——アルテナ王国の国主セラフィーナ女王は、虜囚に身を堕としていた。
アルテナ王国の都ムーンホワイトは、メガラニカ帝国の占領下にある。君主の居城・白月王城では占領軍の軍旗が靡いていた。
城内に戦後の統治政策を決定する総督府が置かれ、高等弁務官の指令の下、アルテナ王国の要人は人質として軟禁されている。
女王セラフィーナは大陸の果てにまで評判が届く、絶世の美貌を持つ紅裙である。美麗は衰えを知らず、一男一女を産み落とし、三十六歳の母親となった現在も、容姿に老いが顕れていない。
王子と王女。二人の子供を産み育て上げた経産婦でありながら、艶美な女体は肉付きの豊かさを保ち、むしろ熟し切った今こそ、色気の全盛期なのでないかと感じさせるほどだった。
大きく盛り上がったバストと、腰の括れを際立たせる豊満なヒップ。淫魔族さえも妬むであろう絶妙なボディバランスは、異性の欲情を煽るためだけに造詣された芸術品のようだった。
もっとも女体の魅力に惹かれこそすれ、清純なる女王セラフィーナに対し、不純で下劣な欲情を抱く者はごく少数である。
慈愛深き国母として、国民からの敬愛を一身に受け止める英姿は、まさしく完成された聖像そのものだ。
優雅な黄金髪は、王族の風格を存分に示し、下世話な妄念を近付かせない威厳があった。
「——んぅッ! んぃっ! ぃあッ、んあぁっッ!」
苦悶の色が混じった生々しい雌の嬌声が聞こえる。天蓋付きのベッドで、身体を重ね合う男女の裸体を照らすのは、弱々しく光る暖炉の火だけであった。
激しい前後運動で黄金色の長髪が掻き乱れる。淫熱を帯びた純白の肌から汗の雫が滴り落ち、純白のシーツに染みを作る。
「やっ、やめっ⋯⋯っ! もうっ、だめぇっ! お願いですからあぁっ、んひぃぅっ!!」
仰向けに押し倒された女王は腰を深く沈め、迫ってくる少年を押し退けようと、精一杯の抵抗を演じる。けれど、あまりに弱々しい抗いは、意味を成していなかった。
香炉から溢れる甘い香りは、雌の発情心を煽り立てる。
寝室は催淫香で満ちていた。貞淑な人妻すらも肉欲の虜とする娼毒。泥酔状態に近しい脳は、正常な判断力と理性を惑わせ、不義を拒絶する清い心を衰弱させる。
——アルテナ王国の女王セラフィーナは強姦されていた。
強引に身体を向き合わせ、正常位でセラフィーナの膣穴に陰茎をねじ込ませているのは、年端もいかない矮躯の少年であった。
愛らしさの残る童顔、純白のくせ毛、暗褐色の肌。小生意気な可愛さを振りまく少年は悪戯好きな子猫を思わせた。
「オマンコの具合はどうかな? 女王様は僕の子供オチンポ如きじゃ満足できないのかなぁ? こんなに愛液でグジュグジュなんだから、僕のオチンポを愉しんでくれているよね?」
「ああぁっ! んぅうぁあっ♥︎ おね⋯⋯ッ! おねがいぃっ! もうっ、こんなことはらめぇええ⋯⋯ッ♥︎」
「子宮がピクピクって痙攣してるよ。旦那さんの粗チンだと、ここまで届かなかったり? 生娘みたいな反応をしちゃうんだね。身体がセックスに馴れてないのがバレちゃってるよ。女王様!」
少年は年相応に華奢な体躯である。女王に比べて背丈は低く、肥満ではないが筋骨隆々でもない。しかし、股間からは巨大な陰茎が生えていた。
少年が上下に腰を動かす度、黄金色の陰毛で囲われた肉壺の入り口は、膨張した肉棒で押し広げられる。亀頭が子宮口に激しく撃ち込まれた。
「んあッ♥︎ あぅ♥︎ あぅう♥︎ あぅん♥︎ あぅんんっ♥︎ あっんんゅ♥︎♥︎♥︎」
大きな体格差がある子供と大人のセックスだというのに、主導権は常に少年が握っていた。大きな牝馬を手綱で支配する騎手のように、女王を太々しい男根で調教する。
——もしも、アルテナ王国の人々が、陵辱を受ける国母セラフィーナの姿を見てしまったら、何を考えるだろうか?
