす。

「自分の子供と会うのは、いつも不思議な気分だ。あんまり会う機会がないからさ」

 金髪の女児と赤髪の男児、どちらも生母の特徴を色濃く受け継いでいる。

 言葉を知らぬ乳幼児達は、覗き込んでいる少年が実父だとは分かっていない様子だった。

 産まれたばかりの乳飲み子は、自らに課せられた運命をまだ知らない。

「ギーゼラの顔立ちはセラフィーナにそっくりだ。ジゼルはロレンシア譲りの赤毛だけど、肌の色は僕と同じ。むしろ僕より濃いめかも? 先祖返りしてるのかな」

 ベルゼフリートは手を差し出して、我が子と自分の肌色を見比べる。暗褐色の濃さは、ジゼルのほうが若干強めだった。髪色以外は父親の血筋が現われている。

「ヴァネッサ達がジゼルの養育権を欲しがるわけだ」

 ロレンシアに寄生卵子を仕込んだ女官達は、ジゼルの養育権を得ようとしていた。その理由がよく分かる。一目でベルゼフリートの子供だと分かる外見をしていた。

 生後半年ほどで、ここまで特徴が現われているのだ。育ちきれば、ベルゼフリートと瓜二つの少年となるだろう。

 対照的にギーゼラは雪のような真っ白い肌をしていた。肌触りの良い絹糸を思わせる金髪は、間違いなくアルテナ王家の血筋である。

 幼帝に犯されて産まれた女王の忌み子。しかし、セラフィーナの心が完全に堕とされた今、ギーゼラは嫡子になった。

 メガラニカ帝国の皇帝ベルゼフリートに、女王セラフィーナはアルテナ王国の王冠を与えた。略奪婚による即位を認めていない者は大勢いるが、三つ子の姉妹が女王の胎から産み落とされたとき、婚儀は成った。

「女王の後継に指名してるのは、一番上の子なんだっけ?」

 振り返ったベルゼフリートは、壁際に待機しているセラフィーナに問いかける。

「三皇后はセラフリートを後継に推しておりますわ。私とベルゼフリート陛下の長女ですから⋯⋯。次女のコルネリアは大神殿の巫女に。三女のギーゼラはこれからの話し合いで処遇が決まりますわ」

 帝国憲法の規定に基づき、皇帝の御子は生母に養育権があったが、セラフィーナは娘達の養育権を譲渡している。

 長女セラフリートは西アルテナ王国に残り、白月王城で次代の王となるべく、大切に育てられている。次女コルネリアは大神殿が引き取り、将来は巫女となるだろう。

「ギーゼラも大変だ。名目上とはいえ、帝都の冒険者組合に担がれるっていうんだからさ。お飾りって意味じゃ、皇帝の僕とまったく一緒だ。出生の経緯もあるし、父親としては娘の将来が心配かな。当たりくじを引いたのは、大神殿で伸び伸びと暮らせるコルネリアだろうね」

 ベルゼフリートは我が子達に手を振って別れを告げる。控えていた乳母達がベビーベッドを運んでいった。

「瘴気のせいで触れあえないのは可哀想だね。セラフィーナも近くで見たかった?」

「ええ。少しだけ寂しいですわ」

 女仙が帯びている瘴気は健康を害する。母親と子供であっても、臍帯の繋がりが絶たれた瞬間からは他人だ。ベルゼフリートと頻繁にセックスをしている女仙ほど、瘴毒の濃さが増していく。

「僕が抱きまくってるから、今のセラフィーナってエグいくらいの瘴気が宿ってるでしょ。大神殿の護符で抑制しても、接近禁止令が出ちゃうくらいだもん」

「それはもう⋯⋯♥︎ 身に余るご寵愛をいただいておりますから」

 女仙の近くにいられるのは、同じく穢れた身の女仙か、破壊者の器である皇帝だけだ。

「今日は真っ白なドレスなんだ。日焼けした黒肌とのコントラストが映えるね。お尻をちょい見せする斬新なデザインは嫌いじゃない」

「んぁっ⋯⋯♥︎」

 ベルゼフリートは手を伸ばし、セラフィーナの巨尻を撫でた。悦び悶えながら、淫欲に溺れた愛妾は快楽に身を委ねる。

「冒険者組の交渉だけど、僕は立ち会うだけ。頑張ってね。ギルドマスターはよく知らないけど、ネクロフェッサーは⋯⋯なんていうのかな? 狡賢いお爺さん⋯⋯? ともかく一筋縄ではいかないと思う。お気を付けて~」

 他人事とばかりにベルゼフリートは脳天気に笑う。アルテナ王国の王としての初仕事だが、政治に関する一切の権能がメガラニカ皇帝にはない。三皇后からは「何もせずに推移を見守ってほしい」と命じられている。

(セラフィーナを焚き付けるところまでが僕のお仕事。旧帝都の利権と負債をどう処理するかの政治抗争グレート・ゲーム。帝国の宮廷はわばゲームの盤上。今回はメリットとデメリットが馬鹿でかい)

