【新着記事】

【262話】マリエールの悩み事

 黄葉離宮で働く側女の数は三人にまで減った。出産のためにララノア達が胎孕廟堂たいようびょうどうへ出立し、残された側女はロレンシアと新参者のイシュチェルとマリエールだけになった。

 大国の王妃でありながらもイシュチェルは労働に対しての抵抗がなく、勤勉な使用人であった。修道院育ちの清貧な淑女は掃除や洗濯、雑事を難なくこなした。

 王家の女として甘やかされたセラフィーナとは、生活能力が雲泥の差である。

 さらに働き者だったのがマリエールだ。教皇候補の上り詰めた元聖女は仕事の覚えが異様に早かった。黄葉離宮を出入りする女官の顔は完璧に記憶していた。

 その優秀ぶりは女官に強い警戒心を抱かれるほどであった。

 元一級冒険者のララノア達も逸材だったが、マリエールのような速度で順応はできなかった。

 評判を耳にしたベルゼフリートは「有能ならいいじゃないの? ロレンシアだって後輩が働いてくれないと困るでしょ」と好意的に受け止めた。だが、周囲の者達は違う。

 メガラニカ帝国と教会の架け橋になりたい。そう訴えるマリエールの本心は本物だ。しかし、人心掌握に長けた諜報員スパイとも見なせる。

 平和的なアプローチで皇帝の懐柔を狙う。その意図は見え透けていたし、マリエールも本意を隠してはいない。幼帝と親善を深め、教会がメガラニカ帝国に衝突する最悪の結末を未然に防ぐ。そのためにマリエールは全力を尽くしているのだ。

 これまでの人生で己の美貌に特別な価値を感じていなかったが、後宮に入内してからは「もっと魅力的な美女であったら」と悩んでいた。

 マリエールの大きな苦悩は、夜伽に参加できないことだった。

 処女を捨てる覚悟で後宮に入ったものの、未だに清い身体のままだ。その一方で同僚のイシュチェルは、頻繁に呼び出されて性奉仕の相手をさせられていた。思わぬ形で純潔を散らされ、二度目の処女喪失を味わった未亡人に休息は与えられなかった。

 ベルゼフリートは宰相派の妃を抱いた後、必ず黄葉離宮に帰ってくる。

 表向きは寵姫の愛妾セラフィーナにベルゼフリートが入れ込んでいるから。秘された真なる目的は、バルカサロ王国の王妃を孕ませるためだ。

 ――未亡妃は非業の死を遂げた国王に懺悔する。

 不貞を拒み切れず、夫婦の誓いに背き、注がれる胤を子宮に溜める。戦禍と飢饉に苦しむバルカサロ王国の人々を救う手段は、ベルゼフリートの巨根にオマンコを振り下ろすこと。

 淫行の契りによって繋がりを深め、蔓延する農作物の疫病を恩寵で祓う。

「あっ♥︎ んっ♥︎ んぅうっ~~♥︎」

 依然として消息不明の愛息アーロン。内乱で荒れるバルカサロ王国の行く末。心を刺す棘の痛みは強まるばかり。それだというのに、イシュチェルの熟れた肉体は性的快楽で酔う。

 夜伽を熱望するマリエールからすれば、イシュチェルの立場は妬ましい。

「はぁっ♥︎ はぁはぁっ♥︎ んっ♥︎」

 指先を大きく広げた両手を床に置き、デカ尻がずり落ちないように力を込める。頭をれて平伏し、後ろに突き出したオマンコを征服者に捧げる。

 安楽椅子に腰掛けた幼帝は、ぶるぶると震える臀部を撫でてやった。

「うん、うん! いい感じだね。イシュチェルのオマンコもかなり馴染んできた。僕のオチンポって長いし、太いじゃん? これね、自慢とかじゃなくてさ⋯⋯。日常生活やセックスで悩みもあるわけ」

「んぅうっ♥︎ あぁっ♥︎ んんぅっ♥︎」

「僕とセックスをすると膣穴が拡張されちゃうんだ。巨根専用に最適化っていうかな? 何度も繰り返し根元まで挿れると、僕の形に適合しちゃう。オマンコって凄いよね」

「あぅ! まっ! それはっ⋯⋯!! らめぇっ! あぅっ♥︎ いぎぃ♥︎ んぉおぉっ⋯⋯♥︎ んぉっ⋯⋯♥︎」

「どう? ここが気持ちいいでしょ? この場所は僕じゃないともう届かない。子宮の震えが亀頭に伝わってきてるよ。マン汁の垂涎すいぜんも止まらないね。びしょびしょだ。くすくすっ♪」

 

「はぁっ♥︎ んぅっ♥︎ はぁはぁっ⋯⋯♥︎」

 後宮に入内して約二週間、当初のイシュチェルは幼げな少年に群がる大人の女達を冷ややかな目で見ていた。しかし、自分自身も軽蔑対象の同類に堕ちた事実を認めるほかない。無様に腰をヒクヒクと踊らせ、男根の逞しさに委ねてしまう。

(あぁっ⋯⋯♥︎ 今日も膣内に出されるっ⋯⋯♥︎)

 絶頂の瞬間だけは本能を抑えきれない。床に平伏したイシュチェルは、両脚を大きく開き、艶やかな桃尻を高々と掲げる。調教役のセラフィーナが指南した通りに奉仕を敢行する。

(大丈夫⋯⋯。私の胎には聖なる御印があるのだから⋯⋯。教皇猊下から授かった聖印が私を守ってくれる⋯⋯。だから、どんなに交わろうと孕みはしませんっ⋯⋯!!)

