2024年 12月5日 木曜日

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【35話】愛しの家族 疑似相姦の夜伽(♥︎)

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【35話】愛しの家族 疑似相姦の夜伽(♥︎)

 キングサイズの寝台ベッドで、少年と美女は体を重ねる。

 股を大胆に開いたセラフィーナは、ベルゼフリートの肉棒を正常位で受け入れている。仰向けに横たわり、柔らかな媚肉が実った両脚で、ベルゼフリートの細い腰を挟み込む。

 金色の恥毛が生える陰唇から、愛液と精液が溢れ出る。盛り上がった巨大な乳房がブルブルと揺れ動く。極太の亀頭で子宮を攻め立てられる度、セラフィーナは愛くるしい乙女の嬌声で啼いた。

「んぁあっ♥︎ 奥にっ、あんぁ♥︎ はぁあんっ♥︎ あぁうっ……♥︎」

 反り返った巨大なカリが、膣道の肉襞をゴリゴリと刺激する。

 挿入された肉棒の脈打ちを感じ取り、射精が間近に迫っていると知った膣道は急速に収縮する。

「んあぁ、ああぁっ♥︎ んぁっ♥︎ くっ、くるっ♥︎ きちゃうぅっ⋯⋯♥︎」

 セラフィーナは伸ばした足先を交差して、ベルゼフリートの下半身を包み込む。

 ——膣内射精を媚びる。

 交わっている相手は、自分の産んだ子供よりも年下の少年。生涯を誓った愛する夫への背信行為と自覚している。だが、雌の本能に従うまま、セラフィーナはベルゼフリートを射精に導いた。

 ——びゅるッ! びゅるるぅるッ!

 男根の裏筋が太く盛り上がり、セラフィーナの膣内にベルゼフリートの遺伝子が放たれる。子胤の濁流が流れ込み、子壺は若い雄の子胤で満たされていった。

「あっ……っ♥︎ んぁっ……♥︎」

 夫とのセックスでは体験できなかった脳髄を揺さぶるオーガズム。下腹部から駆け上がる濃厚な絶頂の快楽。内心に不貞の罪悪感を抱き、良心の呵責で胸が痛む。だが、淫欲に支配された肉体はセックスの悦楽を受け入れてしまう。

 貞淑な妻であったはずの美しい女王が、13歳の少年に欲情している現実。

 褐色肌の小さな身体を優しく抱きしめ、ベルゼフリートの顔を豊満な乳房に沈め込む。発情を抑えきれなかった雌獣が、華奢な幼獣から精子を絞り取っているかのようだ。熟れた女体で、少年から精気を吸い取る。

 射精が一段落したころ、ベルゼフリートはセラフィーナの乳首を弄びながら問いかける。

「ふぅ。今なら大丈夫だよ。耳聡いハスキーが休憩に入ってる時間だから……。それで、僕に話したいことって何なの……?」

 寝室には数人の警務女官がいる。何かしらの会話をしているとは悟られるだろう。しかし、声量を落とせば内容までは分からないはずだ。

「私は帝国宰相ウィルヘルミナ閣下の弱味を探っていますわ」

 腰の動きが止まる。セラフィーナの大胆不敵な発言を聞き、動揺したベルゼフリートの目が泳ぐ。

「……えぇ……?」

 帝国宰相ウィルヘルミナ。誰もが疑わぬ帝国最大の権力者。宰相として帝国の行政を統括する、三皇后の筆頭者だ。

「それ。僕に言っていいの? ウィルヘルミナに密告するけど……?」

 ベルゼフリートの困惑はまともな反応だ。

 宰相の弱味を探しているのならば、それは水面下で行うべき策動。ウィルヘルミナが命じるまでもなく、ベルゼフリートは密告をするだろう。

 皇帝への暴露は愚行の極みと思える。しかし、セラフィーナには考えがあった。大きな博打だ。けれど、そうでもしなければ、絶体絶命の劣勢を覆せない。

「私は陛下に協力してほしいのです。軍閥派の協力は得られていますわ。けれど、陛下のご助力がなければ、宰相の秘密に辿り着けない。⋯⋯協力が不可欠です。私は確信していますわ」

