真っ裸になったベルゼフリートは、硬質の筋肉で覆われたレオンハルトの身体に覆い被さった。体格差に怖じ気づくことなく、いきり勃たせた巨根で陰裂の穴を果敢に貫いた。
(うわぁ。すごい腹筋。タイガルラと同じくらいくっきり割れてるや。僕も筋トレすれば⋯⋯でも疲れるしなぁ)
六つに割れた美事な腹筋を羨ましく思いながら、愛液が滴る膣道にぢゅぶりっと挿入する。
(膣液の滑りは十分。キツく締めてくるオマンコだけど、奥まで挿れられる)
脱毛処理が完璧になされた綺麗な膣穴は、入り込んだ亀頭を抱きしめる。ベルゼフリートは巧みな腰使いで肉棒を沈ませていった。
「んんっ! ふぅ⋯⋯! やっとお楽しみの時間だ。今日から三日間はレオンハルトとやり放題なんだよね」
「緊急の呼び出しがなければ、ずっと陛下と一緒だ」
「どこまでやれるか試してみたい。いっぱいセックスしよ」
帝国最強、おそらくは大陸で比類する者がいない最強の武人の肉体は性悦で震えていた。最強の力を持つアマゾネスの女戦士は幼帝の逸物を迎え入れる。
「私の后宮で他の女達と楽しんでいたのは知っているぞ」
「ん~。まあ、ね? それも皇帝のお仕事だもん」
咎められたベルゼフリートは苦笑いで誤魔化す。金緑后宮に滞在している間、軍閥派の妃を呼び寄せては夜伽の相手をさせていた。
皇帝誘拐未遂という大事件が起きた直後でもあり、職務上の理由で辞退した公妃は幾人かいた。ちょうどそのとき、暇を持て余していたセラフィーナを招いたのだが、当然ながらレオンハルトは快く思っていなかった。
「意地悪な言い方しないでよー。ちゃんとレオンハルトにも声はかけてたじゃん。お仕事で忙しかったの? ずっと金緑后宮に泊まってたのに、レオンハルトとのセックスは久しぶり。帰ってくるのはいつも深夜だったしさ」
力強い膣襞に揉まれる感覚を肉棒で味わいながら、亀頭を最奥へと到達させる。正常位で肢体を絡ませる皇帝と皇后は、お互いを激しく求め合った。
「色々とあったからな。ここ数週間の軍務省は大忙しだった。んっ♥︎ あぁっ♥︎」
「ご苦労様。元帥閣下。たっぷりと慰安してあげるね。欲求不満のオマンコをオチンポでほぐしてあげる。オッパイに唇の痕も欲しいよね? はぷっ!」
「んっ♥︎ あっ♥︎ んっ♥︎ 私にもキスマークをくれるのか?」
ベルゼフリートはレオンハルトの胸元を甘噛みしている。
どれだけ力を込めたところで、少年の弱々しい噛む力では傷一つ残らない。けれども、レオンハルトが胸筋を緩めれば話は別だ。軟化した表皮を力いっぱいに吸う。
「光栄だな♥︎ んぁ♥︎ しっかりと跡を残すのだぞ。はぁっ♥︎ んっ♥︎ はぁはぁっ♥︎ んんうっ~~♥︎」
セックスの痕跡を身体に刻もうと必死になっているベルゼフリートを愛しむ。背中の溝を指先でなぞり、優しく撫でる。
パンッ! パンッ! パァンッ!! リズミカルに肉音が鳴った。膣穴に咥えられた男根はピストン運動を繰り返す。出し入れの速度を徐々に上げていく。
「激しいなっ♥︎ 子宮を極太のオチンポで穿たれる感覚ぅ♥︎ 病みつきになる♥︎ 避妊しなければならないのにっ♥︎ 孕めないのが実に惜しい⋯⋯♥︎」
今この瞬間だけは愛しの皇帝を独占できる。
極上の子胤で孕めないのは心残りだったが、腕の中に収まった主君の深い愛を受け取る。
「んっ♥︎ はぅっ♥︎ ふぅっ♥︎ んんっ♥︎ まったく♥︎ 自由に孕める女達が妬ましいな♥︎」
乳房を噛んだベルゼフリートは上目遣いで、レオンハルトを見詰めていた。腰の動きが止まり、陰嚢がピクピクと痙攣する。
「んっ♥︎ んぁっ♥︎ おや? もうか? 避妊の処置はしている。膣内に存分に出して構わないぞ」
