「⋯⋯あ♥︎ んぁ⋯⋯♥︎ んぅっ⋯⋯♥︎」
異形の生殖器が肉体の芯を穿ち貫く。男根の表皮に浮き出た青白い血管が力強く脈打つ。子宮の奥底が泥々の白濁液で満ちていった。
破壊者ルティヤの禍々しい生命力が胎内に染み渡る。
母親の屍体に精神憑依するセラフィーナは、内臓が急激に変異する痛みで悶えた。恍惚と苦悶が交互に責め立ててくる。著しい身体発育で細胞増殖が続く。
「あんぅ~! んぎぃィ! あっ♥︎ あぁっ♥︎ あん んっ♥︎ んひぃぉぉ♥︎ くるぅっ~~~♥︎ んぎぃっ、きぢゃううぅぅ♥︎」
完璧な母胎へと造り変えられていった。超絶的な精気を吸い込んだ体細胞は活性化している。
――ブチッ! ブチブチッ!! ビリビリッ! ビリッッ!!
麻布の上衣が破ける。膨張し続ける双乳が曝け出た。解放された爆乳は重力で垂れる。張り裂けんばかりに張った乳房は、前部に突き出たボテ腹と重なった。
(凄まじい快楽の奔流っ♥︎ 肉体が造り変えられるっ♥︎ オチンポに抗えないっ! 孕み女の淫体に堕とされるぅっ!! どこまでも墜ちてしまう⋯⋯っ!!)
急速に妊婦へと変貌する肉体。ほんの数分で質量が数倍に肥大化し、膨れ上がった乳房から大量の母乳が飛び散った。
「あぁ♥︎ ああぅ~ふぅ~っ♥︎ んぁっ♥︎ んひぃっ♥︎ あぁんっ♥︎ あひぃんぁぁあぁ~♥︎ 胸が破裂しちゃうぅ♥︎ もっとぉ♥︎ 揉んで♥︎ ママのオッパイミルクぅ♥︎ 絞ってぇ~~♥︎ んぁ♥︎ んぁっ、あんぁ、んひぃんぃぃい~♥︎ おぉぅ♥︎ んほぉ♥︎ んぉおぉぉおぉ~~♥︎」
撒き散らされる乳汁。勃起乳首から激しい勢いで噴出する。怪物に変貌した少年の両手が、母親の乳房をギリギリと絞る。
パンッ♥ パンッ♥ パンッ♥
背面座位の交わりは深まる。打ち上げのピストン運動が激しくなった。オマンコの底を掻き混ぜる男根は、さらに太々しく隆起した。
母親の女が開花する。芽吹き、花開いた蕾は、熟れた禁断の果実へと形を変える。
巨根を呑み込む膣道が裂け、鮮血の雫が滴った。だが、ルティヤの瘴気が立ち所に裂傷を治した。
「ぐっ♥︎ んぁ♥︎ まっ、んぎぃっ♥︎ うそっ⋯⋯♥︎ これは胎動なのぉおお⋯⋯♥︎ 育ってるぅうう! 赤ちゃんが大きくなるうぅぅっ⋯⋯!? あっ、あうぅっ! らめぇえ! お胎がこわれぢゃううぅ~~♥︎」
覚醒状態の転生者は欲望を止められない。
(強い感情が流れ込んできますわっ⋯⋯! 私達の赤ちゃんが誕生する♥︎ 家族を欲しているのですわっ♥︎ だから、母親に産ませようとしてるっ♥︎ 望んでいるわぁ♥︎)
再び家族と幸せに暮らす。叶わぬ望みを叶えるため、母親に我が子を産ませる。
「うっ、んぁ、あふぅうはぁ~~んっ♥ あんぁぁぁああああああぁっ!! んんぁぁあああああああぁぁぁ~~!!」
子宮内膜に着床した受精卵は異常な速度で成長する。羊膜が形成され、注がれた精液は羊水の代替を果たした。
大量の精子で、近親相姦児は受肉する。臍帯で繋がる母体から栄養が供給される。時間にして、ほんの数分で胎児の肉体が出来上がった。新生児の誕生は間近に迫っている。
「おっ⋯⋯♥︎ んおぉふぅっ~~♥︎」
死骸が積み上がった山頂で、怪物は実母の屍体を孕ませた。
(胎動が激しいっ! こんなのっ! 抑えきれませんわ! すぐ産まれちゃうわぁっ⋯⋯♥︎ なんて荒々しいオチンポなのぉ♥︎ 禍々しい生命力ぅう♥︎ 産むっ! 産んじゃうっ! 息子との赤ちゃん! 産む! 産まされちゃうぅ! 産まれたらどうなっちゃうのぉ⋯⋯!?)
