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【淫魔メイドのお仕事】〈レッスン1〉騎乗位のコツを知ろう!

 人間領に潜入した淫魔族のリリスは、大貴族クロニクル伯爵家でメイドとして働いていた。

 人間側の情勢を探る妖艶なる諜報員スパイ。容姿端麗な容貌で異性を誘惑し、巧みな性技で精を貪る淫魔。情報機関での仕事は、サキュバスの天職であった。

 調査を命じられたクロニクル伯爵家は太古の昔、魔王を倒した勇者の末裔とされている。聖剣を引き抜いた人類の救世主。再び勇者が現われれば、増長した人間達は魔族領に攻め入るだろう。

 リリスがクロニクル伯爵家に潜入して半年が過ぎようとしている。

 未だに人間達はリリスの正体が淫魔だと気付いていない。しかし、それよりも重大な秘密が露見しようとしていた。

「あんんっ♥︎ あんぅっ♥︎ おぉっ♥︎ んぉっ♥︎ お゛♥︎ んぅっ! んお゛♥︎ んぅお゛っ♥︎ んぎゅぅうお゛っ~~♥︎」

 豊満なデカ尻をあどけない少年の股間に叩きつける。淫熟した極上の淫魔オマンコは、小さなショタのオチンポから精液を絞り、貪欲に吸い上げた。

 膣内に囚われた男根は、釣り上げられた小魚のように跳ねている

「あゥ⋯⋯! はぁっ⋯⋯!! ん⋯⋯きゅぅ⋯⋯! リリスっ⋯⋯!! 真っ白のオシッコ⋯⋯出る⋯⋯!! もう我慢できないっ⋯⋯!」

 クロニクル伯爵家の若君、たった一人の跡取り息子セナムは幼さゆえに無知だった。

 性知識のない少年は、自分のオチンポから放たれる泥々の白濁液を白い小便と誤認している。

「お出しくださいっ♥︎ さあっ♥︎ お力を解き放つのですぅ♥︎ お坊ちゃん♥︎」

 女性の膣内に射精する意味すら知らぬまま、矮躯をビクつかせ、リリスの淫猥なるオマンコに精子を捧げる。

 可愛らしいショタの男性器は、まだ陰毛が生えていない。大貴族のお坊ちゃんはセックスの知識が皆無。

 大切に育てられた男児の無垢な魂。一点の穢れもない清き幼年者から搾り出した子胤は極上の甘美であった。

「おぉっ♥︎ んぁっ♥︎ んぃいっ♥︎ セナムお坊ちゃま♥︎ そうですっ♥︎ そのまま私の奥にっ! 全てを出し尽くしてくださいっ♥︎」

「う、うんっ! 僕、頑張るっ! いっぱい出すよ⋯⋯!!」

 甲斐甲斐かいがいしく、歯を食いしばって、セナムは射精を敢行する。サキュバスの淫穴に捕食されている子供オチンポはサイズこそ小さいが、精液の濃さと量は大人にも引けを取らなかった。

(しゅごいぃっ~~♥︎ セナムお坊ちゃんの大放精♥︎ ショタの精子♥︎ 犯罪的な美味♥︎ 純情な甘美♥︎ 無垢な魂の旨味ぃっ♥︎)

 欲望を丸出しとなった淫魔の子宮は、ショタのオチンポを貪り喰うように搾精する。リリスはな味だと絶賛するセナムの精液だが、幼年者への性搾取は言い逃れられぬ犯罪行為である。

(あぁ、お坊ちゃん♥︎ 私の下で頑張って腰をヘコヘコ押し上げてる♥︎ 本当に頑張り屋さんだわ♥︎ 可愛い男の子♥︎ あはぁっ♥︎ 食べちゃいたいわ♥︎ もう食べちゃってるんだけどぉ♥︎ やばっ♥︎ いぐぅ♥︎ 私も興奮しすぎて、お坊ちゃまの中出しでイくっ♥︎ オマンコがアクメ決めちゃう♥︎)

