【後日談】それぞれの結末(グッドエンド?)
——人類と魔族の戦争は終結した。 魔王と勇者の和議によって、不毛な戦いに終止符が打たれた。 その後の調査により、前国王の陰謀が全て明らかとなった。勇者の生まれ故郷で行われた虐殺行為は、国王の命令を受けた兵士の仕業だと公表された。 ——しかし、真実が明らかとなるまでに多くの人間と魔族が死んだ。 特に深い傷跡を残したのが、王都ミットラスで行われた魔王軍の報復。...
【最終話】振り出しに戻る
人類軍の本拠地だった王都ミットラスは、魔王軍の支配下に置かれた。 勇者エニスクは、聖剣に魔王を封じ込めた。しかし、魂のみで帰還したルミターニャから魔王軍はその情報を入手し、即座に反攻作戦および魔王救出を実行した。 宰相ダンタリオンが指揮する魔王軍による急襲。尖兵となったのは馬頭鬼族の獣魔戦士隊。獅子奮迅の活躍を見せて獣魔兵は、王都ミットラスを電撃戦で陥落させた。 馬頭鬼...
【13話】可能性の世界
目が覚めるとルミターニャは、生まれ故郷の農場にいた。「え⋯⋯? ここって⋯⋯?」 たった1人でルミターニャは牧場の草原に立っている。 振り返ると見慣れた山々の風景が広がっていた。牧場を囲う木柵の内側で飼っている馬達が駆けていく。 素朴な暮らしを送っていたかつての日常。見間違えるはずがない。故郷の風景が広がっていた。「どうして⋯⋯? 私、帰ってきてしまった...
【11話】母から愛する息子への手紙
——愛する息子エニスクへ。 元気にしていますか? お母さんです。 こうして手紙を送れる日が来るとは、想像してもいませんでした。 私はちゃんと生きています。攫われてからの4年間、ずっと魔王城に囚われていました。 エニスクが勇者として戦場で活躍していることは、耳にしています。母として息子の武勇が誇らしく思う一方で、その身を案じてもいました。 私達の故郷を襲撃...
【10話】生誕祭の祝福 戦士の出産
祝宴の翌朝、ルミターニャは自分の寝室で目覚めた。 枕からは埃の匂いがする。多くの場合、ルミターニャはオロバスの主寝室で寝起きを共にしている。自分のベッドを使ったのは数ヶ月ぶりだった。(あっ。乳首のピアスが緩んでる⋯⋯。このままでは母乳がこぼれてしまう⋯⋯。寝ているときに緩んでしまったのですね) 双乳のピアスは絶えず湧き続けるミルクを堰き止めている。授乳時に外し、それ以外...
【9話】生誕祭の祝宴
肉体改造により生殖機能が強化されたルミターニャの子宮は、受胎してから約半月で出産へと至る。 魔改造される以前のルミターニャは、三十代の終わりに差し掛かった普通の熟女だった。 女盛りの時期を過ぎ、時間の流れと共に老いていく女。そんな萎れゆく美貌の人妻を孕ませ、淫母へと堕とした馬頭鬼の族長オロバスは、今年で19歳の若き魔族君主。 皮肉というべきか、オロバスはルミターニャの一...