 ベルゼフリートはセラフィーナの正気を疑う。

「僕はウィルヘルミナを失脚させる手伝いなんかしない。相手がセラフィーナじゃなくて、レオンハルトからだとしても断る頼みだよ……」

 呆れ果てたベルゼフリートはすっかり興醒めた様子だ。セラフィーナの膣穴から肉棒を抜こうとする。

「いいえっ! 最後までお話しを聞いてほしいですわ……っ!」

 セラフィーナは逃げだそうとした獲物を離さない。両手をベルゼフリートの背に回して抱きしめ、両足で腰を絡め取った。

 合体を解除しようとするベルゼフリートを蟹挟みでがっしりと拘束した。

「んっ……! 離れてよ。そんな危ない話、聞く価値があるとは思えないね。もう休憩だってば。はやく離しっ……んぎゅんぅっ……んぎゅ……!?」

 もし寝室にハスキーがいたなら、この時点で行為を中断させていただろう。セラフィーナは爆乳の谷間にベルゼフリートを押しつけて口を封じた。

 骨盤付近の筋肉に力を込めて膣圧を高める。

 挿入中の肉棒を締め上げながら、セラフィーナはベルゼフリートに囁く。

「血の繋がった本当の家族について、陛下は知りたいと思いませんか……?」

 ベルゼフリートの両親。ナイトレイ公爵家がひた隠しにする出生の謎。セラフィーナの勝負は、ベルゼフリートがこの提案に乗ってくれるかだった。

 地位や立場のある妃達であれば、絶対にできないであろう大博打。しかし、失うものがないセラフィーナは勝算があると踏んでいた。

「陛下はご自分を何一つ知らない。けれど、必ず陛下にも父君や母君がおられますわ。破壊者ルティヤの転生者だとしても、陛下は普通の人間として生まれてきたのですから……♥︎ 今の私と陛下のように、女と男が愛し合って、子供は産まれますわ」

「んぅっ……! んぐぅ……っ!」

 ベルゼフリートは抜け出そうともがく。しかし、セラフィーナは離そうとしない。

「んっぁんっ♥︎ もう少しだけっ……。んあぃっ♥︎ んぃひぃふっ……ぁ♥︎ 逃げないで♥︎ 陛下のオチンポは、まだ私のオマンコにいたがっていますわ」

 捕食者と化したセラフィーナは、幼帝を優しく抱きしめる。

「陛下をお慕いする女性は多いでしょう。けれど、それはメガラニカ皇帝だからですわ。私も陛下とまったく同じ立場だったから分かるのです。ちやほやされるのはアルテナ王家の子女だったから。けれど、血の繋がった父と母は家族として、娘として、——私を愛してくれましたわ」

「んぃんぅ………っ!」

「私はアルテナ王国の君主でした。だから、私は陛下のお気持ちが理解できますわ。君主は常に孤独。満たされているはずの皇帝陛下が、私の夫や子供、家族を知りたがるのは、そういう気持ちがあるからだと思いますわ。んぁ……っ♥︎ ああぁ……やっぱり……陛下のオチンポが硬く膨らんでっ……。あんぁあ♥︎」

 ベルゼフリートの抵抗力が弱まっていく。膣道の収縮に合わせ、肉棒の硬度も高まる。セラフィーナは大勝負の勝利を感じ取っていた。

「これから陛下は大空に浮かぶ箱庭で、千年以上の時間を過ごすことになりますわ。けれど、本当の家族を知らないまま、ずっと寂しい余生を送るおつもりなのですか? 自分が誰なのかも知らずに……?」

