前髪を上げたオールバックヘアは、かつて敬虔な修道女であった王妃イシュチェルの清廉な美しさを引き立てる。子産みを済ませた熟体は、失われた若々しさの代わりに、蠱惑的な色艶と肉感を漂わせていた。
比類なき美体を誇る帝国宰相ウィルヘルミナや愛妾セラフィーナに比べれば魅力は劣っている。張りが弛み、やや俯いた爆乳は、好みの分かれるところであろう。
「⋯⋯ッ!」
イシュチェルの眼前に聳え勃つ亀頭は、柔からな乳房の肉感に反応し、悦びの脈動を放っている。後宮の女は皇帝に奉仕しなければならない。
(凄まじい性臭ですわ⋯⋯。何人もの女性を抱いた交合の香りが臭う⋯⋯。間近で嗅いでいると⋯⋯頭がおかしくなりそう⋯⋯)
命じられるがままに、初対面のベルゼフリートに乳房を差し出し、大勢の女仙達を孕ませてきた巨根に奉仕する。
「下手なパイズリだね。そんなんじゃ射精できないよ? まさか初めて? まあいいや。まずは名乗りなよ。黄葉離宮の新入りさん」
恥辱で頬を赤らめ、言葉が出せずにいたイシュチェルを促した。
「申し遅れました。私はイシュチェル⋯⋯。この場では正式な身分を名乗らせていただきます。バルカサロ王国の王妃イシュチェル・バルカサロですわ。皇帝陛下」
「はじめまして。僕はベルゼフリート・メガラニカ。皇帝だよ。ふーん。バルカサロ王国の王妃ね。君がそうなんだ」
「はい。王位簒奪を企んだ反逆者により故国を追われ、亡命の道中に襲撃を受け、生死をさまよっていたところをお救いいただきました」
「お礼は言わなくていいよ。これからたっぷり身体で支払ってもらう」
「⋯⋯ッ!」
「今さら説明が必要? もう分かってるはずでしょ。ここでヤるべきことはさ。数奇な運命もあったものだね。メガラニカ帝国に戦争を仕掛けたバルカサロ王国の王妃とアルテナ王国の女王が僕の後宮に揃うなんてさ」
「⋯⋯うっ! おやめくださいっ!」
頬に亀頭を押し付けられたイシュチェルは、咄嗟に仰け反ってしまった。初心な反応を示す年増女に嗜虐心を煽られる。
「セックスの経験値が低そう。色事は苦手? それとも貞操観念がお高めかな?」
「それは⋯⋯」
「バルカサロ王国の王様は殺されちゃったんでしょ。第六王子のアーロンもグウィストン川で死んだ。夫が健在だったセラフィーナよりは罪悪感がないんじゃないの?」
「皇帝陛下⋯⋯。私の夫は殺されました。王位簒奪を目論んだ大逆犯、第二王子ジルベールと第三王子ザトリシオによって命を奪われたのです。今の私は夫を失った寡婦。しかし⋯⋯! それでもバルカサロ王国の国王チャドラック陛下のみを愛する王妃でございます。そして、アーロンの生存を私は信じておりますわ」
「へえ。じゃあ、意地悪な質問をしてあげるよ。君は殺された夫だけを愛してると宣言した。それなのに、デカパイで僕のオチンポを挟んで、亀頭に口づけまでしちゃったんだ? 不忠だし、不義だよね?」
「皇帝陛下のご協力をいただきたいからです。バルカサロ王国を救うため⋯⋯! 我が子を助けるために⋯⋯!!」
「お願い事か。お望みは? 僕に何をしてほしいのかな?」
「バルカサロ王国は傾いておりますわ。元凶は王位を欲して実の父親と長兄を殺した逆賊! 第二王子ジルベールと第三王子ザトリシオ⋯⋯!! あの者達はいずれも王冠を被る資格がありません」
「僕はね、他国の政争に興味がない。とはいえ、帝国の価値観からしても反逆者は印象が最悪だ。主君殺しは大罪。首謀者だけでなく、近親者の族滅が言い渡されるくらいに重たい罪だよ」