鎮まる気配はなかった。事態は悪化している。黒蝿の帝王と化した転生者は、厄災に転じた。
閉ざされた異空間で、ウィルヘルミナに近親相姦セックスを見せつける。
――帝国宰相となる女は立ち上がった。
(は⋯⋯? どうして? なぜ立ち上がれるの⋯⋯? 全て貴方のせいよ? 貴方が皇帝の家族を殺した! 厄災を招いたのはウィルヘルミナ! 貴方なのよ!?)
背から生えたサキュバスの両翼を広げる。空に飛び立ち、逃げるつもりなのかと思った。だが違った。
母親の屍体を辱める黒蝿の帝王から眼を逸らさない。
「――我が無礼をお許しください。皇帝陛下」
ウィルヘルミナの手に握られた粗縄。死刑囚の首を括る処刑用の縄だった。表情は青ざめ、怯えている。己の過ちを精算するため、ウィルヘルミナは半覚醒状態の破壊者に挑んだ。
(今さら何をする気!? ウィルヘルミナ⋯⋯? もう止められないわ。母親は息子の精子で受胎したのだからぁ♥)
蝙蝠の両翼で飛翔したウィルヘルミナは、怪物の頸部に絞縄を巻き付けた。
母親との営みを邪魔され、怪物は怒り狂った。邪魔をするのなら容赦はしない。殺意を込めて、黒蝿を差し向ける。だが、その前にウィルヘルミナが叫んだ。
「貴方様の家族は戻ってきませんッ!!」
黒蝿の動きが止まる。サキュバスの両頬は涙で濡れていた。
死者は蘇らない。変貌した少年に絶望的な事実を突きつけた。
「⋯⋯私は取り返しのつかない罪を犯しました」
報いは受けるつもりだった。責任を誰かに押し付ける気はない。厳罰に偏りすぎた帝国の法律、判決を下した司法神官、そして殺される原因を作ったシーラッハ男爵。巡り合わせが悪かった。
その責任を負う者がいるとすれば、自分自身だとウィルヘルミナは己の罪を認めた。貴族の責任だ。
ナイトレイ公爵家の次期当主である自分が、もっと真面目に取り組んでいれば、不幸の連鎖をどこかで止められた。
「どうか⋯⋯! これ以上はお止めください⋯⋯!!」
完全覚醒した破壊者は、大陸規模の災禍だ。野放しにできない。
手遅れの状態なら、死後の祟りで帝国が滅びようと、ここで皇帝を弑逆する。メガラニカ帝国の臣下に課された後始末の責任だ。
――皇帝殺しの大逆。
縄を握る両手が震える。殺したくはない。だが、殺さねば多くの人々が死ぬ。メガラニカ帝国のみならず大陸全土の国々が滅ぶ。
死の間際、最後まで戦った魔狩人は言っていた。
――ここにいる全員が死のうと虐殺は止まらない。
魔狩人は大神殿の大巫女に望みを託し、副団長の老騎士を逃した。だが、覚醒状態の破壊者を止める方法はおそらく存在しない。
歴史が証明している。暴走した破壊帝は、殺すしかなかった。
災禍を起こさなかった皇帝はたったの三人。始皇帝、聖大帝、栄大帝。他の皇帝は全員が世界を祟った。
(たとえ死後の災禍が起きようと、ここで被害を食い止めなければならない⋯⋯!)