 両腕の力を緩めて、胸に押しつけていた顔を自由にさせる。

「言いたいことは分かったよ……。僕だって……パパやママは知りたい」

「協力していただけないでしょうか? 私は陛下の出生を探れと軍閥派から命じられています。それがウィルヘルミナ宰相の弱味に繋がっていると、私たちは考えておりますわ」

「ウィルヘルミナが……ずっと隠してるからでしょ……。僕は今のままでいい。良い皇帝は、皇后に逆らわない……」

「陛下はそうしろと宰相に教育されたのかしら?」

「……それもあるけど……僕はウィルヘルミナが好きだから。嫌われたくない……」

 セラフィーナは少年の本心を垣間見た。

 年相応の少年らしい精神の側面。まさしくそれは魂の弱味だった。

「大丈夫ですわ。バレたとしても嫌われるのは、私だけですわ。陛下は私に利用されるいるのですから。私に命令を下した軍閥派だって、状況次第では私を見限るでしょう。陛下もそうすればいいのですわ」

「1カ月と経ってないのに宮廷の女らしい台詞だね⋯⋯。でも、家族が恋しいのは⋯⋯たぶん⋯⋯僕が子供だからだ⋯⋯。大人になれば忘れる。だから、僕は協力しない」

「家族への想いは、簡単に忘れられるものではありませんわ。こんな淫らな不貞を働いている私ですら、まだ夫を恋しく思っているのですよ?」

「とても饒舌だ……。やっぱりセラフィーナは大人の女性だね。ひょっとしたら、それも誰かの入れ知恵なのかな? どっちかは知らないけど恐い」

 父母への興味はあるのだろう。しかし、賢明な少年は警戒心を働かせ、魔女の誘惑を拒絶した。

「それなら家族への恋慕を私が癒してさしあげますわ。今宵は私を母親と思ってみてください」

「……は? なにそれ……?」

「私も皇帝陛下を実の息子のように……、いいえ、リュートだと思って愛してあげますわ」

「あっ、ありえないよ! そんなの変態だ……! セラフィーナは僕の母親になれない。そもそも親子はセックスなんてしないよ……!」

 セラフィーナはベルゼフリートの頭を撫でる。

 腹を痛めた産んだ我が子を愛でるように、深い愛情を込めて。

「ママが嫌いなの? ママはベルゼフリートがこんなに大好きなのに……」

 セラフィーナは拗ねた息子をあやす母親の顔となっていた。

 ベルゼフリートに息子リュートの面影を重ね、セラフィーナは優しく語りかける。我が子を殺した帝国の幼帝に愛情を注ぐ。

「もっと素直になって。ママだけはベルゼフリートの味方よ。どんなことをされても、ママが守ってあげるから」

「セラフィーナ……それ……やめよう……。おかしいよ」

「セラフィーナじゃなくて、私はママでしょう? 本当に甘えていいわ。それにオチンポがママのオマンコで、こんなに硬くなっている。ママが好きなんでしょ? 私もベルゼフリートが大好きよ」

 羞恥心で顔を真っ赤にしたベルゼフリートは、目に見えて慌てている。

 股間は素直な反応を示していた。射精を終えたばかりだというのに、セラフィーナの膣内に挿入した男根は極限まで膨張している。

 母親を演じるセラフィーナに、禁忌的な欲情をしているのは明らかだ。

「……やるのは……今夜……だけだから……。あと……今だけはベルゼって呼んでいいよ……。演技に付き合ってあげるだけから⋯⋯。あと⋯⋯他の人には秘密にすること……! 分かった?」

 恥ずかしさに顔を赤らめる幼き皇帝は弱々しい声で言う。その姿は悪さをした母親に許しを請う息子だ。

「可愛いベルゼ……♥︎ ママの中にもっと入ってきて♥︎」

「…………。うん……ママっ……。ずっと、ずっと寂しかった。ずっと……会いたかった……!」

 母親を演じるセラフィーナにベルゼフリートは、ずっと抱え込んでいた実母への愛着を暴露した。

 親子となったセラフィーナとベルゼフリートは互いを強く求め、真の愛を育んだ。自身の出生を知らないベルゼフリートが血の繋がった母親を欲していた。セラフィーナも同様だ。失った息子の代わりをベルゼフリートに求めた。