 隣国との戦争が終結し、暗躍していた魔物達も一掃された。破壊帝、哀帝、死恐帝、三代に渡って築かれた遺産が旧帝都ヴィシュテルにはある。遺産が資産となるか、負債となるかは、分からない。

「レオンハルト元帥の意向はどうなのでしょう?」

「さあ? 考えまでは分からないかな。僕と約束してたデートをドタキャンするくらいには忙しいらしい。レオンハルトは余裕がなさそうだ」

「本日の会合、陛下の護衛にアレキサンダー公爵家から、ルアシュタインさん、レギンフォードさん、タイガルラさん、キャルルさんの計四人がいらしていますわ。⋯⋯シャーゼロットさんがいないのは気になりますね」

 セラフィーナはキャルル以外の三人とは面識があった。アレキサンダー公爵家の護衛が付く。そう聞かされたとき、長女のシャーゼロットが責任者になると思っていた。

(シャーゼロットさんは別件で出張中⋯⋯。今回の護衛は次女のルアシュタインさんが責任者となっていますわ)

 わざわざシャーゼロットを護衛メンバーから外した理由が気になった。「冒険者組合との交渉に立ち会わせたくなかったのではないか?」と勘ぐりたくなる。そんなセラフィーナの推察をベルゼフリートは否定する。

「あの四人は僕の護衛だ。まず間違いなく口出しはしないよ。アレキサンダー公爵家は軍人貴族。流儀があるんだよ」

「流儀とは⋯⋯?」

「法律があるわけじゃないけど⋯⋯。まあ、だってさ、アレキサンダー公爵家って強すぎるじゃん。交渉事が脅迫になりかねない。国内の揉め事で武力をチラつかせるのはルール違反。しかも、今回は相手が民間の冒険者組合だよ」

「軍閥派が介入をするための人選ではないと?」

「うん。もし介入するつもりなら、軍閥派次席のヘルガ、あるいは情報将校のユイファンあたりが来たはずだ。それは宰相派でも同じさ。ラヴァンドラは同席しないでしょ?」

「このお屋敷を貸していただきましたが、冒険者組合との交渉には参加しないと言っておられましたわ」

「三皇后で取り決めたんだよ。長老派だって気になってはいるだろうに、働きかけはなーんにもない。つまり、三つの派閥は過度な干渉を控えてる。たぶん女官もだろうね。ヴァネッサが指示を出してるはずだ」

「それは派閥争いによる共倒れを懸念して?」

「旧帝都ヴィシュテルの復興計画はドデカい話だもん。派閥でそれぞれ思惑はあるだろうさ。そこで質問、全員にとって一番イヤな展開はなんでしょう?」

「大金と労力を費やしたにもかかわらず、成果が得られない結末ですわ」

「ぴんぽーん。大正解♪ アルテナ王国のお金を引っ張ってくるのは大前提。セラフィーナが重要な位置にいるからこそ、僕という鎖がまとわりついてるわけ」

 艶尻を揉んでいたベルゼフリートの手が、セラフィーナの下腹部に伸びる。二回目の妊娠は双方が望んだ結果だ。

 皇帝と愛妾、国王と女王、主人と性奴隷。男女の仲はどのようにでも表現できる。

「セラフィーナは僕のモノになった。だから、僕らが幸せになるための行動をしてくれるよね。三人の娘、そしてお腹にいるこれから産まれてくる赤ちゃん。大切な子供達だ」

 胎の膨らみをドレスの布越しに確かめる。

「⋯⋯全ては私の働き次第ということですわね」

「そうだよ。がそうなんだ。ここでも勝敗が未来を左右する。敗北の痛みを忘れちゃダメだよ? 戦争で敗れたアルテナ王国の女王は家族を失った。メガラニカ皇帝が徹底的に壊して奪って辱めた。そうだよねぇ?」