 子宮の奥底にべっとりと噴きかけられる濃厚な精液。少年の若々しい精子群は、美熟女の卵子を求めて腔内を泳ぎ回る。

(赤子はできない⋯⋯。だからぁ⋯⋯♥︎ セックスしても平気ですわぁ⋯⋯♥︎ これは祖国の民を救うため⋯⋯♥︎ アーロンがメガラニカ帝国に捕まったとき、命の保障をさせるためのぉ⋯⋯♥︎ 不本意な努力ぅ⋯⋯♥︎ 肉欲に溺れてなんかいませんわぁっ⋯⋯♥︎)

 八月二十六日の昼過ぎ、イシュチェルはベルゼフリートと逢瀬を重ねる。指導の効果は目覚ましく表れていた。全身を震わせ、甲高い嬌声を上げて絶頂に昇った。

 大窓から差し込んでいた陽射しが積雲に遮られて陰る。肌を湿らせた汗が冷えていく。けれど、肌寒さは感じない。下腹部の火照りが伝播し、淫熱の暑さは増すばかりだ。

「――失礼いたします」

 セックスの佳境で入室してきた人物は、満面の笑みを浮かべたマリエールだった。

 無論、警務女官の許しを得ている。マリエールは幸運に恵まれた。警務女官長ハスキーは帝城ペンタグラムに呼び戻されていた。

「⋯⋯⋯⋯」

 無言のユリアナが行く手を阻む。笑顔で歩み寄るマリエールが必要以上に近づくことを許さない。

「皇帝陛下にご報告があります。吉報です。黄葉離宮の側女として参ったのですが?」

「⋯⋯⋯⋯」

 ユリアナは表情を崩さない。動くつもりもなかった。

「警務女官の方々から入室のご許可もいただきました。影を使って廊下の会話をお聞きなっていたはずでは?」

「⋯⋯⋯⋯」

 神術の発動を封じられたマリエールに戦闘能力はない。見た目通りのひ弱な美少女であるが、ユリアナの眼光は鋭さを増す。

 威嚇するようにかかとを踏み鳴らした。

「蹴飛ばされるから、それ以上は近づいちゃいけない。僕に直接報告する吉報で、廊下にいた警務女官が入室を許しちゃう事柄か⋯⋯。規則上はマリエールが正しいよ。でも、規則と実務上の運用はちょっとした差異がある」

 側女と女官の喧嘩をベルゼフリートは面白おかしく笑っていた。

「マリエールは運に恵まれてるね。ハスキーがいたら難癖で摘まみ出されていた」

「皇帝陛下のお許しがいただけるのなら、ご報告を申し上げてよろしいでしょうか?」

「いいよー。言わなくても分かるけど。リアが出産したんでしょ? おめでたいね」

「はい。先ほど知らせが届きました。皇帝陛下の御子を無事にご出産なされ、母子ともに健康とのこと。初産というのもありましたが、リアさんは女仙化前に大病を患っていたため、しばらく胎孕廟堂たいようびょうどうで療養されるそうです」

「へえ。リアが病弱だった話、君も知ってんだ?」

「大神殿の使者が仰っておりましたよ。ご説明いただきました」

「質問の答えじゃないね。じゃあ、違う聞き方にしちゃおうかな。――今日が初耳だったの?」

 意地悪な顔でベルゼフリートが問いかける。マリエールは素直に答えた。

「今日が初耳ではありません。公文書館の資料から知りました。副都ドルドレイの軍部騒乱でウィリバルト将軍は大きな功績を築かれた。ご家族についての記述もいくつか。孫娘のリアさんは生まれつき病弱であったと」

「まるで探偵だ。いや、密偵かな? あの膨大な資料からよく読み解いたものだ」

「そのようなことは⋯⋯。むしろ皇帝陛下の慧眼には驚かされます」

「ネルティから聞いたよ。公文書館で色々と調べ回ってたんでしょ。知りたいことは分かった?」

「勉強です。少しでもメガラニカ帝国に馴染めるように努力しております」

「僕と違って本当に勤勉だ。あそこまでネルティに警戒されるマリエールは凄いよ」

「ネルティさんが私を警戒? 和やかに世間話をしていたつもりでした⋯⋯。私の下心がバレていたようですね」

「出会いは偶然じゃない。僕のことを知りたいから、偶然を装って接触した。それがネルティの見立て。実際は?」

「はい。ご認識に相違ありません。公文書館で一般図書を利用されているエルフィンさんから事前に話を聞いていました」

「計算高いことだね」

「皇帝陛下の特別なご友人であるがゆえに、大勢の妃や側女、女官にも疎まれていると。そんな有名人をエルフィンさんは公文書館でよく見かけておられました。だから、私も興味を持ちました。……ネルティさんと会えそうな日を狙ったのは事実です」