ウィルヘルミナは処刑用の縄に力を込めた。おぞましい災禍を招くだろう。しかし、もはや手遅れなのだ。転生体の魂は壊れている。
正気には戻せない。頸椎に巻き付けた縄を絞める。
「嫌だ⋯⋯。一人は嫌だよ⋯⋯!」
縄に込めた力を緩めた。少年の泣き声。人間の声だ。
黒蝿の帝王は処刑場に集まった人々を虐殺した。だが、殺人を愉しんでいるとは見えなかった。
――ずっと母親の屍体に縋り付いていた。
殺戮のみを望むのなら、ウィルヘルミナは真っ先に殺されたいたはずだ。母親の死刑に内心反対であろうが、処刑の執行を命じたのはウィルヘルミナ・ナイトレイである。
――紛れもなく家族の仇だ。
ほんの微かな希望が垣間見えた。絶望的な状況でウィルヘルミナは最期の抗いを見せた。
「私が皇帝陛下をお守りいたします! 生涯を捧げて尽くします! 陛下を傷つける敵を滅ぼします!! 私は陛下の家族を殺めた罪人です! 私に罰を与えてくださるのなら⋯⋯、私を奴隷にしてください⋯⋯!」
「奴隷⋯⋯? 君が?」
「私はウィルヘルミナ・ナイトレイ。我が身命を捧げます。どうか、鎮まりください」
「パパはいない。お姉ちゃんも殺された。でも、ママはいる。僕とずっと一緒にいるんだ! 僕が家族を守る⋯⋯! 家族? そうだよ。もう一度、僕はやり直すんだ。⋯⋯ァ、ぁれ? なんで邪魔するの? なに? 君は誰?」
「陛下⋯⋯? 私は⋯⋯」
「黙れ! 嘘つき! 陛下なんかじゃない! 僕は僕だ! 消えてよ。死ね。僕らを殺した! 人殺しだ! 怖い! 来ないでよ! 僕を殺す気なんだろ! 五月蠅い! お前なんかいらない! 欲しくない!!」
明らかに正気を失っている。支離滅裂な言動を繰り返した。会話が成り立つ精神ではなかった。
「怖い女がいる! 僕たちを虐める気だ。ママ⋯⋯! ねえ。ママ? もう一度、笑って? 僕に顔を見せてよ? 僕は良い子にする。我がままいわないよ。ねえ。ママ。笑って? 笑ってよ⋯⋯」
屍体は微笑まない。死刑執行の直前、息子に笑いかけた母の顔。だが、陵辱を受ける愛母は、壊れた肉袋だった。
膨乳で鬱血した乳房は痛々しい。孕んだ胎は血管が浮かび上がり、おぞましかった。
(口惜しいですわ。過去に干渉できたのなら、私が微笑んであげたのに⋯⋯!)
セラフィーナは記憶を辿る追体験者。過去においては部外者だった。
「パパ。ママ。お姉ちゃん。助けて、助けて⋯⋯! 僕達は殺される。皆、僕達を殺す気なんだ。遠くに逃げよう。家族は一緒にいないとダメ。ダメなんだから。パパも一緒に僕たちと逃げよう? 違う! 違うぅうっ! 僕がパパになるんだ! 僕が守る。僕がやり直す。邪魔者は消す。殺す! 僕が家族を助けるんだ!」
魂魄が崩壊する寸前だった。破壊者ルティヤの荒魂が解き放たれる。その刹那、ウィルヘルミナは叫んだ。
「――私が陛下の家族になります!!」
「⋯⋯⋯⋯本当に? 君が僕の家族? パパ? ママ? お姉ちゃん? できるの? やれるの? なれるの? 信じていいの⋯⋯?」
怪物の支離滅裂な要求にウィルヘルミナは頷いた。
「やり直す。もう一度、最初から始める。新しい僕を作る。憎い。だけど、僕を助けた。信じる。一回だけ。嘘をついていたら⋯⋯何もかも終わり。全員、殺してやるんだ」
破壊者ルティヤの転生体は、黒蝿の帝王となった。怪物の状態で、かろうじて人間の自我を残している。実母との情交で、少年は精神をつなぎ止めていた。
「ごめんね。僕を産んで⋯⋯。お願い。ママ」
背面座位で実母を犯す少年は、オマンコに挿し込んだ肉棒を引き抜いた。ぢゅぽぉんっ!と淫音が鳴った。貫かれた膣口はポッカリと大穴が開いていた。陰唇の歪みは治らない。
「ママ。大好きだよ。僕はずっとママと一緒にいる。新しい家族を作ろう。いいよね。僕とママは愛し合ってるもん。家族はずっと一緒だよね?」
母親の肛門を亀頭で押す。括約筋で閉じられたアナルに突き刺した。
未開発の尻穴を無茶苦茶に犯す。何をすれば良いのか、少年は本能で分かったいた。
(あんっ♥︎ んぃぎぃ♥︎ んぁぃいぃあぁ♥︎ アナルが裂けるぅっ♥︎)
母親の肛門処女が散った。
(んおぉっ! 造り変えられぢゃぅうのぉっ♥︎ 精気で全身の細胞がみなぎるっ⋯⋯!! アナルに禍々しい精気が流れ込んでくるっ!)