 両手を広げたベルゼフリートが抱き締めてくる。背の低い幼帝では、長身のセラフィーナを包みきれない。

「その美貌も、金絹のような美髪も、豊満な乳房も、大きなお尻も、ぜーんぶ僕がもらった。真っ白だった肌も今じゃ僕とお揃いの色だ。とっても似合ってる」

 セラフィーナの皮膚は日焼けで黒肌に変色した。生まれて初めての経験だった。ベルゼフリートの望まれるがまま、一時的な変化とはいえ白い肌を捨てた。

「セラフィーナは家族を亡くした。祖国を売って、夫を裏切って、子供を棄てた。酷い女王様だよねぇ。そんな売国女王が僕を新たな夫に迎え、子供を産み落とした」

「どれだけ誹られようとも、後悔はありませんわ。心から愛しております。ベルゼフリート陛下に抱かれて、私は初めて女になれた。これから、ずっとお側で尽くしますわ」

母親ママにもなってくれるんだよね?」

「はい。もちろん。私の可愛い子ベルゼ♥︎」

 セラフィーナも抱き締め返す。乳房の谷間をベルゼフリートの鼻筋に押し付ける。求めていた温かい母性を甘受し、寂しがり屋な幼帝は満足げだった。

 しばらくの間、無言の包容が続いた。乳間の匂いを堪能するベルゼフリートは、セラフィーナに警告する。

「宮廷で蹴落とされないように頑張ってね。地位向上の機会であると同時に、失敗すれば責任を負う立場だ。セラフィーナの不幸を願う人間は、宮廷にだって沢山いる」

「ええ、よく分かっているわ。女は嫉妬深い生き物ですもの」

 親子団欒おやこだんらんの時間は終わる。見慣れた警務女官達に続いて、軍服姿のルアシュタインが現れた。

 ◆ ◆ ◆

「定刻です。ベルゼフリート陛下」

「ごめんよ。ルアシュタイン。親子団欒の時間が長引いちゃってたね。遅れ気味かな?」

「もとよりスケジュールには余裕があります。大丈夫です」

 微笑んだルアシュタインは、眼鏡の角度を調整しながら、手帳の記載を確認する。その背後には三人の妹達、レギンフォード、タイガルラ、キャルルが並ぶ。

 アマゾネス族は筋骨隆々な大柄女と思われがちだ。実際、その通りでもある。しかし、アレキサンダー公爵家の七女、キャルルはその固定観念に当てはまらない。

 可愛らしく、愛くるしい、可憐な少女体型を維持している。

「陛下~♥︎ 子供が好きならいっぱい産んであげますよー。私、いま孕み盛りで~す♥︎」

 キャルルーは軍服を捲り上げて、恥部をチラ見せする。即座にレギンフォードの鉄拳制裁が行われた。

「警護任務中よ。キャルル。弁えなさい」

「痛ったぁあっ⋯⋯! だって、だって! 最近はお姉ちゃん達ばっか陛下の護衛でズルしてたじゃん! 私とタイガルラお姉ちゃんに帝国軍の雑用任務を押し付けて、美味しい仕事ばっかり独占し――んぎゅもぉっ!?」

 問答無用でレギンフォードがキャルルを黙らせた。

 優等生のタイガルラは苦笑いしながら、なんとかこの場を取り繕おうとする。

「愚妹が申し訳ございません。そのキャルルは⋯⋯久しぶりに陛下と会えて興奮してるようです」

「キャルルは元気そうだね。最近のタイガルラは雑用任務ばっかりだったの?」

「そのようなことはありません。帝国軍の仕事は全て大切な任務です」

「レオンハルトが仕事で急がしそうだから、金緑后宮には行かないようにしてたんだ。休暇の日を教えてよ。僕の予定も空いてたら伽役をお願いするからさ」

「もったいないお言葉。ありがとうございます」

 タイガルラは深々と頭を下げる。レギンフォードに羽交い締めにされてるキャルルは叫ぶ。

「わ! わたし! 来週の連休は仕事ないです! デート! デートしましょ!! 陛下!! 芸術讃美の祝祭節、お暇ですか? 私は予定をなーんにもいれてな――。ちょっ! もう! 邪魔しないでよ! レギンフォードお姉ちゃん!」

「いい加減にしなさい。キャルル。天空城アースガルズに送り返すわよ?」

「その辺にしてあげれば? 大人げないよ。レギンフォード。それと、ごめんね。キャルル。来週の祝祭節は先約があるんだ」

「そ⋯⋯そうですか⋯⋯。残念⋯⋯。ちなみに先約は誰ですか?」

 がっくりと肩を落としたキャルルは意気消沈してしまった。

「目の前にいる人達だよ」

「え? えぇ? 陛下? 目の前って? しかも、人達?」

「レギンフォードに誘われちゃった。僕がトイレに行ったとき、キャルルだけ外回りしてたでしょ。あの時にさ、持ちかけられちゃった。ごめんね⋯⋯。ちなみに、祝祭節の中日なかびがタイガルラで、最終日はルアシュタインが確保済み」

「陛下。ちょっとだけ耳を塞いでください。――おいおい? お姉ちゃん達? ちょっとそれは狡くない? 酷い裏切りよ。私がいないときを見計らって、それはないよね? 私に庭の偵察を命じたのって、そのため? 任務中だとか偉そうに説教したくせに、自分達がまっさきにやってるんじゃない! お姉ちゃん達の意地悪!」

「先手必勝、アレキサンダー公爵家の家訓を忘れたのかしら」とルアシュタインは語る。

「こういうのは早い者勝ち。それと誘いを掛けるタイミングを選ぶことね」とレギンフォードは冷笑する。

「姉妹である以前に、アマゾネス族の女だから仕方ない。キャルルは動き出しが遅かった」とタイガルラは開き直る。

「姉妹喧嘩は良くない。キャルル、今日の夜は黄葉離宮に泊まりなよ。僕が望めば立派なになるでしょ?」

「ううぅっ! 慈悲深き陛下⋯⋯! 意地悪な姉達に虐められる私に手を差し伸べてくれるなんて! ありがとうございます!! 御礼に何をしましょう? 私、靴の裏だって舐めちゃいます! オチンポだって舐めます! いえ! 舐めさせて!」

