2024年 9月20日 金曜日

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【31話】帝国宰相ウィルヘルミナの秘密

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【31話】帝国宰相ウィルヘルミナの秘密

 査問会の翌日、リアが手配してくれた馬車で、セラフィーナとロレンシアは元帥府に向かった。

 天空城の一角を占める軍務省の統括エリア。その中央に元帥府はある。

 軍閥派の妃達は、職務を元帥府でこなし、私生活は離宮で過ごす。軍閥派の妃は全て軍属であり、王妃は准将以上の待遇、公妃は大佐以上に相当する階級が与えられる。

 また、妃に仕える側女は、士官階級の女軍人が多く在籍する。

 主席宮廷魔術師を兼ねるヘルガ・ケーデンバウアー王妃の階級は上級大将。帝国元帥レオンハルトが不在の現在、元帥府の代表者はヘルガであった。

「セラフィーナ。よくぞ来てくれた。元帥府にようこそ。面白味のない執務室ですまないね」

「いえ。お忙しい中、お招きいただき、ありがとうございます」

「うちのリアは役立っているかな?」

 セラフィーナとロレンシアを出迎えてくれたヘルガは、まず近況について訊ねてきた。

「よく働いてくれています。宮廷での暮らしは分からないことが多く、ヘルガ妃殿下のご厚意にとても感謝しておりますわ」

「それは良かった。査問会の件、ご苦労だったね。無事に乗り切ったとユイファン少将から聞いているよ。大変だろうけど、ユイファン少将が弁護を請け負う。協力してラヴァンドラ王妃の顔に、皺を一つくらい増やしてあげるといい」

 初めて会ったときと同様、ヘルガは全身鎧を着用していた。素顔は見えないが、口調は底抜けに明るい。

「実は⋯⋯良い報せと悪い報せがある。普通ならどちらを先に知りたいかと質問するところなのだが、こちらの都合で、悪い報せだけを伝える」

「悪い報せとはどのような?」

 ヘルガは机に大陸西部の地図を広げる。メガラニカ帝国を中心に周辺国との国境が記されている。

 ヘルガの指先で示されたのは、バルカサロ王国とアルテナ王国の国境線。東側の国境をなぞっていく。

「レオンハルト元帥閣下が駐留している王都ムーンホワイトから急報が届いた。一部の地方貴族……、東部の領主たちが独立を宣言し、帝国軍の内政視察を拒否した。それに乗じるタイミングで、バルカサロ王国の軍勢が国境付近に集結している」

 セラフィーナとロレンシアは顔を見合わせる。

 アルテナ王国は王都の陥落で、メガラニカ帝国と屈辱的な講和条約を締結した。地方貴族のうち、敗戦に納得していない者は多い。

「バルカサロ王国の策謀だろうね。東西の分割統治を狙っているのか、アルテナ王国の全面解放まで目論んでいるのか……。現段階では分からない。しかし、ここで問題となるのは我が国、つまり宰相府の出方だ」

「宰相府はどのような対応をするおつもりなのですか?」

「先制攻撃論が叫ばれている。まだバルカサロ王国の軍勢は国境を越えていない。ガイゼフ王やヴィクトリカ王女の動静は不明。しかし、今回の動きに関し、血気盛んな国民議会は過剰反応しているのだよ」

「国民議会?」

「帝国の選挙で選ばれた議会だよ」

 メガラニカ帝国の政治は二院制である。三皇后を頂点とする妃達で構成される評議会、民意で選ばれた議員による国民議会。

「国民議会と宰相府は、賠償金なしの講和条約に不満を抱いていた。主戦派は口火を切る好機と見ているようだ。だが、軍務省は静観したい。こちらから刺激しなければ、バルカサロ王国は動かないと見ている」

「無礼を承知で申し上げますわ。私はアルテナ王国の女王です。帝国の支配に国民が立ち上がったというのなら、それはむしろ吉報ですわ。——私の立場ならば」

「残念だが、そうとも言えないのだよ。東部独立を宣言したのはヒュバルト伯爵だ。彼を中心とする東部地方の貴族連合が発起人だ。彼らの言い分によれば、アルテナ王国の滅亡に伴っての独立宣言だ」

「アルテナ王国が滅亡……!?」

「ヒュバルト伯爵の一派はそう主張している。今回の騒動は義憤ではなく野心による行動だ。ゆえに、アルテナ王国で動揺が広がっている。混乱に乗じて領地を独立させ、頃合いを見てバルカサロ王国から都市国家の承認をもらう。狙いはそんなところじゃないかね」

 セラフィーナは国家の瓦解を想像した。窮地に陥ったとき、一致団結して強敵に抗うなど夢物語だ。

 貴族を束ねていた王権が弱まれば、必ず裏切る者が出てくる。

 言葉を失うセラフィーナとは対照的に、ロレンシアは激しい怒りを露わにした。

「ヒュバルト伯爵……! 恩知らずの裏切り者め!!」

 平時のヒュバルト伯爵に野心家の印象はなかった。資産を溜め込んでいる倹約家。王都ではその程度の噂しか聞こえてこなかった。

「ロレンシア。貴女は近衛騎士団の騎士だった女性だ。軍事面の知識があるだろう。私より貴女がセラフィーナに説明するべきだと思う」

「セラフィーナ様。ヘルガ妃殿下の話が事実なら、ヒュバルト伯爵の動きに——」

「その通り! ヒュバルト伯爵の賛同者が増え、東部独立の動きが拡がれば、アルテナ王国は東西分に分裂する。ヒュバルト伯爵はアルテナ王家を見限り、バルカサロ王国に尻尾を振っている売国奴だ。この場合、ロレンシアのような王家に近い忠臣は、ヒュバルト伯爵一派を裏切り者と見做す。このままでは国民同士で殺し合う危機的状況に陥る!」

