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出版社17社と2団体が共同声明 生成AIの「著作権侵害を容認しない」 オープンAI社「Sora2」のオプトアウト方式に懸念

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 大手出版社を含む17社、日本動画協会と日本漫画家協会の2団体は10月31日、「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」を発表した。オープンAI社が9月30日にリリースした映像生成AI「Sora2」は、権利者から申請がない限り著作物を自由に学習できるオプトアウト方式を採用し、日本の有名作品と類似する画像・映像がネット上で拡散され、クリエイターから著作権侵害の声が上がっていた。

 今回共同声明では「我が国の著作権法の原則のみならず、世界194ヵ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反する」と懸念を示し、「著作権侵害を容認しない」と強調。生成AIをはじめとした新しい技術を拒絶するものではなく、生成AIの学習データと生成物について、①学習段階および生成・公表段階の両方において、著作権法の原則に沿って権利者に必要な許諾を得る等の対応をAI事業者が取る ②学習データの透明性が担保されている ③権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元が行われることを求めた。

 権利侵害に対する姿勢として「生成AIを活用しているか否かを問わず、著作権侵害に対して法的・倫理的観点から適切に行動する」と表明した。

 映像生成AI「Sora2」については、CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)が10月28日に要請書を提出。また、10月31日に集英社が単独で生命を発表。著作物を事前の承諾なく学習データに利用するオプトアウト方式への懸念が広がっている。


オプトアウト方式とは?

 オプトアウトとは権利者が拒否する意思表示をしない限り、「同意があったものとみなす」方法。主に無料メールマガジンの配信などで用いられ、ユーザーが受信拒否をしない限り、メールを送信できる企業優位のシステム。一方で事前に同意する必要がある方式をオプトインという。

オプトイン方式オプトアウト方式
初期状態利用できない利用できる
権利者の意思表示許諾すれば利用開始拒否すれば利用停止
オプトイン方式オプトアウト方式
日本の著作権法事前承諾が原則著作物のAI学習利用は認められている。
〈第三十条の四〉の但し書きにより「当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合」は適用されない。
アメリカの著作法事前承諾が原則個別規定なし。
フェア・ユースがオプトアウト方式に適用されるか?
日本政府はオープンAI社に「オプトアウト」方式の是正を要請している

生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明

2025年10月31日

1.経緯と現状認識

2025年10月、OpenAI社から映像生成AI「Sora2」がローンチされ、同AIを用いて生成された画像・映像がSNS等で公開・送信されました。これらの画像・映像の中には、著名な創作物や表現への依拠性・類似性が強く疑われるものが散見されました。

OpenAI社は「Sora2」において、権利者から明示的なオプトアウト申請がない限り著作物が生成・公開・公衆送信されるシステムを採用しました。このことは、我が国の著作権法の原則のみならず、世界194ヵ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反すると私たちは認識しています。

「Sora2」についてはOpenAI社の経営者個人がSNS上でオプトインへの転換を示唆したものの、これが企業としての正式な方針なのかどうかは現時点で確認されていません。さらには「第二、第三のSora2」とも言うべき新たな生成AIが登場することも容易に予見されます。

以上をふまえ、私たちはコンテンツ産業の一員として原則的立場を改めて表明する必要があると判断し、本声明を公表することとしました。

2.基本的な考え

私たちは生成AI技術の進展を歓迎し、その可能性を正しく活かすことで、より多くの人々が創作の喜びを分かち合える社会が望ましいと考えています。一方で、著作権侵害を容認しないという原則を改めて確認します。文化的創造の持続可能性と技術革新の恩恵を両立させるためには、生成AIによって人の創作物が学習され、新たに生成物が創出される際、以下の原則が遵守・実行されるべきだと考えます。

①学習段階および生成・公表段階の両方において、著作権法の原則に沿って権利者に必要な許諾を得る等の対応をAI事業者が取る
②学習データの透明性が担保されている
③権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元が行われる

加えて、生成AIの利用者が他者の著作物をもとにしたことを知らずに生成物を作成・公開し、結果として他のクリエイターの権利を損なう状況を防ぐことも、私たちは必要と考えます。このためには、権利者とAI事業者、関係省庁をはじめとしたステークホルダー間の連携・協力が不可欠です。

3.現時点での懸念

•権利者によるオプトアウトが原則では権利侵害につながる

権利者の明示的な使用許諾なく、生成AIがアニメや漫画等の著作物を学習し、特定の作品を再現した映像等の生成・公開が可能なシステムを提供することは、著作権法の「権利者の許諾を得てから利用する」という原則に反する行為です。この原則に基づき、権利者がAI事業者へオプトアウトを申請するのではなく、AI事業者が権利者に対してオプトインを申請し使用許諾を得ることの徹底が、いま一度求められます。

•データの学習段階における透明性担保が不十分である

生成AIが学習するデータにおいて、どの著作物や表現をもとに生成されたかが不明なままでは、権利侵害の検証が困難であり、創作への信頼の基盤が損なわれます。また、作品のイメージや創作者の評価を毀損する悪質な行為に適切に対応するためにも、生成AIが学習するデータの透明性担保は不可欠です。

