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【146話】悪業の魔女レヴェチェリナ

 メガラニカ帝国には遺棄された城砦が数多く存在する。

 そのほとんどは死恐帝時代に使われた緊急時の避難所だった。しかし、救国の英雄アレキサンダーが死恐帝を鎮め、新帝ベルゼフリートが即位し、平和な時代が訪れるようになると城砦の役割は薄れていった。

 岩塊の天辺や険しい山頂に建てられた城砦じょうさいは、押し寄せる亡者から身を守るには最適な場所だった。しかし、住みやすい立地にあるとは言えなかった。

 現在のメガラニカ帝国は平和そのものだ。労力をかけてまで管理する必要性がなくなった。修繕がなされず、荒れ果てて廃墟同然に朽ちた城砦は各地に点在している。そうした廃墟を拠点にする犯罪集団が現れ始め、帝都の議会で城砦解体が検討される社会問題になっていた。

 ――山峡の忘れ去られた城砦に不穏な影が蠢いている。

「ふふぅん~♥︎ ふぅ~♥︎」

 色めきだった若い女の嬌声だった。妖艶な魔女は、邪気を漂わせる祭壇の水晶玉に鮮血を滴らせた。

 悪しき妖魔の邪術だと素人目でも分かった。だが、もし人間が覗き見たのなら、目を奪われるのは魔女の美貌にであろう。

 背中越しから、くっきりと見える爆乳の輪郭。挿入を媚びる膨らんだ尻肉。人間の魂を食い散らかす魔物に相応しい精美な顔立ち。兼ね揃えた外見上の美しさは、人間の弱さに付け込む凶器であった。

「もぅ、ほんと、陛下はお盛んね。赤毛の娘が好みなのかしら? ふふっ♥︎」

 水晶に浮かび上がっているのは、ベルゼフリートとロレンシアがベッドで交わる淫らな光景。夜伽の相手はもう一人いた。美しい黄金の絹髪を掻き乱し、自分よりもはるかに幼い少年に縋りついている。

「黄金髪の美女⋯⋯。アルテナ王国の女王セラフィーナ。興味深いわ。すっかり魅了されているわ。祖国を奪われた⋯⋯いえ、捧げてしまったのねぇ。恋心で魂が燃え上がっているわ」

 ベルゼフリートに抱きついたセラフィーナは舌を絡ませる。熱烈なディープキスの最中も雄々しく腰を振り、ボテ腹のロレンシアに皇胤を仕込んでいる。

「器の瘴気は女仙との交わりで祓われる。破壊者ルティヤの器に影響を与えたのは間違いないわ。相思相愛⋯⋯、深く情の通じた相手でなければ、魂の鳴動が起こらないのだから。やはりセラフィーナとロレンシアも鍵となりそうですわ」

 

 美女が夢中になって幼帝から寵愛を授かっている。後宮の濡れ場を透視する魔女は笑う。爬虫類を連想させる瞳はベルゼフリートに向けられていた。

「あぁ⋯⋯♥︎ でも、ダメですわ⋯⋯♥︎ この程度の奉仕で満足されては♥︎ もっと欲されているはず⋯⋯♥︎ お可哀想な陛下ですわ。はやく窮屈な器から解き放ってさしあげたい。今度こそ、必ずお救いいたしますわァ⋯⋯♥︎」

 魔女の指先が己の淫穴へと向かう。愛液で濡れた膣を中指で掻き混ぜる。恥ずかしげもなく自慰に耽る。

「あぁんっ⋯⋯♥︎」

 そんな魔女の淫行に呆れている者がいた。

「――今回の計画、失敗だったのではないか?」

 牛頭の怪物は流暢な人語で魔女に問いかける。しかし、魔女は外野からの問いかけを無視した。

「⋯⋯んっ♥︎ んゥ♥︎ んぅっ♥︎ はぁ⋯⋯♥︎ んぅふぅっ♥︎」

 

