「⋯⋯前々から思ってた。上のお姉ちゃん達って小狡こずるくない!?」
険しい山岳地帯の細道を進む馬車。車体にはメガラニカ帝国の軍旗が靡かせる。
女仙の瘴気を閉じ込める特別製の車内に乗り込んでいるのは、アレキサンダー公爵家の五女タイガルラと七女キャルルであった。
「狡ずるいとは? 姉上達も帝都で自分の役目を果たしています」
「今回の任務もだけど、辺境への出張はいっつも私達じゃん。タイガルラお姉ちゃんはそう思ったことないの?」
「適材適所です。軍務省の仕事は参謀本部が割り振っているのですから」
「そりゃあ、私だって帝国軍人だし、軍務省の任務は遂行するけどさ⋯⋯。悔しくない? せっかく愛しの皇帝陛下を独占できてたのに⋯⋯!! 辺境での魔物退治を押し付けるって、どうなのって感じっ!」
「中央諸国の魔狩人では対処できなかった相手です。私達に相応しい仕事ではありませんか」
「相応しくない! 可愛い妹に血生臭い魔物退治なんて!」
名実ともに帝国最強の七姉妹、その末妹にあたるキャルル・アレキサンダーは唇を尖らせる。大柄なタイガルラとは対照的で、キャルルは小柄な少女だった。
外見だけでは女戦士と思えない小さな身体。一般的なアマゾネス族は筋骨隆々の逞しい肉体を誇りとしている。しかし、キャルルは違った。ガチムチのいかつい巨体は嫌いだった。
変わり者のキャルルが信奉する強さとは〈可・愛・ら・し・さ・〉だった。愛らしい美少女は強い。なぜなら、可愛ければ許されるからだ。
皿を割るドジな使用人。もし中年の老人だったら、仕えない召使いだと罵倒される。しかし、愛らしい美少女だったらどうだろうか? 皿を割った程度で、主人はけして目くじらを立てない。容姿や仕草が可愛ければ世間は優しい。
キャルルが望む強さとは可愛らしさだった。
「どうせなら可愛い仕事がしたい! 広報職を毎年希望してるのに⋯⋯!」
姉達のような男性的な勇ましさは趣向に合わない。
可愛い少女こそが、人間社会においては最強の女だと考えていた。
幸いにも七姉妹で最年少のキャルルは、幼帝ベルゼフリートともっとも歳が近い肉体年齢で不老不病の女仙になった。
「御国のためです。キャルル。私達が出張れば無用な犠牲を減らせます。メガラニカ帝国の敵を討ち滅ぼすのは、アレキサンダー公爵家に課せられた責務です」
「お祖父様の遺言はもう一つある。新帝の護衛。ベルゼフリート陛下をお守りするお役目。お祖父様は託された私達の使命! はぁ~。どうせなら帝都に残って陛下の護衛が良かった!」
「私だってそれは同意見です」
「今なら女官の邪魔も入らないしさ。いちゃいちゃしたかったのにぃ⋯⋯!!」
「女官は昨日付で職権停止が解除されました。今頃は金緑后宮に女官の一団が押しかけているかと」
「そうなんだ。残念。でもさ、私達が陛下の護衛に付く条件が付けられた。緊急時の指揮権だって私達にある。警務女官長ハスキーの渋い表情が目に浮かぶ。くふふっ! あっ! 私が警務女官長にプレゼントした育毛剤は喜んでくれた?」
「届けはしましたが⋯⋯喜ぶわけないでしょう。ハスキーは激怒してましたよ」
「怒ることないじゃん。可愛いジョークが通じないところは元帥閣下とそっくり。タイガルラお姉ちゃんは分かってくれるのにね」
「⋯⋯いえ、私もアレはどうかと思いました」
「いっつも陛下を独り占めしてるんだから、偶にはいいでしょ。今日の護衛担当はレギンフォードお姉ちゃんだったかな。⋯⋯あ! そういえばさ、例の件について、探りを入れるって言ってたよ」
