2024年 12月2日 月曜日

【レビュー】姫騎士エレナ 背徳に染まる寝取られ母娘王室

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【laliberte】NTRマンガ「ふくじゅう」 妻と娘が領主に孕まされる

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【64話】母娘再会 温室御苑の邂逅

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【64話】母娘再会 温室御苑の邂逅

 パレードを見終えたヴィクトリカは女商人と別れた。渡された紹介状を握りしめて、ラヴァンドラ商会の支部を訪問する。

「ここで働き口を紹介していただけると聞きしました。これが紹介状です」

「さっそくか。朝に渡したばかりだったが、ありがたい。助かった。お前は読み書きができるか?」

「多少はできます。交易商の下働きを長くしていました。算術の覚えもあります」

「いいだろう。さっそく今日から働いてもらうぞ。駄賃は弾んでやる。とにかく人手が足りない。今夜、グラシエル大宮殿で開かれる仮面舞踏会の給仕をしてもらう。必要な人数を用意できなかった」

「えっ⋯⋯。私なんかが宮殿に⋯⋯!?」

「⋯⋯? お前は何を言っている? グラシエル大宮殿の庭園は誰でも入れ⋯⋯ああ、そうか。お前は帝都の人間ではなかったな。宮中晩餐会に平民は入れないぞ。しかし、庭園での祝宴は誰でも参加できる。それが習わしだ。で、お前の名前は?」

「ヴィッキーです」

「分かった。ヴィッキー。よく働くように。ラヴァンドラ商会は貴賤を問わない。貢献者には必ず恩恵を与える」

 ◇ ◇ ◇

 こうしてラヴァンドラ商会はヴィクトリカを雇い入れた。与えられた仕事は、一般開放されている庭園で、料理を運ぶ給仕役だった。

(潜り込めれば、囚われているお母様やロレンシアと接触できるかもしれないわ!)

 ヴィクトリカは期待を胸に抱く。両手で山盛りの料理が乗った大皿を運ぶ。その最中、母親らしき人影を見かけた。

(あれは⋯⋯もしかしてお母様!? でも⋯⋯、なにか⋯⋯違うような⋯⋯)

 ヴィクトリカは言葉で言い表せない違和感を覚えた。注意しながら、母親とよく似た女性に近付いた。

「ご婦人。こちらのお飲み物はいかがでしょうか?」

 ヴィクトリカに失態があったとすれば、妊婦姿の女性にお酒を勧めたことだろう。仮面を被るセラフィーナの偽者は憮然と言い返した。

「非常識な子ね。それはワインでしょ? 妊婦にお酒なんか勧めないでくれる?」

(⋯⋯声が違う! この人はお母様じゃないわ! でも、こんな似通った格好をしているのは⋯⋯もしかすると⋯⋯罠? やばい! 早くこの人から離れないと!)

 声色が明らかに母親とは違った。直感でヴィクトリカは危機を察した。

「向こうにいってくれるかしら。私は人を待っているの。邪魔をしないで。飲み物や食べ物は間に合っているわ」

 眼前に目標がいると帝国軍は気付いていない。近付いてくるのは、甘やかされた王女だという先入観が、帝国軍の嗅覚を鈍らせた。

 仮面舞踏会の参加者は料理を運ぶ給仕を含め、仮装で顔を隠している。仮面を用意できなかったヴィクトリカは、ズタ袋で顔を覆っていた。

 近づいてきた下女の正体が、ヴィクトリカと気づく者は帝国軍にいなかった。

 ヴィクトリカの先天的異能は存分に発揮されていた。帝国軍が張り巡らせた探知術式を掻い潜り、何者にも正体を悟らせなかったのである。

(なんだか不自然ね⋯⋯。やっぱり帝国軍は私が潜入してるのを知っているんだわ。きっとあれはお母様に変装した偽者。私をおびき寄せるつもりだったに違いないわ。用心して動かないと⋯⋯)

