「へくっ! へくちゅん!」
ベルゼフリートは可愛らしいクシャミをした。部屋の隅に控えていた女官がここぞとばかりに近づき「御体が冷えてしまいましたか?」と心配する。
酷暑の真っ只中であるが、室内の温度は冷房術式で調整されており、外気との寒暖差で窓ガラスに結露の雫が付着している。激しく交わっていた少年と美女二人も汗で全身がびしょ濡れだった。火照った全裸が涼むくらいの適温はとても心地良い。
「へっちゃら。ちょっと鼻先がくすぐったかった」
心配性の女官はベルゼフリートが汗冷えしたのではないかと気を揉んでいる。
「それとも誰かに噂されちゃってたかな? くしゃみってそういうもんらしいじゃん?」
ちょうどその頃、東アルテナ王国では嘔吐物を吐き終えた元聖女マリエールが幼帝の名を親しげに呼んでいた。
「汗をお拭きいたしましょうか?」
「とにかく大丈夫だって。心配し過ぎ。何かあったら言うよ」
ベルゼフリートは過保護な警務女官を下がらせた。
両脇に寝そべらせた美女の裸体から淫熱が伝わってくる。三人で身を寄せ合っているのだ。肌寒さとは無縁だった。
(セラフィーナのデカパイ。ふにふにで柔らかい)
盛り上がった胸部に頬擦りする。経産婦ながらも乳輪は鮮やかな桃色、その美乳は彫刻家が創出した傑作と呼ぶに相応しい形状を維持している。遠い先祖にサキュバス族がいなければ、このような美体は、まず得られない。
(絶妙な触り心地⋯⋯。妊娠してから肌の艶に磨きがかかってるね)
幼い皇帝は無自覚だったが、淫母の爆乳に寄り添う姿は、小動物が甘える仕草にそっくりだ。
(すごい量の母乳漏れを起こしてる。牝牛に変身した後遺症だったりして? やっぱりセラフィーナもロレンシアみたいにピアスを付けなきゃいけないかもね。くすくすっ!)
淫熱を溜め込んだ乳房は火照っている。反り立つ爆乳に戯れつくと、噴出したミルクで乳頭が濡れた。舌先で舐め取った乳汁には甘味があった。
母性愛を惜しみなく発露させたセラフィーナは授乳の姿勢に移った。我が子のように抱き寄せて、自分の爆乳を押し付ける。だが、ベルゼフリートは拒む。
「もうお腹いっぱい。ロレンシアの濃厚ミルクを吸い過ぎちゃった。食欲がないよ」
「さようでございますか。残念ですわ。私のミルクもベルゼフリート陛下にご賞味いただきたかった⋯⋯♥」
「そう言わないでよ。だってさ、こんなに大きなオッパイなんだよ」
ベルゼフリートは手を伸ばし、後宮随一の体積量であろう双乳を鷲掴む。天然の乳房に比べれば軟弱な肉感、超大なサイズでありながら強く膨らみ、垂れ具合は目立っていない。
「ほら。片方だけでも、僕の胃袋を遥かに上回るサイズじゃん」
ショゴス式の人体改造で豊胸手術を受けた成果。生来の素質があったからこそ、ロレンシアは特大の超乳巨胎に育った。三十路を過ぎていたセラフィーナと違って、若々しい肉体のまま女仙となれた影響もあるだろう。
「んぁ⋯⋯♥」
母乳を搾り尽くされたロレンシアは、可愛らしい喘ぎ声をあげてしまう。骨が抜けたようにグッタリと横たわり、伸ばした赤髪は乱れていた。
「皇帝陛下ぁ⋯⋯♥」
ロレンシアはベルゼフリートにぴったり張り付いた。己の身体を差し出す行為に躊躇はない。後宮で生きる女は寵愛を主君の貪欲に欲する。
敬愛する主君はアルテナ王国の国王も兼ねるメガラニカ帝国の皇帝ベルゼフリート。ある意味ではフォレスター辺境伯家の伝統通り、王室に忠誠を誓っている。