「今はちょっと⋯⋯。これから冒険者組合と大事な話し合いがあるしさ」

「そんなこと言わずに! 先っちょだけ! 先っちょだけなら大丈夫だからぁ! オチンポをしゃぶります! 感謝フェラチオをさせ――痛いっ! 髪を引っ張るのはやめてよ! お姉ちゃん! 髪型が崩れちゃう!」

 今度こそ、キャルルはレギンフォードに髪を引っ張られて、奥に引きずられていった。

「ともかく、これで万事問題なしだ。家主のセラフィーナは許してくれるよね? 今晩はキャルルと一緒に僕の相手だ」

「ええ、もちろん、キャルルさんを歓迎いたしますわ」

 ベルゼフリートの提案でキャルルは不満を抑え込む。強い男の子を産もうとするのは、アマゾネス族の種族習性であり、抑えきれぬ欲望だった。

 強さの基準は個々人で異なるが、ベルゼフリートは一般的なアマゾネス族が求める体質的な強さを持っていた。世界を滅ぼす破壊者ルティヤを封じる器。肉体の血には比類無き力が秘められている。

 ベルゼフリートはセラフィーナの耳元で囁いた。

「冒険者組合との交渉事がどんな結果で終わるにしろ、情報通のキャルルに相談すればいい。僕の子供を産みたがってるから、きっと今夜は力強い味方になってくれるよ。こういうのも駆け引きだよね」

「キャルルさんは情報通なのですか?」

「ああいう性格だし、任務で外にも出てるから、天空城アースガルズに籠もってる女仙よりも情報を持ってるよ。冒険者組合や魔狩人との共同任務も沢山こなしてるらしい⋯⋯って僕は聞いた。あと帝国軍随一のファッション通だね」

「キャルルさんが引きずられていくとき、熊さんパンツが見えましたが⋯⋯。帝国では熊がお洒落なのですか?」

「一部では熱狂的なファンがいるらしいよ。魅せパンツだとか言ってたかな?」

くっ殺ヒロインズVol.43(表紙:やむっ)

KTC『くっ殺ヒロインズ』
(不定期)

可愛い式神たちとのイチャラブがいっぱいな
人気ゲーム『あやかしランブル!X指定』がコミカライズ!
正義のヒロインたちの屈辱Hプレイに特化した
コミカライズ&描き下ろしコミックも充実のシコラインナップ!!

【収録作品】
『あやかしランブル!X指定 式神恋慕』第一話
漫画:やむっ 原作:EXNOA/テクロス
安倍晴明が世界を救ってから千年。
人の世の守り手たる陰陽師の新米青年は、
仲間の式神たちとともに邪なる存在マガツヒ退治を続けていた。
そんなある日、式神のククノチから活躍の”ご褒美”をおねだりされ
いつもはからかってくる彼女と甘い雰囲気になり――。
着物の脇からこぼれ出た豊かな乳房を愛撫すると
我慢できなくなったククノチはエッチな表情で
さらなるおねだりをして…!?

『魔法戦士FINAL IGNITION THE COMIC』第4話
漫画:舞猫ルル 原作:Triangle
メッツァーの魔の手は国家の中枢へ…!?
謀略と陵○が渦巻く第4話開幕!
対魔法部隊と魔法戦士たちの協力体制を破壊するため、
なんとココノが対魔法部隊員の精神を浸食!
理性を失った隊員に押し倒されたティアナは、
そのままイラマチオからの口内射精、
さらには強○挿入と激しい陵○を受けてしまう!
隊員を傷つけられない彼女は悲鳴を上げつつも、
性欲をその身で受け止めるしかなく…!?

『シスター・シスターズ ~渇愛のインセスト~』第三話
漫画:寒天
悪魔から姉を救うために淫らな勝負を受けたシスターユリナは、
必死に抗う心とは裏腹にスケベな身体へと調教されていく。
爆乳から母乳を噴き出しながら快感に悶え、
触手にアナルを穿られてイッてしまう…。
次なる勝負は、牛柄ビキニを着せられ
姉のシスターローザとともに
孤児たちの欲望のはけ口として乱交することに。
ユリナはショタちんぽの滾りに段々翻弄されて…。

『バンビのHな大冒険』
漫画:電磁砲二期
モンスターが宝物を貯め込んでいるという噂の
ダンジョンへとやってきた獣人少女でトレジャーハンターのバンビ。
早速モンスターを発見し討伐、
持っていた宝箱を開けるも中身がミミックだった!?
触手に身体を搦め捕られ、上半身を宝箱に引きづり込まれると
口や胸を穢され、媚薬を飲まされるバンビ。
やがて声を掛けてきたウサギに救助を求めるも、
クンニで絶頂されられるとともに、
絶頂時の愛液で人型マッチョに進化したウサギに
そのまま孕ませ陵○されてしまい……。

