2025年 1月23日 木曜日

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【178話】災禍の先触れ

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【178話】災禍の先触れ

 艶肌に汗の水滴が滲む浮かぶ。淫女の色香が室内に充満している。

 セラフィーナとウィルヘルミナの共同奉仕は続いていた。約束の射精回数が終わり、子宮は精液でたぷたぷだ。

「あん⋯⋯♥︎ んおぉっ⋯⋯ぉ⋯⋯♥︎」

  セラフィーナは我慢できず、大きな声をあげて喘いでしまった。ぷっぢゅゅぅっ~~♥︎ オマンコが潮を吹き散らした。

「あっ⋯⋯。セラフィーナが先にアクメしちゃったね。さすがウィルヘルミナ。尻尾の使い方が洗練されてる」

 セラフィーナの尻穴に深々と食い込んだ尻尾は、アナルの性感帯を刺激する。恋敵の淫責めで絶頂してなるものかと意地を張っていたが、あっけなく敗北した。

「おや? すこし刺激が強すぎましたか?」

「オマンコに比べたらアナルはそんなに使ってないからね。孕みたがってから基本的に中出しだった」

「それでも粗相をさせない程度には仕込まれたのですね」

「こんだけのデカ尻だもん。そりゃアナルは開発しなきゃ。ウィルヘルミナよりもヒップはあるんじゃない?」

「かもしれません。ですが、バストは私のほうが上回っているようです」

 絶美の淫魔は密着の度合いを高める。下敷きにされた黄金髪の美熟女は、艶やかな雪肌の肢体を震わせてイき狂う。

「あっ♥︎ んぁああぁっ⋯⋯♥︎ んぁっ⋯⋯♥︎」

「普通の人間だったら、このサイズの乳房は形が崩れたり、垂れてしまうものですが、私と同じ体質ですね。ミルクの泌乳量も著しい。先祖に私のような上級サキュバスがいなければ、こうはなりません」

 爆乳を押し付け合い、抱き合う二人の美女。女同士のレズセックスと見間違えそうになる。だが、乳房に狭間で幼帝は足掻いている。長身の美女二人は挟み込んだ少年を逃さない。

「ぬぐぐっ。 ふぅっ。 んぐぐぅっ~~。ウィルヘルミナとセラフィーナの爆乳で溺れちゃいそうだ。上下左右がオッパイで囲まれてる」

 後頭部にセラフィーナの乳房があり、顔面をウィルヘルミナの美乳にうずめている。

「陛下はお好きでしょう⋯⋯♥︎ 射精の勢いがましています♥︎」

 七回目の射精からはウィルヘルミナが伽役を引き継いだ。セラフィーナの愛液でベトベトになったオチンポが、今はウィルヘルミナのオマンコに挿入されている。射精回数は二ケタに突入した。

