2024年 7月13日 土曜日

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【191話】朽ち果てる因縁

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【191話】朽ち果てる因縁

 妖魔兵の筋繊維に魔素が充填される。

 人ならざる妖魔だけが振るえる暴力。破壊と殺戮の衝動に飲み込まれ、魂が塗り潰される。

 前世とも言うべき人間時代の恨みを晴らすべく、妖魔兵レンソンは咆哮を放った。音速を超えの衝撃波が大浴場の肉壁を削ぎ落とした。

「ウゴァアアァアアアアアアアッァ!!」

 妖魔兵は殺意の化身に変じる。怨敵を殺すその瞬間まで戦い続ける怪物となった。

 ハスキーは白刃を構えた。敵の正体がアルテナ王国の近衛騎士だった青年とは気付いていない。しかし、正体不明の魔物に対する警戒度を高める。

(理由はさっぱり分かりませんが、やはり私を狙っているようですね)

 剣を振りかぶる。妖魔兵の両足を切断する構えだった。白月王城で近衛騎士を無惨になぶった戦いが再現されようとしていた。妖魔兵達が互いを鼓舞する。

「ウガァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!」

 妖術で魔物に墜ちた近衛騎士達は、ハスキーの実力を知っている。侮りは捨てた。警務女官長はメガラニカ皇帝を守るインペリアルガード。単なるメイドなどではない。

「はぅずきぃぃぃぃぃぃいいいぃーーっ!!」

 先陣を駆けるレンソンは異形の肉塊拳を振りかざした。

 憎悪で縁取ふちどった凶腕。妖魔兵の怪力をもってすれば、人体を容易くすり潰せる。

「――ぴぎゃぅ!!」

 仔犬のような悲鳴が上がった。妖魔兵レンソンは自分の身に何が起きたか理解する間もなく、シャーゼロットの剣圧で挽き潰された。

やかましい」

「あの⋯⋯シャーゼロット様⋯⋯? やるなら事前に教えてください。飛沫で服が汚れそうでした」

 ハスキーは飛び散った返り血を避けるため、後ろに飛び退いた。

「ここは時間の流れがおかしい。外部とのズレが大きくなる前に脱出するぞ」

 シャーゼロットは襲いかかってきた妖魔兵の肉体を零次元に収縮させる。

 の立体を平面に潰す。

 の平面を線状に捻る。

 の線状を一点に収縮する。

 に押し込められた妖魔兵は、肉体の細胞が微粒子レベルで分解されていった。

 強力無比な次元操作の異能に抗う方法を哀れな妖魔兵は持っていない。

「やはりこいつらは元人間⋯⋯。肉体構造が人間と大差ない。どこの誰だったのかは知らないが、魔物に変異してしまった人間は助けられん」

「孕んでいる女達はどうします?」

「⋯⋯同じでいい。治療しても手遅れだ。楽にしてやれ」

 妖魔兵の肉体から解き放たれたレンソンは、真の意味で心が打ち砕かれた。

 復讐相手のハスキーに力及ばず敗北する。そんな末路だったら、どんなに幸せだっただろう。

「⋯⋯ァ⋯⋯アァ⋯⋯ガァ⋯⋯」

 突きつけられた悲惨な現実は、隣りに立っていた帝国軍人に討滅される。何の因縁もない相手に滅ぼされてしまった。レンソンの哀れな死に様は誰にも知られない。

(死⋯⋯しぬ⋯⋯のか⋯⋯?)

 元妻のロレンシアはどこかでレンソンが新たな人生を歩んでいると思い込んだまま、メガラニカ帝国の後宮で生き続ける。

 親衛隊に任じられた五体の妖魔兵は、シャーゼロットの手によって滅ぼされた。時間にして一秒に満たない出来事だった。

(あぁ! あぁああああぁ!! 消える! 魂が消えていく⋯⋯。なにも⋯⋯守れずに⋯⋯。我々は何のために⋯⋯?)

 死の間際、レンソンは白痴の魔帝に問いかける。リュート王子の屍骨で受肉した魔帝は、大妖女レヴェチェリナに使い捨てられた。だが、自我のない魔帝は笑みを浮かべた。

 嘲笑などではなく、家臣を安堵させるための微笑。まるで勝ち誇ったかのような表情だった。レンソンはほんの少しだけ魔帝に主君の面影を感じた。

「魔物とはいえ、ベルゼフリート陛下の魂が入っていた器。気分がいいものではないな。抵抗する知能すら奪われたか?」

 シャーゼロットは無抵抗な魔帝の首を一刀両断する。生首が転がり、死骸は塵となって朽ちていった。

「やはり抜け殻⋯⋯」

 黒蝿の帝王はあっけなく滅びた。魔帝に交配を強いられ、苗床になった女達にはハスキーが介錯を与えている。苦しませずに一刺しで生命を葬る。産まれ墜ちた蛆蠅の幼体達も残さず始末していった。