「例の件? 我らが敬愛する母上についての?」
「レギンフォードお姉ちゃんがしばらくは陛下の護衛担当だから、じかに問いただすってさ。ホントなのかな? 真偽はいかに?」
「さあ? どうでしょう。元帥閣下も気にされているようでした。立場上、姉上達を諫めていましたが⋯⋯」
「ママが風邪で体調不良とか嘘くさいよ。新年祝賀の訪問で陛下とヤってるんじゃない? 以前からママが陛下を誘ってた噂は聞いてたし⋯⋯。娘の男に手を出す母親ってどうなのって感じ。世間体が悪くなりそう。⋯⋯どうしたのタイガルラお姉ちゃん? 難しそうな顔をして」
「⋯⋯陛下の口がやけに硬いと思いませんか?」
「ママに口止めされてるのかな」
「私達ならともかく、元帥閣下に隠し事はできません。皇后である帝国元帥の命令は最優先。母上の口止めなら意味をなしません。⋯⋯そもそも陛下はお喋りです」
「陛下から無理に聞き出さなくたっていいじゃん。ママが子供を産んだら、どうせ私達の耳に届くよ。あぁ、でもさ、疑惑が事実だとちょっと困っちゃう。末妹の肩書きは可愛いから失いたくないな」
「⋯⋯そういう問題ですか? 七姉妹が八姉妹になったところで、大して変わらないでしょう。元帥閣下がアレキサンダー公爵家の当主であり続ける限り、跡目争いだって起こりはしません」
「それはタイガルラお姉ちゃんが五女だから言えるセリフ! 私は一番下の妹! 末っ子は特別なんだもん!」
「一般的な家庭なら末っ子は可愛がられるとは言いますね」
「ていうかさ! そもそも女仙じゃない女が陛下の子を産んじゃっていいわけ!? 大神殿のご老人達が怒らない? てか、怒るべきでしょ!」
「もう前例はありますよ。アルテナ王国のヴィクトリカ王女は、女仙とならずに身籠もりました。ベルゼフリート陛下をしっかりと見張っていない警務女官のせいです」
「セラフィーナ女王の娘だっけ? 御子を授かったのに逃げちゃうとか、どうかしてると思う。超ラッキーじゃん」
「現在は東アルテナ王国の女王を名乗っているようですが⋯⋯」
「らしいね。なんで女王を名乗ってるんだろ。女王なんかより王女のほうが可愛いでしょ。はわぁ~。私も王女の称号が欲しいな~。キ・ャ・ル・ル・王・女・♪ ねえ、可愛くない? タイガルラお姉ちゃんもそう思わない?」
「キャルルは王女になりたいのですか? 欲しがって手に入る称号ではありませんよ。王位ならともかく」
「女王は可愛くない。だって、なんか⋯⋯おばさんっぽくない?」
「大人びているというべきでしょうね」
タイガルラは帝都新聞を広げる。一面大見出し記事は、グラシエル大宮殿が仮寓帝殿かぐうていでんに決まったというニュースだった。
「それって今日の朝刊?」
「はい。伝令が持ってきてくれました」
「帝都新聞の記事に私達のことは載ってる? 皇帝陛下の特別専任護衛にアレキサンダー公爵家の七姉妹が指名されたって書いてあるよね?」
「いいえ。公式発表の丸写しです。私達については何も書かれてません」
「えぇ~~!? なんで!?」
「帝都新聞の発行機関である財閥は宰相派のラヴァンドラ王妃が運営しています。情報統制に逆らったりはしません。残念でしたね」
「つまんないの」
前代未聞の皇帝拉致事件を受けて、天空城アースガルズの総点検が行われる間、ベルゼフリートの住まいは仮寓帝殿かぐうていでんに移される。候補地はさまざま上げられていたが、帝都のグラシエル大宮殿はもっとも無難な選択と言えた。
