Adobe(アドビ)は5月23日、画像生成AI機能「Adobe Firefly」を用いた「ジェネレーティブ塗りつぶし(Generative Fill)」で、画像の拡張やオブジェクトの追加・削除が可能となった「Photoshop」ベータ版を発表した。一般公開は2023年後半を予定している。
「ジェネレーティブ塗りつぶし」はオリジナル画像を拡張し、空白部分を自然な形で補完できる。日本語入力は後日対応だが、テキストプロンプトで簡単に加工が行える。いわゆるAI生成を用いて、オリジナルの絵に新しい要素を描き足したり、置き換えることがテキスト指示(呪文)で可能になった。
Twitterでの報告によると写真だけでなく、イラストでも拡張・修正ができる。縦長の画像を横長にするなどの際、左右にできた空白を埋められるのは便利な機能だ。創作活動で大きな効率化が見込めそうだ。
Photoshop生成AI firefly搭載のbeta版、イラストのアウトペイント(描き足し生成) リアル三次元だけじゃない、イラストの描き足し能力も強力すぎて唸ってる。背景じゃなく人物の服とか腕とかも行ける。 pic.twitter.com/vZTpFF58w0
— 852話 (@8co28) May 24, 2023
Adobe Photoshop(beta) 生成AIの機能
— 852話 (@8co28) May 24, 2023
・空白部分に描き足しが出来る
・対象物を消せる
・新しく要素を描き足せる
・服などを着せ替えられる
音声なし作業動画 pic.twitter.com/PX7cMaQa3N
Photoshop betaで「ジェネレーティブ塗りつぶし」のテスト。半年後にはそこそこ使えるようになってると思う。#AdobePhotoshop #Generativefill pic.twitter.com/pEwvBplxq9
— 岩崎勝利 / AVITA (@iwsk_designer) May 24, 2023
AI学習における知的財産問題の対応
アドビは今回の「Photoshop」ベータ版を同社が提供する編集アプリ「Creative Cloud」「Document Cloud」「Experience Cloud」「Express」を横断し、クリエイターのワークフローを変革させるロードマップの始まりと位置づけている。
一方で、AI生成についてはクリエイターの作品を許可なく学習させ、酷似した画風のコンテンツを大量に公開する行為が問題視されている。5月上旬にイラストサイト「pixiv」や販売サイト「Dlsite」が規制を発表するなど、日本国内では同人系のサービスプラットフォームでAI生成コンテンツ規制の大きな動きがあった。
海外についても同様の問題は起こっている。NHKなどの報道によると、画像生成AIのサービスを提供する複数の企業に対し、損害賠償を求める集団訴訟が起こされている(NHK:画像生成AIは新たなアート? それとも著作権侵害? 最前線に迫る)。
この点の著作権問題について、Adobeはリリースで次のように述べている。
Adobe Fireflyの初期モデルは「Adobe Stockの画像」「オープンライセンスコンテンツ」「著作権が失効したパブリックドメインコンテンツ」で学習を積ませている。また、企業は自社の画像、アイコン・イラスト、ブランド言語を含むコンテンツを生成するため、「Adobe Firefly」に独自の学習を行わせることができる。
「Adobe Firefly」は安全に商業利用可能な画像を生成するように設計されている。「Adobe Stock」に収録されている何億枚ものプロ仕様のライセンス取得済み高解像度画像でトレーニングされているため、他のクリエイターやブランドのIP(知的財産)を侵害するようなコンテンツの生成は行わないとしている。