「シャーゼロット様。魔帝があの状態だったのなら、ベルゼフリート陛下から奪われた破壊者ルティヤの荒魂はどこにあるのでしょう。まさか別の器に移しかえられた?」

「その可能性は高い。いずれにせよ、大妖女レヴェチェリナを見つけ出して⋯⋯。ん? 待て⋯⋯! やめろ、ハスキー。その女は殺すな」

「なぜ止めるのですか? ⋯⋯腹を見れば分かるでしょう。この女は手遅れです」

 ハスキーが手にかけようとしていた孕女は、肉壁に埋め込まれたキュレイだった。

 魔帝が絶命したため、淫獄を取り囲む肉壁は急速に腐敗が始まっていた。動かせなかった手足が解放される。しかし、キュレイは逃げだそうとはしなかった。

(どうした。人間ども。殺したければ殺すがいい⋯⋯)

 キュレイは魔帝の死体から目線を外せずにいた。理由は分からない。不可思議な感情に肉体が支配されている。本人に自覚はなかったが、キュレイが抱いていた感情は悲嘆だった。その証拠に両眼から涙が流れ出ていた。

「ハスキー。少し待て」

「この女は魔帝に孕まされています。他の女達に比べれば理性は残っているようですが、魔帝の蛆蠅を産めば正気を失うでしょう。堕胎させている余裕はありません。胎の魔物が孵る前に殺してあげたほうが⋯⋯」

「この女は魔素に汚染されてない。胎内の赤子は人間だ」

「え? 本当ですか?」

「胎内を透視した。私にはこの女が普通の妊婦に見える。人命救助をしている余裕はないが、わざわざ殺す必要はなかろう」

「そうでしたか⋯⋯。運良かったですね。ご婦人。貴方はたった一人の生存者のようですよ?」

 ハスキーは剣を鞘に収めた。だが、キュレイは聞かされた事実に驚愕していた。

「は⋯⋯? 私が⋯⋯にんげん⋯⋯? なにを言っている⋯⋯?」

 肉壁から解き放たれた自分の肉体を確かめる。牛頭鬼の象徴だった捻れ角は砕かれた。頭部には角があった痕跡すら残っていない。ひづめだった両足は、いつのまにか左右に五本ずつ指が生えていた。

「ばかな⋯⋯! 違う! 違う! 違う!! なぜ? そんな⋯⋯ありえない⋯⋯。なにが⋯⋯どうして⋯⋯?」

 擬態能力で人間に化けたとしても、シャーゼロットの眼は誤魔化せない。肉体から魔素は抜け落ち、巨尻の谷間から生えた獣尾だけが、牛頭鬼の名残だった。

(なぜ⋯⋯? どうしてそんなことが!? 魔帝が死んだから? いや⋯⋯! これはピュセルのせいだ! 私の身体を弄くったときに細工を⋯⋯?)

 キュレイは乳房と孕み腹の重みに負けてうずくまってしまう。

(人間の身体だからか⋯⋯? 重たい⋯⋯。苦しい⋯⋯! なんて弱い肉体だ⋯⋯!!)

 転がる死体の悪臭で気分が悪くなる。体重を両足で支えることすら辛かった。弱りきった身重の身体では歩くのも困難だった。

「せっかく生き残ったのに頭の方は駄目そうです。日常生活には戻れないでしょう」

「放っておけ。それよりも出口を探す。私達は宝物庫に戻らねばならん。妹達とも合流したい」

 シャーゼロットとハスキーは淫獄の破壊に着手する。魔物だったキュレイを普通の妊婦と見做して殺さなかった。状況に余裕があれば、被害者の女性だと誤認し、手を差し伸べて助けてくれただろう。しかし、皇帝護衛の任務を優先し、キュレイは捨て置かれた。

 牛頭鬼の魔物は滅びた。壊れた淫獄に座り込むのは赤子を孕んだ人間の女。

「私がこうなると知っていたのか⋯⋯?」

 朽ちていく魔帝の死骸に寄り添った。

 殺される直前、魔帝は笑っていた。その意味がキュレイには分かった気がした。

 ◆ ◆ ◆

 ルアシュタインとレギンフォードは屋上庭園の回廊を駆ける。

 庭園はグラシエル大宮殿の御苑に比類する壮健な造りであったが、人の手から離れて久しい。五〇〇年前に薔薇バラが咲き乱れていた花園は、見るも無惨に荒れ果てていた。

 淫獄に墜ち損ねたルアシュタインとシャーゼロットは足止めを受けている。

「特級冒険者ノエル・ウェイジャーから報告があった影の魔物で間違いないですね。深海を縄張りにしていたらしいけど、陸地でも元気そうじゃないの。あの素早さは厄介。どうしたものかしら⋯⋯」

 ルアシュタインは眼鏡の傾きを直す。特別製の眼鏡は視力を制限する呪術式が施されている。健常な視力を悪化させる理由は、次元操作の発動条件となっているからだ。

 アレキサンダー公爵家の七姉妹は、全員が次元操作の異能を開花させた。しかし、次元操作の能力を無条件で使いこなしているのは、長女のシャーゼロットと四女のレオンハルトだけだ。