「んくっ⋯⋯あ⋯⋯! 出るっ!!」
陰茎の裏筋を通る尿道が膨れ上がった。激流の勢いで精子を子宮に浴びせかける。
「はぅー。暴発しちゃった。もうちょっと我慢するつもりだったのに⋯⋯。レオンハルトの締め付けが強すぎるせいだ」
ベルゼフリートは恥ずかしげに顔を赤らめる。まだセックスを始めて一分と経っていなかった。
「くっくくくく! 可愛い顔だ」
「僕は男だから格好いいって言われたいね」
「気にすることはない。興奮しすぎたようだな」
「セックスは始まったばかり。まだまだ僕はやれる」
「さて、今日は日暮れまでに何回射精できるだろうか?」
「次はレオンハルトをアクメさせてから射精する。弄ばれてたお子様時代は卒業したんだ! 子宮を精液でたぷたぷにしてお胎を膨らませてやる!」
「くっくくく。では、喜んで我が身を陛下に委ねるとしよう」
「むむぅ~! その余裕顔を絶対にアヘらせてやるっ⋯⋯!」
ベルゼフリートの性欲は増加の一途を辿っていた。しかし、無尽蔵に等しい体力を誇るレオンハルトの優位は揺るがない。
(たしかに以前より精力が盛んになっているようだ。陛下は健やかに成長されている。⋯⋯しかし、私は小さな陛下が好きだ。抱きしめていると幸せ♥︎ 本当に可愛いっ♥︎ 私を孕ませようとこんなに鼻息を荒くしているっ♥︎)
性技の猛攻を造作もなく受け入れ、自分を絶頂させようと必死に腰を振る矮躯の少年を愛でた。
女仙の胎に放精された子胤は滞留する。器の穢れを洗い流し、魂の汚濁が祓われる。
「んっ♥︎ んぁっ♥︎ 陛下っ♥︎ 腰使いがお上手っ♥︎ んぁっ♥︎ ああぁぁっ♥︎ はっははは♥︎ イってしまったぞ♥︎」
レオンハルトが小さな嬌声をあげて絶頂した。イった瞬間、膣道が引き締まる。肉体に穢れ深き瘴気が宿った。
(瘴気が可視化している。以前にも似たような現象は起きていたが⋯⋯ここまで濃いのは初めだ。私の身体で荒魂を癒やせている証ではあるが、少し気にかかる⋯⋯)
女仙であれば誰もしもが瘴気で穢れている。汚染の度合いはベルゼフリートとの関係に比例して濃くなる。
濃厚なセックスをする頻度が多い三皇后や寵姫は、より強い瘴気を身に纏う。
◆ ◆ ◆
金緑后宮でベルゼフリートとレオンハルトが熱烈な愛を育んでいる頃、黄葉離宮に帰ったセラフィーナは自身が置かれた状況を整理していた。
皇帝の誘拐未遂事件で先延ばしになったが、軍務省はセラフィーナに仕事を命じている。〈翡翠の首飾り〉の行方を辿る任務。軍務省の参謀本部はまだ公開捜査に踏み切っていなかった。
(メガラニカ皇帝の愛妾となった私に初めて与えられたお仕事⋯⋯)
セラフィーナが命じられたのは、元冒険者の側女達を活用した情報収集である。軍務省は皇帝ベルゼフリートの過去を曝いたセラフィーナの実績を評価していた。
かつてのセラフィーナはアルテナ王国に君臨する女王だったが、今はメガラニカ皇帝ベルゼフリートに忠愛を誓った愛妾。後宮の置物にならないためにも、自身の有用性を派閥内で証明しなければならなかった。
(セラフリート、コルネリア、ギーゼラ⋯⋯。私はメガラニカ皇帝の御子を三人産んだ。次は男子を産みたいわ。四人目の御子を産めば、私がベルゼフリート陛下の寵愛を受けている事実は内外に知れ渡りますわ)
セラフィーナは胎を撫でさすった。三人の娘を産んだ子宮を労う。最後にヴィクトリカを産んでから、約十五年ぶりの妊娠と出産だった。
(出産は三回目⋯⋯初めではないわ。なのに、何もかも違う。ガイセフの子を身籠もったときも、リュートとヴィクトリカを産んだ後も⋯⋯こんな疼きには悩まされなかったわ)
最初に産んだ息子のリュートよりも年下のベルゼフリートに陵辱され、情交の悦楽に絆され、心身ともに愛してしまった。