「胎動が伝わってくる。赤ちゃんの鼓動かな。ロレンシアは多胎妊娠だから子宮が賑やかだよね。赤毛の可愛い赤ちゃん。産まれてくるのが楽しみ」
ロレンシアは赤らめた照れ顔を隠す。唾を飲み込み、恥ずかしげに頷いた。
「セラフィーナの方はどうかな。まだ出産は先だけど、かなり目立つようになってきたね」
美女二人の豊満なる乳房に挟まれ、ベルゼフリートはご満悦の笑顔を浮かべた。
セラフィーナとロレンシアは母親の身体をしている。性欲とは無関係に、家族愛を懐かしむ少年は強く惹かれてしまう。しかし、その内心は当人でも上手く説明できなかった。
(いろんな人から注意されてるけど、セラフィーナとロレンシアは好き放題できるからお気に入り。妃は大切なお仕事がある。三皇后はもっと忙しい。女官ばっかり手を出すと、それはそれで調整が面倒。⋯⋯その点、黄葉離宮の女仙はお手軽なんだよね)
どちらも胎児を孕んだボテ腹の妊婦。その昔、厭忌の凶念を向けていた気高き女王と女騎士は、瞳を潤ませて媚びてくる。
完全屈服させた敵女でしか味わえぬ悦楽もある。なにせ、幼帝がこれまで相手にしてきた帝国の美女は、積極的に求めてくるタイプばかりだ。
セラフィーナとロレンシアは、ベルゼフリートが一人の男として獲得した勝利品の妻。お気に入りにするのも当然だった。
(子供を産んでからかな? 僕のオチンポにますます馴染んできた。〈皇帝専用のオマンコ〉って称号を授与しちゃおうかな~。最初の頃は処女みたいに硬かったのにさ。⋯⋯どっちも非処女のくせにね)
巨根への奉仕でガバガバになったオマンコからは、注がれたばかりの精液が垂れ流れている。黄金と深紅の恥毛に白濁液の塊が絡みついていた。
(休日はお昼からごろごろしたいよね。淫惰に耽って肉欲が望むがままにさ。⋯⋯セラフィーナと結婚してたガイゼフが不思議でしょうがないや)
ベルゼフリートはセラフィーナの過去を妄想する。女王は清らかな国母を気取っていた。二十年以上も共に過ごした王婿ガイゼフは、愛妻を女に覚醒させられなかった。
(こんな妻がいたら抱きまくるもんじゃないの? 僕みたいに一夫多妻なら時間が取れないってのも分かるけどさ。ロレンシアの夫は⋯⋯よく知らないや。ハスキーに去勢されて⋯⋯、その後どうしてるんだろ? まあ、どうでもいいか。もう関わることもない相手だ)
ベルゼフリートは簒奪の優越感に浸った。しかし、小さな妬心が奥底の奥底にはある。
セラフィーナやロレンシアは幸せな初婚を遂げている。ガイゼフやレンソンは良き夫であった。この過去はベルゼフリートでも覆せない。
妻を奪われた哀れな男達への罪悪感は感じている。しかし、めらめらと沸き起こる対抗意識は、道徳的な哀憫を遥かに凌駕する。
(――今は僕の女だ)
宮中に暮らす女仙達は皇帝の寵愛を巡り、醜い争いを起こす。その心理が分かるようになってきた。
(セラフィーナもロレンシアも返してあげない。僕が初めて自分で勝ち取ったお気に入りだもん)
左右に侍らせたセラフィーナとロレンシアの腹を撫でた。惜しみなく、たっぷりの愛情を注いだ。
(過去を懐かしむ気持ちだって、僕が塗りつぶしてやる⋯⋯。徹底的に僕の色で染める⋯⋯! セラフィーナとロレンシアは僕の子供が欲しいんだよね。だったら、好きだけ、望むままに、産ませてあげる。それが僕の欲望でもあるから⋯⋯!)