『神姫PROJECT ~穢されし戦乙女たち~』第2話
漫画:セレス龍 原作:EXNOA/テクロス
人間界でアイドルとして君臨し人々を魅了する神姫ラミエル。
だがある日、楽屋に訪れた男性ファンに突然襲い掛かられ、
ラミエルはベッドに押し倒されてしまうことに!
自慢の幻惑魔法を跳ね返され、身動きを封じられた歌姫は
新たに合流したファンたちによって輪○されていく。
両手で手コキを強要され、胸や恥部を弄ばれ、
さらには全身ぶっかけによって
神姫ラミエルの肉体は穢されていくのであった。
恥辱と屈辱のファン交流会に、歌姫の運命は…?

『反転楽淫』
漫画:はこまる
フタナリちんぽで魔法少女は絶望へ堕ちる!?
人を襲う魔族と戦う魔法少女莉乃と相棒のサリー。
連戦連勝の彼女たちの未来は希望に満ちていた…はずだった。
突如サリーが裏切り事態は急変!
彼女の目的は莉乃を強くした上で魔族へ堕とすこと…。
そしてその手段は、フタナリちんぽによる快楽調教!
淫紋を刻まれた莉乃は強力クンニ&強○イマラチオで完全発情。
さらに無理やり秘所に挿入されてしまい…。
果たして少女は悪辣な罠から逃れられるのか…!?

表紙:やむっ

執筆陣やむっ / 舞猫ルル / 寒天 / 電磁砲二期 / セレス龍 / はこまる / EXNOA/テクロス / Triangle
表紙イラストやむっ
価格770円(税込)
発行日2025年01月18日

【211話】謁見に向けた下準備

 帝国元帥レオンハルトは筋トレ用の握力ボールを握り潰した。衝撃波で部屋全体が震動する。何ごとかと隣室で控えていた秘書官の側女が執務室を覗きに来る。

「何でもない。下がれ」

 職務机の上には書類の山が築かれていた。いっそ、本当の山であれば、実力で消し飛ばせたかもしれない。敵を一撃で薙ぎ倒せる絶対強者であっても勝てぬ存在。それは書類仕事デスクワークだった。

「いつになったら私の仕事は終わる⋯⋯? なぜだ。一向に終わりが見えてこないぞ⋯⋯」

 仕事は常日頃から真面目にこなしている。眼前に広がる書類の大山脈はひとえに、レオンハルト・アレキサンダーの処理能力を上回る速度で、重要案件が発生しているためだ。

「机に張り付く日々⋯⋯。苛立ちで脳が爆発しそうだ」

「爆発したのは私が丹念を込めて創り上げた力作〈握々にぎにぎパワーボール伍式ごしき〉だが? 弾力性は陛下の睾丸を参考にした後宮の人気商品なのだから、大切に扱ってほしかった」

「その無駄な拘りは何なのだ⋯⋯?」

「開発者の愛だとも!」

 万年筆を握力で粉砕し、インクを飛び散らせること三回。軍閥派の次席にして主席宮廷魔術師のヘルガ・ケーデンバウアー王妃が開発した特注の握力ボールもついに限界を迎えて爆散した。

「楽しげな貴公が羨ましい。⋯⋯この業務量は狂気じみているぞ」

「軍事費削減に伴うメガラニカ帝国軍の再編成は、この時期に終わらせてしまいたい。元帥閣下も承知されていたはずだがね? 先般の軍議でその重要性を軍閥派の妃達に説いていたのは、何方どなただったかな」

 助け船を出すべき補佐役は意地悪く笑っていた。

 全身鎧を着込んだヘルガは、帝国元帥の執務室でくつろいでいる。

「分かっている。いや、分かっているつもりだった。まさか帝都に帰ってきてから、こんなに仕事が立て込むとは⋯⋯。誤算だった」

「陛下のお誘いを辞退するほどの誤算かね?」

「⋯⋯⋯⋯貴公はさぞ楽しかっただろうな」

「いやはや、私は元帥閣下のおかげで美味しい思いをさせてもらった。伽役を譲ってもらった礼はいつか返すとも」

 多忙を極めるレオンハルトは休日返上で職務にあたっている。そのため、前々から約束していたベルゼフリートとのデートを直前でドタキャンしていた。

 暇になったベルゼフリートは、宰相派や長老派のところに行きかねない。そこで、レオンハルトの代役となったのがヘルガだった。

「海底から持ち帰った大王イカの足先を陛下に食べさせたそうだな? 女官から苦情がきてたぞ。陛下に変なものを食べさせるなと⋯⋯」

「口に入れただけで、胃袋には入れておられない。ご存知ないかな? 大王イカは食用に適していないのだよ。干物にしても不味いものは不味い。しかし、エグ味こそあれど無害だ。危険は皆無。陛下の好奇心を抑圧するのは女官の悪い癖だ」