「ねえ……ママ……。射精したら、僕が本当のキスを教えてあげる……。愛し合う恋人がするキスのやり方……。ママは知らないでしょ……?」

 その夜、セラフィーナはベルゼフリートから本当のキスを教わった。

 唇を組み合わせ、互いの舌を絡ませ、唾液を混ぜ合わせる淫靡な接吻。

 セラフィーナは男性器を挿入されたときよりも、子宮を精子で満たされたときよりも、濃厚なキスをしているときに、夫への強い罪悪感を覚えた。

 ◇ ◇ ◇

 その夜、ロレンシアは悶々とした気持ちで眠れなかった、

 深夜にハスキーから呼び出しを受けたが眠気はない。相手は皇帝直属の女官にして、警務の全権を握る女官長の一人。愛妾の側女如きでは、命令を無視できなかった。

 ハスキーは単刀直入に用件を述べた。持ちかけた内容は取引。知り得た情報を女官に売り渡せば、対価を支払うというものだった。

「ありえない。そんな背信行為に私が手を染めるとでも思っているの? 不当な取引には応じられないわ」

 ロレンシアは首を横に振る。宮廷は宰相派、軍閥派、長老派の3派閥に加え、皇帝に仕える女官達も一種の派閥となっていた。

「悪くない取引を持ちかけているつもりです。そちらの情報を流してくれるのなら、便宜を図ると言っているのです。味方は多い方がよろしいのでは?」

「取引をしたいのなら、私じゃなくて、まずはセラフィーナ様にお話しするべきではないのかしら?」

「私が取引をしたいのはロレンシアさんです。情報を横流しを求めています。簡単です。セラフィーナさんに取引の内容を話してもらって構いません。欲しているのは情報。裏切りは求めていません」

「何が目的なの……?」

「陛下の安寧を守るための保安活動です。妃に仕える側女から情報を収集し、宮廷秩序の維持に務める。警務女官の仕事です」

「他の妃に仕える側女に、似たような取引を持ちかけているってこと……?」

「女官を信じられない。そういう瞳をしていますね。お気持ちは分かりますが、生き方を選ぶ時期ですよ」

「私の生き方は決まっているわ。……セラフィーナ様への忠義を全うする。それだけよ」

「ご立派です。セラフィーナさんの従者であり続けるのなら、ロレンシアさんは宮廷で暮らし続ける覚悟があるのですね」

「⋯⋯何なのよ。言いたいことがあるなら、はっきりと言ってほしいわ!」

「貴女達はアルテナ王国に帰れません。どのような立場になるにしろ、天空城アースガルズで暮らすのなら、上手に立ち回るべきでしょう」

「……っ!」

 意気揚々としているハスキーは、不満顔のロレンシアを手招きする。

「私に付いてきてください」

「どこに連れて行く気……?」

「セラフィーナさんが気がかりなのでしょう。夜伽で何が行われているのか……。ロレンシアさんに現実を見せてあげます」

 向かった先はセラフィーナの寝室だった。ロレンシアの足取りは重たくなる。

 従者として主人の身は常に心配していた。

(……私が近くにいるせいで、傷つけてしまうことだってある……。白月王城でセラフィーナ様は……)

 ロレンシアが思い出すのは、情事を目撃されて嘔吐してしまった女王の悲痛な姿だ。

 夫と談笑をしていたであろう夫婦の寝室で、セラフィーナはレイプされた。その現場をロレンシアが目撃したせいで、セラフィーナの精神は大きく傷ついた。

 普段の黄葉離宮は静かだった。しかし、今宵は違う。主寝室の扉からは、淫らな嬌声が漏れている。

 幼いころから敬愛している女王に似つかわしくない妖艶な声色。忠誠を誓った君主の淫猥な嗚咽。室内に入らずとも、どれほど乱れてしまっているのか容易に想像ができる。

「……んぁっ♥︎ ぁあぁっ……あぁっ……♥︎」

 ハスキーが扉を開け、淫臭の充満した主寝室にロレンシアは足を踏み入れる。

(あぁ⋯⋯!! セラフィーナ様……! なんと……おいたわしい……っ!)