「陛下はどちらが好みですか?」

 膣に締まりが強まった。サキュバスの子宮は容赦なく精液を搾り上げている。尻尾も動き続けていた。組み敷いたセラフィーナを攻め立てる。

「ウィルヘルミナってば⋯⋯。そういう返答に困る質問は黙秘。諍いの種だよ。せっかく気持ちよく射精中してるんだから。あとセラフィーナのアナル開発はほどほどにしてね」

「ご安心ください。使い勝手が良くなるように改良しているだけです。陛下の極太オチンポをおもてなしできる尻穴に仕上げます」

「んぁっ♥︎ んぁっ♥︎ あんぅ~~っ⋯⋯♥︎ おっ♥︎ おおぉっ⋯⋯♥︎」

「尋常じゃない喘ぎ声が聞こえるよ。もしウィルヘルミナにオチンポが生えてたら、とんでもないことになってたね」

「お望みならば一時的に生やしましょうか?」

「僕がインキュバスにトラウマ持ちだって知ってるくせに~! 意地悪な宰相だ」

「ちょっとした冗談です」

「冗談になってないよ」

「ですが、インキュバスとサキュバスを見間違えてホイホイと付いていった陛下にも責任はあります」

「見た目で分からなかったんだもん。まさか僕と同等サイズのオチンポ持ちだなんて⋯⋯。あの男娼を思い出しただけでゾワゾワしてきた」

「女仙以外の者に欲情するからですよ? 今回の件もそうですが」

「うん。分かってる。色々と好き勝手をした反省はしてるつもり」

 ベルゼフリートはウィルヘルミナの臀部を両手でがっしりと掴んで固定する。柔らかな尻の贅肉に指先が沈む。脈動する男根を突き上げ、子宮の最奥に精液を浴びせかけた。

 先ほどまでセラフィーナに夢中だったベルゼフリートは、すっかりウィルヘルミナに心変わりしていた。密着しているから、セラフィーナには全てが伝わってくる。乱れた息遣い、心臓の鼓動、射精で腰を突き上げる仕草。皇帝がもっとも愛する正妃は笑みを浮かべている。

(尻尾が震えていますわ⋯⋯♥︎ あぁっ♥︎ きっと宰相も絶頂しているんだわ⋯⋯♥︎ 陛下との愛し合いをわざわざ私に見せつけてる⋯⋯っ♥︎)

 セラフィーナはサキュバスの身体を持つウィルヘルミナが羨ましくなった。下唇を噛み、痛みで心を落ち着かせる。呼吸を整え、不様に潮を撒き散らしたオマンコを鎮めた。

「陛下ぁ♥︎ お願いいたしますわ♥︎ 次は私のオマンコを可愛がってください⋯⋯♥︎ それともアナルをお使いいたしますか♥︎」

「ダメです。陛下のオチンポはまだ渡しません。私の膣内なかから離れたくないのです。陛下の御心が分かりませんか? 引き剥がそうとしないでください」

 ウィルヘルミナの魂胆がセラフィーナには分かった。

(はぁ。残念ですわ。譲ってくれる気はなさそうですわね⋯⋯)

 精力が尽きるまでベルゼフリートを渡す気はない。常人以上の精力を身に宿しているがベルゼフリートは子供だ。そろそろ限界が訪れるのは、セラフィーナも理解していた。

 ◆ ◆ ◆

「つ、つかれた⋯⋯。ちょっと寝るね⋯⋯。オチンポが激疲れ。夕食の時間になったら起こして⋯⋯!」

 精根尽き果てたベルゼフリートは、寝台ベッドにうつ伏せで倒れた。精液と愛液で濡れたシーツだったが、疲労感には勝てなかった。

 ベルゼフリートは寝息をたて始めてしまった、だが、このままでは寝かせられない。シャーゼロットは濡れた手拭でベルゼフリートの身体を綺麗に浄め始めた。

「陛下、せめてお身体の汗は落としください。風邪を引いてしまう」

 寝床のシーツは汚れているが、せめて身体は清潔であってほしかった。寝息を立てるベルゼフリートの肌をシャーゼロットは丁寧に拭き取る。

「宰相閣下、セラフィーナさん。お二人はこちらをお使いください」

 ウィルヘルミナとセラフィーナは、レギンフォードから手拭いをもらった。普段なら側女にやらせているが、今回は自分でやるしかない。

「ありがとう。起こさないようにシーツを取り替えておいてください。貴方達であれば簡単でしょう」

「ええ、お安い御用です。皇帝陛下のことは私と姉にお任せください。夕食までに起きてくれるか心配ではありますが⋯⋯。英気を養ってもらわなければ⋯⋯」

「⋯⋯そうですね」

 ウィルヘルミナは尻尾の先端を念入りに拭いている。桃色の長髪を束ね直す。伽を終えたばかりのサキュバスは淫気が増していた。

(あの尻尾⋯⋯。先端が膨らむのですね⋯⋯。あれが私のお尻に⋯⋯)

 あの尻尾がセラフィーナの肛門をほじくり回し、腸内で暴れていた。そう考えると引きつってしまう。棒立ちしているセラフィーナの股下から、精液と膣液の混濁汁が滴った。慌てて手拭いを当てた。あやうく絨毯を汚してしまうところだった。

(はぁ。脱毛すれば精液が絡みついたりしないから便利そう⋯⋯。でも、陛下は私の陰毛を気に入っているし⋯⋯悩ましいわ)

 膣穴の付近に生えた恥毛を拭う。力を込めて押し当てないと、縮れ毛に付着した精液はなかなか取れなかった。それに比べて、切れに脱毛処理済みのウィルヘルミナは股間の汚れを一拭きで落とせているようだ。