「戦時中は軍務省の悪口を書きまくってたくせに⋯⋯! あの文屋ども⋯⋯! 肝心なときはちっとも取り上げてくれないじゃないの!」
「宰相府の息がかかった帝都新聞に何を期待しているのですか? 最初から分かりきっていたことですよ」
「そりゃそうだけどさー。やられっぱなしはイヤなの~。うちの機関紙はもうちょっと頑張ってほしい。先週号に載ってたコラムとか酷かったよ⋯⋯」
「コラム⋯⋯?」
「軍服アイロン掛けの極意。タイガルラお姉ちゃんは読んでないの? 軍務省の広報部はどんな判断であのコラムを掲載しようと思ったわけ!? 軍服の伝統的な手入れとかどうでもよくない⋯⋯!?」
「上級将校には大受けだったと聞いてますが?」
「あんな古びたコラムを読んで面白がってるのはお爺ちゃんとお婆ちゃんだけだってば⋯⋯! 長命種向けのコンテンツが多すぎてマジで無理⋯⋯! 堅苦しい! かび臭い! 可愛くない!」
「機関紙の購読を止めればいいのでは? 上級将校には配られていますが、読むのは任意です」
「そうしたいけど、年に数回はベルゼフリート陛下が寄稿するからチェックはしなきゃ。私が提案したミニスカ軍服案を褒めてくれてたし。それと、ヘルガ妃殿下が執筆してた催淫草の人工栽培方法とかもメッチャよかった!」
「ヘルガ妃殿下のアレは発禁で回収されてしまったでしょう」
発禁となった裏事情は一部の者しか知らない。ベルゼフリートが苗木を入手し、自室のクローゼットで催淫草を栽培していたのだが、掃除中の女官によって発見。医務女官の鑑定に回され、遺伝子改造が施された特殊な催淫草と判明した。
「医務女官長が抗議したんでしょ。人工栽培は画期的な発見だった。あれで造った香水はめっちゃ凄いの。この任務が終わったら、タイガルラお姉ちゃんにも分けてあげるね」
アレキサンダー公爵家の姉妹は楽しげに談笑する。タイガルラとキャルルは父親が異なる。しかし、下の妹達は仲が良い。姉達の仲がこじれているわけでもなかったが、姉達は四女のレオンハルトに負けたコンプレックスを抱えていた。
レオンハルトの素質は飛び抜けていた。誰しもが認める帝国最強の武人。しかし、他の姉妹も産まれる時代が違えば、間違いなくアレキサンダー公爵家の当主になれた逸材であった。
「⋯⋯⋯⋯⋯」
そして、ある面においてはレオンハルト以上の才能を持つ姉妹もいる。
「どうしたんです? キャルル? 急に静かになりましたね」
「タイガルラお姉ちゃん。ここらで馬車を停めたほうがいい。敵に待ち伏せされてる。罠に突っ込んでもいいけど、私達はともかく、同伴してる部下や魔狩人が危ないかも」
「⋯⋯待ち伏せですか。妙ですね」
「うん。おかしくない? これって魔物狩りだよね? 相手が人間ならともかく、魔物にまで情報戦で負けてるのは笑えちゃう」
キャルルの索敵能力は七姉妹で随一だ。はるか彼方に潜む敵を感知した。
「笑えません。獲物は中央大陸で狩れなかったネームド・モンスターです。人間と同等の知能があると事前に説明を受けたでしょう」
「いくら知能が高くたって、待ち伏せは納得できない。私達が来るタイミングを知ってなきゃ無理じゃん」
「それはその通りです。索敵能力が優れた敵なのか⋯⋯あるいは⋯⋯」
「私よりも索敵範囲が広い可能性はあるけどさ。最初からこっちの動きを知ってたんじゃない」