——もしも、夫のガイゼフ王が、自分以外の男に抱かれている愛妻セラフィーナの姿を見てしまったら、何を思うだろうか?
——もしも、我が子のリュート王子とヴィクトリカ王女が、痴態を晒す実母セラフィーナの姿を見てしまったら、何を感じるだろうか?
「あぁんっ! あんっ、あああっ、んっぁあああっ⋯⋯♥︎」
陰茎を咥えた蜜壺から、粘性の高い愛液が滲み湧く。
淫らなよがり声の囀りに混じって、結合部からはクチュクチュと卑猥な水音があがる。
不貞の情交はセラフィーナの良心を痛めつける。だが、それとは無関係に女陰の快楽神経は刺激されてしまうのだ。
極太の亀頭で膣穴をめちゃくちゃに掻き混ぜられ、セラフィーナは処女の如き甘い声で喘いだ。女陰から漏れた愛液は泡立ち、白濁色の混じった淫汁が陰毛を汚していった。
——穿たれた女陰から立ち上る濃密な淫臭。
それは少年がセラフィーナのオマンコに幾度も射精を行った証である。少年が子胤を放った回数は四回。そして、セラフィーナが絶頂に達した回数も四回だ。
悪趣味な少年は、セラフィーナがオーガズムの絶頂に至ったタイミングにあわせて子胤を吐き出していた。
三回目の射精で、そのことを理解したセラフィーナは、無理矢理にでも欲情する身体を鎮めようとした。しかし、少年の巧みな性技によって四回目の絶頂に導かれ、大量の精子を注がれてしまった。
もはや忍耐力は意気地を失う。押し寄せる喜悦に飲み込まれ、恍惚を感じながら、悦楽の荒波に身を攫われる。
若々しい盛った雄の求めに応じようとする子宮は、貪欲に五回目の性的絶頂を求めた。セラフィーナの昂ぶりを感じ取った少年は、ピストンのサイクルを速める。
「そろそろだね。オマンコの陰唇がヒクついてる。膣圧も上がってきた。柔らかいけど、イク間際はすごい締め付けをしてくる。僕も気持ちいいよ。だから、女王様のオマンコに元気な精子をいっぱい出してあげる♪」
女王を犯す少年は、愛嬌たっぷりの口調で膣内射精を予告した。小さな体躯の自重を乗せて、膣道の襞を押し退ける。ぐりぐりと奥深くまで侵入した肉棒が、子宮の最奥部を刺衝する。
「だめっ! もうやめッ⋯⋯、膣内はもうだめぇ、だめえぇぅッ!」
セラフィーナの子宮口に、少年の尿道口が接吻する。亀頭が膨張し、卵子を求める貪欲な子胤が注ぎ込まれた。
「くっ⋯⋯! イっちゃいなよ⋯⋯! 女王様⋯⋯! 僕のオチンポもイくからさ⋯⋯ッ!!」
「あんッ、ぁあぁぁッ⋯⋯! あぅうっ⋯⋯!!」
セラフィーナの意思に反して、生殖器の結合部は固く結び合う。ヒクヒクと痙攣する女陰が肉棒に絡みつき、陰嚢で生成される精液を搾り取る。
「あっ⋯⋯あっ⋯⋯ぁぁあ⋯⋯!」
挿入されている陰茎は膨張と収縮を繰り返し、断続的な放精が続く。
大量の子胤が濁流となって入り込み、セラフィーナは自分の子宮に熱が籠もっていくのを感じ取った。
「どうして⋯⋯こんな⋯⋯っ! うぅっ、うっ、ううぅっーー!」
抗いようのない性的な絶頂を終え、幾ばくかの冷静さを取り戻す。
愛する夫を裏切って、間男から種付けされている。不義の罪悪感から、セラフィーナは悲哀の涙を流し、陵辱されるがままになっている我が身の不幸を嘆いた。
「女王様のオマンコはすごく綺麗だ。子供を産んだお母さんとは思えないくらい初々しくて可愛い。セックスの反応も初体験の処女みたいだった。ねえ、旦那さんとは気持ちいいセックスをしてこなかったの⋯⋯?」
セラフィーナの弱り切った心をさらに甚振る。その最中、膣内への射精は続いていた。
女性の尊厳を傷つけられ、セラフィーナは悲痛な嗚咽を漏らす。
女王の貞操を蹂躙した少年は、溜め込んだ色欲を余すところなく吐き出し、誇らしげな笑みを浮かべていた。