「おぉ。すごい。ネルティの行動パターンを読めたりする? 次はいつ行けば会える?」

 ちょっとした冗談のつもりだった。しかし、ベルゼフリートの悪ふざけをマリエールは命令と解釈した。

「四日後の午後、公文書館に行けば会えるかもしれません。ユイファン少将が借りた本の返却期限です。正確には期限が過ぎて三日目ですが」

「その予測はどうかな。ユイファンは返却期限を守らないよ? うちの参謀はだらしないんだよねぇ。 三日くらいの超過で返すかな。代わりにネルティが返しに来るって推理? 見通しが甘くない?」

「私はユイファン少将が借りた本に予約を入れました。期限日までに返却されない場合、司書の財務女官が催促状を送るはずです」

「狡猾! 仕込み済みってわけだ」

「確実性はありません。しかし、四日後にネルティさんが本を返しにくる可能性は高いです」

「うん、うん。なるほど。皆がマリエールを警戒するわけだ。ウィルヘルミナみたい」

「恐れ多いことです。私は宰相閣下のような知恵者ではございません。小細工に長けているだけです」

「じゃあ、もう一つ。セラフィーナとロレンシアが急用で呼び出された。これは偶然? 二人がいればリアの出産報告はマリエールの役目じゃなくなる」

「偶然の要素は多いです。しかし、でもあります」

「やっぱり。どうやったの。種明かししてよ」

「私は手紙を送りました。内容は検閲されているため、軍務省の知るところとなります。アルテナ王国出身者のセラフィーナ様とロレンシアさんの知識が役立つ内容を書いたつもりです。呼び出しを受けると考えました」

「リアの出産日に重なるかは運要素?」

「私は医術に優れた神術師です。妊婦の出産日を推測する程度のことはできます」

「すごい。医務女官にもなれそうだ。じゃあ、運要素はどこ?」

「警務女官長ハスキーさんの不在ですね。お休みの日でもハスキーさんは皇帝陛下のお近くにいたりしますから。あの方がいたら入室を拒まれていた気がしました」

「リアと会ったの数日でしょ。それで出産日が正確に分かるもの? ひょっとして異能?」

「私が黄葉離宮に来た初日、お腹を撫でさせてもらえました。その際、軽く触診しました。異能ではありません。技量と知識です」

「君って優秀だし、頭がいいんだね」

「お褒めいただき嬉しいです」

「そんだけ賢い人が教皇じゃなくて、僕の端女はしためになる道を選ぶんだ。今だって僕とセックスするために奮闘中⋯⋯。求められる僕は嬉しくもあるけど、教会ってそんなに切羽詰まってるの?」

「破壊者の器と敵対する選択肢はありません。歴史が証明しています。アルテナ王国とバルカサロ王国の現状を考えれば、私の見立ては正しかったとなおさら思います。⋯⋯セラフィーナ様ならともかく、イシュチェルさんの前では言いにくいことですが」

「くすくすっ! 酷い言いようだね。セラフィーナだって最初は頑張ったよ? 現状だけで評価しちゃうと売国女王なんだけどさ。似た境遇のイシュチェルは分かってきたんじゃない。マリエールも見てみる?」

 ベルゼフリートはイシュチェルに突き挿していたオチンポを引き抜いた。

 ぽっかりと開いた膣穴から白濁液が流れ出る。紳士然と手を差し伸べて、床に座り込んだイシュチェルを起き上がらせる。

「はぁはぁ⋯⋯んっ⋯⋯♥︎」

たるんじゃってるけど、柔らかくて、ドスケベな身体をしてるよね。抱き心地は好み」

 だらしなく伸びた爆乳を摘まみ上げ、紅潮したイシュチェルを下から眺める。ベルゼフリートは太腿に男根を擦り付けてニヤニヤと笑う。

「今日は終わりにする? マリエールに見られてたら恥ずかしいもんね」

「んっ⋯⋯♥︎ あぁっ⋯⋯♥︎」

「ああ、でも、僕はまだ一回しか射精してないね。イシュチェルはどうしたい? こんなにオマンコをぐぢゅぐぢゅにしちゃってさ。ねえ、本音を聞かせて」

「⋯⋯っ! ま⋯⋯や⋯⋯。⋯⋯ます」

「小さくて聞こえない。僕だけじゃなく、マリエールにも聞こえるように言ってよ」

「まだやれますわ⋯⋯。やらせてください。皇帝陛下」

「じゃあ、次はベッドでやろうよ。アクロバティックな体位は大変でしょ。イシュチェルの自由にしていいよ。僕を好きなだけ犯させてあげる」

新着記事

三紋昨夏のレビュー

‐PR‐

人気記事

最新
雑誌
小説
レビュー