「国王チャドラック陛下はアーロンを後継者に指名し、第一王子ドラミホール殿下も摂政となることを受け入れておりましたわ。皇帝陛下のご助力によって、アーロンがバルカサロ王国の王位を継げば、メガラニカ帝国との関係は改善されるでしょう」
「窮地の敵国に恩を売れと? でもさ、勝ち目はあるのかな。国王が殺された日に、後ろ盾の第一王子もやられちゃったんでしょ。イシュチェルと結託してた勢力は、悲惨な惨敗を喫したわけだ」
「メガラニカ帝国には強大な軍事力があります」
「うん。帝国軍は強いね」
「チャドラック陛下が亡くなられた今、バルカサロ王国の正統な王はアーロンでございます。ご助力をいただけるのなら、我が身を捧げることも厭いません。どうか⋯⋯!」
「話を蒸し返しちゃうけれど、バルカサロ王国とは領土争いで戦争をしてた仲だよ? そこにいるアルテナ王国の女王様は、戦争に巻き込まれて大変な目に遭った。くすくすっ! おかげで僕は美味しい思いをしたけれどね」
幼帝はニヤついた尊大な笑みを浮かべ、簒奪婚で娶った女王を顎先で示した。
アルテナ王国の民草から慕われた国母は、堕落の淫母に生まれ変わった。こうなってしまった原因を辿っていけば、バルカサロ王国が起こした無茶な戦争に行き当たる。
「そもそも君は取引をできるような立場じゃない。表舞台から退場した死人だ」
「見返りをお約束いたします。アーロンが王になればメガラニカ帝国との関係を改善できますわ」
「またそれか。いくら僕でも信じきれない。そちらの国情は僕の耳にも届いていたよ。バルカサロ王国は復讐心でまた戦争を仕掛けるつもりだった。違うのかな?」
「否定はいたしません。⋯⋯しかし、王であれば血気盛んな国民を諌めることもできますわ」
「無理筋だね。王であれば何でもできると思ってるの? 色々と理由はつけてるけど第六王子アーロンを助けたい。つまり、自分の子供が一番大切なんでしょ」
「⋯⋯⋯⋯」
「素直にそう言っちゃえば? まだ共感はできるよ?」
「⋯⋯はい。ご指摘の通りでございますわ。どうか。何とぞ⋯⋯! アーロンの命をお救いください。アーロンなら⋯⋯アーロンがバルカサロ王国の王位を継げば、メガラニカ帝国と手を取り合えます。皇帝陛下の利になります! どうかご助力を! お願い申し上げます!!」
「結局は泣き落としか。⋯⋯僕は政治を知らない。だけど、そんな僕が聞いても夢物語だと分かる。まずさ、グウィストン川でアーロン王子は行方不明だ。死んじゃった可能性がある」
「アーロンは生きておりますわ」
「死体は見つかってない。それだけさ。信じるのはご自由にどうぞ。ただし、僕らだって損得勘定をする頭がある。大人のイシュチェルですら命を落としかけていた。自力で泳げない乳児の生存確率はもっと低い⋯⋯。さらに付け加えようか? 幸運にもアーロンが生き延びてるとして、メガラニカ帝国と友好関係を結ぶのは無理でしょ。乳児の政治手腕に如何ほどの期待できる?」
「アーロンなら⋯⋯」
イシュチェルはバルカサロ王国の王妃として悩む。
(いいえ、いけない。そんな気がしますわ。アーロンの秘密を⋯⋯。今ここで明かしては⋯⋯)
第六王子アーロンの秘密を話せば説得力は増す。しかし、絶対に明かしてはいけない極秘事項であった。国王チャドラックの厳命には背けない。
「へえ。何かありそうだね」
感心したようにベルゼフリートは目を細める。乳房に挟まれた男根を介してイシュチェルの緊張が伝わってくる。汗ばんだ乳間に水滴が流れた。
(大きめの隠し事かな? ほんの一瞬だけ、嘘付きの顔になった。⋯⋯自分の子供を助けたい一心で嘘を言おうとしたわけじゃない。国の命運を託された王妃の顔だった。そういう態度を取る女は、飽きるほど抱いてきたよ)