 サキュバスの猥らな本性を曝け出したリリスは、アヘ顔で絶頂の快楽を味わった。ベッドに仰向けで臥せるセナムは息切れでぐったりしていた。

「んふっ♥︎ 本日の特訓も頑張りましたね。セナムお坊ちゃん。この調子で頑張ればクロニクル伯爵家に相応しい殿方となれますよ」

 男根に騎乗位で跨がったリリスは、淫尻をグリグリと動かす。陰嚢に蓄えた精子の放出を終えた男根は萎もうとしている。しかし、サキュバスの淫裂はどこまでも貪欲だった。

 尿道に残された出しかけの精子を絞り上げ、萎びようとするオチンポの勃起を煽り立てる。

「ねえ。リリス⋯⋯。僕は強くなれるよね⋯⋯?」

「ご安心ください。セナムお坊ちゃん。教育係である私の言うとおりに特訓を続ければ、絶対に強くなれます」

 ほんのちょっぴりの罪悪感を覚えながらも、リリスはセナムの頭を優しく撫でてあげた。

 魔王を倒した勇者の存在は、カビが生えた伝説だった。勇者の話が大きく動いたのは今からおよそ一年前である。

 王都の大予言者はセナムを勇者の生まれ変わりだと宣言した。時を同じくして、魔族の大呪術師もクロニクル伯爵家の若君が勇者の魂を持っていると魔王に報告した。

 勇者の再誕。しかし、名指しされたセナムは病弱な男の子だった。初めてセナムの実物を見たとき、リリスは拍子抜けしてしまった。

 魔族のなかには勇者が覚醒する前に暗殺してしまえと声高に主張する過激派もいた。しかし、過激派が恐れる勇者の正体は、怖がりな男の子だった。

 食が細く、体格は矮小。運動神経も優れているとはいえず、階段で転ぶのは日常茶飯事だった。

(教育係のメイドとして、クロニクル伯爵家に雇われたのは幸いだったわ。人間領の動向を本国に報告しつつ、セナムお坊ちゃんの様子を見守る簡単な仕事⋯⋯だったのに⋯⋯)

 豊満な乳房の谷間で冷たい汗が流れる。セナムと性交渉に及んでいる事実は本国にも伝えていない。なぜなら、こんな淫行ことは任務で命じられていないからだ。

(魔が差してしまったんだから仕方ないわ。淫魔族のさがには抗えない! だってっ! だってぇ! こんな可愛いショタだと知らなかったんだもの⋯⋯!)

 リリスは性教育の一環みたいなものであると、己の私利私欲を正当化する。

 クロニクル伯爵家の屋敷に潜入した当初、リリスは処女だった。

 きっかけは潜入して一週間が経った頃、風邪で寝込んだセナムを看病していた。汗ばんだ身体をタオルで拭いていたある晩、リリスは一線を越えた。

(セナムお坊ちゃんのオチンポは私を誘ってたわ。間違いない。据え膳食わぬは淫魔の恥⋯⋯!)

 二人きりの寝室。監視の目はない。眼前には風邪で寝込む可愛い少年。美味しそうなオチンポは無防備。気付いたときには無我夢中でしゃぶりついていた。

(芳醇な恥垢に惹かれてしまった私を責められる者がいるかしら? いいえ、絶対にいないわっ!!)

 リリスの冷静な理性は脳に問う。「なぜフェラチオをしたのか? 会って一週間程度の少年。それも弱々しい人間のオチンポ。しかも、重要な潜入任務を命じられた身で、なぜ淫行に及んだ?」まったくもって理屈に合わない。いくら性に奔放なサキュバスだからといって、考え無しに行動しているわけがない。

 その一方、リリスの淫欲は脳に命じる。「そこに勇者の可愛いオチンポがある。何を迷うか? 欲するがままに喰らえ! おそらくは勇者の精通! はじめての射精! 初物は極上の精子である!!」抗いようのない猥らな欲望。サキュバスの本能は理性を圧殺する。

 セナムの初射精が口内に広がった。精液独特の芳醇な苦みと甘塩っぱさ、夢精で苦しそうに喘ぐ無垢な表情。戸惑いながらも腰を浮き上がらせて、未成熟の身体は放精を続ける。

 勇者の精子は美味すぎた。味を占めたリリスは、眠っているセナムの寝室に忍び込み、搾精を繰り返すようになった。

(最初は眠姦だったわ。寝ているセナムお坊ちゃんのオチンポを口淫で貪る日々が続いた。でも、私は耐えられなかった。この子がどうしても欲しかった⋯⋯♥︎)

 立派な勇者となるための英才教育、秘密の特訓と称してリリスはセナムの性調教を始めた。処女膜を破らせるまでに要した期間はわずか三ヶ月。諜報任務そっちのけでセックスにいたるまでの展開を開拓した。

(まだ誰にもバレていないわ⋯⋯。セナムお坊ちゃんは私とのセックスを勇者になるための秘密特訓だと信じ切っている)