「おい! 俺の言葉は聞こえているはずだぞ! レヴェチェリナ! この色狂いの狂女め!! こっちを向け!」

「んんぅっ♥︎ ん? あら~? キュレイ。こっちに来ていたの? まったく酷い奴。盗み見なんて趣味が悪いわよ?」

 名を呼ばれた魔女は不機嫌な顔を浮かべる。翡翠の首飾りを身に着けた全裸の美女は、怒気を募らせる魔物に物怖じしない。

 なぜならレヴェチェリナも人外の存在だからだ。

 青紫色に変色した皮膚。全身に浮かび上がった赤黒い紋様。頭部から生えた角は粘液が滴っている。だが、外見よりおぞましいのは、レヴェチェリナが放つ魔物の気配だ。

 魔物との交戦経験がない素人なら、視線を合わせただけでレヴェチェリナに魂魄を吸い取られてしまう。

「ふざけるな! 俺を呼び寄せたのはお前だろうが!!」

「ちょっと、キュレイ。大きな声を出さないで。耳が痛いわ⋯⋯」

「はっ! お前の淫行を見ていると俺は頭が痛くなってくるぞ」

「計画は順調よ。今のところは何もかも上手くっているの」

「上手くいっているだと⋯⋯? 本当なのか? 怪しいものだ。ここ最近のお前は攫ってきた人間の改造くらいしかやっていないだろうが⋯⋯」

「ちゃんと天空城アースガルズでお仕事をしてきたわ。大変だったのよ? 怖いメイドに切り捨てられるかと思ったわ。まあ、実際に一刀両断されちゃった」

「俺が問題視しているのはそこだ。貴重な切り札を一枚無駄に使った。天空城アースガルズに仕掛けていた爆弾を浪費したのだぞ? もっと良いタイミングで起動させれば、動力炉を吹き飛ばし、天空城アースガルズを撃墜できた」

「あのねえ⋯⋯。あのはそういう目的で仕込んでたわけじゃないわ。揺さぶりとしては十分よ。そのうち、焦った女仙達は器を地上に移すわ」

「レヴェチェリナ⋯⋯。俺がお前に協力しているのは契約を結んだからだ。。そのために手を組んだ。忘れてはおるまいな?」

「ええ。覚えているわよ、キュレイ。魔物同士なのだから約束は守るわ。魔物の時代を到来させるために頑張りましょう」

 キュウレイの顔立ちは人間と大きくかけ離れている。しかし、レヴェチェリナに対する不信感を募らせているのは容易に分かった。

「なぜすぐに行動を起こさない? なにをもたついている?」

「私はもう失敗したくないのよ。既に私は三回も敗北しているわ。破壊帝は惜しかったけれど、勇者の介入で台無し。哀帝はアンネリーに阻まれた。死恐帝は神官長ロゼティアと女官総長アトラクさえいなければ⋯⋯。結局、私は死恐帝の魂に接触できなかったわ」

 歴史の舞台裏で暗躍した魔女は、葬り去った三人の皇帝に思いを馳せる。破壊帝が狂気に取り憑かれてから、一千年以上の年月が経とうとしている。しかし、未だにレヴェチェリナの本懐は達せられていない。

「ともかく器は女仙に守られているわ。穢れ祓いの巫女を出し抜かなければ、絶対に失敗してしまう」

「皇帝とやらに仕える女仙が巫女なのだろう。だったら、その女どもいないうちに器を壊せば良かった。殺す機会はあったはずだぞ。お前はしくじったようだがな」

「九年前のことを言っているのなら大成功よ。器だった少年は死んでいるでしょ?」

「新たな器が生まれてしまったぞ。ベルゼフリートが継承した。そのせいでメガラニカ帝国は息を吹き返した。俺だったら確実に殺せていた」

「殺すだけでは意味がないわ。器を殺してはならないの。破壊帝を滅ぼした勇者や哀帝を死なせたアンネリーがそうだったように、皇帝殺しは人類の最終手段⋯⋯。災禍で大陸は荒れるけれど、器が完全に死ぬと私が活動できなくなるわ」

「ちょっと待て。五百年前、お前は死恐帝を毒殺したと言っていただろう」

「毒で殺したのは肉体だけ。馬鹿な宰相と元帥を利用してね。特製の毒を盛ったわ。でも、失敗したわ。想定外の邪魔が入ったの。神官長ロゼティアが張った結界のせいで、帝嶺宮城は絶対不可侵領域となってしまったわ」

 救国の英雄アレキサンダーが死恐帝を鎮めた際は、結界を破壊するために、当時の教皇が保有していた〈闇祓いの玉石〉が使われた。

「封印は因果律にまで及んでいるわ。三回の敗北で私は学んだの。器の封印を解く方法は存在しないわ」

「存在しない? ⋯⋯だったら、今やっていることに何の意味がある? 最初から無理な計画だというのなら⋯⋯お前に協力する理由がなくなるぞ」

「賢い魔物なのだから、ちょっとくらい頭を使ってほしいわ。破壊者の器だった少年は九年前に壊れた。代用品として産み落とされたのが、今のメガラニカ皇帝ベルゼフリート。つまり、本来の器とは違う。転生体の継承者⋯⋯。似て非なるモノだわ」

