ベッドで四つ這いになったアイリスの艶尻は真っ赤に腫れていた。悪さをした子供を躾けるように、シオンは平手で臀部を叩いた。
――パァッン♥︎ パチィン♥︎ パァンッ♥︎
張手の衝撃が柔らかな尻肉を波打たせる。たっぷり肥えた巨尻を捧げる姿勢で、アイリスは膝を屈している。
「おぉっ♥︎ んぉっ♥︎」
恥部の淫裂から逆流した精液が垂れ流れる。後背位で犯されるアイリスは従順な牝犬になりきった。
「あぁっ♥︎ あぁんぅぁあ゛~~♥︎ おっぱいぃっ♥︎ 乳首をいじめてぇっ♥︎ イぎぃたいぃぃっ♥︎ イぐぅっ♥︎ んぎぃっ♥︎ おぉっ♥︎ おねがいいぃよぉ♥︎ もぅっ♥︎ イがせてぇっ♥︎」
「アイリスってマジで変態だよな。尻をぶたれてオマンコが締まるんだからさ。しかも、乳首を刺激しないとイけない淫乱女。クソガキの精子で孕んじまえっ!」
「あぁっ♥︎ しゅごぃぃいっ♥︎ くるっ♥︎ きちゃううぅうっ♥︎ 追加の孕ませ汁っ♥︎ あぁっ♥︎ んぁっ♥︎ こんなに気持ちよくさせられたらぁっ♥︎ 卵子を盗られちゃう♥︎ おぉお⋯⋯っ♥︎ お゛ほぉ♥︎ んおぉぉぉぉおっ~~♥︎」
あられもない淫叫をあげながらアイリスは果てた。シオンは男根を突き刺し、両手を回してニップルピアスを摘まむ。母乳が噴き乱れ、全身をガクつかせている。壮絶なイきっぷりにシオンも驚いてしまった。
(すげえ母乳の量! オマンコも搾り取ってくる⋯⋯!! まじで技巧派なんだよな。責めてるのはこっちなのに、セックスの手綱を握られっぱなしだ。てか、アイリスの性感帯を開発したのって、亡くなった旦那さんなんだよな)
十二年前に事故で亡くなったアイリスの夫。領内では名の知れた大工職人であり、性豪であったと聞いている。面識はないが、アイリスが生涯の伴侶に選んだ相手だ。どれほどの人物であったか、シオンには分かる気がした。
愛人という形で代役を演じている。しかし、所詮は未亡人への慰めだ。アイリスの孤独を癒やせるのは家族愛。だから、今になって子供を願った。
最愛の夫に先立たれた女が抱いた宿願。沢山の子供に囲まれたいという欲望の捌け口。シオンはアイリスを強く抱きしめた。
「あぁ⋯⋯♥︎ はぁはぁ⋯⋯♥︎ ありがとう、シオン♥︎」
「子供は男と女、どっちが欲しい?」
挿入した男根はまだ抜かない。後ろからぎゅっと体を引き寄せる。豊満な女体を腕の中に収める。汗ばんだ皮膚が密着する。跳ね上がった心臓の鼓動が互いに伝わってきた。
「どっちも欲しいわ。男の子でも女の子でも⋯⋯。ワガママな女よね? もう一度だけでいい。子供を育てたいわ⋯⋯。一人ってとても寂しいのよ。この二年で私がどれだけ枕を濡らしたか知ってる?」
「そっか」
「シオンはいいわよね。一人で眠ることなんて、早々ないでしょ? いつも女を侍らせて⋯⋯。羨ましいわ」
「アイリスだってやろうと思えばできるだろ。男達を侍らせればいい」
「遠慮しておく。旦那と結婚する前だったら、そういう遊びもしたけれどね。あら。お呼びしてたお客様がいらっしゃったわ」
独りでに窓が開き、室内に夜風が吹き込む。箒に横乗りした若い魔女が許しを得ずに入ってきた。性行為の真っ只中にあるシオンとアイリスを物珍しげに見る。
「こんばんは。魔女さん。来てくれて嬉しいわ。ちょっと怪しんでいたのよ。路地裏でばったりう会ったとき、約束はしてくれたけど、守ってくれるか分からなかったし⋯⋯。紹介するわね。この子が私の恋人よ。小さくて可愛いでしょ? 名前は――」
アイリスは呼吸を整える。シオンの手が右の乳房を揉んでいた。事前に決めていた合図だ。
(偽名は使わない。これ、俺の本名はバレてるな)
シオンの意図はアイリスに伝わっている。言葉を交わさずとも互いの考えが分かった。
(私、シオンのことは教えてないわよ)
