大陸歴九年二月二十六日、皇帝ベルゼフリートは天空城アースガルズを離れた。
大妖女レヴェチェリナの分身が自爆してから十五日後、仮寓帝殿に選ばれた帝都アヴァタールのグラシエル大宮殿へ転居した。
城主の去った天空城アースガルズは、全施設での本格的な調査が始められていた。その間、ベルゼフリートが動力炉にエネルギーを供給できないため、帝都付近の貯水湖に天空城アースガルズは着水した。
当初、天空城アースガルズの調査は国民議会の代表議員団が立ち会うとされていた。しかし、臨検は高濃度の瘴気に阻まれてしまった。大神殿の神官が手を尽くしたが、議員団の安全を確保することはできなかった。
結果として通常の人間が天空城アースガルズに侵入するのは困難だと証明された。
女仙の身体から発せられる瘴気は人体を害する。特に人間に近い生物は影響を受けやすい。天空城に家畜類がおらず、魚類と昆虫、植物を除けば、女仙以外の生命体は生きられない環境だった。
「新居はわくわくするけどさ。これから三ヶ月も閉じ込められるのは苦痛だよ⋯⋯。一日目で飽きてきた」
宰相府、軍務省、大神殿の女仙で構成された調査官による臨検は三ヶ月以上の期間を要すると見積もられた。
両足をバタつかせながら、ベルゼフリートは愚痴をこぼす。
「てっきり皆でお引っ越しだと思ってたのに⋯⋯! もっと賑やかな新居だとばっかり⋯⋯!! ヤるだけヤって、レオンハルトは軍務省に帰っちゃうし!」
金緑后宮で過ごした期間は軍閥派の女仙を自由に呼び寄せられた。しかし、グラシエル大宮殿ではそうもいかなかった。
「出歩けるのがグラシエル大宮殿の指定された区画内だけって、こんなのほぼ軟禁状態じゃんか~!」
ベルゼフリートが暮らしていた天空城アースガルズは巨大な浮遊島。動力さえ確保できていれば、数千人の女仙が暮らせる天空都市である。
ベルゼフリートに仕える女仙の総数は八〇〇人余り。グラシエル大宮殿に移ったのは、皇帝側仕えの上級女官、そして帝国元帥レオンハルトが選抜した軍閥派の精鋭兵、その数はおよそ一〇〇人だった。
「せめて花街の大通りくらいは遊びに行きたいよ! それなのに! 敷地内から出ちゃダメって⋯⋯! 警備が厳しすぎる⋯⋯!! ううっ⋯⋯! 一人でトイレにも行かせてもらえない。こんなのっ! 終身刑の重罪人みたいな生活だ!」
不満を大爆発させる皇帝だったが、今回ばかりは誰も我が侭に耳を貸してくれなかった。ベルゼフリート自身、周囲を取り巻く状況は理解していた。
「夜中に一人でトイレに行けないのは昔からだろ」
ベルゼフリートの嘆きに、無慈悲な突っ込みを入れたのはネルティだった。
「つい数年前まで深夜に起こされて付き添ってた。オネショの回数だって俺はちゃんと覚えてる」
「⋯⋯いい加減、忘れてよ。昔の話なんだからさ」
意地悪な顔で笑うネルティは、近くの女官が渡した蒸しタオルで裸の上半身を拭う。大勢の護衛に囲まれた状況でのセックスは心が休まらなかった。
(陛下が最後にオネショをしたのはいつだったかな。夢精だったときもあったけど⋯⋯。昔は人見知りで心配だったが、こんなに女好きになってしまうとは⋯⋯)
メガラニカ帝国で至尊の冠を戴く皇帝のベルゼフリートに対し、軽口を許される唯一無二の側女。ナイトレイ公爵家に保護されてた時代の世話係だったネルティは、ベルゼフリートの性根と過去を知り尽くしている。