絶対に産みたくなかった不義の子が、今は過去の誰よりも愛しい。二人の血を受け継ぐ我が子がこの世にいるというだけで、心が満ちていった。
セラフィーナの股座は湿っていた。ベルゼフリートの巨根でガバガバに拡げられた膣穴は愛液を垂れ流す。黄金の陰毛がじっとりと水気を吸い、パンティーのクロッチに染みが浮かび上がった。
(皇帝陛下の――ベルゼと私の血を受け継いだ子供がこの世に誕生した。淫らな女だと、祖国を裏切った売国妃と罵られても、私の魂を魅了しているのは⋯⋯)
帝国軍に処刑されたリュートの死に顔。母親に失望したヴィクトリカの憎悪。そして、一度は深く愛した元夫ガイゼフの絶望と悲憤に後ろめたさはあった。けれど、セラフィーナはもう穢れを知らなかった清廉な女王には戻れなかった。
昨年の末、家族と再会してもなお、セラフィーナはベルゼフリートに心を握られたままだった。ガイゼフに子を宿した妊婦の胎を見せつけ、メガラニカ皇帝ベルゼフリートと夫婦になると宣言した。
(私はあの子を⋯⋯ベルゼを愛してしまったわ。母親でありながら⋯⋯、アルテナ王国を導く女王だというのに、メガラニカ帝国の皇帝を好いてる。三十路を過ぎた人妻が⋯⋯卑しい女になってしまったわ)
嫌々の肉体関係から始まったセラフィーナとベルゼフリートの繋がりは、たったの一年で不変の愛情に変容した。ガイゼフと夫婦だった頃の幸福は覚えている。しかし、ガイゼフはセラフィーナを恋い焦がれる乙女にはしてくれなかった。
(あぁ⋯⋯子宮の火照りは増すばかりですわ。夜になると淫猥な欲望が盛り立つ。自分の手で慰めても⋯⋯性欲は燃え上がる⋯⋯。神官にセックス中毒の傾向があると診断されたけれど、この気持ちを静めるには陛下に抱いてもらわないと⋯⋯♥︎)
金緑后宮に呼ばれた際の夜伽で、セラフィーナはオマンコにたっぷりと精子を注いでもらったが排卵周期と合致せず、妊娠に至らなかった。
(はやく次の赤ちゃんを授かりたいですわ。もう一度、陛下の夜伽役にお呼ばれされないかしら?)
そもそも三つ子を出産したばかりの身体は、まだ妊孕性が戻っていなかったのかもしれない。
(すぐ妊娠したロレンシアが羨ましい。私も若い身体だったら⋯⋯)
側女のロレンシアはショゴス族の子宮改造によって妊娠しやすい身体に造り変えられた。セラフィーナの従者扱いだが、ロレンシアは愛妾待遇となっている。
誰よりも大きな超房はベルゼフリートのお気に入りだった。止めどなく乳首から湧き出る母乳をロレンシアは皇帝に献上している。
「ロレンシア。無茶をしてはいけませんわ。お胎に陛下の赤ちゃんがいるのよ」
書斎で身体を休めているセラフィーナにロレンシアがハーブティーを運んできてくれた。現在、黄葉離宮で働くセラフィーナの側女は全員が妊婦だった。
十二子の多胎出産を終えて、胎孕廟堂から退院し、黄葉離宮の面々でロレンシアを労った直後の検診で懐妊が発覚した。
早くもロレンシアの肉体は二回目の出産に向けて準備を進めていた。
「いいえ、セラフィーナ様。今は身体を動かしていたいのです。リア達にも休んでほしいと言われましたが、ベッドの上でじっとしているのは耐えられません。助産巫女から軽度の運動は許されています。この大きな乳房に慣れてきました」
ロレンシアは特注の妊婦服で着飾っている。肥えた淫体に合う衣類は一般流通していない。しかも、特大のブラジャーは湧き出す母乳を止める特別仕様でなければならなかった。
「従来通りとはいきませんが、身体を動かすコツを掴んできました」
「それでも、その大きなお腹では大変でしょう?」