「女官総長、医務女官、庶務女官長が激怒していたとだけは伝えておくぞ」

 恨み節を吐きたくなるレオンハルトだったが、仕事を滞らせているのは自分自身だ。まだ八つ当たりをするほど、追い詰められてはいない。

 腹立たしいことにヘルガは、自分の抱えた職務を片付けている。仕事を増やすことに定評のある奇人であるが、仕事を処理する速度は異常に早かった。

 ヘルガに業務の一部を肩代わりしてもらう。それも一つの選択肢であり、ヘルガからの申し出を受けていた。しかし、レオンハルトにはそれができない理由もあった。

「――というわけで、宮廷魔術師の開発局に特別予算をよろしく」

「どういうわけでそうなる!? 却下だ。却下! どうしてもやりたいことがあるならケーデンバウアー侯爵家の自費でやれ!」

「今年はうちも厳しいのだよ。観光税を上げなければならなくなった。旧帝都ヴィシュテルで起きた事件の風評被害も大きい。なにせ我が領地は最前線だったからね。観光客が西岸地域に奪われつつある」

 富豪の貴族。印象論だけで語ると、まっさきに名が上がるのは、大財閥を率いるラヴァンドラ伯爵家、高級リゾート地の開発で成功しているグッセンハイム子爵領などである。しかし、それらは実態とはかけ離れている。

 帝国貴族の資産や収入を比較したとき、飛び抜けているのはアレキサンダー公爵家やケーデンバウアー侯爵家のような軍門の名家。そして古くから続くナイトレイ公爵家など、大領地を所有する名門貴族ばかりだ。

 大貴族の資産と収入は巨額である。しかし、私利私欲を満たすために富を蓄え続けている者は一人としていない。

 アレキサンダー公爵家は国防産業を維持し続けていたし、ケーデンバウアー侯爵家は研究機関に資金を供給しなければならない。ナイトレイ公爵家は分家に委任した地方都市への資金を融通し、流通の要である主要な街道の整備を負担していた。

「さて、せっかく押しかけてきたのだ。ちょっとした雑談でもしよう」

「まさか貴公は暇なのか? 今の私がどういう状況か、口で説明しなくとも分かると思うが?」

「そんな顔をしないでいただきたい。仕事の話だとも。下僚かりょうとのコミュニケーションは大切にしたまえ。例の件がどうなっているか知りたくてね。気になって夜しか眠れていない」

「しっかり寝てるわけだな。で? 何の件だ? 抱えている仕事が多すぎて、何を指してるのかさっぱりだぞ」

「魔狩人が囲っている女、やはり話は進まなさそうかな?」

 常日頃から鎧兜を装着しているヘルガの感情は見えにくい。けれど、声に込められた感情の推察はできる。

「あれは無理だろうな。身柄の引き渡しを拒否された。帝国軍の管理下に置きたいところだったが⋯⋯。引き続き交渉はしていく」

「それは残念だ。胎児のほうも無理かね?」

「現段階では人間の胎児と見做されている」

「人間⋯⋯ねぇ⋯⋯? 私は懐疑的に見ている」

「魔狩人は誓約上、人間を殺せない。帝国軍が引き取ったら殺処分すると思っている。産まれても渡さないだろう」

「実際、そのつもりではあったがねぇ⋯⋯。神喰いの魔物が残した遺児。ろくなものではない。それでも、神殿の御老人達が慎重姿勢を取るのは分かっていた。そのうえ、帝国宰相ウィルヘルミナが保留とは⋯⋯。当てがはずれてしまった。三頭会議で結論が出ない場合、軍部は動きにくくなる」

「ウィルヘルミナ宰相の内心は分からん。しかし、が影響しているのかもしれんな。カティア神官長も表向きは魔狩人との対立を理由としていたが、殺すことのリスクも考えていたはずだ」

 ナイトレイ公爵家はベルゼフリートの肉親を処刑している。族滅刑の判決を下したのは司法神官、帝国の法律に従って、刑を執行したのはナイトレイ公爵家だった。

「いずれにせよ、葬り去った大妖女レヴェチェリナよりも、神喰いの魔物ピュセル=プリステスが残していった置き土産のほうが私は恐ろしい」

 ヘルガは警戒を怠らない。大妖女レヴェチェリナの陰謀も一歩間違えれば、メガラニカ帝国が滅んでいた。ベルゼフリートが殺されてしまったら、ありとあらゆるものが瓦解する。

