【106話】秘密の暴露 すれ違う心(♥︎)

 寝室のベッドに横たわるセラフィーナは、ロレンシアから送られた手紙を読み終えた。満足気な笑みを浮かべる。期待通りの内容だった。

 密命を託して下界に送り出した従者は、皇帝ベルゼフリートの過去に辿り着いたらしい。

(詳細は手紙に書かれていないわ。おそらく女官の検閲を恐れたのね。掴んだ秘密は、こちらに戻ってきたら教えてくれるのかしら? ロレンシアの帰りが楽しみですわ。――まあ、私は既に知っているけれど)

 ロレンシアは約一ヶ月に戻ってくる予定だ。手紙にはヴィクトリカらしき従者の話も記されていた。

 娘の安否を気にかけていると思ったロレンシアが、それとなく分かるように書き綴ったのだ。しかし、セラフィーナは母でありながら、ヴィクトリカをまったく気にかけていなかった。

 セラフィーナの頭で渦巻くのは、これからの展望だ。

(帝国宰相ウィルヘルミナを失権させる切り札が揃いますわ。ふふふふ⋯⋯っ♥︎ 私の望み通りに進んでいる。楽しみですわ。ああ、楽しい。軍閥派の助けはもう不要です。取引なんかせずとも、私は祖国を守れますもの)

 己の孕み腹を抱きしめる。妊娠七ヶ月を迎えたセラフィーナは、以前にも増して妊婦らしい艶姿へと育った。

 ここ最近は積極的にベルゼフリートを誘った。

 黄葉離宮にベルゼフリートを招き、ときには帝城ペンタグラムに出向いた。寵姫に与えられる夜伽部屋で性奉仕を励んだ。

(ロレンシアは災禍が起きた関所の跡地を訪れている。確たる証拠を掴んだはずですわ。私が追体験した八年前の記憶と合わせれば、ウィルヘルミナを追い詰められますわ⋯⋯)

 悪巧みの含み薄笑いを浮かべるセラフィーナ。共寝するベルゼフリートは乳房をしゃぶるのに夢中だ。表情に隠された悪計には気付く素振りは見せていない。

「皇帝陛下⋯⋯♥︎ んぁ♥︎ 良い子♥︎」

 幼帝は乳首を甘噛みし、頬ずりする。母に甘える幼児を想像させるが、愛撫の仕草は淫らだ。

(たっぷり味わいなさい♥︎ 私の媚態で酔わせてあげますわ♥︎ そして⋯⋯この子を私の虜にする♥︎ 三皇后なんかよりも私を愛させる♥︎ 幼帝の未熟な心を寝取ってあげますわ♥︎)

 セラフィーナは股を開く。オッパイを弄くり回すベルゼフリートを誘惑する。

 ボテ腹に擦りつけられていた男根は硬く勃起している。いつでも挿入できる臨戦態勢だ。

 年齢と体躯の差は親子。だが、二人の関係は今や愛し合う夫婦だ。性行為の成熟度合いは、真の夫であるガイゼフよりも深まっている。

「⋯⋯んっ⋯⋯はぁ⋯⋯。挿れる?」

「お望みであれば、お好きにお使いください」

 ベルゼフリートは人妻女王の女陰に招かれる。黄金の恥毛が生えた茂み。陰裂の割れ目に吸い込まれた。反り返る男根をするりと挿入する。

 セラフィーナの股に入り込んだベルゼフリートは、両の太股でガッチリと挟まれた。

 発情した生殖器が交わる。不義の男女は姦通の悦楽に身を委ねた。男根を押し進め、子宮の底に突くとすぐさま引き抜く。胎児の宿る胎は波打ち、揺れ動いた。

 貴き血統を受け継ぐ幼帝と女王の子供。胎動は日に日に強まり、生命の波動が浮かび上がる。

「セラフィーナ⋯⋯! はぁはぁ⋯⋯! んぅっ! んんくぅっ! ぼくっ⋯⋯!! もう我慢できなっ⋯⋯んぁっ⋯⋯! セラフィーナの妊娠オマンコっ! 気持ちいいっ! 出すっ! 出るっ! 出しちゃうよっ⋯⋯!!」