 もしリリスの搾精行為が露見すれば、クロニクル伯爵家から追い出されるだけでは済まないだろう。

 リリスの身元は徹底的に調べられ、魔族が送り込んだ諜報機関のエージェントだと判明する。そして、人間領との緊張関係はさらに悪化するだろう。

 ――最悪の場合、戦争の引き金になるかもしれない。

 冷静に考えれば考えるほど、自身のしでかしていることのヤバさが分かる。しかし、もはやリリスは自身を止められなかった。

(ショタ勇者のオチンポはまじでやばぁいっ♥︎ 精子の元気が良すぎるっ♥︎ んほぉっ♥︎ 胎内を游いでるっ♥︎ 子宮が幸せになるぅっ♥︎ 避妊魔法で卵子を保護してなかったら確実に孕まされてるっ♥︎ 少しでも気を緩めたらボテ腹になっちゃう♥︎ 可愛い顔してるくせにっ、精子がエグすぎるわ♥︎)

 ぢゅるりと膣穴からオチンポを引き抜いた。

 まだまだ挿れておきたかったが、ショタの未成熟なオチンポを酷使するのは素人だ。産まれながらのセックス玄人であるリリスは限度を弁えている。

 リリスは騎乗位セックスの証拠隠滅を取りかかっていた。まずは窓を開けて淫行の臭跡を消す。消臭スプレーも忘れずに散布する。

 あとは膣内の精液が垂れてこないように、生理用ナプキンで出口をしっかり塞ぎ、脱いでいたショーツを穿いて、教育係メイドの澄まし顔を作る。

「どうされたのですか。セナムお坊ちゃん?」

 ベッドで身体を大の字に広げて、仰向けに寝込んでいるセナムは、息切れした呼吸をやっと整え終えた。

「⋯⋯ちょっと考えごと」

 頬を赤らめ、惚けた表情で自身の男根を眺めている。勃起力が弱まり、萎びていった。萎んだ亀頭が皮に収納され、尿口の先端だけが露出した状態に戻る。

(考えごと⋯⋯? ご自分のオチンポを注視しながら⋯⋯。あれ? 私のほうも見てる!? まさか気付いてしまった⋯⋯? いいえ、ありえないわ。だって、セナムお坊ちゃんは皆から可愛がられてるご子息。下世話なお話を坊ちゃんにする人間は一人だっていないわ)

 クロニクル伯爵家は長らく子供に恵まれなかった。セナムが産まれたとき、年老いた両親は大喜びした。当然、伯爵家に仕える家臣達も同様だった。

 甘やかされて育ったセナムだったが、性根を腐らせることなく、心優しい男の子に成長した。注ぎ込んだ周りの善意が花咲いたような愛らしい少年。周囲の大人達はますますセナムを可愛がった。

 性知識をまったく知らなかったのも、周囲の大人達がセナムを無垢で清い子供として扱い続けたからである。結果、淫魔リリスという悪い虫が引っ付き、隠れながら蜜を吸っている有様である。

「セナムお坊ちゃん。悩み事があるのなら、まずは私にご相談くださいませ。私はどんなときでもセナムお坊ちゃんの味方ですわ」

「⋯⋯あのね。もしかしたら⋯⋯僕⋯⋯。お父様の子供じゃないかもしれない」

「⋯⋯え!? どうしたんです? なぜそう思うのですか?」

 そんなはずはないとリリスは驚愕する。セナムはクロニクル伯爵の子供で間違いない。

 勇者再誕の予言がなされて以降、魔族達はセナムが本当に勇者の末裔であるかを徹底的に調べたのだ。おそらくは人間側も同様である。

「一昨日⋯⋯王都から帰ってきた父上と会ったの。夕食の後、お風呂に入ったんだけど⋯⋯父上のオチンポは僕のとは全然違うんだ。⋯⋯僕の小さいオチンポは毛だって生えてない。⋯⋯僕は身体も小っちゃいし⋯⋯父上みたいに馬にも乗れない⋯⋯。弱虫なんだ。だから、僕はきっと父上の子供じゃないんだ⋯⋯」

「セナム坊ちゃんは伯爵様の御子で間違いありません。親子は似るものですが、そっくりそのままではないのです。私のオッパイを見てください。とっても大きいですよね?」

「うん⋯⋯。すごく重たそう」

「実際に重たいです。肩が凝ってしまいます。でも、私の母親は胸が小さいです。本当ですよ? まるで俎板まないたのような真っ平らです。言うと怒られてしまいますけどね」

「そうなんだ。親子なのに?」

「はい。間違いなく私を産んでくれた実の母親ですが、親子でバストサイズに天と地ほどの差があります。だから、オチンポの大きさも同じです」

 リリスはセナムの仮性包茎を指先で撫でる。乾いた愛液が陰部の柔肌にこびり付いている。

「ただし、セナムお坊ちゃんはまだ幼いのです。むしろ今から大きいとすぐ成長が止まるかもしれませんよ? 早熟よりは晩熟のほうが大きくなると言われています。クロニクル伯爵家は大器晩成の血筋です。父君の伯爵様も幼い頃は、背が小さかったと聞いております」