 ヴィクトリカは頭を下げて、偽者から離れていった。

 もし王族などではなく、ヴィクトリカが普通の生まれだったのなら、隠密スキルで大成していたのは疑いようもない。入念な準備をせず、易々と警戒網を掻い潜るのは異常極まる事態だ。

 グラシエル大宮殿の庭園に本物の母親は現れない。それを知ったヴィクトリカは、宮殿内部へ侵入しようとしていた。

 ◇ ◇ ◇

 グラシエル大宮殿内と庭園は、三重の警備で隔絶されている。

 まず、帝都警備隊の護衛兵が入場検査を行う。次に軍務省所管の憲兵が身元のチェック。最後に魔術師組合の魔術師による身体検査だ。

 創造主がヴィクトリカに授けた隠密の異能は、それら障害を踏破する。

 ヴィクトリカは侵入経路を探るため、庭園の外周を一通り調べた。警備網の穴を見つけようとしたのだが、ヴィクトリカは別のものと遭遇した。

「んぁっ⋯⋯! あんっあんっ! 男爵様ぁあ! んぁっ、だめぇ! 誰かに気付かれちゃうわぁ!」

「大丈夫さ。ここはグラシエル大宮殿の外れだ。大庭園の端っこに誰かが来たりはしないさ。君は警備を委任された魔術師組合の魔術師なんだから、ここに巡回の兵士がこないと知ってるんだろ?」

「んっ! で、でもっ! いなくなった男爵様を心配されて、奥様がここまで探しにきたら⋯⋯っ⋯⋯! んあぁぁん♥︎」

「はっははは! そんなことにはならないさ。妻との仲は冷め切ってる。お前だって知ってるだろ? いっそ宮女として妻を皇帝陛下に献上してやりたいくらいだ! そうすれば俺も妻と離婚できる!」

「あんっ! 奥様を皇帝陛下に押しつけようだなんて、なんて酷い人なのっ♥︎」

「どうかな? むしろ喜ばれるかも知れない。下世話な噂だが、皇帝陛下は略奪愛に目覚められたそうだぞ。今日のパレードをお前だって見ただろ。孕んだ女王と赤毛の従者。どちらも夫がいたと噂話を聞いたぞ。なのに、陛下の御子を身籠もったというのだから、凄い話じゃないか」

「んあぁ♥︎ 男爵様っ! 私にも夫がいるのを知ってるくせにっ♥︎」

「お前も俺の種で孕ませてやる! 夫以外の子胤で孕んだ淫らな女にしてやるぞ!! 孕め! 孕めぇっ!!」

「んあんあぁんぁぁーっ♥︎ だめっ♥︎ 今日はダメな日なのぉ♥︎」

 全裸の男女が物陰で不義密通していた。会話の内容から察するに、男の方は妻を持つ男爵で、浮気相手の女は魔術師らしい。

(なんてふしだらな! 帝国の風紀は乱れているわ! お互いに伴侶がいるっていうのに不潔! まったく! 本当に呆れ果てちゃう! 帝国は教会の教えが行き届いていないから、風紀の乱れが起こっているのね。でも、あの人達が脱ぎ捨てた服は利用できるわ⋯⋯!)

 ヴィクトリカは、木の根元に隠されていた女魔術師の衣装を盗んだ。ついでに男爵の服も別のところに移した。

(ふんっ! 過ちを終えた後、後悔しなさい。裸で家に帰って大恥を掻くといいわ! ふしだらな不届き者たち!)