家族愛に餓えたベルゼフリートは子供達の誕生が待ち遠しい。
どの女仙を懐妊させたときでもそうであったが、自分の子を孕ませると特別な繋がりを意識するようになる。
「二人がかりで何とかロレンシアのデカパイを搾れた。僕はもうお腹いっぱい。胃袋がタプタプだ」
ベルゼフリートは乳搾りの奮闘を振り返る。セラフィーナという強力な援軍が現れなければ、ロレンシアの搾乳は完遂できなかった。
ショゴス族の肉体改造を受けた苗床女の生成乳量は、牧場の牝牛に匹敵する。大食いの女王は食欲を遺憾なく発揮し、臣下のミルクを一滴残らず吸い尽くした。
手伝いの褒美としてベルゼフリートは、セラフィーナの膣内にも精液を与えた。前哨戦で精力を消耗していたが、濃厚な子種を注いでやった。
もちろん、たった一回の中出しセックスで淫乱愛妾は満足できない。
「ベルゼフリート陛下⋯⋯♥ そろそろ⋯⋯♥」
セラフィーナの指先は愛液で濡れたオチンポを握る。ニギニギと指圧し、大きな睾丸を包んだ玉袋をマッサージする。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯♥ 大きいオチンポ⋯⋯♥ 欲しいィ♥ 欲しいですわ♥ んんぁっ♥ お願いします♥ 性奉仕をさせてくださぁいっ♥」
美熟女は甘い吐息を吹きかけ、少年にセックスの再開を媚びる。
「もう我慢できませんの⋯⋯♥ ベルゼフリート陛下に抱いてもらわないと⋯⋯子宮の疼きで⋯⋯悶死してしまいますわ⋯⋯♥」
母親と息子ほども年齢が離れ、犯罪的な雰囲気を匂わせる程度に体格差がある。けれど、後宮最奥の寝殿で、美熟女と美少年の淫事を咎める者は一人もいない。
逞しい極太巨根に縋りつき、どこまでも快楽の底へ堕ちていくのだ。
「一回だけじゃ満足できないんだ。お腹に赤ちゃんがいる母親のくせに」
「はい♥ 満足できませんわぁ♥ 大っきなオチンポで愛していただかなければ⋯⋯♥ 私のセックス中毒はベルゼフリート陛下が一番よくご存知のはずですわ⋯⋯♥」
「こんなにお腹が膨れた立派な妊婦だっていうのにさ。もぅ。どうしようもないドスケベな妊娠オマンコなんだから。淑女の慎みを忘れちゃった?」
「あぁ♥ そんなぁ♥ 焦らされるのは辛いですわ。私をこのような淫母に変えてくださったのはベルゼフリート陛下です♥ 私に本当の恋を教えてくださった。だから⋯⋯♥ ちゃんと責任を取ってほしいですわ♥ セックス♥ セックスをお願いします♥」
「はい、はい。分かりましたよ。寝取った責任はちゃんと取らなきゃね。愛液をぐぢゅぐぢゅにお漏らし中の淫乱オマンコも可愛がってあげる。でも、この休憩が終わったらね」
「我慢は辛いですわ♥ ベルゼフリート陛下⋯⋯♥」
発情したセラフィーナは背中に手を回し、抱き締めようとする。だが、ベルゼフリートに牽制された。
「ダメだよ。もうちょい休憩。本気の僕に犯されたいでしょ?」
「あぁ⋯⋯♥ なんと嬉しいお言葉っ♥ ありがとうございます♥」
「次はロレンシアがセラフィーナの母乳を吸う番にしようよ。二人で交互に母乳を吸い合ってたら永久機関じゃない? 僕って天才かも? くくっ! くすくすっ!」
ベルゼフリートは桃色の乳輪を舌先で舐めた。
「濃厚な味。セラフィーナの母乳も美味しいよ。栄養満点。僕らの子供が一滴も飲めないのは可哀想だね。ほら、ロレンシアも吸ってみて」
日焼けで小麦色に焼けても、セラフィーナの豊満美乳は完璧な芸術品だった。バストサイズはロレンシアに劣っている。しかし、天然物の美が極まっていた。
「セラフィーナ様⋯⋯♥ 皇帝陛下のご厚意に甘えて、母乳を賞味させていただきますね♥」
「ふふふっ♥ 遠慮は無用ですわ。私もロレンシアの母乳を堪能したのだから、そのお礼よ」
「失礼いたします」
「⋯⋯焦らなくていいわ。自分のオッパイが大きいと、他人の乳首を吸うのは難しいわよね?」
「は、ひゃぁい⋯⋯んんっ⋯⋯♥」
ロレンシアは自身の超乳を押し付けながら、セラフィーナの爆乳にしゃぶりついた。妊婦同士の授乳をベルゼフリートは満足げに眺めている。セラフィーナの美乳は異性愛者の娘も魅了してしまう。
この妖艶な肉体に対抗できる爆乳美女は、精鋭揃いの後宮であっても、最上級淫魔のウィルヘルミナくらいである。