「そうなの⋯⋯?」

「ええ。(諜報機関で調べたので)間違いないと保障します。きっとオチンポのサイズは大きくなります。私は小ぶりでもいいですけど。あと数年で陰毛が生え揃い、太々しくなるのでしょうね。人によっては皮被りのままですが、問題なんてありません。必要なときは、剥いでしまえばいいのですからね」

 剥ぐという言葉を聞いて、セナムはビクッと身体を強ばらせた。亀頭と包皮の癒着を剥がしたのはリリスだった。相当な痛みだったらしく、剥いている最中、涙を流していた。

 強い勇者になるための特訓と騙していたが、男根の痛みは幼い少年を間違いなく成人に近づけた。

「焦る必要はありませんわ。人間の成長は恐ろしく早い。身体の成長に負けぬよう、私との秘密特訓を頑張りましょう」

「分かった。頑張る。⋯⋯でも、父上や母上、周りの人には秘密にしてね⋯⋯。乗馬訓練で落馬したから、僕に何もさせてくれなくなったんだ。たぶん、リリスとの特訓もバレたらすぐに止めさせられてしまう」

 セナムは落馬事故で腕を折った過去がある。それ以来、周りの人間はセナムを危険から遠ざけるようになった。

(――くふふっ! 何もかも思い通りッ!! 私が口止めをするのではなく、セナムお坊ちゃんが私を口止めする!! これこそ秘密を守りきる最高の作戦⋯⋯!! くっくくくく⋯⋯! 自分の才能が恐ろしくなってしまうわ)

 秘密特訓の内容が大人達に知られれば、リリスの淫行あくぎょうは白日の下に晒される。しかし、だからといってセナムに念入りな口止めをすればどうなるか。

(いくら相手が幼い子供でも秘密の強要は、絶対に怪しまれるわ。だから、私は誘導した。私の秘密ではなく、これはセナムお坊ちゃんの秘密であるとね。この天才的な名案! 閃いたときはオナニーが捗りすぎてヤバかったわ!)

 セナムは周囲の人間から寄せられている期待に応えたかった。馬にすら乗れず、剣の訓練さえできない弱々しい自分が恥ずかしかったのだ。

 幼い少年の清い想いを狡猾な淫魔は利用する。

(とはいえ、私は鋭い剣の刃先を歩んでいる状況。私が勇者になるための英才教育と称して、性調教を行っている事実は隠し通さなければならないわ。⋯⋯バレてしまえば首になる。⋯⋯もしかすると物理的な首になるかも⋯⋯しれないわ⋯⋯)

 単なる諜報員として捕まった場合、本国はリリスを助けるために人間達と交渉するだろう。まず殺されたりすることはない。しかし、単なる性犯罪者となれば、見捨てられる可能性は高かった。

「リリス⋯⋯。僕の騎乗位は上手になってる?」

「はい。最高の乗り心地でした。大切なのは人間を乗せている馬の気持ちになりきることです。たとえばそうですね。オチンポが私のオマンコに挿入されているとき、セナムお坊ちゃんは怖かったですか?」

「怖くなってないよ。むしろ⋯⋯気持ちが良くて⋯⋯安心しちゃうんだ」

「それはセナムお坊ちゃんが私を信用してくれているからです。もし知らない相手だったらと思ったらどうです?」

「ちょっと嫌な感じ⋯⋯かな。恥ずかしいし⋯⋯」

「よく知らない相手が陰部の真上に跨がってきたら、嫌な感じがします。私もそうです。身体の触れ合いは信頼関係を築けている証なのですよ」

 リリスはにっこりと笑う。無邪気なお子様はこの世に信頼してはいけない大人がいるとは知らなかった。目の前にいるショタ好きの淫魔メイドがまさしくそうである。

「僕はリリスを信頼してる。だけど、お馬さんとは言葉が通じないよ。どうすればいいの? ねえ、リリス。動物と信頼関係を築くにはどうしたらいいのかな。僕はお馬さんに嫌われてる気がするんだ」