「情報漏洩は考えにくいです。魔狩人が魔物と内通するなどありえません。⋯⋯本当に待ち伏せされているのですか?」
「うん。敵は私達の接近に気付いてない。なのに、迎撃の態勢を固めてる」
「敵の数は?」
「強い気配を感じるのは三匹かな。もっと潜んでいるかもしれない。私達の動向を探ってる。⋯⋯こんなのは絶対におかしい。私達の来襲をあらかじめ知ってた。こっちの作戦が筒抜けなんじゃないの?」
「その前提で動くべきです。魔狩人から漏れたのか、それと軍務省か⋯⋯。いずれにせよ、撤退の選択肢はありません。どうします? 私が行きますか?」
「適材適所でしょ? だったら、私が行く。タイガルラお姉ちゃんは見張りをお願い。擬態が得意な魔物もいる。人間に化けて紛れ込んでる奴がいたんじゃないの? それで私達の情報を伝えてたとか? 怪しいのがいたら、タイガルラお姉ちゃんが殺しちゃってよ」
「分かりました。敵がいれば始末します。ですが、殺る前に情報を吐かせてください。キャルルもお願いします」
「うん。会話が成立する魔物だったらね」
魔狩人が軍務省に協力を求めた経緯は、中央諸国から逃れてきた魔物の危険度が高かったからだ。
一般的な魔物は獣以下の無知性な怪物である。しかし、ごくまれに人間と同等の知能を持つ厄介な上位個体が出現する。
廃墟の城砦に調査派遣された二級冒険者が消息不明となって約半月。魔狩人からの情報に基づき、軍務省はタイガルラとキャルルという強大な戦力を投入した。
標的は中央諸国で多くの人間を殺戮したネームド・モンスター。メガラニカ帝国での被害は確認されていないが、多くの魔狩人と冒険者が殺された。
これ以上の犠牲を出さないため、魔狩人達と協力し、確実に魔物を仕留めろと軍務省から命じられていた。
◇ ◇ ◇
悪業の魔女レヴェチェリナは、拠点としている城砦の見張り塔に立ち、迫り来る脅威を睨みつける。
(んふ⋯⋯♥︎ 気付かれちゃったわ♥︎ アレキサンダー公爵家⋯⋯。本当に恐ろしい相手ね。情報を掴んでなければ、一網打尽にされるところだったわ)
真冬の寒風が吹き荒むが、衣類は身に着けていない。青紫に染まった裸体を恥ずかしげもなく露出させ、強敵の襲来に備える。
「隊列が止まったわ。さすがは公爵家の七姉妹。キャルルの索敵能力は、私の妖術を凌駕しているわ。魔狩人や冒険者だけなら、軽くあしらえたのだけど⋯⋯上手くいかないわね」
根城に攻めてきている敵はメガラニカ帝国軍が誇る最高戦力の一角。レヴェチェリナは戦うつもりなど毛頭なかった。確実に勝てる状況を作れるまで戦力は温存する。
(屍都ヴィシュテルを踏破し、死恐帝と接触した英雄アレキサンダー。あの男も化物だったわ。出来損ないの娘と違って、七人の孫娘達はアレキサンダー公爵家の異能スキルを使いこなしている⋯⋯。戦うべき時期ではないわ)
救国の英雄アレキサンダーは偉業を成し遂げた絶対強者。大きな犠牲を支払ったが、死恐帝の災禍を鎮めた男だ。幾千幾万の屍者を薙ぎ倒し、帝嶺宮城の玉座に辿り着いた。
(私には神官長ロゼティアの亡霊を退けるだけの力がなかったわ。でも、アレキサンダー公爵家にはあった。次元を操る最強の異能力⋯⋯! 発現者は数百年に一人。けれど、今は七人もいるのだから最悪だわ)
孫娘達も間違いなく祖父と同類の絶対強者。戦えば敗北は必至。レヴェチェリナは妖術の奥義を会得しているが、アレキサンダー公爵家の七姉妹と戦って勝つ算段はなかった。よって、逃げに徹する。
