2024年 10月13日 日曜日

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【76話】事後の皇帝と女王 宝物とおねだり(♥︎)

NOVEL亡国の女王セラフィーナ【76話】事後の皇帝と女王 宝物とおねだり(♥︎)

 ――暑苦しさでベルゼフリートは目覚めた。

 大陸歴八年八月十六日。 夏の盛り。メガラニカ帝国は炎天の季節を迎えようとしていた。

「⋯⋯ふぁ⋯⋯んぅ⋯⋯ふはぁ~!」

 ベルゼフリートは両目を擦る。ぼやける視界が次第に鮮明となっていく。寝室で警備にあたる女官達が一斉に頭を下げた。

 見知った顔の警務女官が四人。名前までは覚えていない。何度か抱いた記憶はある。

 ハスキーやユリアナは休憩中らしい。セラフィーナと秘密の会話をするときは、〈沈黙の誓い〉を立てたユリアナだけを警備に残す。昨晩はひたすらセックス漬けだったので、ユリアナは下がらせていた。

(うーん。変なところが筋肉痛になってる⋯⋯)

 昨晩の記憶は曖昧だ。セラフィーナに騎乗位で犯され続けたのは覚えている。両手で数え切れないほど射精したのは分かっていた。

(精子出し過ぎた⋯⋯。金玉が痛い)

 破壊者の荒魂を秘めた特異体質の皇帝でなければ、腹上死してもおかしくなかった。性豪のインキュバスだろうと音を上げる猛烈なセックス。昨晩はセラフィーナと激しい交わりを繰り広げた。

(セラフィーナはまだ寝てる。もう、相性のくせに遠慮が無いなぁ。僕のベッドなのに中央を陣取ってるし⋯⋯)

 イキ狂いながら、精子を搾り取り続けたセラフィーナも常人離れしている。女仙の体質がより馴染んできていたのだ。もしくは、セラフィーナ自身が持つ、生来の淫乱気質であろう。

(あんなに激しいセックスをしてたのに、こんな清楚な寝顔を浮かべちゃうんだ。人は見かけで判断できないね。安定期に入ったからかな。性欲が強すぎて、相手をするのも一苦労だ)

 夜のセラフィーナは淫女へと変貌する。爆乳を揺らし、ボテ腹を弛ませ、甲高い喘ぎ声をあげる。オマンコの奥底から沸き起こる肉欲の悦楽に酔い痴れ、皇帝の男根に跨がり、豊満な桃尻を打ちつける。

(⋯⋯セックスの上達速度はほんとすごいよ)

 淫行の痕跡は、ベッドシーツに色濃く残っていた。愛液と精液、生肌から流れ落ちた汗。丸々と膨れ上がった孕み腹がよく似合っている。

(えっと今は朝⋯⋯? じゃなくて昼過ぎかな? 疲れて眠ったのは夜明けの直前だったし、そりゃそうなるか。ちょっとヤリ過ぎた⋯⋯かも?)

 カーテンの隙間から、太陽光が差し込んでいた。

「皇帝陛下、お目覚めですか?」

 女官が大窓の覆いを開く。真夏の日差しで眼球が痛む。仄暗かった寝室が、眩しい光りに包まれた。

「眩しいようでしたら、窓掛けは閉じていましょうか?」

「いいよ。全部、開けちゃって。眠気を吹き飛ばさないと。ふあぁ⋯⋯! よしっ! もう起きる⋯⋯!」

 ベルゼフリートは目まぐるしいスケジュールの戦勝式典を無事にやり遂げた。

 帝都でのパレート、勲章授与式、グラシエル大宮殿の仮面舞踏会。合間に皇后の接待をしたりと、イベントには事欠かなかった。

 天空城アースガルズに帰還したのは深夜だった。

(思い返せば、セラフィーナの勢いに流されちゃったな。あとで悪い噂になりそう。皇后じゃなくてセラフィーナを寝室に連れ込んだとか⋯⋯。そんな感じの風聞になっちゃうのかな)

 本音を明かせば、戦勝式典で疲労困憊していたベルゼフリートは、そのまま眠りたかった。だが、発情状態のセラフィーナにせがまれ、拒めなかった。半ば強引に夜の相手をさせられた。

(積極的に求められるのは悪くないよねぇ。セラフィーナとは身体の相性が最高♪ あっという間に妊娠させちゃったし。娘のヴィクトリカはどうだろ? あっちも一発で妊娠しちゃってたら、くすくすっ! ちょっと困っちゃうかな)