乳房が一段と肥え太る。胎内に宿る近親相姦の赤児は急成長を始めた。
羊水の代わりに幼体を包むタプタプの精液。穢れた瘴気の白濁液で赤児の肉体が形成される。
「あんっ♥︎ あぃんぎぃっ♥︎ んぅぅぅう♥︎ んあぁぁぁあああああああああぁぁぁおおーーっ♥︎」
息子のオチンポで貫かれ、母親の屍体は絶叫した。アナルセックスで強大な生命力を注ぎ続けた。
高鳴る胎動は激痛に変わった。子宮内で胎児が暴れ回る。二度の出産経験があるセラフィーナは気付いた。
――陣痛が始まった。
骨盤が軋む。両脚を開いた。粘液にまみれた膣口がクパァと開帳する。陣痛の波に合わせ、オチンポが腸内の性感帯をゴリゴリと刺激してくる。
「しゅごいのぉっ♥︎ わたしぃ⋯⋯♥︎ わたしっ、あぁ、うっ、産んじゃうのォ⋯⋯? あぁっ♥︎ んんぁぁぁ♥︎ だめっ♥︎ アナルオマンコでイぐぅうう! お尻を激しくしないでっ♥︎ うぎぃ、産むぅううぁあ~っ♥︎ わたぢぃ赤ちゃん産むのぉ♥︎」
転生体の少年は母胎に精魂を注入する。母親の腸内に放出された御魂は生母の身体に吸収される。時空が捻じ曲がる超高密度のマナが、孕み腹で渦潮を作った。
――転生者は胎内回帰を遂げた。
家族を殺され、器の精神が綻んだ。封印されし破壊者ルティヤの荒魂は顕現しつつあった。禍々しい災禍の力は収束する。
(これは転生しているの⋯⋯!? 巨大な魂がっ、子宮に入ってくるぅうっ!!)
西大陸アガンダの破壊者ルティヤは、古来より存在していた。メガラニカ帝国の建国以前から続く、災厄の荒御霊。鎮める方法はたった一つ。
美しい女がその身で転生体を心を癒やし、慰め、純粋な真心で慈しむ。
(間違いありませんわ⋯⋯! 破壊者の荒御魂が赤ちゃんに移っていくっ!! 皇帝の産み直しぃっ♥︎ 壊れた肉体を捨てて、再び母親から産まれ出でるっ⋯⋯♥︎)
母子相姦で宿った胎児は、新たな転生体となる。
(あぁ♥︎ そうなのね♥︎ 私は⋯⋯大きな勘違いをしていましたわ⋯⋯!! この子は違う! 母親を孕ませたこの少年はベルゼフリートじゃなかったんだわ! 私の知る皇帝は、これから産まれる! くる! 出てきちゃう! お胎に宿っている赤ちゃんがベルゼフリート⋯⋯!!)
怪物化した転生体の少年は、ベルゼフリートと瓜二つだ。しかし、同一人物ではなかった。
「ママ⋯⋯。僕とママの赤ちゃん⋯⋯。もう一人の僕。あぁ⋯ぁ⋯⋯なまえ⋯⋯? うん。パパと同じにしよう。僕がパパだから、パパは僕とママの赤ちゃんにしよう」
少年はベルゼフリートの父親であった。
「――ベルゼフリート。僕らはまた家族になるんだ」
正気を失った少年は、産まれつつある胎児に『ベルゼフリート』の名を与える。
一族の長が引き継ぐ名前だった。山で鳥獣を狩る猟師兼森番。家畜の屠殺や解体も生業とし、蔑まれた一族の末裔。屍肉の処理を押し付けられ、蛆蝿と縁深いために受け継がれてきた忌名。
――山峡に隠れ住む穢多族の家長ベルゼフリート。
「ママ。笑おう。気持ちいいでしょ? ねえ、もう一度、笑顔を僕に見せて?」
少年は背面座位で母親と交わる。己の霊魂を解き放つ。彼こそがベルゼフリートの実父だった。
転生体の少年が母親の屍体を犯して産ませた赤児。ベルゼフリートの隠された出自が明らかとなった。
ウィルヘルミナは見ているしかなかった。怨魂が浄化される。
これから誕生する赤児に乗り移ろうとしている。記憶が消え去り、禍根は清められる。
(あぁ⋯⋯こんなおぞましい秘密! 幼い皇帝に話せないはずですわ。罪深い⋯⋯! なんと⋯⋯忌まわしい! これが貴方の秘密なのですね。帝国宰相ウィルヘルミナ⋯⋯!!)