 女魔術師に成りすましたヴィクトリカは、グラシエル大宮殿の裏門から宮殿内部に堂々と侵入した。

 三重の警備体制は、あくまでも来場者を調べるセキュリティだ。不倫中の女魔術師は、高位の魔術師だったらしく、身体検査されずに素通りできた。

 神族のアストレティアが出入り口の床に設置していた〈変装を見破る神術式〉も発動しなかった。

 最高峰の魔術師であろうと、それこそ宮廷魔術師ヘルガでさえも、欺けない防衛神術式だった。しかし、ヴィクトリカの異能は女神の奇跡を踏み越えた。

(美術品がこんなに沢山⋯⋯。とても広い宮殿⋯⋯。頻繁に帝国兵が巡回してるわ。正体がバレたら一環の終わりだ。はやく見つけないと。お母様はどこにいるのかしら⋯⋯?)

 ヴィクトリカは、鉄壁の警備体制をまったく意に止めず、グラシエル大宮殿を自由に歩き回る。女魔術師のフードを被り、仮面をしていれば見破られることはなかった。

(もう! この宮殿は広すぎるわ! どこかに地図はないかしら? 虱潰しにお母様を探していたら朝になっちゃうわ。あっ⋯⋯。あっちにも帝国兵。とにかく帝国兵がいないところに⋯⋯)

 広大な床面積を誇るグラシエル大宮殿。ヴィクトリカは直感で進んでいった。

 何の情報も持たずに飛び込み、目当ての人物と出会う可能性は低い。しかし、これまで幾つもの奇跡を積み重ねてきたヴィクトリカは、ついに生き別れた母親との対面を果たすことになる。

 ヴィクトリカが陥落間際の王都ムーンホワイトから脱出して半年。

 バルカサロ王国に逃げ延び、密かに祖国へ帰還した。しかし、両大国の陰謀で抹殺されかける。それでもしぶとく生き残り、正体を偽って帝都に潜入し、ヴィクトリカは現在にいたっている。

 さまざまな出来事を経験し、ヴィクトリカは変わった。しかし、それ以上に母親のセラフィーナは変貌していた。

(あれはまさか⋯⋯お母様⋯⋯? あれは本物のお母様だわ!!)

 ロレンシアはついにセラフィーナを発見した。そこは石英ガラスで囲まれたドーム状の温室御苑であった。透明な天井と壁、精緻なガラス細工で各所が彩られている。

 温室御苑は中庭の一角に建てられた。グラシエル大宮殿の再建計画で、栄大帝が特に注力した施設として有名である。あまりの建設費用にガルネットが青筋を立てたと語り継がれている。

 室内と感じさせない巨大な熱帯植物園では、大陸各地から収集した珍しい植物が育成されていた。

「あら⋯⋯? どなたかしら?」

 お互いが示し合わせたわけではなかった。ヴィクトリカが温室御苑に辿り着いたのは偶然だ。

 セラフィーナは死んだはずの娘が現れると夢にも思っていなかった。

「管理をしてらっしゃる魔術師さん? ここで休んでいてよいと許しをもらっていたのだけど⋯⋯。もしかしてお邪魔だったかしら⋯⋯?」

 母親は奇妙な妖狐の仮面を付けていた。下腹を膨らせ、男の劣情を煽り立てる官能的な白いドレスを着ている。

 庭園で見かけた偽者達も似た衣装は着ていた。しかし、大陸随一の美しさと讃えられた黄金の御髪は、真似られようはずもない。

「お母様⋯⋯っ! 私です! ヴィクトリカです!!」

 ヴィクトリカはフードを外し、顔を隠していた魔術師の仮面を脱ぎ捨てる。

 隊商に紛れ込んでいたときのヴィクトリカは、炭汁で髪を真っ黒に染めていた。けれど、今は染料を洗い流し、母から受け継いだ黄金髪だ。

 アルテナ王家の母娘は邂逅を果たした。

 ヴィクトリカにとっては悲願の再会だった。母と娘は愛し合う家族だった。寄り添って生きていた。しかし、今や二人の立場は大きく異なる。

「そんな⋯⋯ヴィクトリカなの⋯⋯?」

 今宵、アルテナ王国の女王と王女は、互いに大きな決断を迫られる。


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