 これに関してはクロニクル伯爵家の使用人達に大きな非があった。馬は賢い生き物だ。セナムが特別な人間で大切にされていると周りの振る舞いで気付いている。

 人懐っこい馬がセナムの頭を囓ろうとして、馬番に叩かれたのを覚えている。甘噛みは親愛の証。しかし、飼い主は激怒している。

 ――となれば、賢い馬達はこう考える。

 セナムは触れてはいけないほど、飼い主達が大事にしている存在。近づいてはならないし、背中に乗せるなど絶対にあってはならない。

 そのあたりの事情に気付いているのはリリスだけだった。魔族が送り込んだ間諜の目線だから分かった。クロニクル伯爵家の家臣は、一人息子のセナムを大事にしすぎている。

「私に跨がられていると重たいですよね?」

 くっきりとしたくびれのヒップラインは重みがある。肉厚で重量感たっぷりの豊尻は、セナムの細腰を押し潰してしまいそうだった。

「うん。ベッドに身体が沈み込むくらい重たかった。リリスの体重が全部、乗っかってくる感覚⋯⋯。僕の力じゃ、とても支えきれなかった」

「ですが、私の動きに合わせたときはどうでしたか? セナムお坊ちゃんの細い腰で、私の大きなお尻を持ち上げたでしょう?」

 射精の瞬間、リリスの巨尻は羽毛のように軽くなった。それまでがっちりと股間にのし掛かっていた重さが消えたのだ。

「あのときだけは軽かったんだ。なんていうか、水中で浮かび上がるみたいな感覚⋯⋯。軽くなったリリスをどこかに運んでいける気がした」

「乗馬の心得は人馬一体です。騎兵の名手は、馬の動きに合わせて身体を動かします。そして、馬のほうも、乗り手に合わせて走るのです。今夜のセナムお坊ちゃんは間違いなく名馬でしたわ♥︎」

「⋯⋯良かった。僕は名馬になれたんだ。この気持ちを忘れなければ馬に乗れるよね?」

「ええ。絶対に乗りこなせますわ。もう遅い時間です。そろそろ寝ましょう。セナムお坊ちゃん」

「うん。おやすみなさい」

「おやすみなさい。セナムお坊ちゃん。――明日の夜にまた特訓をしましょうね♥︎」

 特訓の約束をしてリリスは、セナムの部屋を抜け出した。

 表向きのリリスは教育係メイド。クロニクル伯爵家の若君に勉強を教える家庭教師である。セナムの部屋に頻繁に出入りしていても、怪しまれはしなかった。

(ふぅ⋯⋯。まぁ、これでも仕事はちゃんとこなしてるわ。本国に情報を送っているし、セナムお坊ちゃんの教育だって手は抜いてない)

 肉体関係を築いている点は本国に報告しておらず、セナムの勉学に関しても性知識に関する教育は避けている。

「おや? リリス君。若様のお勉強は終わったのかね?」

 私室に戻ろうと廊下を歩いていると、執事長のセバスティアナに呼び止められた。リリスは表情にこそ出さなかったが、この目聡い女執事が苦手だった。

(うわっ! セバスティアナ⋯⋯! 事あるごとに突っかかってくるんだから⋯⋯。最悪のタイミングで遭遇しちゃった。猜疑心を擬人化した女。気をつけないと⋯⋯私の正体を疑っているのかもしれないわ)

 噂によればリリスが雇用される際も、セバスティアナだけは反対意見を伯爵に上申したと耳にした。

「はい。もう遅い時間ですので切り上げて参りましたわ」

「勉学は良いものだ。博学篤志――ひろく学び、あつこころざす。知識は必ず力となる。それで、今宵は若様に何を教えたのかな?」

 騎乗位セックスでの腰使いを教えていた、と素直に言えるはずがなかった。

 執事長のセバスティアナは剣技の達人。正体が知られればリリスは一刀両断されかねない。

「発育について教えましたわ」

「⋯⋯発育?」

「はい。上面うわつらだけの知識は付け焼き刃です。実を伴わない教育では、内面がいつまでも幼稚なまま」

「それと発育になんの関係があるのかね?」

「セナムお坊ちゃんは、ご自分が伯爵家の血を引いているのかと悩んでおりました。実は――」

 リリスは男性器の大きさや形状についての話は伏せて、セナムが抱えいた悩みをセバスティアナに伝えた。

「⋯⋯なるほど。若様はそれを思い悩んでいたのか。確かに伯爵様と会われてから落ち込んでる様子であられた。体格の大きさか。子供らしい悩みではあるな。それで発育か?」

「ええ。その通りです。クロニクル伯爵家の殿方は晩熟と聞いております。しかし、仮に背が伸びずとも良いのです。身体ばかりが大きく、勇気の小さい者は小人です。しかし、小さな身体に大きな勇気を抱く者は、偉大な人物となれるでしょう」

「その通りだ。若様は勇者の生まれ変わり。大きな勇気を心に宿されている御方だ」

「だというのなら、教育係のメイドとして申し上げます。そろそろ乗馬の訓練をするのはいかがですか?」

「⋯⋯いや、ダメだ。奥方様も快く思わないだろう。新参のリリス君でも耳にはしているはずだ。万が一にでも、落馬で怪我をされたら、どうするつもりだ? あのような出来事が再び起こってはいけない」