「その……私が説明するはずだったのでは……?」

「失礼、つい口を挟みたくなるのが癖でね。ヒュバルト伯爵はラブコールを送っている。だが、バルカサロ王国が飼い主となるかは不透明だ。バルカサロ王国がヒュバルト伯爵を支援した瞬間、アルテナ王家の王族であるヴィクトリカ王女と対立してしまう」

「それならバルカサロ王国は動かないのでしょうか?」

「帝国軍を東部国境地域に派遣しない限り、バルカサロ王国は動かないと参謀本部は分析している。私も概ね同意見だ。ヒュバルト伯爵を野放しにはしたくない。しかし、今は動静を見守るべきだ。ところが、宰相府と国民議会は無茶な出征計画を立案しようとしている」

「そうなったら……」

 セラフィーナの理想はアルテナ王国とバルカサロ王国が手を組み、一致団結してメガラニカ帝国と戦うことだ。

 ヒュバルト伯爵の行動は、完全な私利私欲。アルテナ王家への反逆だ。反帝国の旗印にはならない。

 今回の独立騒動にメガラニカ帝国とバルカサロ王国の両大国が介入し、大規模な内乱が起こる。アルテナ王国の民が互いを傷つけ合った先にある未来。

 ——国家の滅亡だ。

「女王セラフィーナ・アルテナ。不本意な形であっても、軍務省は講和条約を遵守し、アルテナ王国の民を守る。ウィルヘルミナ宰相はアルテナ王国を踏み潰そうとしているのだよ。査問会で宰相派のやり方は分かったはずでは?」

「軍閥派と手を組めと仰るのですね……」

「宰相派と手を切ってほしい。貴女は騒乱に参加した近衛騎士団の騎士を助命するため、宰相派と取引した」

 セラフィーナはロレンシアの顔を見ることができなかった。

 宰相派と交渉をしたのは事実。ロレンシアの最愛の人、幼馴染みのレンソンを救うためだった。しかし、後々になって考えてみると、その判断は誤りであった気がしてきた。

「宰相派は宮廷の最大勢力。評議会と国民議会が出征を決定した場合、その決議に軍務省は従わざるを得ない。最悪の事態を回避したい。宰相府の方針を挫く。協力していただけないかな?」

「結局、利用される相手が違うだけでは?」

「見返りを保障しよう。セラフィーナにはたった一つのことをお願いする。宰相ウィルヘルミナ・フォン・ナイトレイの秘密を探ってほしい」

「宰相の秘密を⋯⋯?」

「外国人であるセラフィーナやロレンシアにしかできない仕事だ。完全な軍属の我々が動くと、文官に対する軍事クーデターを画策していると思われてしまう。セラフィーナは非軍人で、帝国に忠誠を誓っているわけではない。ある意味で部外者だ。怪しい動きが露見しても、大きな問題にはならない」

「査問会で私に対する処分が下されるのではありませんか?」

「殺されはしないよ。女仙が死刑となるのは大逆罪のみ。このまま何もしなければ、セラフィーナの祖国は滅茶苦茶になる。帝国軍も無駄な血を流す。本当に祖国を守りたいのなら、選択肢はそう多くない」

「⋯⋯分かりましたわ。ウィルヘルミナ宰相の秘密。つまり弱みを握れということでしたら……。しかし、具体的には何をすれば良いのでしょう?」

「ベルゼフリート陛下の出生は謎だ。最初に陛下を見出したウィルヘルミナ宰相は孤児だったと説明している。だが、我々は違う見方をしている。陛下はナイトレイ公爵家の血族なのかもしれない」

「メガラニカ帝国の皇帝が特殊なのは知っています。破壊者ルティヤの転生体であるとか。しかし、ウィルヘルミナ宰相の一族と同門であったとして、何か問題があるのですか?」

「帝国憲法には規定がある。皇帝の直系血族は、妃となる権利を持たない。これは皇帝の親族が権力を掌握しないための措置であり、破壊者ルティヤの封印を弱めないための規定だ。血縁者と交わると、穢れを増加させてしまう」

「なるほど。近親婚を忌避する文化はアルテナ王家にもありますわ。つまり、ウィルヘルミナ宰相とベルゼフリート陛下が親類であれば、皇后の地位を追われると?」

「遠縁であってもスキャンダルだよ。ナイトレイ公爵家の派閥を一掃できるほどのね。ウィルヘルミナ宰相を失脚させれば、宰相府は大混乱に陥る。しばらくの間、帝国の国政はレオンハルト元帥閣下が差配できる」

「⋯⋯その疑惑。どの程度の確証がありますか?」

「まず、徹底的に皇帝陛下の出生を秘匿していること。次に陛下は強力な記憶消去が施されている。私ほどの大魔術師でなければ気付けない巧妙な忘却術式だ。陛下は家族に関するの記憶が封じられている」

「皇帝陛下の封じられた記憶を探れば、ウィルヘルミナ宰相の弱みに辿り着ける⋯⋯。ですけど、血液などの遺伝子を分析すれば、血縁関係を証明できるのでは?」

「ウィルヘルミナ宰相は幻想種のサキュバス族。フェアリーと同じく、幻想種は遺骸を残さない。体外に流れ出た血液は、時間とともに崩壊して消失する。細胞から遺伝子情報を得るのは困難なのだよ」

 ヘルガは肩を竦める。特殊な容器にウィルヘルミナの体液を保管すれば話は別だ。しかし、宰相と接触できる人物は限られている。

「それこそ皇帝陛下の協力があれば……。いや、ともかくセラフィーナとロレンシアの活躍に期待しているよ。祖国の命運は貴女達の働き次第だ」


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