「うん。オマンコがきゅんきゅんしてる。女王様の身体には淫魔の血でも流れてるのかな。それか僕と身体の相性がいいのかも? どっちにしてもさ、こんなに精液をあげたのにまだ足りてないみたい。欲張りなオマンコだね」
「ううっ、ううぅ⋯⋯。貴方様は⋯⋯どうしてっ⋯⋯! こんなに酷いことができるのですか⋯⋯!?」
「ん⋯⋯? 痛いことはしていないよ? 僕だって女性を悦ばせるテクニックは心得てるつもりだったんだけど? なんで、泣いたり、怒ったりしてるの? 心外だよ。現に女王陛下の身体は、僕の子胤で孕みたがってるでしょ。僕はすごく頑張ってるんだけどなぁ。そんなに僕のセックスは下手クソだった?」
「私は⋯⋯っ、そんなことを言ってるのではありませんわ!!」
「うん。そうだよね。くすくすっ♪ 口はそう言ってるけど、身体はセックスを愉しんでた。匂いで分かるよ。今の女王様はすごく雌臭いもん。ひょっとして今夜は危険日だったりしちゃう?」
「うっ⋯⋯うぅ⋯⋯! ちがう⋯⋯そうじゃなくて⋯⋯。とにかく、お願いですから、どうかこれ以上は⋯⋯っ! このままでは本当に子供を身籠もってしまいます!」
「えぇ〜。僕の子を妊娠するのはそんなに嫌?」
「貴方様が御慈悲の御心をお持ちなら、非道な真似は今すぐお止めになってくださいませ⋯⋯っ! 私には夫と子供いるのですよ! 愛している家族が、私にはおりますの! もしも貴方様の子供をこの身に宿してしまったら⋯⋯、私は⋯⋯私はっ⋯⋯夫に何と言えば⋯⋯、とても⋯⋯耐えきれません⋯⋯ッ!」
「そういう泣き言で縋られても困っちゃうよ。僕だってこれがお仕事なんだ。都合の悪いことは都合よく忘れて、セックスの快楽に身を委ねてみたらどう。もっと気持ちよくさせてあげるからさ。今夜くらい僕との浮気セックスを愉しんでみれば?」
セラフィーナは精神と肉体は矛盾している。
少年の指摘するとおり、昂ぶる肉欲に委ねてしまえば、セラフィーナの良心は痛まないはずだ。けれど、家族を深く愛しているからこそ、抗わざるを得ない。
強姦行為が始まった当初、セラフィーナは心の底から強く拒絶した。
アルテナ王家の象徴たる女王としての誇りがあった。辱めを受けるくらいなら、自害を考えるほどにセラフィーナは清廉な女性だった。しかし、その清らかな反抗心は、最初の射精を受け止めるまでしか維持できなかった。
女王は不様に絶頂し、勝ち誇った少年は射精する。濃密な子作りセックスを繰り返すうち、気高い女王のプライドは粉々に砕かれ、悲観と諦念が抵抗心を捻り潰した。
心身を屈服させられたセラフィーナは、男に強姦されて怯えているか弱い乙女でしかなかった。
泣き言を叫き、少年を非難するのが精一杯の強がりなのだ。
「戦争に負けちゃったんだから、泣いたって仕方ないよ」
気の毒に思ったのか、少年は指先でセラフィーナの涙を優しく拭ってあげた。
その仕草は母を思いやる息子を思わせる。けれど、少年の陰茎は萎びることなく、セラフィーナを孕ませるべく、さらなる膣内射精に備えて精子を補充していた。
セラフィーナ・アルテナ。慈愛の国母と国民から慕われる美しき君主。
女王と身を重ね、裸体に触れることが許されていたのは、最愛の夫ガイゼフのみだった。清純な人妻であるセラフィーナはこれまで浮気をせず、初夜を捧げた夫にだけ貞操を捧げていた。
「かたくなだね。まったく。そんなに僕が嫌い⋯⋯?」
——メガラニカ帝国の第八代目の皇帝ベルゼフリート・メガラニカは、さすがに不貞腐れた態度をとった。
幼帝と称されるベルゼフリートの年齢は十三歳。三十六歳のセラフィーナとは倍の年齢差、親子ほどの開きがあった。
「私の愛する息子リュートは、メガラニカ帝国軍に処刑され、亡骸は今も城門で晒されています! 貴方様の臣下に! 帝国軍に私の息子は殺されたのです⋯⋯! どうして私の苦しみが、愛する我が子を失った母の悲しみが! 理解できないのですか⋯⋯!?」