(下調べをしたんだろうさ。下手に嘘をつくと警戒される。窓を閉めようとしないし、移動用の箒を掴んだままだ。飛行魔法を解除してねえ。こっちが不審な動きをしたらトンズラされる)
(そう簡単にはいかないわね。相手が無警戒ならレイナード達を呼んで、終わりだったのに⋯⋯)
魔女は逃げようと思えばいつでも箒に乗って外に飛び出せる。魔法が使えないシオンでは、空に逃げた魔女を捕まえる方法がなかった。祓魔奇跡で飛行魔法を消してしまったら、四階の高さから魔女が落ちて死にかねない。
「この子はシオンよ。ジェルジオ伯爵家の城で暮らしてる不良児。女遊びが大好きなの。魔女さんも興味ある? 貸してあげてもいいわよ」
膣穴から男根が引き抜かれる。泡立った精液がボタボタと流れ出てベッドシーツを汚した。二本指で陰唇を見開き、アイリスは魔女を誘惑する。
(おいおい。それは計画にないぜ? 悪乗りしすぎ。アイリス⋯⋯)
魔女はアイリスの淫乱ぶりに呆れ果てているようだった。
「はぁ⋯⋯。教会の罠だと思ってた私が馬鹿みたいだわ。シオンっていう子、聖導師アルバァンダートの弟子って聞いたわよ?」
「アルバァンダートは俺の養父。孤児の俺を引き取った偏屈なジジイだよ。俺は教会読師の見習い。だが、戒律には縛られたないタイプでね」
「へえ、そうなの。知ってるかしら? 私は貴方の養父に追いかけ回された。危うく捕まるところだったわ」
やっと魔女は警戒を緩める。握り締めていた箒を壁に立てかけた。
「はっはははは。そいつはお気の毒だ。同情するぜ。安心しろよ。俺はそんなことしない。むしろお前が商ってる品に興味がある。魔導具を売ってくれるんだろ? なあ、そう警戒するなって。俺だってリスクを背負って会いに来たんだ。アルバァンダートにバレたらヤバいんだぜ? 名前を教えてくれよ」
「まぁ、いいわ。私はロザリー・クロス。神秘結社ドラゴノイドの魔女よ」
(アルバァンダート先生が言ってたヤバい組織⋯⋯。古代竜を崇める魔法使いか。思っていた以上に若い。シャーロットお嬢様と同じくらいの年齢に見える。外見を魔法で誤魔化してる感じはしない。帝都の魔法学院に通わず、第三魔法を使いこなしているなら、相当な才能の持ち主だ。それとも国外で魔法を学んだのか?)
年齢は十代後半。つば広のとんがり帽子を被った赤毛の魔女。魔導具の被害者から聞き出した魔女の外見と特徴が一致している。アイリスやレヴィアには匹敵しないものの、立派な胸部が目立つ身体だ。容姿も悪くない。
(肩に乗せてる使役魔の鳥⋯⋯。あれは雷鳴精霊鳥だ。厄介な魔法を使う。魔導具も自家製の可能性があるな)
雷光を蓄えた精霊鳥がロザリーの護衛だった。精霊魔法は第三階位。込められた魔力次第では、人間を一瞬で黒焦げにできる。
(シャーロットお嬢様が使役した雷鳴精霊鳥は庭の枯れ木を真っ二つにした。あんな落雷をくらったら、まず間違いなく死んじまう。同じ魔法だから、同じ威力とは限らないが⋯⋯。この魔女はどこまで使える? もし第四魔法以上を修得した高位魔術師だったら⋯⋯)
地上階の酒場に待機させたレイナード達だけでは対処できない。ジェルジオ伯爵城にいるアルバァンダートやルフォン、万全を期すならレヴィアの力がなければ実力行使は避けたい。
シオンが使う信仰の奇跡、第零魔法の〈祓魔〉は発動までに時間がかかる。祈りを捧げる前に、攻撃されたらアイリスを守るのは不可能だった。
「とりあえず、そこの椅子に座ってくれよ。服を着るから時間をくれ。真っ裸で取引をするわけにもいかないだろ」
「そうね。こっちも目のやりどころに困るわ。はやく服を着てちょうだい」
ロザリーは窓ぎわの椅子に腰を下ろした。テーブルに魔導具を並べ始める。事件の被害者達によれば、魔女は路地裏や酒場の片隅で魔導具を商っていたという。