 セラフィーナにだけ罪があるとは言えない。皇帝は愛妾の分不相応な望みを拒める。寝室にセラフィーナを招き入れたのは、ベルゼフリートが自身の性欲に負けたからだ。

 他人の女を奪う優越感は、妃では味わえない。子持ちの人妻を好き放題に犯せる。セラフィーナのオマンコとアナルは、もはやベルゼフリートの専用穴だ。

(うわ⋯⋯。オチンポが根元までガビガビになってる。ご飯の前にお風呂かな⋯⋯)

 精液と愛液がこびり付いた股間から、生臭い性臭がした。鼻をくすぐる濃い淫臭は、雄と雌が激しく交わった証だ。

「ねえ、セラフィーナ。起きて? もうお昼みたいだよ」

 隣で眠っているセラフィーナの肩を揺する。

「しょうがないなぁ」

 それでも起きないので、お尻を軽く叩いてみた。パンッ!と心地好い打音が鳴った。

「ほら。起きてよ。キスすれば目覚めくれる?」

 ベルゼフリートは頬に唇をつける。肌を寄せ合い、裸で同衾どうきんする妊婦はゆっくりと目蓋を開ける。美しい黄金髪は乱れ、乳房に垂れかかっていた。

「⋯⋯ぁ⋯⋯んぅ。おはようございます⋯⋯。陛下⋯⋯」

「僕よりお寝坊だ」

「⋯⋯仕方ありませんわ。だって、昨晩は遅くまでセックスをしていたのですから⋯⋯♥︎」

「僕の精子でたぷたぷでしょ? オマンコ」

「膣内にたくさん溜まっていますわ。陛下に注いでいただいた子胤が蠢いている感覚。胎児の悦びを感じますわ」

 セラフィーナは乱れた前髪を掻き上げ、眠たそうな眼を強引に開ける。膨らんだボテ腹が動いた。母胎が目覚め、胎児達も目を覚ましたようだ。

「精を注いだというか、搾り取られたって感じ」

「後宮の女ですから、陛下の慰安は務めですわ」

「お務めね。騎乗位セックスのコツを完全にマスターしてたよ。昨日の夜、セラフィーナはお酒を飲んでたの? セラフィーナはすごっく積極的だったし、信じられないくらいエッチだった」

「ふっふふふ。ご冗談がお上手ですわ。私は陛下の御子を身籠もっているのですよ。お酒を飲もうものなら、女官に叱られていますわ」

「あっ、そうだった。妊婦だからお酒は厳禁だね。でも、あんな貪欲にセックスを求められるとは思ってなかった。ロレンシアがいなくなったから、もう隠す必要もないの?」

「ふふっ。確かに気兼ねはせずにセックスできますわ」

「これからは遠慮も恥じらいも無く、僕とセックスしちゃうわけ?」

「ずっと陛下に焦らされて、溶岩のような愛欲が溜まっていたのです。お恥ずかしいことですが、自分の気持ちを抑えきれませんでしたわ」

「すっかり乗せられちゃったよ。セラフィーナはセックスの上達が早すぎる。オッパイもオマンコもエロすぎて狡い! 最初はお淑やかな反応をしてくれたのにさ。もう純情なセラフィーナは見られないのかな」

 ベルゼフリートはセラフィーナの爆乳を両手で揉む。乳首を抓み、左右に押し広げ、下に引っ張り、上に弾く。乳房を弄くり回して遊び始めた。

「あぁ♥︎ 陛下っ♥︎ もうぅっ♥︎ 本当にオッパイがお好きなのですね♥︎」

「罪作りなオッパイだもん。パレードで沢山の視線を集めてた。くすくすっ! わざと見せつけてたよね?」

「はいっ♥︎ ですが、見せていただけですわ♥︎ んぁ♥︎」

「皇后の前であんな大胆な見せつけパフォーマンスまでしちゃってさ。欲求不満だからって、人前でのセックスアピールは程々にしなよ。妬いちゃう妃はいるんだ」

「あんッ♥︎ んあぁうっ♥︎ あふぅん⋯⋯♥︎」

「セラフィーナは敵が多いから、今さら気にしたところでって感じ? でも、レオンハルトの機嫌は損ねないほうがいい。セラフィーナは軍閥派の庇護下。派閥の長に見放されたら、本当の意味で孤立無援だ」

「ふあぁっん♥︎ あぁ♥︎ 陛下のオチンポぉ♥︎ 勃起してるゅ♥︎ 陛下の荒ぶるオチンポをオマンコでお慰めいたしますからっ♥︎ 私を守ってくださいっ♥︎ 奉仕いたしますわ♥︎」