「ナイトレイ公爵家のお屋敷が怖すぎたせいだよ。怖い噂話もあったもん。トイレで物音を立てる幽霊の噂。ネルティも聞いたことあるでしょ」
「幽霊が出そうな年季の入った雰囲気ではあったな。使用人の間で目撃例は確かにあった。俺はちっとも信じてなかった」
「⋯⋯後で知ったんだけどさ。騎士団の人が僕をこっそりと護衛してたらしいじゃん。っというか、使用人が目撃した幽霊の正体って、僕をストーキング護衛してた騎士団の人達でしょ、絶対! そりゃ年がら年中、誰かの視線を感じるわけだよ!」
「万が一があったら不味い。今回にしたってそうだ。陛下は身分が身分だろ」
「メガラニカ帝国の最高位に君臨する皇帝が不自由ってどうなんですかねー? 許されていいのかなー? 待遇を改善してくれないと僕が爆発しちゃうぞー!」
ベルゼフリートはベッドでゴロゴロと転がって鬱憤を撒き散らした。
「いじけてもしょうがない。陛下を付け狙う不届き者がいる。三ヶ月もすれば臨検が終わって、天空城アースガルズに戻れる。そうなればいつも通りの生活だ。ちょっとくらいは我慢しないとな」
金緑后宮で過ごした最後の三日間、レオンハルトとの逢瀬を送る幸福な時間を堪能した。
(はぁ。レオンハルトに騙された気分。金緑后宮を出るときは何も話してきてくれなかったじゃん。⋯⋯はっ!? もしかするとネルティを寄越したのは、僕のご機嫌取り⋯⋯!?)
三皇后はグラシエル大宮殿で不自由な生活を強いられるベルゼフリートが不満を抱くと予期していた。そこでベルゼフリートと親しいネルティを宥め役に選んだ。
「ネルティもグラシエル大宮殿に引っ越してよ」
「部屋数が足りていないんだ。王妃や公妃ですら我慢してる。そんなときに、俺を特別扱いしてくれるな」
地上に降りられる女仙の人数は限られていた。グラシエル大宮殿の部屋数だけでなく、女仙が生じさせる瘴気は大きな問題だ。神官の祝福儀礼で女仙の穢れを一時的に抑制できるが、数が増えれば増えるほど、瘴気の汚染は濃くなる。
「僕の部屋を使えば良くない? 昔みたいにさ。僕の部屋は広いし、半分くらいは貸してあげるよ。ベッドは広いから、二人でも使える」
「それこそ問題大ありだろ」
ベルゼフリートから同棲を言い寄られたネルティは、ちらりと女官達の顔色を覗った。
(いつにも増して視線が鋭いぜ。はぁ。レギンフォード様まで俺を睨むなよ。同じ軍閥派の側女だろ。たくっ⋯⋯。辞退するに決まってるだろ。そこまで厚かましい女じゃないぞ)
表情に顕わさないが快くは思われていないのは明らかだ。
「なんで? 昔は一緒の部屋で寝起きしてたじゃん」
「ナイトレイ公爵家で暮らしてたときは、まだ陛下の正体が伏せられてた。今は違う」
「そりゃそうだけどさー。公の場じゃないんだし、そういうのは気にしない感じでいこうよー。無礼講、無礼講♪」
「俺はこれ以上、宮廷の妃や側女から恨まれたくないぞ。それとも陛下が守ってくれるのか?」
「宮廷のそういう泥々したところは、僕じゃどうしようもないかな。そこはお互いに話し合ってほしい! 自己防衛! 皇帝なんかあてにしちゃダメ!」
(このお調子者皇帝め。セックスのときは腰を押し出しまくってるくせに、肝心なところで逃げ腰になりやがった⋯⋯)
朝勃ちの相手を務めたネルティは、股間から垂れた精液を使い捨てのコットンタオルで拭った。ぽっこりと膨らんだ下腹部は、大量の精液を出されたせいだ。
「後ろの穴は苦手だ。まだ垂れてくる⋯⋯。どんだけ出したんだよ」