(伯爵様が注意喚起の布告を出してからは、表立っての商売は難しくなったろうな。怪我人が出ちまった以上、黙認はされない)
シオンは上着に袖を通す。興味深げに商品を流し見しているように装う。実際は観察だ。アルバァンダートには及ばないが、シオンにも聖職者の眼がある。
(魔法の悪意が見える⋯⋯。何のつもりであんな粗悪品を売り捌いてるんだ? 第三魔法まで使えるなら、普通の魔導具だって製造できるだろ)
鍛錬場での一騒動を起こした首輪と似たような代物があった。魔導具の販売は許可制、製造に関しても国の認可を得た魔法使いギルドだけが行える。しかし、潜りの闇魔法使いはいる。それだけ魔導具の需要は高い。
(普通、魔導具が問題を起こすのは、半端な魔術師が造った失敗作。意図せず使用者を傷つける。だが、この魔女が扱ってる魔導具には明確な意図が込められている。目的は単なる金儲けじゃなさそうだ)
衣服を身に着けたシオンはロザリーの正面に座った。テーブルに置かれた魔導具を見下ろす。指輪、首輪、腕輪、首飾りなどの有り触れた装飾品に魔力が宿ってる。一番強力な魔法が刻まれているのは短剣だった。
(この短剣。嫌な気配を感じる。呪われてやがるな。素人が扱える呪物じゃない。鍛錬場で空中浮遊した騎士は運が良かったな。この短剣を買っていたらおそらく死んでたぞ)
シオンはロザリーに対する警戒度を一段階引き上げる。
「シオン、私はお風呂で汗を落としてくるから。ちゃんと例の品を買っておいてね」
「アイリス、戻ってくるときにビールを持ってきてくれよ。喉が渇いちまったよ」
「栄養たっぷりのミルクじゃご不満かしら」
アイリスはこれ見よがしにご自慢の乳房を揺らした。
「腹を下すからビールで。急がなくていいから多目に持ってきてくれ。それと、腹が減ったから適当に料理も。えーと、そうだな。客人をもてなさなきゃな。ロザリーは酒が飲めるか?」
「驕ってくれるのなら、私もビールをいただくわ」
「〈囀る古鳥亭〉のビールは美味いぜ。酒を目当てに泊まる商人だっているくらいだ」
シオンは酒を飲まない。〈囀る古鳥亭〉のビールが美酒であるかは、人伝に聞いた評判の受け売りだ。
(本当に美味いかなんて知らねえ。けど、レイナード達はガブ飲みしてるから美味いに決まってる)
重要なのは自然な形でアイリスを部屋の外に逃がすこと。アイリスは酒場で待機しているレイナードに魔女が現われたと伝えてくれる。
(ここで取り逃がしたらロザリーは二度と現われない気がする。時間は俺がたっぷり稼ぐ)
アイリスを安全な階下に逃がしたことで、シオンは心の余裕を得る。しかし、ロザリーはやや不信感を覚えたようだった。
「私の商品を買うお金は持っているんでしょうね?」
シオンに怪しみの視線を向けてくる。
「もちろん。――といっても、俺の金じゃなくてアイリスのだけどな」
シオンは銀貨で膨らんだ皮袋をテーブルに置いた。アルヴァンダートから受け取った見せ金だ。ロザリーは銀貨が本物か確認している。
「確かに本物の銀貨みたいね。安心したわ」
「そっくりそのまま同じ言葉を返すよ。そっちも本物の魔法使いみたいだ。安心したぜ。まあ、アルヴァンダートの爺さんが捕まえようとしたんだ。マジモンだとは信じてたさ。そんで、例の品物は? アイリス曰く、とんでもなく素晴らしい代物だって話じゃんか」
「私の商いはこれらの魔導具よ」
「そっちは興味がないな。悪いがガラクタに見える。約束の品を出してくれよ」
「呆れてしまう。でも、いいわ。貴方達みたいな人間が欲しがるのはこっちでしょうね」
ロザリーは革鞄から怪しげな薬瓶を取り出した。
「媚愛の恍惚薬。たったの一滴、飲み物に混ぜるだけで女を発情状態にする秘薬よ。性欲を増大させるだけじゃなく、強制排卵効果もあるわ。服用した状態でセックスすれば確実に妊娠してしまう」