敗戦国の女王は、自分を犯す戦勝国の皇帝を糾弾し、非難した。
ベルゼフリートは皇帝であると同時に、幼い少年だった。それこそ、処刑された息子リュートよりも年下の子供である。
幼年の男児を相手に、子を失った母親の気持ちを理解してほしいと求めても無為だ。まして、ベルゼフリートは皇帝としての君主教育を受けていた。
——―勝者は奪い、敗者は奪われる。
この認識については、脅威に晒された経験のない女王セラフィーナは、幼帝ベルゼフリートより遥かに国主として未熟だった。
「僕らは戦争をしていたんだよ。敵国の王族男子は根絶やしにするのが慣例なんだってさ。僕だってメガラニカ帝国が負ければ、吊される側になったかもしれない」
「それは帝国の悪しき慣習です。敵国といえど、古き王家の血筋には敬意が払われなければなりませんわ! 古来からの慣習を貴方様の兵士は無視したのです⋯⋯ッ!」
「古来ねぇ。ウチの方が歴史はあるんだけど、まあいいや。アルテナ王国とメガラニカ帝国の慣習は違うのかな? 帝国は帝国流のやり方で、アルテナ王国に敬意を払ってる。屈辱的かもしれないけど、こうして女王様と男女の契りを結んでいるのは帝国なりの敬意なんだよ?」
ベルゼフリートは亀頭で子宮を小突いた。突然の奇襲でセラフィーナの身体は、素直な反応を見せてしまう。
「あひっんぅ♥︎」
「これまで、女王様がどんなセックスをしてきたか知らないけど、僕のオチンポでだって気持ちよくなれるでしょ? 子供を作るなら、僕は楽しくセックスしたいんだ。辛いことはさ、思い出しても辛いだけでしょ。僕みたいに過ぎ去った不幸は忘れちゃいなよ」
「リュートはまだ十六歳の青年でしたわ。私の息子だけでなく、罪のない沢山の民が犠牲になりました⋯⋯っ! メガラニカ帝国の侵略兵によって殺められた人々を⋯⋯っ! 帝国の蛮行を! 貴方様は知るべきです!」
「臣下から報告は聞いているよ。お飾りでも国主だもん。軍務省によれば軍規は維持されていた。完璧にとは言わないけど、軍法会議だってあるんだ。占領時に蛮行があったのなら、帝国軍の元帥は絶対に正す。幼稚極まる僕みたいな愚帝はともかくとして、帝国軍の悪口は勘弁してほしいね」
「私の言葉が貴方様の心に届かないのは、分かっていましたわ。皇帝である貴方様にも立場があるのでしょう⋯⋯。ひょっとしたら、貴方様はふしだらな行為を強要されている哀れな御方なのかもしれません。ですが、どんなことがあろうと! 貴方様とメガラニカ帝国に対する恨みは消えませんわ! 絶対に⋯⋯っ!」
「あっそ。健気で殊勝だね。だけど、僕はアルテナ王国の女王を孕ませて、妃に迎え入れて欲しいと臣下に頼まれてる。――というか、命令されてるんだ。僕らが拒絶したところで無意味だよ」
お互いの陰部を結合させたまま、恨み言をぶつけ合うのは恋人同士の痴話喧嘩のようだった。
八つ当たり紛いのことを言われて不機嫌なベルゼフリートは、唇を尖らせてセラフィーナに言い放つ。
「これも重要な皇帝の仕事なんだよ。愛し合っているから子宝に恵まれるともかぎらないじゃん? そんでもって、憎しみ合っているから、子どもができないわけじゃないよねぇ? こういうことばっかりやってるから、体臭で分かっちゃうんだ。うん。ほぼ確信した。今日は女王様の危険日でしょ?」
セラフィーナは恐怖で顔を歪ませる。ベルゼフリートが言い当てた通り、今夜のセラフィーナは危険日だった。
三十六歳のセラフィーナなら、まだ十分に子どもを望める。しかも、畑が肥えていなかったとしても、種を撒くのは精力盛んな十三歳の男子だ。
「愛のないセックスだろうと赤ちゃんは出来ちゃう。メガラニカ帝国の皇帝にとっては幸いだ。そして、アルテナ王国の女王様にとっては不幸なことだろうね⋯⋯」
メガラニカ帝国の幼き皇帝ベルゼフリートは、アルテナ王国の女王セラフィーナの下腹部に指を当てる。