ウィルヘルミナは青ざめた表情で御産を見守る。屍体が産み落とす新皇帝ベルゼフリート。おぞましい光景だった。しかし、残された道はない。
母親は破水した。胎児を肉付けした白濁液の残り汁が排出される。
オマンコから噴水のように飛び散る白濁液。「みちぃ! みぢぢぃッ!」と産道の肉筋が断裂する。
「あんっ、んっぅうぐぅぅうぅ♥︎ んっおおぉっ~~♥︎」
産みの苦しみは、愛悦の嗚咽にすり替わる。陣痛の苦悶を上書きする極上の愉悦。
母親は絶頂する。自我は失われ、魂のない屍体だ。けれど、確かにアナルセックスの快楽で喘ぎ、そして息子に微笑んだ。
「あぁ⋯⋯産まれ⋯⋯るぅ⋯⋯ぅ!!」
胎児の頭部が見える。胎内で急激に成長した新生児。灰色髪と暗褐色の肌。父親の血を色濃く受け継ぐ生まれ変わり。新たな転生者の器となる少年ベルゼフリートは産声をあげない。
「あぁ⋯⋯。あぁ⋯⋯。んぁ⋯⋯」
ベルゼフリートは産道から這い出た。羊膜の薄皮を脱ぎ捨てる。母胎と繋がる臍帯をちぎった。体躯は父親と同じ十歳程度の背丈だ。
巨大児を出産した母親のオマンコは、大穴が開いている。まるで抜け殻だった。産み直しの我が子に全てを移し終え、覚醒状態の少年は沈静化した。
怪物の外殻が剥がれ落ちる。黒蝿の帝王と化した少年は、普通の人間に戻った。
魂の抜けた屍体となった。母親と同じく、肉体だけが生きている屍。亡くした家族への愛慕だけが残留している。
「⋯⋯⋯⋯あぅ⋯⋯はぅ?」
ベルゼフリートは周囲を見渡す。ちらばる屍体。腐敗している血液。飛び交う黒蠅。血だまりで立ち尽くす、サキュバスの美女。もはや母親に興味はなかった。
――家族への未練は、受け継いでいない。
肉体と記憶を捨て去り、新たな器に魂を受肉させた。覚醒の後遺症でオチンポが肥大化し、馬並の巨根となっている。だが、人間の身体だ。
「陛下? 生まれ変わられたのですか⋯⋯?」
ウィルヘルミナはベルゼフリートに歩み寄った。
求められているのが分かった。鎧を脱ぎ捨て、素肌の見える薄着となる。恐怖はなかった。
「⋯⋯⋯ぁあっ! あうっ⋯⋯!!」
ベルゼフリートは抱きついた。血溜まりに押し倒されたウィルヘルミナの肉体に皇気が染み込む。血酒の仙薬を飲まなければ、女仙とはならない。だが、破壊者ルティヤの転生体と深く交わった者は穢れを宿す。
――ウィルヘルミナの血肉が汚されていく。
ベルゼフリートの極太オチンポが女陰を刺激する。薄布越しに何度も擦りつける。
「んっ♥︎ あぁっ⋯⋯♥︎」
ウィルヘルミナは両脚の太股を開く。挿入に挑む無垢な男根を導いた。男根を迎えいれ、ベルゼフリートの頭部を爆乳の谷間で包み込む。
「ご奉仕いたします。陛下に私の純潔をお捧げします⋯⋯。私は陛下に隷属する端女です。お望みのままにっ⋯⋯! 痛っ! あんっ♥︎ んっ、んぁ、んぃっ! ぁあっ!」
ショーツの股間部分が破れ、亀頭が淫魔の処女膜を貫いた。穢れた淫魔処女と少年童貞。お互いの初めてを交換する。
「陛下っ⋯⋯! 私は初めてでっ⋯⋯無作法をお許しくださっ、んぁ! あんぅぁ! これが本当のセックス⋯⋯! んィ! ひぃっ! んきゅぅぅっ! あんぅんぅ~~っ! んあぁ⋯⋯! あぅ⋯⋯!!」
淫蕩の血脈が騒めく。ウィルヘルミナはサキュバス族の最上位個体。生後間もないベルゼフリートは、極上の淫穴を堪能する。
空間を歪ませていた不浄の瘴気が消えていく。腐肉から湧いていた黒蠅が霧散する。全ての穢れは女仙となったウィルヘルミナの肉体に封じられる。