「セナムお坊ちゃんがやりたくないというのなら、無理強いすべきではありませんね。しかし、挑戦する勇気をもっているにも関わらず、周りの家臣が臆病で機会を与えてくれない。後世でと誹られかねませんよ?」

「知った風な口を叩くな。メイド如きが差し出がましいぞ⋯⋯! 若様との付き合いは私のほうが長いのだ。⋯⋯伯爵様と奥方様はリリス君を教育係に任じた。しかし、武芸の訓練はメイドの領分ではない。身の程をわきまえたまえ」

「大変失礼いたしました。執事長セバスティアナ様の領分でございましたね」

 執事長のセバスティアナは元王国騎士。女性の身でありながら、王国で五指に入る剣豪であった。才色兼備、文武両道とはまさしく彼女のためにある褒め言葉だ。

 そもそもセナムの教育係は執事長のセバスティアナが務める予定だった。しかし、落馬事件でセナムが腕を骨折し、息子を溺愛する奥方は新しい教育係を雇い入れた。

 父親である伯爵はセバスティアナに続投させたかった。しかし、奥方は危険な戦闘訓練を受けさせるのにそもそも反対だったようだ。

(教育係の仕事を奪った私が気に食わないのでしょうね。まるで私をクロニクル伯爵家に入り込んだ敵のように⋯⋯ん? あ! そういえば私は敵でしたね。あはははは⋯⋯)

 勇者暗殺を目論む過激派ではないものの、魔族が送り込んだ間諜には違いなかった。

「⋯⋯だが⋯⋯しかし⋯⋯若様が望むのなら⋯⋯、けれど、奥方様は⋯⋯⋯それでも伯爵様は⋯⋯」

 ぶつぶつと呟きながら、執事長のセバスティアナは夜の廊下を歩いていった。その後ろ姿をリリスは無言で見ている。重心が微塵もぶれない武人の歩き方だ。

(騎士のくせにうじうじ悩んじゃって。あの根暗は治らなさそう)

 産まれた直後から戦闘訓練を叩き込まれた人間なのは明らか。魔王城で擦れ違う武闘派の将軍もあんな感じだった。

(はぁ。――ぶつくさ言わず、セナムお坊ちゃんにやらせてあげればいいでしょ。まったく!)

 リリスはちょっとだけ機嫌を損ねた。セバスティアナに付き合いが短いと指摘されたが、今や毎晩のようにセックスする男女の仲だ。過ごした時間は短いが、誰よりも濃厚な交流をしている。

(執事長は知らないのでしょうけど、セナムお坊ちゃんはもう立派な男よ。小さいオチンポで淫魔のオマンコを征伐してしまう勇者。「あれはできない」「これは早すぎる」「危険だからダメだ」そうやって馬鹿な決めつけをしているのは周りの大人達。セナムお坊ちゃんは馬くらい乗れるわよ。貴方達は何も分かっちゃいない)

 リリスは下腹部をさする。子宮で游ぐセナムの精子を愛でずにはいられなかった。

(セナムお坊ちゃんは未だに成長途中⋯⋯。本当に末恐ろしいわ。私は最上級の淫魔。相手が強大な魔族だったとしても魂ごと搾精してしまう。私の父親もそれで命を落とした。けれど、セナムお坊ちゃんは気絶すらしない。小さな見た目からは想像できない底無しの生命力だわ⋯⋯♥︎)

 膣内射精で注がれた勇者の子胤。この味を知ってしまったら、もはや他の精子では満足できなくなる。諜報任務を忘れてしまうほど、勇者のオチンポは凄まじかった。

 ◆ ◆ ◆

 クロニクル伯爵邸の庭で二頭の馬がゆっくりと駆けている。その様子を窓際で観察しているリリスは、久しぶりに本当の姿に戻っていた。

 遠く離れた本国と連絡を取る際は、淫魔の本性を解放しなければ、魔力不足に陥ってしまう。

「――定時連絡は明日のはずだ。何が起きた?」

 鳥籠とりかごで飼われている白い羽毛のカラスが人語を喋った。白鴉の正体は魔族が飼い慣らした妖獣、三眼の八咫烏であった。

 魔力を与えると遠方にいる同族と繋がり、言葉を伝達してくれる。

「クロニクル伯爵家で大きな動きがありました」

 リリスが本国の上司に情報を送る際は必ず八咫烏を使う。指示を受け取る際も同様だ。手紙などと違って証拠は残らず、検閲などで内通が露見することもない。

「セナムがついに勇者の力を覚醒させたか?」

「はい! セナムお坊ちゃんが馬に乗りました⋯⋯! 特訓の成果です! 手綱を操って馬を制御できています!! すごい、庭の端っこまで!」

「は⋯⋯? 馬⋯⋯?」

「私に嫌味を言ってくる執事長が大喜んでるのは気に入りません。⋯⋯だけど、セナムお坊ちゃんが馬を乗りこなしてるのは嬉しいです! 言っておきますけど、絶対に私のおかげです! 報告書にもそう書きますからね! ていうか、前回の落馬事故はセバスティアナの教え方が不味かったんですよ!」

