ベルゼフリートは木板で舗装された温室御苑の遊歩道を駆けていく。
温室内は奇妙な見た目の熱帯植物がひしめき合い、密林のようだった。道を外れれば、どこにでも隠れられるだろう。
「うーん。どこにいるんだろ⋯⋯?」
広大な植物園の何処かにヴィクトリカ王女は潜んでいる。だが、痕跡は辿れない。ベルゼフリートは捜索系の能力を持ち合わせていなかった。
当て所なく、走り回っているが人影は見当たらない。
寡黙な警務女官は既に追いついていた。警笛を返すように身振り手振りで求める。しかし、意地悪な幼君は応じてくれない。取り押さえて、無理やり奪うほかないと腹を括ったときだった。
蔦を垂らした樹木の物陰から、黄金髪の美少女が現れた。初対面だったが容貌には母親の面影がある。すぐにその少女がヴィクトリカ王女だと分かった。
「あ⋯⋯! やっと見つけた! いなくなってたら、どうしようかと思ったよ」
ベルゼフリートは顔をほころばせ、朗らかに笑んだ。しかし、主君を護衛する警務女官までもが、そんな悠長な対応をしてはくれなかった。
警務女官はメイドであると同時に皇帝を守護するインペリアルガードだ。
曲者を視認した寡黙な警務女官は、隠し持っていた二本の短剣を抜き放つ。ベルゼフリートを背後に誘導し、侵入者と対峙した。
「…………っ!」
侵入者は魔術師の衣服を着ていた。だが、なぜか魔力は感じられない。警戒度が跳ね上がる。
メイド服のスカートの下、太腿に装着しているガーターベルトに数々の武装を忍ばせている。暴徒鎮圧用の催涙ガスや音響閃光弾など、多種多彩な暗器。だが、その殆どは非殺傷武器であった。
護衛対象のベルゼフリートをも負傷させてしまう凶器は装備していない。
(侵入者の首を切断し、即死させるまでおよそ0.5秒。一流の魔術師なら速攻魔術を展開するのに十分過ぎる⋯⋯。自身の魔力を完璧に隠蔽できるほどの魔術師だとすれば、手持ちの武装で陛下を守り切れない⋯⋯)
考察と事実は乖離している。ヴィクトリカは魔術師の服を盗んで、グラシエル大宮殿に侵入しているだけであった。だが、寡黙な警務女官は楽観的な予断を排除する。
相手を格上の暗殺者だと想定して武器を構える。
(皇帝ベルゼフリート⋯⋯!? 私が隠れている場所にどうして⋯⋯? というか、なんで服を着ていないの!? ぜ、ぜんぶ丸見えじゃない! 下くらい隠しなさいよ! 変態なの⋯⋯!?)
混乱するヴィクトリカだったが、見方を変えれば好機到来であった。隠れていたところに、怨敵の首魁が現れたのだ。それも無防備な全裸で。
(見つかってしまった。きっと兵士を呼ばれてしまう。⋯⋯でも、今ならこの馬鹿な丸出しの皇帝を人質に取れる⋯⋯! いいえ、殺すことだってできる!!)
相手は母親を陵辱し、兄を殺した憎き皇帝。無防備な状態だ。
下着どころか靴すら履いていない裸足姿。近くにいるのはたった一人のメイド。刃物を構えて護衛らしく振る舞っている。だが、所詮はお付きのメイドに過ぎないだろう、と思ってしまう。
ヴィクトリカは殺意を燃え上がらせる。まずはメイドを押さえ付け、武器を奪おうと果敢に飛びかかった。だが、相手は女仙だ。
穢れた女仙の身体は、有害な瘴気を宿している。通常の人間が触れれば身体が傷つく。もしヴィクトリカが短剣の刃を潜り抜け、飛びかかったとしても命に関わる大怪我をしていたことだろう。
「——怪我をさせないようにね。相手はアルテナ王国の王女様だよ」
「…………ッ!」
寡黙な女官は眉間に皺を寄せた。皇帝は主君だ。妃達と異なり、女官とは皇帝の私兵。皇帝と完全な主従関係であることが女官達の誇りであった。女官であるのなら、可能な限り命令に従う義務がある。
「…………」
無論、理不尽な命令と扱いに不満を覚えていた。不服を訴えたかった。どんな相手であれば、皇帝に殺意を向けている相手を生かして良いはずがない。しかし、実力的な面で言うのなら、命令は十分に実行可能だった。
(魔術を使ってこない⋯⋯?)