「セラフィーナ。服を着たら付いてきてください」

「はい。分かりました」

 誰かに命令されるのは未だに慣れない。女王として君臨してきたせいで、誰かに指図される経験はなかった。しかも、相手は年下の若女。妖艶な容貌のせいで大人びて見えるが、ウィルヘルミナは年若い娘だ。

 後宮に入内した後も、黄葉離宮では主として扱われた。愛妾に職責はない。だが、下働きの側女や女官に比べ、身分は高かった。皇帝の寵愛を授かっていればなおさらである。ところが、今回の旅でセラフィーナの序列は最下位だ。

 ウィルヘルミナに付き従うセラフィーナは、使用人のように振る舞わねばならなかった。

 ◆ ◆ ◆

「セラフィーナは蝗害こうがいという言葉を知っていますか?」

 部屋から連れ出されたセラフィーナは、眺めの良いバルコニーに案内された。北の空を睨むカティアと不機嫌そうなレオンハルトが椅子に座って待っていた。

 カティアは魔都ヴィシュテルの方角を見ている。今後の旅路を見通そうとしているのだろう。ハイエルフの眼は、常人に見えぬものを見通すと言われている。

 レオンハルトが不貞腐れているのは、建物に響いていた喘ぎ声を耳にしたせいだ。ウィルヘルミナとセラフィーナの共同奉仕でかなり機嫌を損ねていた。

「蝗害ですか⋯⋯? 耳にしたことはありますわ。異常発生したワタリバッタの大群が作物を食い荒らす災害」

「⋯⋯よくご存知ですね」

 ほんの少し、馬鹿にされた気がした。政治に関わってこなかった世間知らずの女王は知らないと思っていたのだろう。

「アルテナ王国は農業国ですから、疫病や害虫の発生には敏感でしたわ」

「聞いたことがあるだけなのですね?」

「中欧諸国や東方ではとても恐れられていますわ。しかし、なぜかアルテナ王国で発生しません。教会の聖職者から農法や作物を調べさせてくれと頼まれたことがあります」

 セラフィーナが教会からの調査について説明する。話を聞いていたカティアは呆れ果て、レオンハルトは鼻で笑う。なぜそんな反応をするのかセラフィーナには分からなかった。その理由をウィルヘルミナが種明かしする。

「メガラニカ帝国やアルテナ王国で蝗害は発生しません。聖大帝の時代に特殊な農薬菌を土壌に散布した影響です。バッタにのみ感染する土壌の細菌が異常発生を抑制するためです」

「そうでしたか。教会勢力圏の国々はその話を知らないのですね⋯⋯?」

「知ってはいたはずです。しかし、遠い過去の出来事、彼らは忘れてしまったのでしょう。中央諸国や東方の国々は教会の聖典に反するとして農薬菌の散布を拒み、その後も受け入れようとしなかった。大陸全土を統一した栄大帝と大宰相も宗教問題化を懸念して強行しなかったのです。まあ、教会の愚かさはどうでもいいのですが⋯⋯」

 ウィルヘルミナは言葉を区切った。なぜ蝗害の話題を振られたのか分からなかったセラフィーナは勘付く。

「メガラニカ帝国とアルテナ王国で、起こりえないはずの蝗害が生じているのですか?」

「最初は耳を疑いました。調べさせたところ、発生した虫はワタリバッタではなく、蛆虫うじむし黒蠅こくじょうでした。被害に遭った農民の話によれば、薄黒い雲から湧いたとそうです。まず間違いなく、魔都ヴィシュテルから流れてきた灰色の濃霧が影響しています」

 黒蠅と聞いてセラフィーナの表情が曇った。ベルゼフリートの実父が災禍に転じた際、黒蠅の怪物になった。異形の息子が実母を犯し、産まれてきた近親相姦児がベルゼフリートだった。

(魔帝の姿はひょっとして黒蠅の⋯⋯?)

 大妖女レヴェチェリナが生み出した新たな器。魔物を支配者として降誕した魔帝。現場に居合わせたウィルヘルミナと過去を追体験したセラフィーナだけが知っている。

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