(アイリスが本気で欲しがってたが、どんな副作用があるか分かったもんじゃねえな。激ヤバな魔力が薬液に宿ってる。取っ捕まえたら即処分しなきゃな⋯⋯)
「取り扱いには注意することね。魔法薬はとっても危険な代物よ。これは原液。匂いを嗅ぐだけで効果が出てしまうわ」
「その薬や魔導具はロザリーが製造したのか?」
「まあね」
ロザリーは銀貨の入った皮袋を懐に収めようとする。だが、シオンが手をするりと伸ばして止めさせた。
「金はまだ渡さない。その薬が本物か確かめてからだ。アイリスが戻ってくるまでは買わない。試して本物だったら金をやるよ。それまではお預けだ」
「用心深いわね。薬の効果は本物よ」
「どうやって本物か確かめる? ロザリーが自分の体で試してくれるのか? そういうわけにはいかないだろ。大金を支払うんだ。少しくらいは待ってくれ。酒も驕るつもりなんだぜ」
シオンは皮袋を奪い返した。ロザリーを守る雷鳴精霊鳥が静電気を発して威嚇してくる。
「アイリスが戻ってくるまで、ちょいとお喋りをしようぜ。いいだろ、夜は始まったばかりだ。ロザリー」
荒ぶる魔法を宥めるようにシオンは語りかける。祓魔の奇跡で使役魔を弱める。ポケットに隠したタリスマンを握り締め、大聖女に祈りを捧げた。
(信仰は無形の祈り。通常の魔法と違って魔力や呪文は必要ない。経典の聖句を唱えずとも祈祷は可能だ。真摯な祈りだけが魔法を打ち砕く)
魔法を奇跡で打ち消しているとロザリーに悟られてはいけない。少しずつ、気付かれぬように、魔力を削っていく。騎士達が突入するまでに雷鳴精霊鳥を無力化する。一切の魔法が扱えない無能力者だからこそ、シオンの信仰力は強力だった。
(雷鳴精霊鳥を消滅させるのは、騎士達が突入したタイミングでいいとしても、魔導具も使えないようにしておくか。特に呪いの短剣は危険だ。解呪してしまいたい)
道具に込められた魔法は消えても分かりづらい。ロザリーは自身が製造者だと仄めかしたが、真実であるかは疑わしい。魔導具を無効化しても気付かれないとシオンは判断した。
(頼むぜ。大聖女様⋯⋯!)
シオンはくだらない雑談をしながら、心中では祈りを捧げる。聖句を強く念じて、悪しき魔法の力を削ぎ落とす。しかし、異変が生じる。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯うぅ⋯⋯うぅぅぅうぅう⋯⋯!」
ロザリーは被っていた帽子を床に落とした。青褪めた顔色で、大量の汗が噴き出ている。過呼吸で上手く肺に酸素を取り込めていない。
「ロザリー? どうしたんだ?」
「はぁはぁ⋯⋯なんで⋯⋯? どうして? いやぁっ! 私⋯⋯! おかしいっ! 裏切ってなんか⋯⋯いないのに⋯⋯。アァ⋯⋯ウァァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァーー!!」
驚いたシオンは飛び退いた。ロザリーは自分の皮膚を掻き毟りながら叫んでいる。
(毒か? いや、違う。この魔力はあの騎士見習いを苦しめた首輪と同じだ)
激しい痛みに耐えきれず、血涙を流していた。竜紋の刺青が蠢いている。
「くそ。呪いか⋯⋯! 魔導具や使役魔ばかりを見ていた。まずったな。アルヴァンダート先生に怒られちまう」
雷鳴精霊鳥が消滅する。ロザリーが使役魔の魔法を維持できなくなったせいだ。
背中に彫られた竜紋の刺青は、神秘結社ドラゴノイドの一員である証。しかし、単なる刺青ではなかった。
裏切りを防止し、口を封じる強力な呪詛が仕組まれていた。
「刺青は裏切り防止の呪詛だな。ヤバい魔法を仕込んでやがる。祓魔のせいで誤作動しやがった! そこまでは考えが回らなかったぜ。しくじった!」
シオンは漆黒黄金のタリスマンを掲げる。こうなってしまった以上、ロザリーを助けるためにも呪詛の魔法を解除しなければならない。