「子宮はこの辺にあるんだよ。膣内に五回も精子を出した。だから孕むのに十分な子胤が入ってる。危険日のセックスだもん。受胎の可能性は十分にあるよね」
セラフィーナに媚びるような目付きを向け、ベルゼフリートは愛おしそうに胎を撫でる。
「ひぃっ⋯⋯。嫌です! そのような⋯⋯!!」
小悪魔的な愛らしい仕草で、ゆっくりと指を滑らせる。
「子供を二人も産んだ母親なんだから、子作りの仕組みは男の僕より詳しいよね。セラフィーナは良き妻で、良きお母さん、良き女王様。それでも、僕との間に産まれた赤ちゃんは愛してくれないの? 僕が憎ければ、帝国が嫌いなら、皇帝の血を引く産む子供は忌まわしいと思っちゃう? あぁ、酷い母親だね」
セラフィーナは想像してしまう。
幼い皇帝が言わんとしていることは、産まれてきた子供をセラフィーナがどう思うかだ。
(産まれてくるのは不義の子。怨敵のメガラニカ帝国の血を引く子。息子のリュートを殺した皇帝の子。そんな子供を産みたいとは絶対に望まないわ! けれど⋯⋯産まれてくる子供にとって⋯⋯私は⋯⋯母親⋯⋯)
戸惑いが生まれる。その最中、左右に垂れたセラフィーナの爆乳にベルゼフリートは手を伸ばした。谷間の中央に乳首を寄せると、小さな口の中に収め、乳飲み子のように吸い上げる。
最後の出産はヴィクトリカ王女を産んだ十五年前。セラフィーナの母乳はもう止まっている。しかし、乳首を甘噛みする幼帝の姿は、かつて腹を痛めて産んだ我が子を想起させる。
(ああっ⋯⋯! また⋯⋯始めるというの⋯⋯? 本気でこの子は私を孕ませようとしているわ! もう身体を動かせない。今の私には祈るしか⋯⋯)
余力の尽きたセラフィーナにできるのは祈りだけだった。子供が出来るかは運命次第なのだ。望まれずに生まれる子どもがいるように、どんなに望まれても生まれてこない子どもだっている。セラフィーナは一縷の望みを抱く。
「んっ! んぁあっ! どうかお願いです⋯⋯っ! 創造主様ぁあっ! あぁっ! 私に子を授けないでくださいませぇっ! どうかぁ、んぁっうッ! 何とぞッ、私に不幸の子をぉ、子どもを与えないでぇぇえっ⋯⋯♥︎」
セラフィーナは必死に祈った。しかし、ベルゼフリートが子宮に放った精子は子宮の卵管を泳ぎ、排卵を間近としている卵子に向かっていた。
今宵の情交でセラフィーナはベルゼフリートの子を孕む。彼女が自分の妊娠に気付くのはもっと後のことだ。
——大陸歴八年三月二十三日、メガラニカ帝国とアルテナ王国の講和が成立し、互いの国主が調印を交わした。両国の戦争が終わった日であり、メガラニカ皇帝とアルテナ王家の血を引く赤子の誕生が決まった日ともなった。
「あんっ♥︎ あひぃん♥︎ あんうっ♥︎ ごめんさいっ、あなたぁっ♥︎ わたしぃをゆるじぃてぇぇっ♥︎ ごめんなぁっい、あんぁああ♥︎ だめっ、だめぇっっ、あぁぁあうぅああああぁぁぁ⋯⋯♥︎」
叫びは寝室内に収まりきらず、白月王城の廊下にセラフィーナ女王のイキ声が木霊した。
もはや清純な慈愛の国母は存在せず、皇帝の愛妾と成り果てていた。
喜悦の嬌声と身体がぶつかり合う肉音は止まない。
少年皇帝との激しい性交は夜明けまで続き、ついに女王の胎に新しい生命が宿る。
十月十日後には皇帝ベルゼフリートと女王セラフィーナの血の混じった赤子がこの世に産まれる。卵子と精子が出逢い、受精卵となって互いの二人の遺伝子が溶け合っていくだろう。
白のくせ髪と絹のような黄金髪、肌は暗褐色と純白、瞳は紫と蒼、顔は双方とも美形、父親と母親のどちらの特質を受け継ぐかは分からない。
「やだっ、やめてぇ! いやぁあああああああああああああぁっ!!」
——その夜、女王セラフィーナ・アルテナは皇帝ベルゼフリートの子胤で懐胎した。