「その点は同意だ。ベルゼフリート陛下に害を為す存在だと判明すれば、強硬手段を使ってでも抹殺する」

「影の一族を使っての暗殺は十分に可能と聞いた」

「それは確認を取った。毒が有効なら病死に見せかけて抹殺できるそうだ」

「帝国軍の特殊部隊を使ってもいい。もちろん、元帥閣下の許可がなければ、動きはしないがね」

「いいや、回りくどい手段は使わない。やると決めた際は、邪魔な魔狩人ごとでも殺す。我らが最優先すべきは皇帝陛下の安全。魔狩人と敵対することになろうと、迷う必要はない」

「ふむ。ああ、確かに⋯⋯。仰る通りだ。くっくくくく。元帥閣下は書類仕事よりも荒事の処理が向いておられる」

「はぁ⋯⋯。自分が一番分かってる。こういう細やかな仕事は苦手だ」

「旧帝都の復興計画が一段落すれば、少しは業量も落ち着くであろうさ。産みの苦しみだと思って踏ん張るほかあるまいよ」

「私は出産でここまで苦しんだ覚えはない」

「アマゾネス族の膣道がガバガバだからでは?」

「せめて安産型と言え」

「何にせよ、今は耐えて機が来るのを待つしかない」

「⋯⋯そろそろ帝都の冒険者組合が皇帝陛下と謁見する。そこで大きく動くだろう。愛妾セラフィーナの評価が変わるきっかけとなる」

「謁見の場所は帝都の冒険者組合なのだろう? 皇帝陛下は地上に降りたがっていると聞いた。警務女官だけでは護衛が心許ないのではないかね?」

「帝国軍で選抜した護衛戦力を伴わせる。場所も冒険者組合の事務所ではなく、ラヴァンドラ伯爵家の本邸にさせた」

「軍の施設が望ましかったが、宰相派に配慮かね?」

「宰相派のラヴァンドラ王妃は己の利潤に繋がるのなら、喜んで協力するだろう⋯⋯。問題はその後だ」

「今回、ベルゼフリート陛下のお立場は?」

「おそらく中立だ。三皇后の要請を受けて、セラフィーナに働きかけている。関係各所の橋渡し役だな。どこかの派閥に偏ることはまずあるまい」

「軍閥派に寄り添ってほしいが仕方あるまい。小賢しく口煩い女官達はどうかね?」

「女官総長ヴァネッサが静観を決め込み、財務女官どもはおとなしい。しかし、旧帝都アヴァタールの帝嶺宮城ていれいきゅうじょうに残された財物管理は女官のテリトリーだ」

「歴代皇帝の宝物は、順当にベルゼフリート陛下の御物とするのが筋だ。揉めるのは所有者不明の遺産。死恐帝の死後、リバタリアの災禍で帝都を棄てる決断を強いられた。先代ケーデンバウアー侯爵の日記でも記されていたが、当時は想像を絶する大混乱だった。旧帝都に残された遺物は多い」

 単なる金品だけであれば問題視はしない。ヘルガが懸念しているのは、旧帝都アヴァタールが魔物達の支配下にあったことだ。

 大妖女レヴェチェリナや神喰いの羅刹姫が忌物を置き土産として潜ませているのではないか。その可能性を憂慮していた。

「冒険者は危険物の濾過装置フィルターになるだろう。冒険者組合は鑑定の有識者を抱えている。民間の人材を上手く利用したいものだ。⋯⋯民間に委託すれば、軍の仕事が減る。それは万々歳だ」

「帝国軍はを見張るので忙しい。元帥閣下、あれは相当にきな臭い。率直な意見を申し上げるなら、内政にまで人員を割きたくない」

「東側⋯⋯か⋯⋯。ヴィクトリカを担ぎ上げた東アルテナ王国は我らとの国力差を知っている。しばらくは動けぬだろう。警戒すべきは大敗を喫したバルカサロ王国。復讐の機会を虎視眈々こしたんたんと狙っているに違いない。中央諸国が教会勢力で大連立を目論んでいるとも噂されている」

 宗教対立をレオンハルトは軽視できなかった。反帝国の枢軸は教会圏の国々である。教皇の教えは、皇帝崇拝を国是とするメガラニカ帝国と相容れない。

「挑まれれば応戦するほかなしだ。しかし、この時期に対外戦争は望んでいない。厄介なのは国内世論。我が国にも領土拡張を強弁する国粋主義者が跋扈ばっこしている惨状だ。実に嘆かわしい」