「ちょっと待て、落ち着けリリス⋯⋯。お前はさっきから何の話をしとるんだ?」

「聞いてなかったんですか? セナムお坊ちゃんが初めて馬に乗っているんです。まだちょっと怖がっていますが、クロニクル伯爵邸の庭を駆けています。やっぱりセバスティアナの指導が悪いんです。あぁ、じれったい! 私が教えてあげたい!」

「⋯⋯勇者が初めて馬に乗った。そうか。なあ、お前なぁ。そんなことで緊急連絡してきたのか? こっちは深夜の二時だぞ!」

「はぁ!? 何を言ってるんですか!? セナムお坊ちゃんの動向を逐次報告するのが私の任務です! ついにトラウマを克服して馬に騎乗してるんですよ! ちゃんと本国でも記録してください!」

「確かにそういう任務だが⋯⋯そうではなくてだな⋯⋯はぁ⋯⋯。まあいい。ついでだ。こちらの情勢も伝えておくぞ。勇者の暗殺を企んでいた過激派集団の指導者を逮捕した」

「えぇ!? セナムお坊ちゃんを暗殺!? ⋯⋯死刑にしましょう。なんなら私が処してもいいですよ。即、処刑! 情状酌量の余地なし! 万死です!!」

「⋯⋯お前はどっち側でそれを言ってるんだ」

「クロニクル伯爵家のメイドとして言っております!」

「お前はクロニクル伯爵家のメイドではなく、情報機関の諜報員だ。自分の本職を忘れるな。⋯⋯だが、勇者の暗殺は魔王様も望まれていない。緊張関係にはあるが、人間領との平和的関係を維持する方針だ」

 太古の昔、人間を虐げた魔王は勇者に倒された。魔族は人間を弱小種族と蔑んだが、勇者は魔王を打倒し、人間族の独立と自治を認めさせた。

 勇者は伝説の英雄となった。現代に至り、錆び付いた伝説は蘇った。

 人間と魔族、双方に平和と争いを望む者達がいる。勇者の力で人間領を広げようとする人間。勇者の力が覚醒するまえに殺せと叫ぶ魔族。

 ――そして平和を維持するため、影で暗躍する者達。

「⋯⋯馬鹿な過激派の取締りは続ける。この時期に人間領との揉め事は不味い。関税に関する通商交渉が始まる矢先だ」

「ああ、そういえば鉄鉱類の関税撤廃は受け入れてもいいと王都で話し合ってるそうです。クロニクル伯爵が屋敷に戻ってきたとき、そんな話を小耳に挟みました」

「おいィ⋯⋯! 諜報員ならむしろそっちを緊急連絡しろ!!」

「私の任務は勇者を見守ること。経済関係は職務外です!」

「⋯⋯お前⋯⋯最近なんかおかしくないか?」

「私はこの上なく正気ですよ。ともかくセナムお坊ちゃんに危害を加えるような魔族が現われたら、私が責任をもって始末します」

 断言した当の本人が性的加害者であるとは、上官も気付いていなかった。

「気張ってるところ悪いが、おそらく誰も勇者は殺せない。少なくとも魔族では不可能だ」

「不可能⋯⋯? なぜ言い切れるのですか?」

「歴代の魔王に語り継がれる口伝でそう言われている。勇者を殺そうとしても運命に阻まれてしまう。勇者の暗殺を企んだ過激派集団は何度か失敗してる。クロニクル伯爵家のセナムは間違いなく勇者だ」

「暗殺失敗⋯⋯? 私がクロニクル伯爵家で働き始めてから、セナムお坊ちゃんに命の危機が迫ったことなんてありません」

 普通の人間が相手なら確実に死んでしまう搾精セックスを繰り返していたサキュバスの発言である。己の所業を棚に上げ、過激派への嫌悪を滲ませていた。

「暗殺が実行されたのはリリスが潜入する前だ。吹き矢で毒殺しようとしたが、急に馬が暴れて毒矢は外れた。さっきリリスが口走ったろ。落馬事故で骨折したとか。その時の話じゃないか?」

「え⋯⋯? ってことは偶然?」

「勇者は豪運だ。単なる偶然と言えるが、運命操作に近いことをやってるのかもしれん。他にもいろいろと勇者は凄いぞ。過去の文献や口伝を研究者に調べさせてる。なんて逸話もあった」