「⋯⋯ようするに今の皇帝は紛いものか?」

「肉体に宿った力は本物以上よ。でも、封印の力は本物に及ばない複製品。だから、今が千載一遇の機会ってわけ」

「根拠はあるのか?」

「歴代の器と比べて、ベルゼフリートは善性が大きく欠けているわ。メガラニカ帝国の全盛期を築いた栄大帝は剣術の達人だったけれど、生涯で誰一人として殺めなかった。本来の器は殺生を嫌悪する。完璧な器は女仙がいなかったとしても手出しができないのよ」

 栄大帝は女好きや散財癖で、宰相ガルネットを激怒させる問題児であったが、歴代の皇帝でもっとも成功した偉大な君主だ。

 レヴェチェリナは記録上でしか栄大帝を知らなかったが、もし対決することになっていたら、あっけなく自分が滅ぼされると思っていた。

 器が安定してしまったら、勝機は失われる。だからこそ、迂遠とも思えるほど慎重に下準備を進めてきた。

「器の人間性が邪悪であればいいのか?」

「そこまで単純なものじゃないわ。魂の染まりやすさかしら? ベルゼフリートは私の分身に惹かれていたわ。普通だったら魔素を帯びた魔物を恐れるはずなのに⋯⋯。間違いなく、脈有りでしょ?」

「曖昧な根拠だな⋯⋯」

「もう一つあるわ。昨年の末、本来の器だったベルゼフリートの父親が死んだ。それでやっと私は確信を得て動けるようになったわ」

 器だった少年は死亡し、実母との近親相姦で産まれた息子ベルゼフリートに破壊者ルティヤの荒魂が受け継がれた。

 レヴェチェリナが今まで静観を続けていたのは、どちらが封印のくさびか不明だったせいだ。一部の力だけがベルゼフリートに継承され、封印そのものは本来の器が持ち続けている可能性が考えられた。

 昨年の末、器だった少年がこの世を去り、ベルゼフリートの肉体に宿る力は増長し始めた。レヴェチェリナが天空城アースガルズに侵入し、目視で確認したかったのはベルゼフリートの成長具合だった。

「まだ条件が必要だけど、水晶で器の様子を透視できる。これも計画が順調に進んでいる証だわ。天空城アースガルズに潜ませていた分身体を使った意味はあったわ」

 

「お前の計画通りに進めば本当に人間の時代は終わるのか? 近頃は目障りな魔狩人が増え始めた。⋯⋯器を殺して災禍を起こせば人間どもは弱る。違うか?」

「災禍は自然災害と同じなのよ? 制御不可能の破壊と殺戮。人間だけじゃなくて、キュレイのような魔物だって対象よ」

「⋯⋯お前は生き延びている」

「それは私が特別な魔物だから。器が完全に壊れて災禍が起これば、私はこの世から消えて、翡翠で眠りについてしまうわ」

「災禍が何だ? 封じられて困るのはお前だけだ。軟弱な人間よりも魔物のほうが圧倒的に強い。厳しい環境に魔物は適応できる」

「あら、そう。じゃあ、死ねばいい。大陸の人類と仲良く心中したいのなら、それでもいいわ。好きにすれば? でも、私の計画を邪魔するのなら貴方も敵でいいかしら?」

 恐るべき魔女の本性を顕わしたレヴェチェリナは、牛頭の怪物キュレイを殺気で威圧する。

「ねえ、キュレイ。そうよね⋯⋯?」

「⋯⋯⋯⋯」

 キュレイは心臓を握りつぶされるような感覚に陥った。魔物同士が争うのは希だった。なぜなら対峙すれば、互いの力量がおのずと分かるからだ。

「ここでお前と敵対する気はない。まあいい。従おう」

「ありがとう♥︎ 私も言葉が分かる仲間は重宝しているわ。人間の時代を終わらせる。キュレイの崇高な理想には私も大賛成。一緒にがんばりましょうね」

「命令には従ってやる。⋯⋯言われたとおり、意思疎通ができる連中は廃都ヴィシュテルに集めた。だが、魔狩人に気付かれたぞ」

「想定の範囲内だわ。廃都ヴィシュテルは根城に最適。攻め込まれたとしても、アレキサンダー公爵家の人間が出てこなければ、まず問題ないわ」

「以前から聞いているが、アレキサンダー公爵家はそれほど警戒すべき敵なのか?」

「アガンタ大陸の人間と魔物を殺し合わせたら、最後に残るのはレオンハルト・アレキサンダーで間違いないわ。理外にいる例外的な存在を除けば、大陸で最強の生物よ」

「俺やお前よりも強い人間なのか?」

「ええ。まともにやりあって勝てる相手じゃないわ。アレキサンダー公爵家の七姉妹は化物。そのなかで飛び抜けて強いのが帝国元帥レオンハルト。人間相手には手加減してくれるでしょうけど、魔物の私達は即殺よ」