十分に警戒はしていた。けれど、ヴィクトリカの動きはぎこちない。素人の足さばきだ。訓練された暗殺者の動きに見えなかった。この程度の相手なら、武器を使うまでもなかった。
「えっ!? 何!? これ、影が実体化して……!? んきゃっ!?」
寡黙な警務女官は影を自在に操ることができた。それは生来の異能だ。
ヴィクトリカが隠密に特化した異能を持つように、この世界の人々は生まれながらに様々な異能を宿している。
「影を実体化させて操る。それが彼女の異能なんだよ。警務女官は異能力者が多いからね」
寡黙な警務女官は影使いの異能を駆使し、自身の影を具現化した。ヴィクトリカの動きを封じ込む。相手の影に触れることができれば、陰縛りで肉体の支配権を奪える。
「その黄金髪は間違いなく、セラフィーナの娘だね。確保できてよかった。まずは自己紹介からかな? 初めましてアルテナ王国の王女様。僕はメガラニカ帝国の皇帝ベルゼフリートだ」
具現化した影に捕らえられたヴィクトリカは、身動きができない。四肢を不様にバタつかせ、抜け出そうと力を込める。だが、影による拘束は緩まない。
「君がどうやって生き延びて、どんな方法で忍び込んだかは知らないけど、本当にすごいね。くすくすっ! グラシエル大宮殿の厳重な警備を潜り抜けるなんてさ。帝国軍のお歴々が知ったら、さぞかし面白い渋面をしてくれそうだ」
「……くっ!」
「何はともあれ、会えて嬉しいよ。本当は君と結婚するはずだったから、どんな女の子か気になってたんだ」
半年ほど前、講和条約の締結に際し、アルテナ王国にわざわざ出向いたのはヴィクトリカ王女を娶るためだった。しかし、王都ムーンホワイトに王女は居らず、結果として既婚の女王と子作りすることになった。
「あっ! 誤解しないでね。セラフィーナに不服があるわけじゃないよ。セラフィーナの爆乳や大っきいお尻も気に入ってる。最近はセックスにも積極的だしね。もしかして僕と母親がセックスしてたの見てた?」
「離せ⋯⋯っ! 不届き者!!」
「くすくすっ! 不届き者? 笑っちゃうね。宮殿に侵入してきた君が言う台詞じゃないよ」
「黙れ! 下種っ!!」
「下種の子胤で、君の母親は妊娠しちゃってるわけだけど?」
「お前だけは絶対に許さない! お兄様を殺し、お母様を辱めた害獣め! アルテナ王家を穢した悪鬼! 殺してやる!!」
「落ち着きなよ。うーん。言葉遣いと気性が荒いなぁ⋯⋯。噛み付かれそう。穏やかな性格のセラフィーナと性格は似てないね。じゃじゃ馬姫って風評は本当だったみたい。あとオッパイが思ったよりも大きくない。成長途中なのかな? セラフィーナと比べるのは可哀想だけど、普通より大きい程度だ」
「やめろっ! 私の身体に、胸に触れるなっ!」
「いいじゃん、オッパイは減るもんじゃないし。むしろ揉むと大きくなるらしいよ?」
「ふざけないで! お前みたいな色狂いの玩具にされて、屈辱を味わうくらいなら、死んでやるんだから!」
「騒ぐと帝国軍がきちゃうかもよー? そうなったら僕でも庇いきれない。いいの? 本当に終わりだよ? 帝国は君を殺したがってる。軍務省は君が死んだと発表しているくらいだ。この場で処分されちゃうかもよ」
「望むところよ! 私を殺したければ、お兄様を殺したように処刑すればいいわ! 私は死を恐れてない! お前の情けなんか私はいらないわっ!」
「死に急ぐねえ。僕は人死が嫌いなんだけど」
「お兄様を殺したくせに……!」
「リュート王子の処刑は僕が決めたわけじゃない。遠因ではあるかもしれないけどね。運が悪かった。アルテナ王家の男子がいると、帝国にとっては都合が悪いんだ。恨みたければ恨みなよ。ただね、今回の出来事でヴィクトリカが死んでしまうと、ロレンシアがきっと落ち込む。そうはなってほしくないかな〜」
ベルゼフリートが気にしているのは、ロレンシアの精神状態だった。自身の裏切りが原因で、親友のヴィクトリカが死んでしまったら、少なからず精神的ショックを受けるはずだ。
「ロレンシアは身重の体だし、これから重要な仕事をしてもらう。精神的なケアが必要だと僕は思うんだ」
「ふざけるなっ! ロレンシアだってあんな身体に⋯⋯! お母様にしたように乱暴したんでしょ!!」