(このままだとイタチごっご。ほぼ間違いなく敵が先に潰れるとしても時間の浪費です)

 ルアシュタインの次元操作は、視界制限と逆比例の関係にある。視界が闇に包まれれば、次元操作の範囲は広域に及ぶ。

(私では発動までの初速が遅すぎる。そのせいで影の魔物に逃げられてしまう。一方でレギンフォードは発動が早いけれど有効射程が狭い⋯⋯)

 自分達の位置は正確に把握している。影の魔物による妨害を突破すれば、ものの数分で宝物庫の扉前にいるカティアと合流ができる。

「ルアシュタインお姉様。敵の狙いは明らかです⋯⋯。相手から攻撃してくるつもりはないのでしょう。私が敵を引き付けてみます」

「陽動作戦ってこと?」

「はい。その間にルアシュタインお姉様だけでも宝物庫に戻られては? 私は転移が不得意です。宝物庫まで移動するのに、最低でも三回の能力発動が必要です」

 レギンフォードは有効距離の短さゆえに転移を不得意としている。さらに付け加えるのなら、次元操作の前後は身体の動きが鈍ってしまう。

「そうさね⋯⋯。敵が陽動作戦に引っかかるかは怪しいけれど⋯⋯」

「自信はあります。上手くやってみせましょう」

「いいえ、二手に分かれるのは⋯⋯。やめておくべき」

「お姉様。妹を信頼してください。一人でも負けはしませんよ?」

「敵は私達の分散を狙っています。敵は宝物庫が護衛隊を散らすと予測していた。すでに私達は皇帝陛下から引き剥がされ、シャーゼロットお姉様とも分断されてしまった。単独行動は避けるべきだと思う」

「分かりました。⋯⋯となれば、影の魔物を倒すしかありませんね。妙案はお持ちですか?」

「あるにはあります」

 まともに戦ってくれるのなら、ルアシュタインやレギンフォードは影の魔物を一蹴できる。実力差は敵が一番よく分かっていた。負け戦に乗っかってくるような愚行はしでかさない。逃げ足だけは影の魔物に軍配があった。

 ◆ ◆ ◆

(ルアシュタインとレギンフォードの動きが止まった)

 影の魔物は絶妙な距離感を維持している。

(作戦会議といったところですか? なんにせよ、遅延行為に徹し、直接戦闘を避けながら、この屋上庭園に足止めする⋯⋯!)

 判断を見誤れば即死。

 緊張感が影の魔物の集中力を高めた。

(ルアシュタインが次元操作で攻撃してきたら、即座に私も転移で安全圏に一時待避する。速さだけなら私が勝っています。そして、レギンフォードは事前の下調べ通りのスペックです。有効射程はさほど広くない。範囲外にいる限りは安全⋯⋯!)

 淫獄にルアシュタインとレギンフォードを落とせていれば、こんな命懸けの綱渡りをする必要はなかった。計画にわずかな綻びが生じ始めていた。

(これは私の受け持ちです⋯⋯。与えられた役割は果たしてみせましょう。帝国元帥レオンハルトの相手をするのに比べれば、数百倍ましです⋯⋯!)

 次元操作の精度、速度、範囲、出力、いずれもレオンハルトが抜きん出いていた。影の魔物は最強の帝国元帥に殺されかけたばかりである。帝国最強に比べれば、ルアシュタインとレギンフォードは格段に劣る相手だった。

(影網の迷宮からは逃しません⋯⋯!!)

 殺されない絶妙な距離感を取りつつ、屋上庭園にループ構造の迷宮を発生させる。

(人間を迷わせる螺旋式迷宮。海洋で船舶を遭難させる業を応用し、ルアシュタインとレギンフォードをこの庭園に繋ぎとめる⋯⋯! あとは時間です⋯⋯。レヴェチェリナの胎からアレが産まれ墜ちれば形勢は逆転し、覆ることはない⋯⋯!)

 影の魔物は手駒を召喚する。

 ピュセルが大陸全土から喚び寄せた上位種の魔物を送り出した。

(ここが勝負の分かれ目⋯⋯! 使えるものは何だろうと利用する⋯⋯!!)

 人間との戦いに飢えた凶悪な魔物達は、ルアシュタインとレギンフォードに襲いかかる。影の魔物には保険があった。羅刹姫ピュセルからもらった護符が三枚ある。

(焦る必要はありません。私にはまだ保険がある。切札は温存できています)

 最初に襲われたレオンハルト相手には、ピュセルの護符を使う暇がなかった。しかし、ルアシュタインやレギンフォードであれば幾分の余裕がある。

 窮地を切り抜けられる切札は三枚。仕事を完遂する強い決意は抱いている。だが、キュレイのように捨て駒にされる気はない。ピュセルから貰った三枚の護符は敗走時の備えであった。

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