一回でも膣内に出されてしまったら、妊娠の確率は変わらないと言われている。しかし、ベルゼフリートにその法則は当て嵌まらない気がした。
「すました顔しちゃって。さっきはあれだけ乱れてたくせに~。オマンコは妊娠するかもしれないから嫌っていうから、そっちにしたんだよー」
「膣内射精も三回はしただろ。最近は回数が多すぎ」
ベルゼフリートの旺盛な性欲はオマンコだけに飽き足らず、アナルにも向けられた。極太の男根を不慣れな直腸に突っ込まれ、ネルティは疲れが溜まっていた。
「そんじゃ、やることやったし、お役御免だ。俺は帰るから」
「え!? 帰り支度するのやめてよ。アナルセックスしたから怒ってるの? 悪乗りだってば! 置いてかないで、僕を見捨てないでー」
「そもそも昼過ぎまでの約束だったろ。こら。俺の尻尾を引っ張るな」
獣人用の尻尾穴付きショーツを履き直すネルティにベルゼフリートがしがみ付いた。
「天空城アースガルズに帰る。ユイファン少将は不摂生だから誰かが面倒を見なきゃいけないんだ」
「じゃ、じゃあさ。ユイファンをこっちに呼んでよ。皆で夕食にしよう! 名案じゃない? これで全て解決!」
「夕食の後、ユイファン少将をセックスで潰さないと約束できる?」
「うっ⋯⋯! それは⋯⋯! 僕だって我慢くらいは⋯⋯すると⋯⋯思うような⋯⋯思わないような⋯⋯? ユイファンって今は妊娠中だしさ。うん。僕だって発情期の野獣じゃないんだし⋯⋯たぶん⋯⋯ね。我慢できるよ?」
「この勃起したチンポを隠して言うんだな。我慢汁が溢れてるぞ。最近の陛下は脳じゃなくて下半身で物事を考えるようになってしまった。どこで何を間違えたんだか⋯⋯」
「ちょ! やめてよ。教育に失敗した我が子を見るような冷めた顔! 性欲が強いのは体質! 僕が望まずとも溜まるものは溜まっちゃうのっ! 特に最近は発散しないと身体が辛いんだもん」
「軍務省の仕事でユイファン少将はフル稼働中だ。この時期に特別休暇は与えられない」
「ぶーぶー! みーんな、お仕事ばっかり! 三皇后も議会の相手で大変らしいし⋯⋯。もうちょっとくらい皇帝を省みてくれてもいいじゃないの~? 蔑ろにされてると災いを起こしちゃうぞー!」
「退屈で性欲の発散相手を求めてるなら、性豪の女仙を呼べばいい。きっと喜んで駆けつけてくれると思うぜ」
「え~。呼んでから来るまでに半日くらいかかるじゃん」
「⋯⋯宰相派のラヴァンドラ妃殿下を呼んだらどうだ。子供を産みたがってる。妊活にはいい機会だ。時間はたっぷりある」
「ラヴァンドラには声を掛けたよ。でも、商談が最優先。財閥のお仕事中でダメだった。外国との交易が始まって多忙なんだとさー」
「なんとまあ、驚いたな。あのラヴァンドラ妃殿下が陛下の誘いを蹴るなんて⋯⋯。明日は隕石でも降ってくるのかな」
「辞退されるとは思ってなくてさ。今夜の予定が狂っちゃったよ」
「お暇なら芸術鑑賞をしてみればいい。グラシエル大宮殿は美の殿堂。栄大帝ご自慢のコレクションが収蔵されている。時間潰しにはもってこいの場所だ」
「芸術ねえ⋯⋯。あんまり興味ないかな。僕にそっちの才能はなさそう。ヌード絵画は好きだけどさ。栄大帝が遺した至高の裸絵を拝んでみたいかも?」
伝説によれば栄大帝がもっとも愛した大宰相ガルネットのヌード絵画は、グラシエル大宮殿のどこかに隠されているという。栄大帝が自ら描いた至高の力作である。
「せっかく地上に降りたんだ。帝都の出店巡りとかしたかった」