「立派な妊婦に仕上げたのは僕じゃないよ。お腹に宿った子供の父親は僕だけどね。これからロレンシアには子供を沢山産ませてあげるつもりなんだ。ロレンシアは僕の子供を産みたがってる。さっきのセックス、ちゃんと見てた? 相思相愛だよ」
「あの子には幼馴染みの夫がいたのよ! アルテナ王国を踏み躙って、私の親友まで辱めた!」
「過去がどうあれ、今は愛妾に仕える側女だよ。後宮の女だ。皇帝と子作りするのは義務であり、至上の名誉だよ」
「黙れ! 黙れ!! ロレンシアはアルテナ王家に仕えてきた立派な騎士だったわ。それを⋯⋯!! お前みたいな暴虐な愚帝は、この世に生まれてきちゃいけ⋯⋯あぐ⋯⋯うぐぎゃっ⋯⋯!」
ヴィクトリカの身体を捕らえる影が、胴体に何重にも絡みつき、内臓を圧迫する。肋骨が軋み、呼吸ができなくなった。
「甚振るのはその辺でやめてあげなよ。僕は寛大な皇帝だ。それと、美少女が圧死するのは見たくないよ」
ベルゼフリートに命じられたので、寡黙な警務女官は拘束をゆっくり緩める。殺せと命じてくれたら、すぐさま背骨をへし折るつもりだった。
「僕は君を助けてあげようとしてるんだ。邪険にしないでよ」
「うっ! はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯! 私を助けるですって……?」
「僕なりの方法でね。帝国軍に捕まっても殺されないようにしてあげる」
ベルゼフリートは男性器を勃起させる。いきり勃つ巨大な一物を見て、ヴィクトリカは言葉を失う。先ほどまで母親を喘がせていた逞しい雄の象徴が迫ってくる。
「いや……! やだ⋯⋯!! そんなのイヤよ!」
ヴィクトリカはベルゼフリートが何をしようとしているのかを察した。激怒のあまり真っ赤に染まっていた顔色が、一転して蒼白となった。
寡黙な警務女官は、慌てた様子でベルゼフリートを止めようとした。
「ん? 何で止めるの? ヴィクトリカは女仙じゃないけど別にいいでしょ? 僕自身は他者を害さない。肉体に宿る破壊者の荒魂が安定している限り、安全だって聞いてるよ。だから、ここでヴィクトリカとセックスしても大丈夫でしょ?」
女仙と違って皇帝の身体は無害だ。肉体や精神が傷つき、荒魂を封印している器が崩壊すれば、災禍を生じさせてしまうが、そうならなければ何者にも害を与えない。
女仙化していない相手との性行為は可能だ。しかし、メガラニカ帝国の法律や慣習では到底許されない。寡黙な警務女官は思い止まるように仕草で抗議した。
「もうヤル気になったから我慢したくない。いいでしょ? 今まで良い子にしてきたんだよ〜。この程度の悪さは見逃して。ヴィクトリカ王女とセックスしたい。正確にはセラフィーナの実娘を犯してみたいんだ。セラフィーナが知ったら、どんな顔をするか気にならない?」
「…………」
寡黙な警務女官は首を横に振る。しかし、ベルゼフリートも諦めなかった。
「影で囲ってよー。騒がれてセラフィーナに気付かれたら台無しじゃん。ねえ、お願い! いいでしょ? 後でお礼をたっぷりしてあげる!!」
「⋯⋯⋯⋯」
結局、ベルゼフリートの我が侭に押し切られる形となった。寡黙な警務女官は渋々という表情で命令に従う。
具現化させた影で四方を覆い、小さな結界を作った。
本来は皇帝を守る影の要塞。だが、今に限っては単なるヤリ部屋だ。
「うんいい感じ! これで拘束セックスができるね! 王女様の拘束は緩めないで。暴れ馬と同じで後ろに立ったら、蹴り飛ばされそう」
「やめなさい! こんな辱め⋯⋯! 近寄るな! 卑怯者! 絶対にイヤ! お前なんかが最初なんてイヤ! はやく殺しなさいよ!」
具現化した影に捕まっているヴィクトリカは、四肢を吊り上げられ、強引に股を開かされる。魔術師のローブを捲り上げ、下着を剥ぎ取り、隠されていた秘部が露わとなる。
「初めてだからセックスが恐いの? オマンコの怯えが分かるよ。今からこれで処女膜を貫くよ。ちょっと痛いかもね」
「あぁっ⋯⋯! お願い⋯⋯! やめて⋯⋯!! そんなに大きいのは絶対に入らないから⋯⋯!」
「むぅ。失礼だなぁ。セラフィーナとロレンシアはちゃんとセックスできてるよ。見てたんでしょ? 僕らがセックスしてるところ。そりゃあさ、他の人よりは大きいかもしれないけど、誰とでもセックス出来るよ。じゃあ、挿入するね」