「重装の全身鎧を着ているようなものだと思ってます。まだ妊娠初期なので、まだ胎児の身体も出来てないですし、臨月のときに比べたら軽いです」
出っ張ったボテ腹を支えるマタニティベルトは、腰と両太腿に繋がっている。十人以上の子供を宿せる大きな胎で、ロレンシアは皇帝の御子を再び産む。寄生卵子を植えたショゴス族の女官達からは懐妊祝いが届いてた。
(ロレンシアも後悔はしていなさそうですわ。フォレスター辺境伯は娘を事実上の義絶としたけれど⋯⋯気にしていないのでしょうね。私もロレンシアの立場なら、もう実家の事情なんかで右往左往したりはしないわ)
非難、罵声、叱責。いずれも承知の上でベルゼフリートを愛すると決めた。
たとえ過去の男達に縋りつかれようとセラフィーナとロレンシアの気持ちは揺るがない。しかし、けして彼らが憎くて捨てたわけではなかった。
「東アルテナ王国の女王になられたヴィクトリカ様は、ルテオン聖教国の教皇に王位を認証されたそうです」
「ラヴァンドラ妃殿下から聞きましたわ。戦争が終わったおかげで、メガラニカ帝国の貿易が再開し、商人を通じて国外の情報も入ってきやすくなったそうよ」
「宰相派のラヴァンドラ妃殿下がわざわざ教えてくださったのですか?」
「ええ。西アルテナ王国内での販路拡大を後押ししてほしいとお願いされましたわ。あの方は商魂が逞しい。私も見習いたいわ。融資の件は断ったけれどね」
ラヴァンドラはアルテナ王家の眠らせている資産を活用しないかと持ちかけたが、財務女官長の横やりで目論見は頓挫した。西アルテナ王国の女王は以前としてセラフィーナだが、共同統治者はベルゼフリートである。
ベルゼフリートとセラフィーナは正式に結婚した。メガラニカ帝国内では皇帝と愛妾だが、アルテナ王国側では女王と国王となっている。そのため、アルテナ王家の資産はベルゼフリートにも所有権があった。
皇帝の御物を所管する財務女官長が頷かない限り、アルテナ王家の資産は自由に動かせない状況だった。
「いずれはヴィクトリカ様と戦うことになるのでしょうか?」
「分かりませんわ。けれど、昨年に結ばれたばかりの講和条約を今すぐに破ろうとは考えないわ。それに、ヴィクトリカは陛下の巫女を孕まされているのよ。教会の傘下にいる以上、堕胎はできない。子供を産んだら心持ちが変わる可能性もあるわ」
「セラフィーナ様にとっては初めての御孫様ですね」
「ええ。お祖母ちゃんになるのは、ちょっと気にしてしまうわ。陛下に冷やかされてしまうかも」
居た堪れないのは、妻を皇帝に寝取られたガイゼフだった。
世間的には被害者だが、男の名誉を傷つける同情もこの世にはある。バルカサロ王国に帰国せず、ヴィクトリカのいる東アルテナ王国に身を寄せているようだった。
(メガラニカ帝国の支配を受け入れられなかった人々は東側に流れたと聞くわ。おかげで西側の統治はしやすいけれど、火種はいつか大火となる⋯⋯。けれど、今の脅威は違いますわ)
メガラニカ帝国の内部に潜む闇。歴史の深淵で蠢動していた敵が目覚めた。
安穏とした生活を送っていたアルテナ王国の女王ではなくなった。今のセラフィーナはメガラニカ帝国の後宮で生きる愛妾。ベルゼフリートの寵愛で守られているが、宮中の嫌われ者だった。
(メガラニカ帝国は信賞必罰が徹底されているわ。地位を得るには功績がいるわ。陛下のお側にいるためなら⋯⋯)
セラフィーナはグラシエル大宮殿の肖像画に描かれた〈翡翠の首飾り〉を思い浮かべる。哀帝とともに自殺した寵姫アンネリーは、胸元に首飾りをかけていた。
(肖像画の翡翠には紋章が刻まれていたわ⋯⋯。どこかで⋯⋯見た気がしますわ。教育係のリンジーに教わったアルテナ王国の歴史だったかしら⋯⋯?)
――陰謀を紐解く鍵は歴史に隠されている。