「⋯⋯今は控えたほうがいい。帝城ペンタグラムに侵入するような敵がいたんだ。妙な気を起こして、脱走するんじゃないぞ」
「大丈夫。脱走なんかしないよ。周りから耳にタコができるほど皆から聞かされた。それにさ。護衛がこの面子だよ。僕なんかじゃ逃げられないって」
着替えを終えたネルティは、ベルゼフリートの額に接吻する。獣人族の習わしで、幼い頃からネルティが寝る前にやってくれていた。
「⋯⋯最近になって獣人族の文化を勉強したんだけどさ、おでこに口付けって、母親が小さな子供をあやすときにするんだよね?」
「そういう意味もある。祖霊の加護がありますようにっておまじないだ」
「僕ってそんなにお子様?」
「そんなむくれた顔をしてもダメだ。時間が空いたときはちゃんと来てやるから、良い子で我慢してるんだ」
「はい、はい⋯⋯。またね。ネルティ」
別れの挨拶を済ませるとネルティは去って行った。残されたベルゼフリートはハスキーの手を借りて、ベッドの上でのそのそと着替えを始めた。
「次はどの御方を呼びますか?」
「どうしよ⋯⋯。あ、そうだ! ハスキーはどう?」
「残念ながら私は勤務中です⋯⋯。陛下のお相手を務めるわけにはいきません」
「う、うそぉ⋯⋯!? そ、そんな! ハスキーはそんなの気にしてなかったのに⋯⋯!」
「女官総長のご指示です。三皇后からの要請でもあります。従わなければなりません」
「酷い! どんどん現場の労働環境が悪くなる⋯⋯! 世知辛い世の中になっちゃったね。可哀想なハスキー⋯⋯!!」
「皇帝陛下っ⋯⋯! 本当に申し訳ございません。私も胸が張り裂けそうなほど辛いです⋯⋯! こんなに近くにいながら、不甲斐ない⋯⋯! お許しくださいっ⋯⋯ううっ⋯⋯!!」
普段ならハスキーに伽役をさせるが、この時期にはできなかった。軍務省が編成した護衛戦力には警務女官も含まれている。
これまでは許されていた女官の摘まみ食いは禁じられ、ハスキーは真面目に警務女官長の職務を遂行しなければならない。
悲哀の涙を流すハスキーとベルゼフリートは、まるで引き裂かれた恋人同士のように抱き合う。だが、監督役のレギンフォードが二人を引き剥がした。
「はい、乳繰り合いはそこまで。警務女官長は下手クソな嘘泣きをやめて、ご自分の職務に集中しなさい」
ハスキーの襟首を掴み、ずるずると引っ張る。ベルゼフリートは追いすがるが、不可思議な力に引っ張られてベッドに戻された。レギンフォードは次元操作の異能を発動していた。
「陛下もどさくさに紛れて、メイド服を脱がすのやめましょうね。女官との不純異性行為はお控えください」
「嘘泣きとは失礼な! 私の涙は本物です! これが嘘泣きをしている顔に見えますか?」
「いい歳した大人の女性が、こんなしょうもないことで本物の涙を流さないでほしいわ。恥ずかしい」
「警務女官長に就任してから、私はずっと陛下のお相手をしてきました」
「女官の仕事ではありませんからね、それ」
「腹を痛めて陛下の可愛い御子をお産みしたのです。陛下をお慕いする気持ちは誰にも負けていません!」
「そうだー、そうだー! 僕とハスキーは純愛だぞー! 子供だっているんだぞー!」
「それを言ったら私にだっていますよ。陛下との御子は」
「いついかなるときも陛下とは愛を確かめ合ってきました。そう、たとえ帝国宰相ウィルヘルミナ閣下の后宮であっても!!」