 興奮する幼帝は鼻息を荒げ、愛くるしい細声で叫ぶ。仰向けに寝そべる美熟母は少年を抱きしめた。極太オチンポの突き上げ。子宮口を押す亀頭の先端から精子が直射される。

「あぁ♥︎ んぁ♥︎ 出してぇ♥︎ 陛下のオチンポでぇ、妊娠オマンコがイぐぅうっ♥︎ くるぅっ♥︎ んっ、んぉほぉぉおっ♥︎ おぉ♥︎ イっぢゃううぅ♥︎ イっくううぅうぅぅーーっ♥︎」

 征服者を悦ばせる淫声の愛歌。羞恥心なき卑猥な嬌声で、男の欲望を酔わせる。

 始まった愛の営みは止まらない。セラフィーナとベルゼフリートは肢体を絡ませる。汗だくで抱き合う。重なる素肌、混じる体液、結合した生殖器。膣内射精が繰り返された。

(あぁ⋯⋯この子は⋯⋯もうすぐ私のものになるわ)

 淫蕩に耽るセラフィーナは下唇を噛む。膣口はオチンポを咥えている。だが、前後運動は停止している。

 ベルゼフリートの腰振りは止まり、乱れた呼吸を整えていた。

「陛下ぁ♥︎ 休憩しましょうか?」

 セラフィーナはベルゼフリートの御髪を撫でた。灰色髪の毛先は汗で濡れている。

 メガラニカ帝国の夏はアルテナ王国より暑かった。運動しているとすぐ皮膚から汗が湧いてくる。しかし、常夏の国ではない。帝都アヴァタール近隣は十月を越すと急激に気温が下がる。

「うん⋯⋯。はぁはぁ⋯⋯。でも、このままだよ。抜いてあげない⋯⋯から⋯⋯。んぁ⋯⋯ん⋯⋯はぁ」

 セラフィーナの胎に実った我が子。ベルゼフリートは優しく抱擁する。

「年内には産まれるだろうね。僕らの赤ちゃん」

 セラフィーナが懐妊したのは今年の三月。メガラニカ帝国とアルテナ王国の講和条約が結ばれた陵辱の夜。運命が決まった日であった。

 女王セラフィーナは故郷から連れさらわれ、後宮の愛妾となった。

「大きくなったね。セラフィーナの赤ちゃん。いっぱい食べてるから、胎児が育ちすぎてるのかも」

「皇帝陛下が授けてくださった御子は⋯⋯お一人だけではありません」

「え?」

「子胤が濃かったのですわ。双胎です。私の胎内には二人宿っておりますわ。先日、医務女官の検診で双子以上だと言われました。なんとなく分かってはいたのですけれど⋯⋯」

「へえ。双子なんだ」

「三つ子かもしれませんわ。心音が入り交じっているそうです。ふふふ⋯⋯っ♥︎」

「僕とセラフィーナって相性が良いみたいだ。だって、妊娠したのって時期的に⋯⋯最初にあった日の夜だよね?」

「講和条約締結の日に孕まされましたわ。ですから、初めてお会いした夜に⋯⋯♥︎」

「セラフィーナは変わった。僕もかな。命令されたから抱いていた。でも、今は違う。セックスを本気で愉しんでる。分かるでしょ。僕らはこんなに強く結びついてしまったんだ」

 ベルゼフリートとセラフィーナは生殖器の具合を確かめ合った。

 ぐちょぐちょのオマンコに突き刺さった極太オチンポ。限界まで押し広げられた膣口に、皇胤を絞られている。

「ロレンシアが帰ってきますわ。手紙が届きました。陛下の過去を明らかにしてくれましたわ。ナイトレイ公爵家の大罪も⋯⋯」

「大罪⋯⋯?」

「秘密が明らかとなれば、ウィルヘルミナは宰相の地位を追われます。いえ、もはや後宮に彼女の居場所はなくなります。それだけの罪がありますわ。だって、陛下の家族を滅茶苦茶にしたのですから⋯⋯♥︎」