 ヘルガは床に落ちていた帝都新聞を拾い上げた。商会発行の民間新聞は、世相を如実に反映している。

「勝って終わり。それで片付くと思い込んでいると、破壊帝のような悲惨な結果に終わる。国民には自制を促していかねばな⋯⋯」

 歴史上、戦争に負けて滅んだ国は数多くある。しかし、戦争に勝ってしまったせいで滅んだ国も存在する。負け戦にしろ、勝ち戦にしろ、重要なのは終戦の落とし所だ。

 栄大帝と大宰相ガルネットの偉業は、大陸全土のではなく、を成し遂げたことだ。約一千年の期間、アガンタ大陸の治世は揺るがなかった。

 メガラニカ帝国の国力は増しているが、黄金時代に比べれば衰退は著しい。

 ◆ ◆ ◆

「あっ♥︎ くぅゅうぅっ⋯⋯♥︎」

 ロリ巨乳の美少女は、四つ這いの姿勢で喘いだ。尻を後ろに突き出し、背中を弓なりに反らす。

「あぅ♥︎」

 ラヴァンドラが連れてきた五人の側女は、順番に処女を捧げていった。最後の一人は小人族の巨乳美女。彼女の背丈はベルゼフリートよりも低かった。

 小柄な体躯に実った大きな乳房が揺れる。未開発の膣穴は、ベルゼフリートの巨根を半分ほどしか受け入れていない。だが、亀頭は子宮口に接着していた。肉茎にくけい蠕動ぜんどうする。放精の予兆を感じ取ったロリ巨乳の側女は、身を震わせた。

「あぁっ⋯⋯♥︎ おぉ⋯⋯♥︎ あぁんっ⋯⋯!!」

 仕える王妃と同僚の側女達が見守ってくれている。

「じゃあ、中に出すよ」

「は、はいっ♥︎ あっ、ありがとうございますぅっ♥︎ 陛下っ♥︎ あぁっ♥︎ んぁああぁぁっーー♥︎」

 処女膜を失ったばかりのオマンコに皇胤が注がれた。幼き皇帝は初体験の生娘にセックスの悦楽を教える。これでラヴァンドラが連れてきた五人の側女全員が御手付きとなった。

 ベルゼフリートが側女にまで伽役を求めたのは、扱いを公平にするためだった。

(セラフィーナが連れてきたロレンシアを抱くなら、ラヴァンドラの側女も可愛がってあげなきゃね。これで全員分が完了だ)

 呼吸を荒げる側女からオチンポを引き抜いた。貫通した膣道から逆流した精液が流れ落ちる。

「ふぅ。はぁ~。休憩、休憩~!」

 ふらふらと立ち上がったベルゼフリートは、女官が用意してくれたベッドに横たわる。左右にラヴァンドラとセラフィーナを抱えて、水着越しに乳房を揉んだ。

「プールに来たのはいいけどさ。実は水着を見たかっただけで、泳ぐつもりはあんまりないんだよね。そもそも、ここのプールは底が深くて、僕じゃ足が付かないし⋯⋯。まあ、あと数年もすれば僕もぐーんと背が伸びるはず」

 ベルゼフリートは自分の身長を気にしているが、まったく伸びる気配はない。

「ちょっとだけ⋯⋯。寝ちゃおうかなぁ。すぐ起きるから⋯⋯。ふふあぁぁ~~」

 幼帝の異名と終生の付き合いになるとは、まだ思っていなかった。

「あらあら。寝てしまわれましたわ」

 ベルゼフリートはすやすやと寝息を立て始めた。セラフィーナは寒くないように爆乳を密着させる。ラヴァンドラも寄り添って体温でベルゼフリートを暖める。

「溜まっていた性衝動を発散し、御心が満足されたのでしょう」

 ラヴァンドラはベルゼフリートをいつくしむ。眠りを妨げぬように頬を優しく撫でた。

「⋯⋯⋯⋯」

 そして、セラフィーナの乳輪からににじあふれる母乳を注視する。

「ラヴァンドラ妃殿下? なにか?」

「母になる⋯⋯というのは、どういうお気持ちですか?」

「陛下の御子を産むのは至高の悦楽♥︎ きっとラヴァンドラ妃殿下が初産を終えられたら、きっと、間違いなく、私の気持ちに共感してくださりますわ♥︎ あの経験は⋯⋯♥︎ そう⋯⋯♥︎ とても言葉では表現しきれませんわ♥︎ 白月王城の王座で三つ子を産んだ瞬間、全身を突き抜けた言い知れぬ多幸感⋯⋯♥︎」

 退屈で恵まれた人生が破壊し尽くされ、愛欲で塗り潰された瞬間。胎に植え付けられた子種が芽吹いた記念日を反芻はんすうする。

「お胎の子が産まれるのを愉しみにしていますわ。安産だといいのだけど⋯⋯♥︎」

 ラヴァンドラはベルゼフリートを抱きしめる。いつかは正妻の立場で傍らに立ちたい。たとえ何十年、何百年かかろうとも帝国宰相の座に挑み続ける覚悟だった。

 ラヴァンドラ伯爵家の野心は切っ掛けにすぎない。心の奥底に秘めた欲求は単純明快。愛する異性を独占したい。三皇后の一角である帝国宰相の地位に登り詰めれば、正妻の特権が与えられる。

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そんなことを思いながら歩いていたら、脇見運転の車に突っ込まれ、事故に遭ってしまう。
目覚めたのは病室で、「俺」は意中の後輩であるまなと再会する。
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著者一夜澄
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