「身内ならともかく、皇后相手には遠慮すべきでしょう。しかも、よりにもよって帝国宰相のウィルヘルミナ閣下ですか⋯⋯」
「純愛ですから♥︎」
ハスキーは胸を張って断言した。しかし、ベルゼフリートは気後れた態度で、もじもじとを指を交差させている。
「あれはちょっと不味ったけどね。ウィルヘルミナがガチ切れしてたし⋯⋯。たぶん本気で怒ってた」
「その件で謹慎を言い渡されたのに警務女官長は懲りてないのね。まったく⋯⋯これだから女官は妃から嫌われるのよ」
女官は皇帝の世話係であり、いくつかの特権を与えられている。しかし、皇帝の相手を務めるべきは妃と側女であった。
「今までが特権によるお目こぼしだっただけで、女官の仕事に伽役は含まれてないわ。警務女官長の職務態度に問題有りと帝国元帥に報告しましょうか?」
ベルゼフリートとハスキーは抗議の声をあげるが、お目付役となったレギンフォードの態度は変わらなかった。
「レギンフォードも一緒にセックスしよ。三人で内緒にしてればいいじゃん。金緑后宮にいたときはやらせてくれたし、いいでしょ? キスマークをもう一度つけてあげるよー」
「そうはいきません。護衛以外の妃か側女から相手をお選びください」
「ほんのちょっとだけ。仕事の息抜きだと思ってどう? ね?」
ベルゼフリートはレギンフォードの尻に手を伸ばしたが、優しく撥ね除けられてしまった。
(ハスキーはさせてくれないみたいだし、レギンフォードも⋯⋯今は無理っぽい。お堅いなぁ。⋯⋯じゃあ、グラシエル大宮殿の芸術品鑑賞? それもちょっとなぁ)
本当なら帝都の街をお忍びで楽しみたい。しかし、敵が一掃されるまで、三皇后は厳戒態勢を維持すると決めていた。
通常時のグラシエル大宮殿は一般市民に公開されてる。けれど、現在は部外者の立ち入りは禁止され、憩いの場だった庭園は帝国軍の天幕が並ぶ。
外苑は帝国軍が昼夜を問わず巡回し、瘴気の影響が出ている宮殿内は軍閥派の女仙が詰めていた。普段は警務女官長が管理権を握っている。しかし、厳戒態勢の現在、指揮権を振るっているのは軍務省だった。
皇帝の身辺はアレキサンダー公爵家の七姉妹が固め、万全を期している。長女のシャーゼロット、次女のルアシュタイン、三女のレギンフォード。七姉妹の年長組が交代制で護衛にあたり、神経を尖らせていた。
付け入る隙がない鉄壁の布陣。相手が何者だろうと皇帝ベルゼフリートに手出しはできないはずであった。
「⋯⋯そういえばさ、セラフィーナもグラシエル大宮殿にいるんだよね。帝都で捜し物をするんでしょ」
悶々と思い悩んだ末に、ベルゼフリートはセラフィーナがグラシエル大宮殿にいることを思い出す。セラフィーナは軍務省に命じられた任務で〈翡翠の首飾り〉についての情報を集めろと命じられていた。
「捜索任務にはタイガルラが同伴すると聞いています。タイガルラは到着していないようですが、セラフィーナはグラシエル大宮殿に着いているのではないかしら? どうなの、ハスキー?」
「セラフィーナさんは東館の部屋を割り振られていますよ。陛下がご希望されるのなら、伝令の女官を遣わせて本館に呼んできましょう」
「セラフィーナをグラシエル大宮殿で抱くのは戦勝式典以来かな? 雰囲気を出して着飾らせるのも⋯⋯そうだ。いいこと思いついた! くすくすっ! どうせだから、グラシエル大宮殿にヌード絵画を増やしちゃおうかな! 宮廷画家の女官がいたよね。その子も呼んできてよ。あとさ温室御苑は行ってもいいんだよね?」