ベルゼフリートは一瞬だけ、セラフィーナに視線を寄せる。
(飽きたと言いつつ、身体の相性が最高だから遊んじゃうんだけどね。美貌だけの女は数え切れないほどいるけど、セラフィーナのオマンコは名器だからねぇ)
背徳女王は静かにボテ腹を撫でている。海辺で日焼けさせた肌は、少しずつ白味を取り戻しているが、真っ黒に染まった腹の底は永遠に穢れたままだ。
皇帝の寵愛を欲する女は、過酷な宮廷闘争で勝ち続けなければならない。セラフィーナは母性溢れる己の肉体で、ベルゼフリートの心を繋ぎ止めている。
「僕には実権がない。異国の人は分かってくれないんだよね。幼い僕に代わって、宰相が政治を代行してるとかじゃなくてさ。皇帝はお飾りの権威。メガラニカ帝国では二つの議会が国政を動かす。その頂点にいるのが三皇后だ。僕と取引したって、なーんの確約にもならないよ」
「お話は聞き及んでいます。メガラニカ帝国の皇帝は権威のみを司る。しかしながら、実権を握る方々にお取次ぎはできるとも耳にしましたわ」
「僕の口添え程度じゃ、三皇后は会ってくれないよ。イシュチェルを秘密裏に入内させた理由は謎だ。でも、黄葉離宮の側女として僕に性奉仕しなきゃならない状況を作り出したんだ。メガラニカ帝国を動かす最高指導者達の意図は察せるよね。くすくすっ!」
ベルゼフリートはイシュチェルの頬に指先を添えた。
「⋯⋯っ!」
「僕に課されたお仕事は、バルカサロ王国の王妃イシュチェルを孕ませること。どういうわけか三皇后は僕と君の赤子を熱望してる。死の淵から君を無理やり連れ戻すほどの執念さ。絶対に妊娠してもらうよ」
「申し訳ありませんが、そのような望みは叶いませんわ」
「随分な自信だ。言い切るんだね」
「私の子宮には聖印がございます。バルカサロ王家の赤子しか私は孕みません。教皇猊下が授けてくださった清き恩寵は未来永劫、けして消えることはないでしょう」
「アストレティアから聞いたよ。お腹にとても強力な聖印があるんだってね。しかも、〈朱燕の乙女貝〉で処女膜を復活させたから、もっとも愛する男でなければ純潔も散らせない。無垢の護りを突破しなきゃ、オマンコに挿入するのも無理ときた。攻略難易度はセラフィーナよりも高いかもね。くすくすっ♪」
ソファーから立ち上がったベルゼフリートは、そのままイシュチェルを絨毯の床に押し倒した。柔らかな爆乳を存分に揉む。指圧の刺激を受けた乳腺からミルクが滲む。
「なっ! 何をなさって⋯⋯!?」
「下手っぴなパイズリに飽きちゃった。次は僕の番。愛撫してあげる。オチンポを挿入するだけがセックスだと思ってた? まずオッパイの味見から」
「んぁっ⋯⋯っ! いやぁっ!」
乳房を掴まれたイシュチェルは抵抗を試みる。
「後宮の女になったんだ。手取り足取り、教え込んであげる。どれくらい耐えられるかな? 僕は絶対にオマンコを抉じ開けて、聖印で護られている子宮を陥落させる」
「うぅっ! きゃぁぁああぁっ! い、いやっ! おやめっ……!! あふぅっ!?」
イシュチェルのデカパイから母乳が吸い出される。乳首を甘噛みし、舌先で優しく舐めまわす。
(すっ、吸い出されるっ⋯⋯! この子っ! 私の乳首を噛んで絞ってくる⋯⋯! 痛いっ! でも、それよりも股を開かせようと⋯⋯いや、そんなっ! 嫌ですわ!)
勃起した巨根を擦り付け、下衣越しに女陰を攻める。膣穴は固く閉ざされ、愛液の一雫すらも湧かない。強固な意思で征服者の侵入を拒絶する。
(はぁはぁっ⋯⋯。ま、まだ⋯⋯大丈夫ですわ⋯⋯。堪えてみせますわっ!)