4.権利侵害への対応

私たちは、生成AIを活用しているか否かを問わず、著作権侵害に対して法的・倫理的観点から適切に行動します。この姿勢は、生成AIをはじめとした新しい技術を拒絶するものではなく、創作に携わるすべての人の努力と尊厳を守るための責任であると考えています。同時に、現在まで続くインターネット文化がそうであったように、利用者の創意や遊び心を尊重しながら、クリエイターとユーザーの双方が安心して創作・利用できる環境を整えることを重視します。

5.今後に向けて

これからも私たちはコンテンツ産業の一員としてクリエイターに寄り添いながら、著作物や創作物の「利用と保護」の両立を模索します。このために業界内外のステークホルダーと協調・協力し、AI時代における公正で透明、かつ持続可能な創作環境の構築・維持に努めます。

【共同発出者】(五十音順)
一般社団法人日本動画協会※1
株式会社秋田書店
株式会社一迅社
株式会社宙出版
株式会社KADOKAWA
株式会社コアミックス
株式会社講談社
株式会社小学館
株式会社少年画報社
株式会社新潮社
株式会社スクウェア・エニックス
株式会社竹書房
株式会社TOブックス
株式会社日本文芸社
株式会社白泉社
株式会社双葉社
株式会社芳文社
株式会社リイド社
公益社団法人日本漫画家協会※2

※1我が国のアニメーション製作業界の意思を統合し、関連する諸企業・団体との連携を保ち、アニメーション産業全体の持続的発展を目指している。正会員43社・準会員58社。理事長・石川和子(日本アニメーション株式会社代表取締役社長)

※2健全なる漫画の普及に関する事業を行うと共に、漫画創作活動を奨励し併せて諸外国との漫画文化の交流を図り、漫画に関する調査研究を行い、もって我が国文化の発展に寄与することをもって目的とする。会員総数:4,013名(うち賛助会員51法人、名誉会員4名)、正会員3,958名(2025年9月30日現在)。理事長・里中満智子


【CODA】OpenAI社に「Sora 2」の運用に関する要望書を提出 

 CODAは会員社からの要請に基づき、2025年10月27日、OpenAI社に対し、同社が2025年9月30日よりサービスを開始した「Sora 2(sora.chatgpt.com)」の運用に関して要望書を提出しました。

 CODAは、Sora2において日本の既存コンテンツまたはそれに酷似する映像が多数生成されている事実を確認しており、これらは日本コンテンツを学習データとして取り込んだ結果に起因すると判断しています。また、Sora 2のように特定の著作物が出力として再現・類似生成されている状況においては、学習過程での複製行為そのものが、著作権侵害に該当し得ると考えます。

 さらに、報道などによれば、著作権者からの申請によるオプトアウト方式で対応している旨の説明がなされていますが、日本の著作権制度においては、著作物の利用には原則として事前の許諾が必要であり、事後的な異議申し立てによって侵害責任を免れる制度は存在しません。

 今回、CODAが提出した要望は以下の通りです。

【要望内容】
1. Sora 2の運用において、CODA会員社のコンテンツを無許諾で学習対象としないこと
2. Sora 2の生成物に関連する著作権侵害についてのCODA会員社からの申立て・相談に真摯に対応すること

 CODAは、AI技術の健全な発展と、クリエイターおよび権利者の権利保護の両立が図られるよう、会員社と連携しつつ、OpenAI社に対して誠実な対応を求めてまいります。


CODAについて

 CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。

引用:CODA公式サイト(2025年10月27日)


【集英社】生成AIを利用した権利侵害への対応について

2025年10月31日

この秋、生成AIの新たなサービス(OpenAI社・Sora2)のリリースとともに、著名なコンテンツの類似映像がネット上で大量に発生しました。アニメやキャラクターの著作権を侵害するそれらの動画は、AI による学習をベースとして生成されています。生成AIの進化により、より多くの人々が創作の喜びを分かち合い、創作物を享受できるようになる社会は歓迎されるべきですが、それが、心血を注いで作品を作り上げた作家の尊厳を踏みにじり、多くの人々の権利を侵害することのうえに成立してよいはずはありません。

生成AIサービスを提供する側が、その責任のもと、早急に「オプトアウト方式」以上の実効的な侵害対策、権利者に対する救済策を打ち出さない限り、コンテンツ産業の基盤を揺るがし続ける生成AIサービスを利用した侵害のスパイラルは止まらない段階にきています。法整備を含め、コンテンツ保護に向けた国家レベルでの対応も不可欠です。

弊社は、生成AIの利用の有無に関わらず、弊社の作品に関わる権利を侵害していると判断したものについては適切で厳正な対応を取っていくとともに、著作権者並びに関係団体と連携・協力して持続可能な創作環境の構築・維持に向けた活動を積極的に行ってまいります。

株式会社集英社(引用元

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