「⋯⋯気に食わん。なぜ断言できる。戦ってみなければ力量差は分かるまい」

「アレキサンダー公爵家の七姉妹は全員が次元を操る異能力者。剣術や体術も侮れないけれど、受け継がれた異能スキルが反則級なのよ。正面から戦えば敗北は必至。だから、準備を怠ってはならないわ」

「準備か⋯⋯。改造した人間どもは役に立つのか?」

「なんなら地下の工房を見ていったら? 面白いわよぉ♥︎ 培養槽で順調に育っているわ。特にアルテナ王国の近衛騎士団に所属していた人間達は有望。恨み辛みの有無は大きいみたいなのよねえ。メガラニカ帝国に対する強い憎しみが、心身への侵蝕を早めているわ。もうちょっと煽ってみようかしら?」

「強制的な人間の魔物化⋯⋯。最初は俺も半信半疑だったがな。しかし、産まれながら魔物には劣る」

「一つ教えてあげるわ。もっとも多くの勇者を葬った最強の魔物は元人間の家政婦メイドよ。私が進めている魔物化の研究はその再現でしかないわ」

「元人間の魔物が勇者を殺した? ほう、魔物化の方法は確立されているのか?」

「ええ。人間を魔物に転生させる業はあるわ」

「だったら、その業を知っている奴を仲間に引き込めばいい。手間暇をかけて研究するより、方法を知っている魔物がいるなら⋯⋯」

「不可能だわ。むしろ勇者以上の敵対者と言えるわ」

「まさか⋯⋯」

「ご想像の通り⋯⋯。呪われたエリュクオン大陸の支配者は、全ての魔物を滅ぼそうとした忌まわしき魔物。私達の目的を知ったら、まず間違いなく自殺を命じられて、それで終わりだわ」

 レヴェチェリナは忌まわしき魔物の名を言わなかった。人語を理解する全ての魔物が恐れる存在。呪われたエリュクオン大陸の支配者は、魔物に自死を強制できる。

「器に封じられた陛下が解き放たれたとき、人間の時代は終焉を迎えるわ。因果律の鎖さえ絶てば、たとえ勇者であろうと止められない⋯⋯。エリュクオン大陸の支配者だって追い落とせるわ」

「⋯⋯計画通りに行けばだろう。出来具合を確認する。地下の工房を見させてもらうぞ」

「ええ。地下は天井が低いから角をぶつけないように気をつけて。⋯⋯どうせなんだから、むさ苦しい本当の姿じゃなくて人間に擬態したらどう? そっちのほうが動きやすいし、美人でしょ?」

 上位格の魔物は人間の姿に擬態できた。退魔結界に侵入はできないが、人間の目を誤魔化せる。

「⋯⋯俺は必要がなければ下等生物に化けない。俺は本来の姿こそ、美しいと思っている」

「あらそう。まあ、ご自由にどうぞ」

 キュレイは憤慨し、レヴェチェリナを竦めて水晶玉での覗き見に戻った。くぢゅくぢゅっ♥︎と膣穴を掻き混ぜる水音が聞こえ始める。

 自慰に耽り、淫悦で頬が紅潮する。蕩けた瞳が一心不乱に見詰めるのは、遠く離れた天空城アースガルズでセラフィーナとロレンシアを抱くベルゼフリートだった。

 キュレイはレヴェチェリナがどんな妄想をしているのか、想像したくもなかった。

(いかれ頭の魔女め。奴をどこまで信用したものか。知識は役に立つが⋯⋯。本当に俺と同じような魔物か? 人外には違いないが、何かが決定的に異なる。虚界から異形なのだろうか⋯⋯)

 悶々とした疑念を抱きつつも、地下に造られた工房へと向かった。攫ってきた人間達を魔物へ改造する実験工房。吐き気を催すおぞましい光景が広がっていた。

 レヴェチェリナの分身らしき者達が培養槽に浮かぶ人間を観察している。被検体はメガラニカ帝国の人間ではなく、国外で集められた者達だった。

 キュレイはある培養槽の前で足を止めた。腐食性の粘体魔物スライムと掛け合わされた人間だった。かろうじて生きているが、細胞変異が著しい。

(ん⋯⋯? 両足を切断した女⋯⋯いや男か? 生殖器が潰されている。雑兵程度には役立てば及第点だな)