「待って! やめっ⋯⋯! あぁ、あぁああぁぁあ!」
処女膜を纏った膣口に亀頭を押し当て、体重をかけてズブリと沈めていく。ヴィクトリカは必死に抗うが、四肢を影で拘束されているので、逃れようがなかった。宙に浮いた状態で、不様に身を悶えさせるくらいしかできない。
「あっ、ああっ⋯⋯! やだやだやだ! いたっ! 痛いっ! もう止めてぇ! 誰かぁ⋯⋯助けてっ!」
異物が女陰を貫き、内部に侵入してくるのが分かった。破瓜の痛みに涙を流しながら、悲痛な叫び声をあげる。
「さっきまでセラフィーナやロレンシアとセックスしてたから、オチンポが愛液で濡れてるんだ。挿入しやすいはずだけど、これでも痛い?」
「痛いっ! 痛ぃ! 痛いぃっ! やめて⋯⋯! 本当にやめて⋯⋯! だめ、だめなんだから、そんなの! もういいでしょ! 裂けちゃうからやめてぇ!!」
「大丈夫。ちゃんと入ってるよ。血がたくさん出てるけど、もう半分くらい入った。処女喪失をちゃんと自分の目で見たら? 愛液が少しずつ滲んできてるから、動きやすくなる」
伸びてきた影の触手に頭を押さえ付けられて、ヴィクトリカは無理やり結合部を見させられる。
「うそっ⋯⋯こんなの⋯⋯うそ⋯⋯。いや、私は⋯⋯。あぁ⋯⋯っ! ああぁああぁぁぁーーっ!」
今まで守ってきた純潔が、あっけなく散らされていた。ベルゼフリートの男性器は処女膜を貫通し、半分ほどが膣道に侵入している。
セラフィーナやロレンシアと違い、ヴィクトリカの恥部は無毛だった。王女の美しい陰唇をこじ開け、攻め立てるのは十三歳の幼き皇帝。少女と少年の情交だというのに、結合部の光景はグロテスクで生々しい。
「さすが処女のオマンコ。締まりはセラフィーナより強い。膣圧がギチギチで押し潰されそう。でも、もうちょっと奥まで入れないとね」
破瓜の血で染まった肉棒をさらに押し込む。人間離れした巨根を根元まで飲み込み、ヴィクトリカの膣道が引き延ばされた。子宮口に達した亀頭で、小壺を持ち上げられ、内臓が圧迫される。
「ほら、根元までオマンコに入った。僕のオチンポが子宮を小突いてるのが分かる? ヴィクトリカのオマンコが僕のオチンポに絡み付いてきてる。下腹部がキュンキュンしてる。少しは感じてくれてる?」
「あぁっ! あ⋯⋯っ!」
処女を奪われ、放心状態のヴィクトリカは罵詈雑言を吐く気力がなかった。掠れた呻き声をあげる。
「もっと優しく犯してあげたかったけど、時間が限られてるから、とりあえず種付けしてあげる。僕とセックスしたから、即座に殺されはしないよ」
「えっ⋯⋯? なに? これ? 膣内で膨らんで⋯⋯。ま、まって! やめてッ! 外、外に出しなさいよ。いや! 今日はダメかもしれない日なの! それだけはやめて! いやぁ! 赤ちゃん出来ちゃうからやめてぇ!」
「ラッキー♪ 今日って排卵日なの? これで僕の子を孕んだら、セラフィーナはお婆ちゃんか。くすくすっ! あっははは! 本当にそうなったら面白いかも!」
「いやっ! そんなのいやぁ! もういやぁ! やだっ! 出さないでっ! 出さないでっ! あぁっ! 妊娠いやぁあああああぁぁぁ⋯⋯!」
無慈悲な種付けが行われる。腰を掴まれて、秘所の最奥まで陰茎が侵攻していく。清純を証明する処女膜を穿った亀頭は、膣道を突き進み子宮に達する。
そして、溜め込んでいた特濃の子胤汁が放たれた。
(うそ⋯⋯! いや⋯⋯っ! 膣内でびくびくって動いて⋯⋯。私を孕ませようと精液を出してる⋯⋯! ドロドロの精子が子宮を泳いでる⋯⋯っ! 私もお母様みたいに⋯⋯こいつの子供を妊娠しちゃう⋯⋯。そんなの⋯⋯絶対にダメなのにっ⋯⋯!! 誰か、お願いだから助けてぇ⋯⋯!!)
甘える子猫のようにヴィクトリカの身体を抱きしめ、互いの生殖器をさらに深部まで接合させる。
「処女オマンコにしては上出来だよ。 んくっ! ふぅう。んっ! んっ! 股をもっと広げて。僕の射精はまだ終わってないよ?」
「あっ⋯⋯んぁ⋯⋯あぐぅ⋯⋯! んんぁあぁ⋯⋯!!」
精子の濁流で子宮が満杯となり、下腹部が膨らむ。それでも放精は終わらず、常人なら長くとも十数秒の射精が数分間続いた。