 セラフィーナはベルゼフリートに近親相姦で産まれた子供である事実を吹き込む。隠された出生の秘密。ナイトレイ公爵家とシーラッハ子男爵家が、ベルゼフリートの血縁者を弑虐した悪行を語る。

 ――セラフィーナは勝利を確信した。

(これでベルゼフリートの心はウィルヘルミナから離れますわ。きっと傷つき、衰弱する⋯⋯。弱り切った彼の心身を私が慰めてさしあげますわ♥︎)

 真実を知ったベルゼフリートは困惑した。過去の記憶が存在しない理由。失われた五年間。十三歳ではなく、出生日から数えて八歳だった。産まれる前の記憶は存在しない。

 血の繋がった家族に執着する心。母親に抱く歪んだ愛情。おぼろげに抱いていた母親への想いは、近親相姦に及んだ父親の残滓だった。

 母と息子の交わりで血は濃くなっている。破壊者ルティヤの転生体は再誕児。それが自分なのだ。

「――ほんとうなの?」

「はい。本当ですわ。ロレンシアは裏付けとなる証拠を掴んでいます。ベルゼフリート陛下。ご家族の恨みを晴らしたいと思いませんか? 陛下の一族はナイトレイ公爵家に滅ぼされたのです」

「⋯⋯信じられないよ」

「陛下は私と同じ境遇です。だから、惹かれ合う。ウィルヘルミナは私の息子を処刑しましたわ。血の繋がった家族を殺されたのです。あの女を許してはなりません。忠臣と呼べるでしょうか? 陛下の出生を今も隠している。一族の罪を隠匿した悪女ですわ」

「うん。そうだね。こんな事実が明らかになったら⋯⋯僕は⋯⋯皇帝の縁戚を殺めた者を処断しないと⋯⋯いけない⋯⋯」

「お力添えいたしますわ。皇帝陛下♥︎」

 悪心を抱くセラフィーナは嗤った。

(ふふっ♥︎ 皇帝の心を堕としましたわ♥︎ この子を利用して私は祖国を守り抜く。私の言いなりになるくらい溺れさせるわ⋯⋯♥︎ あぁ、本当に可愛い子♥︎)

 セラフィーナはベルゼフリートの本心をまったく理解していなかった。ナイトレイ公爵家は皇帝の血縁を処刑している。だが、立場を入れ替えればすぐ分かる。

 今のベルゼフリートがナイトレイ公爵家に恨みを抱くはずがないのだ。

 実子を処刑された母親は、怨敵の少年と情を交わし、身籠もっている。セラフィーナは無自覚だったが、怨讐を上回る恋心に突き動かされていた。

 ――セラフィーナはベルゼフリートに恋している。

 最悪の出会いだった。しかし、真なる愛は憎しみを上書きする。

 ――ベルゼフリートはウィルヘルミナに恋している。

 たとえ最悪の形で出会った男女だろうと、愛は育まれるのだ。そして、愛は憎しみを断ち切る。血の繋がった家族に対する未練は消し飛んだ。

(もしセラフィーナの話は本当なんだろうか? 真実だとして、僕の過去が明らかになれば、ナイトレイ公爵家は終わりだ。そうなったらウィルヘルミナは⋯⋯。僕がやるべきは⋯⋯)

 幼帝ベルゼフリートは決心する。

(ユリアナの諫言に従っていて良かった。神官長のカティアを頼ろう⋯⋯。セラフィーナが秘密を言い触らす前に口封じはしないとね)

 愛しい皇后を死守するために過去を葬り去る。そためならばどんな犠牲だろうと払う。

(セラフィーナは哀れな女だね。血の繋がった家族は大切だよ。でも、僕は今の暮らしがもっと大切なんだ。分かりそうなものなのに。考えてごらんよ、セラフィーナ。君の息子リュートを処刑したのは誰だったか⋯⋯)

 セラフィーナは怨讐を忘れている。リュートを殺したメガラニカ帝国は家族の仇。皇帝ベルゼフリートはアルテナ王国を攻めた恨むべき国讐。しかし、セラフィーナは仇敵の少年と情を交わしている。

(自分の過去は知りたかった。でもさ、今の満ち足りた幸福を捨てる気はさらさらないよ)


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