 何者だろうと穢してはならないアルテナ王国の高貴な女王は売女となっていた。淫らな体勢で、皇帝の男根を癒やしていた。

「あぁっ……あぁんっ……♥︎ もっと……っ、もっと強くぅう♥︎ 我慢なんてしなくていいからぁ♥︎ 好きなだけオチンポで気持ちよくなってぇ……♥︎」

 精液まみれとなったセラフィーナは、両足をM字型に折り曲げ、必死に腰を振るベルゼフリートを愛でている。

 互いの身体が打つかり合う肉音、愛液が混ざる卑猥な水音、男女の荒々しい呼吸音、寝台が軋む音。激しくセックスする幼き少年と熟れた美女。警護の女官達は、顔色一つ変えずに淫事を眺めていた。

 ——大人と子供の激烈な正常位セックス。

 豊満な乳房と豊艶な巨尻を持つ金髪の熟した美女が、浅黒い肌の少年から子胤を絞り取ろうとしている。無垢な娘なら顔を赤らめる破廉恥な濡れ場だ。

 ロレンシアの顔色は青ざめていった。

「んあぁぁぁ♥︎ いいわぁ♥︎ とっても可愛いっ……よい子っ……♥︎ さあ、子宮を満たして……っ♥︎ ……のぉ……なかに子胤をっ……たくさん……きてぇ……♥︎」

 腰を荒々しくぶつけ、抱き合うセラフィーナとベルゼフリートの動きがピタリと静止する。

 少年か細い喘ぎ声と共に、結合部から白濁液が溢れだしてきた。極太の男根が突き刺さった女王の膣穴を赤毛の従者は目撃する。

 種付けされるセラフィーナは、優しい手付きでベルゼフリートの身体を撫でていた。

(……異常過ぎる! ……こんなの……絶対に……狂っている……っ!)

 ロレンシアの精神は耐えきれなかった。陵辱を味わうセラフィーナが悲痛の叫びを上げていたのなら、こんな精神的苦痛は感じなかった。セラフィーナは女にされていた。

 敬愛していた女王の堕ちた姿。薄汚れた醜体をロレンシアは直視できなかった。

(……どうして……あれはセラフィーナ様の演技に……あんなのは……皇帝を悦ばせるための演技だっていうのに……私は……っ!)

 気分を害したロレンシアは、主寝室から逃げ出した。そのままトイレに駆け込み、逆流してきた胃の内容物を吐いた。

「はぁ……はぁはぁ……うぐっ……!」

 ロレンシアは強く否定する。淫女のように振る舞っていたセラフィーナに対して生じてしまった侮蔑の感情。何があろうと女王を支えると誓ったのに、ロレンシアは嫌悪感を抱いてしまった。

「おかしくなりそう……! こんなところに来たせいで……!!」

 まだ、ロレンシアは直接的な陵辱を受けていない。しかし、ベルゼフリートが望めば奉仕の対象となる。憎悪する帝国の皇帝と肉体関係を持ち、最悪の場合は子供を産まなければならない。

「あっ……あぁ……うっ……うげぇ……っ!」

 過呼吸に陥ったロレンシアは嗚咽を漏らす。鼓膜に張り付いたセラフィーナの嬌声がいつまでも聞こえる。

 清らかで優美だった女王が、発情した雌獣となり果てた現実をロレンシアは拒む。

「欠伸が出てしまうほど青臭い反応です。こんな調子では早晩、壊れてしまいますよ」

 後を付けてきたハスキーは、背後から言葉をかける。騎士であるロレンシアは戦場の恐ろしさを知っている。しかし、宮廷に潜む恐怖は理解していなかった。

「下らない復讐心など、捨ててしまったほうが身のためです。ロレンシアさんが忠誠を誓っている女の本性は分かったでしょう?」

 煽り立てるハスキーを無視する。それでもセラフィーナを信じたかった。

 狂態を演じているのだと妄信し、ロレンシアは崩壊しかけた精神を安定させた。強いストレスに伴う胸痛が高まり、目眩で身体が揺らめく。表情は曇り、青ざめていた。

 倒れそうになった身体をなんとか立て直す。

 ロレンシアは強い怨恨を力に変えていた。負の感情で、身心の不調を吹き飛ばす。祖国を蹂躙した帝国への憎悪だけが、ロレンシアの精神的支柱だった


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