 培養槽の土台に貼り付けられた鉄製のプレートに刻まれた文字を読む。

 キュレイは人類を憎悪している。だが、文明を軽んじていなかった。人語を理解し、共通文字が読める魔物は珍しい。暴力だけに頼らず、狡猾に立ち回ってきたからこそ、今まで討伐されずに生き延びた。

(アルテナ王国の近衛騎士団⋯⋯。やはり元々は男らしい。これがレヴェチェリナの言っていた期待作か)

 魔女の邪悪な妖術で魂魄と肉体を徹底的に辱め、原始的な魔物と融合させている。

 魔物の立場から見ても悪趣味な芸術品だった。レヴェチェリナの分身体が埋め込まれ、破壊された生殖部が再生しようとしていた。ただし、本来の形にではなかった。

(魔女の奴隷兵⋯⋯。まったくもって醜悪な出来映えだ)

 前立腺は完全に切除され、魔女の子宮が移植されていた。メガラニカ帝国に激しい憎悪を向けていたらしいが、人体改造に合意はしてなかったはずだ。

 アルテナ王国の近衛騎士団に所属していた五人の騎士。騒乱を起こし、牢獄に囚われていたが忽然と失踪した。

 ヴィクトリカの身柄引き渡しと同時期の事件だったため、東アルテナ王国に逃れたと考えられていた。しかし、真相は違った。レヴェチェリナの甘言に惑わされ、異形の身に堕ちていた。

「――グゥゥッ!」

 その昔、ロレンシア・フォレスターの夫だった青年騎士レンソンは培養槽でもがき苦しむ。移植されたレヴェチェリナの子宮を通じて、脳内に映像が焼き付けられる。

 一方的に流し込まれる情景を拒絶できなかった。レヴェチェリナは天空城アースガルズにいるベルゼフリートを透視していた。

 幼い頃からずっと愛していたロレンシアが、一度は妻に娶った最愛の女性が、祖国を攻めた敵国の皇帝に抱かれいる。

 ――んぁっ♥︎ 陛下♥︎ んっ♥︎ んぁっ♥︎ あっ♥︎ あんっ♥︎

 ロレンシアは帝国の侵攻を共に防ごうと誓い合った近衛騎士団の戦友でもあった。だが、気高い女騎士は後宮の美姫となった。

 誇りや強さは求められない。必要なのはメガラニカ皇帝の旺盛な精力を発散させる身体と性技。超乳から母乳をド派手に撒き散らし、膨れ上がったボテ腹が濡れている。

 茶色の染まった乳輪は、ロレンシアが子産みを済ませた母親だと物語っていた。

 ――陛下♥︎ 陛下♥︎ 陛下ぁ♥︎

 男根の抽送に合わせて、ロレンシアも腰を動かしている。皇胤を子壺に注いでほしいと強く望み、股を開ききっていた。

 淫女に変わり果てたロレンシアだが、鮮やかな紅色の髪と凜々しい顔立ちだけは、レンソンの妻であったときと何ら変わらない。

 ――出してぇっ! お注ぎくださいっ!! んぎぃっ♥︎ ベルゼフリート陛下の御子をぉ♥︎ おぉっ♥︎ お授けくださいぃっ⋯⋯♥︎

 息を深く吸い込み、ベルゼフリートは小刻みに身体を震わせた。太々しい男根の裏筋を通る尿道が膨れた。ロレンシアの膣内に射精している。

 去勢されたレンソンには存在しない雄の象徴物、勇ましい男根に貫かれ、ロレンシアは絶頂していた。絶対に孕むと確信し、淫らな嬌態を晒している。

 自慰に耽るレヴェチェリナの興奮はレンソンに移植された子宮と共鳴する。魔女は最愛の女性を寝取られた男が感じる絶望を貪っていた。

 レンソンの精神が苦しみ、軋みを上げるほど、レヴェチェリナの興奮は高まる。火照った子宮は共鳴し、移植された者達に自慰の快楽が伝わる。

「――俗悪な魔女だ。品位が欠けている。気狂いめ」

 キュレイはレヴェチェリナの悪行を唾棄した。被害に遭っているレンソンに同情しているのではなく、ひとえにおぞましかったのだ。

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