「あぁっ⋯⋯あぁ⋯⋯♥︎ 昂ぶっておられるのですね⋯⋯!」
死屍累々の関所で、地面に転がる二人は血みどろだ。猛烈な瘴気はウィルヘルミナの衣服を溶かす。ベルゼフリートに生前の記憶はない。欲望のままに全裸のウィルヘルミナを犯した。
「んぎぃ⋯⋯! あぁぁ~! 存分にお注ぎください⋯⋯!! んっ! んあぁぁぁ! あんっ⋯⋯! 皇帝陛下ぁ♥︎」
破瓜の鮮血で紅門となった膣口を荒々しく突く。全裸の淫魔は嬰児を抱きしめた。
「――あぁ♥︎ んぁ♥︎ お慰めいたしますっ♥︎」
膣壁が脈動を感じ取る。反り返った極太オチンポが子宮を押し上げた。再誕児の子胤が解き放たれ、子壺に注ぎ込まれた。
「あぁっ♥ んっあぁうううぅうっ♥ あんあんんっ♥ あっ、あっ、あっ、ああっーー! んひぃいいあああああっ♥ あぅうああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーー♥」
◇ ◇ ◇
――大陸歴第七紀末年。シーラッハ男爵領の関所で起きた災禍は、ナイトレイ公爵家の手で隠蔽された。
片腕をもがれた副団長の老騎士は、魔狩人の駿馬で隣領に逃げ延び、神官のアマンダに救援を求めた。
知らせを聞き、アマンダは絶望した。
破壊者ルティヤの転生体だった少年に族滅を言い渡したのは、他ならぬ自分自身だった。大神殿にすぐさま急報し、神官長カティアの指示を仰ぐべきところ、単身で現場に駆けつけた。アマンダは冷静さを欠いていた。
司法神官アマンダとナイトレイ公爵家は、生き延びたウィルヘルミナと灰色髪の少年ベルゼフリートを保護した。
生存者と呼べる者は二人だけだった。事件の顛末は老齢のナイトレイ公爵の耳に入り、箝口令が発令された。
山積みになった屍体は、山賊の襲撃によるものだと捏造で覆い隠した。ナイトレイ公爵家は手を尽くして、忌まわしい真相を隠した。しかし、全ての者は欺けなかった。
魔狩人達は怪しんだ。同胞達が山賊ごときに皆殺しにされたと言われて納得はしない
当初、魔狩人は事実を秘匿するナイトレイ公爵家と対峙する姿勢した。しかし、彼ら自身が関所で起きた惨劇を調べていくうち、ただならぬ事情を察した。
出自不明の少年をナイトレイ公爵家が手厚く保護していると聞き、魔狩人は引き下がった。人々の安寧が魔狩人の本分。明らかに虚実である山賊の襲撃事件を追認した。
――当事者達によって秘密は守られた。
ナイトレイ公爵家は、族滅を言い渡した森番一家を調べた。父親の名がベルゼフリート、母親の名がセラフィーナ。両親の名前は判明したが、娘と息子の名前は記録になかった。
残された遺児をナイトレイ公爵家は大切に育てた。
新帝は近親相姦で産まれた再誕児。それも母親の屍体を犯して産まれた忌み子。ウィルヘルミナは幼い皇帝に真実を明かさなかった。
ナイトレイ公爵家やウィルヘルミナは、自己保身で事実の隠蔽を謀ったわけではない。真実が明るみになったとき、幼いベルゼフリートの心が傷つくのを恐れた。
ベルゼフリートの出自に疑念を抱き、神官長カティアは過去を調べ上げた。真相を掴んでおきながら黙認し、秘密の番人となったのは、やはり新帝への配慮だ。
調査内容を最高機密の諡号文書に指定。厳重に封印し、幼帝の魂に記憶改竄の神術式を施した。
アルテナ王国の女王セラフィーナは、血脈に宿る記憶の追体験で真相を知った。夢の世界で見せられた過去は、血脈に宿る父母の記憶だった。
皇帝ベルゼフリートが探し求める両親は、血の繋がった母親と息子。呪われた出生の子供だった。