「セナムお坊ちゃんは賢い子供ですが、そういう超常的な力は確認してませんけどね⋯⋯。私の正体が魔族だとは分かっていませんよ」

「聖剣が近くにないからかもしれんな。勇者の力が完全になるのは聖剣を握ったときだ。聖剣が行方知れずで助かってるよ。巨大な力で調子づいた人間達が良からぬ野心を抱きかねない」

「言っておきますが、クロニクル伯爵家の方々は私達や魔王様と同じ立場です。魔族との戦争は望んでいません」

「クロニクル伯爵家が鳩派で助かってる。だからこそ、怖くもある。たとえばクロニクル伯爵家が魔族に襲撃されて、鷹派に転向したら、全ての事情が変わってくる。リリスの報告によれば、勇者は両親や家臣から溺愛されているのだろう」

「ええ。セナムお坊ちゃんに傷一つでも付けたら、絶対に私達は許しません。誰だろうと全力で潰してやります」

「だから、お前はこっち側だろ⋯⋯。しかし、傷物にするなというのは正しい。せっかく勇者の教育係メイドとなれたんだ。今後のこともある。魔族に対する姿

「はい。姿は私も好きです。そろそろ魔力が限界ですので、八咫烏の通信を終わらせますね」

 リリスが魔力供給を止める。八咫烏は額の三眼を閉じた。これで外見上は妖魔と分からなくなった。誰かに見られてもペットの白鴉と言い逃れられる。

「ふぅ。――決めました!」

 急に大声を出したリリスに八咫烏はビクついた。そして、その後に続いた猥言で困惑を深める。

「今晩は正常位! セナムお坊ちゃんに正しいセックス体位を教え込んであげます♥︎ 正しい姿勢でたっぷり植え付けさせてあげますよぉ♥︎ あぁ~んぅ~♥︎ オマンコが高鳴るっ♥︎ はやくお勉強の時間にならないかしら♥︎」

 妖魔の八咫烏は飼い主の秘密を守る。しかし、リリスの言動にはドン引きしていた。

「あぁ⋯⋯♥︎ 我慢できない。ちょっとだけオナニーしちゃおうかしら♥︎」

 窓ガラスにへばり付いたリリスは、愛しの少年に熱い視線を寄せる。淫裂から流れ出た愛液がショーツの生地をびっしょりと濡らす。

(セバスティアナったら、乗馬を教えた程度で満足げな顔をしちゃって⋯⋯! 私は貴方の知らないセナムお坊ちゃんを知ってるのよ? 騎乗位で射精したとき、どれほど可愛い顔をしてるか。知ってるのは私だけなんだから⋯⋯♥︎)

 卑猥な舌舐めずりが止まらない。舌先が窓ガラスを濡らし、吐息で表面が曇った。

 巨尻の谷間から生えた淫魔の尻尾は荒ぶっていた。

 ◆ ◆ ◆

 クロニクル伯爵の夫人にして、セナムの実母は眼を細める。

「――そう。教えてくれてありがとう。私から釘を刺しておくわ。まさか夜な夜な、隠れてしているとはね」

 洗濯係メイドから報告を聞き、愛する息子の身に起きた出来事を察した。

「ですが、セナムお坊ちゃんは新任の教育係メイドに懐いております。急に引き離すのは⋯⋯」

 異変に勘付いた洗濯係メイドは、クロニクル伯爵家の衣類を洗う上級使用人であった。大貴族ともなれば、使用人の仕事は事細かく専業化されている。

 室内で過ごすことが多いセナムの衣類は綺麗だった。夏場でさえ、汗の匂いがしなかった。

 ところがだ。教育係メイドのリリスが働き始めてから、汗でびっしょりと下着が濡れるようになった。

 朝に下着を替えるようになったので、セナムは一日に二枚のシャツとパンツを洗濯に出す。

 湯浴みを終えて、寝間着に着替えた後、汗まみれになるような行為をしている。その時間帯、セナムと過ごしている人物は教育係メイドのリリスだけだった。

「息子と話しますわ。事実を確かめてから、リリスを呼び出します。リリスは私が雇い入れた女性です。夫は教育係にセバスティアナを指名していたけれど⋯⋯。物事というのは上手くいきませんわね」

「奥方様⋯⋯」

 伯爵夫人は複雑な心境でバルコニーから庭を見下ろしていた。馬を乗り回す息子は笑顔を浮かべている。執事長のセバスティアナに指導されながら、手綱の動かし方を習っていた。

「余計なことをすれば伯爵家から叩き出す。雇ったとき、リリスにはそう言いつけたのだけども⋯⋯。本当に残念ですわね」

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