再生した処女膜は鉄壁の守りを築き、聖印の守護は弱まるどころかさらに強まった。イシュチェルの下半身は無敵の防衛陣を形成していた。しかし、無防備となっている弱点をベルゼフリートは天性の勘で見つけている。
「僕って吸うの上手でしょ? はぷっ! んっ! んんぅ~~! ふふ~ん~」
上機嫌のベルゼフリートは鼻歌を奏でながら母乳を堪能する。抵抗を試みたイシュチェルは、奇妙な感覚に襲われてしまう。
(飲んでる⋯⋯。私の母乳を⋯⋯こんなに美味しそうに⋯⋯? メガラニカ皇帝は⋯⋯本当に⋯⋯小さな子供なのだわ⋯⋯。まるで母親を求める寂しがり屋の赤ちゃん⋯⋯。母乳を吸われる程度なら⋯⋯)
厭悪を剥き出しにして、跳ね除けるべき相手が可愛らしく思えてしまった。
(どうか私の不貞をお許しください。ごめんなさい⋯⋯国王陛下⋯⋯アーロン⋯⋯)
子猫のように喉鳴らし、母乳を飲んでいる。愛情に飢える幼児の仕草は、晩婚で子産みをなした未亡人の母性本能を揺さぶる。
◆ ◆ ◆
セラフィーナは愛しの君に母乳を捧げるイシュチェルが心底羨ましかった。しかし、ここで欲望に身を任せて、ベルゼフリートを奪っては本末転倒だ。理性で猛烈に沸き起こる肉欲的衝動を押し留め、ぐっと堪えた。
室内を見渡し、警務女官長ハスキーに近寄る。ミニスカートの特注メイド服を着た黒髪美女は、ベルゼフリートとイシュチェルの性行為で愉悦を感じている真っ只中だった。
「ハスキーさんは相変わらずの愛好ですね」
「性的嗜好は人それぞれ。見たり、見られたりするのは愉しいです」
「見られたり⋯⋯? ハスキーさんの場合は妃達に見せつけるでしょう? 私と同じくらい妃達に疎まれておられるわ」
「純情な元帥閣下などの不興は買っていますけれどね。⋯⋯さて、本題をお話ください。何の御用でしょう? 夕食のことであれば手配済みです。庶務女官の料理班を黄葉離宮に連れてきています」
「帝城ペンタグラムで足止めされているマリエールについてです。教会の元聖女ですが、神術式の発動は封じられていますわ。大神殿と軍務省の仕事を疑っておられるのですか?」
「念には念を⋯⋯。確認は大切です。私の指示ではありません。出入管理は庶務女官長の管轄です。妨害ではありません」
「女官は中立と考えてよろしいのかしら?」
「女官総長のヴァネッサ様は揉め事を嫌っています。バルカサロ王国を追われた王妃やら、教会が送り込んだ得体の知れぬ女は、排除したい異分子でしょう。しかし、皇帝陛下に危険がない限りは動きません。三頭会議で決まったことです」
「そう⋯⋯。安心しましたわ」
「ですが、妃達には注意すべきです。婢女の正体を知らされていない下級妃は、黄葉離宮に皇帝陛下が長期滞在する理由を誤認してしまう。さぞかし恨みを買う」
「無用な心配ですわ。恨みを買うのは慣れております。故国では売国女王と呼ばれているのですよ。くふっふふふふっ♥ 指南役もとい調教役の大任、存分に役得を愉しませていただきますわ」
セラフィーナは香炉に火を灯す。甘ったるい催淫香の煙は、女の発情心を煽り立てる。多淫を司るサキュバス族が調合した高級品。鼻腔の奥にまとわりつく匂いを吸っていると、初めてベルゼフリートに犯された夜を思い出す。かつては忌まわしい記憶。今ではかけがえないのない大切な記憶だった。
イシュチェルは乳房を吸われているが、オマンコは貫かれていない。
純潔の守護が機能している限り、処女膜は鉄壁だ。アストレティアが〈朱燕の乙女貝〉を使っていなければ、イシュチェルのオマンコは巨根に穿たれていただろう。
(私には分かりますわ。イシュチェルは必ず堕ちる。綺麗ごとを並べても本性は偽れませんわ。皇帝陛下は可愛い男の子でしょう? この子を欲し、寵愛を奪いたくなる⋯⋯。祖国を裏切り、我が子を捨て去り、夫への愛執を失う。私がそうであったように⋯⋯♥︎ 女の欲望に抗えず、屈服する日がくるわ♥︎)