「――まさか逃げるつもりか? レヴェチェリナ?」
背後に現われた魔物は、レヴェチェリナを小馬鹿にする口調で言い放った。
「ふふっふ♥︎ 当然でしょ。私の姿を見られたくないわ。どうしても貴方が戦いたいならお好きにどうぞ。⋯⋯でも、絶対に私のことを話しちゃダメよ? 負けたときは潔く殺されてちょうだい」
魔女はまったく恥じ入らなかった。堂々不遜な態度で言い返す。勝てない相手に挑むのは愚かだ。不様に逃げようと最後に目的を達成した者が勝者。殺し合いを制さずとも勝利は掴める。
「⋯⋯キュレイの言っていたとおりだ。度胸無しの魔女め。ずっと逃げ隠れしていては勝負にならんだろ。人間どもから逃げ隠れするために手を組んだのか?」
「聖者殺しのマルファム。熟達の魔狩人や冒険者、そして教会の聖者を屠った貴方はとっても強い魔物と思うわ。でも、帝国軍は最精鋭を二人も派遣してきたのよ。相手はメガラニカ帝国が鍛え上げた最強の刃。ここで戦うべき相手じゃないわ」
「所詮は人間だ! くっくくくく! 何を恐れる? 人間を殺せぬ魔物に存在価値があるか! いや、ありはしない!! 向かってきた人間を無傷で帰すなど恥だ!」
「あらそう。戦って勝つつもりなのね」
「最強の刃とやらを俺がへし折ってきてやる⋯⋯!!」
鴉頭の魔物マルファムは、レヴェチェリナと協力関係にある上級種の一匹であった。
神術を極めた者だけが名乗れる聖者。神族に匹敵する神術師を打ち破った恐るべき怪物。人類の時代を終わらせるという理念の下、マルファムはレヴェチェリナに手を貸していた。
「教えてあげるわ。マルファム、戦ったら死ぬわよ?」
「くどいな、魔女。教会や魔狩人の連中と同じだな。そのセリフを何度も聞かされたぜ。俺を殺す。俺を倒す。俺を滅ぼす。俺を始末する。くっくくくく! 誰も一人として実現できなかったぜ!? 俺はこうして今も生きているっ!!」
「あっそ。警告はしたわ。じゃあ、頑張ってね。私は逃げるから、足止めをよろしくお願いするわぁ♥︎ 引っ越しの準備は終えたし、ここの拠点は棄てる」
「根城を棄てるだと? そんな必要はない。攻め込んできた奴らを返り討ちにすると言ったはずだぜ? 何人か活きの良い奴を連れて来てやる。お前は人間を改造して俺らの手駒を造れ! 兵士は多ければ多いほうがいい!!」
「私だって手駒は増やしたいわ。でも、貴方が勝てるとは限らないでしょ? まずは結果を見せてちょうだい」
「そこで黙って見ていろ」
マルファムは両翼を広げて、城砦の見張り塔から飛び降りた。
魔狩人の馬車が停まっている山道を滑空していく。聖者を殺すほどの大物。熟達の魔狩人が徒党を組まなければ、太刀打ちできない凶悪な魔物である。しかし、今回ばかりは相手が悪かった。
「見ていろ⋯⋯? くふっふふ⋯⋯♥︎ あぁ、笑っちゃう。ほんと、笑わせてくれるわ。魔物は人類に負け続けているのよ。正面から戦いを挑んで勝てるのなら、とっくに人間を滅ぼせているわ。所詮は使い捨ての手駒⋯⋯。もう少し賢ければ長生きできたのにねえ」
レヴェチェリナは見張り塔に〈遠見の水晶玉〉を設置した。まず間違いなくマルファムは敗北する。
(くふふっ⋯⋯。アレキサンダー公爵家のお手並み、拝見させてもらうわ)
殺されるだけなら構わないが、情報を漏洩されると今後の計画に支障が生じる。マルファムが生け捕りにされたときは、口封じで始末しなければならない。