 勃起した陰茎が女陰を掠めた。互いの陰部は昨晩のセックスで汚れている。生乾きの精液と愛液で皮膚はぬめり気を帯びてた。

「――ほしいの?」

「――ほしいですぅ♥︎ 陛下のオチンポぉ♥︎」

 セラフィーナの膣はベルゼフリートの巨根を幾度も咥え込んできた。陰唇が自然と開口していく。両足を左右に広げ、挿入しやすいように股を押っ広げる。

「しょうがないなぁ。すっかりオチンポ狂いになちゃった。妊娠してるんだから、そっち身体の負担は考えなよ」

「陛下ぁっ♥︎ そのままっ♥︎ そのままオチンポをぶち込んでぇ♥︎ もっとオマンコの奥までっ⋯⋯♥︎ あぁんっ⋯⋯♥︎」

 大きく膨らんだ亀頭がするりと膣道に侵入した。騎乗位のセックス体位で乳首を摘まみ上げる。

「んっ! はぁ、んっ! セラフィーナ。股をもうちょっと広げてみて。そう、そんな感じ。最高の角度で挿入できた」

「はぅ~♥︎ んんぅぁ~~♥︎」

「オッパイも気持ちよくしてあげる! 揉まれながらヤるのが好きなんでしょ?」

「はいっ♥︎ 好きぃ、だいしゅきでしゅうぅ♥︎」

 セラフィーナは上半身を弓なりに反らせ、両腕で体重を支える。オマンコを捧げて男根で貫いてほしいと腰を振って訴えた。

「んぁ♥︎ 陛下♥︎ 皇帝陛下ぁ~♥︎」

「セラフィーナっ⋯⋯! 思いっきり押し付けてっ!! オマンコを僕にちょうだいっ!!」

「オマンコあげますっ♥︎ 陛下にっ♥︎ 捧げますぅ♥︎ だからぁっ、陛下のオチンポをくだひゃいっ♥︎」

 再び互いの生殖器を深く結合させ、一心同体となろうとした瞬間だった。

「——連日連夜、お盛んですね。陛下がお目覚めになったと聞いて、駆け付けていみれば⋯⋯。昨晩の続きをされるのですか?」

 開かれた扉を強めにノックし、寝室に現われたのは女官総長ヴァネッサだ。肢体を絡ませ合いながらセックスする皇帝と女王。微笑を浮かべながら、二人の仲睦まじい逢瀬を見ている。

「陛下がセラフィーナさんに、これまで夢中とは存じませんでした」

 背後には警務女官長ハスキーを筆頭に複数の女官達が並んでいた。ユリアナの姿もあった。

「おはよー。絶妙なタイミングだね。んっ! んぅっ、と! そうだ! ヴァネッサ達も混ざる?」

 ベルゼフリートは動きを止め、膣道の真ん中で亀頭を止める。

「んぁ♥︎ んぁ⋯⋯♥︎ 陛下ぁ♥︎」

「独り占めはだーめ。女官と一緒にヤるのだって面白いよ?」

 焦らされるセラフィーナは短く息を吐き、頬を赤く染めていた。

「せっかくのお誘いですが、今回は遠慮しておきます。三皇后のご機嫌が酷く悪いと聞いています」

「まじ? 苦情きてる?」

「本当に困ったものです。どこの何方が獅子の尾を踏まれたのやら?」

「もう⋯⋯。ヴァネッサは知ってるくせに⋯⋯」

「一介の女官に過ぎない私としては、やんごとなき方々の諍いに巻き込まれたくはありません」

 ヴァネッサはセラフィーナに視線を向ける。

 宮廷に身を置く以上、女王であったことは忘れ、皇帝の愛妾に徹し、慰安に努めるべきだ。しかし、階級は絶対だ。 身分を履き違える行為に及ぶとなれば、どうしようもない厄介者だ。

「宮廷の秩序は、陛下とて守らねばなりません。三皇后はメガラニカ帝国の最高権力者であり、陛下の正妻ですよ」

「昨日のは僕がやらせたわけじゃない。浮気はしてないもん」

 責任転嫁のベルゼフリートは、セラフィーナの乳房を舐める。あくまでも愛妾を可愛がっているだけだ。正妻以上の愛情を注いでいるつもりは微塵もなかった。

(セラフィーナさんは恐れを知らないというか、宮廷の常識を弁えていませんね。陛下が飽きていないうちは良いでしょう。しかし、寵愛を失えば、どれほど恐ろしい扱いを受けるか⋯⋯。後先を考えてほしいものです)

 ベルゼフリートがセラフィーナと悪巧みをしているのは分かっていた。ヴァネッサは女官総長の権限でロレンシアに外出許可を与え、企みの手助けをしていた。

 一強状態となりつつあるウィルヘルミナの権勢が弱まればとの魂胆だった。しかし、何やら雲行きが怪しくなっている。

「それで、どうしたの? 昼食の時間?」

「ご昼食には遅い時間帯です」

「朝ご飯すら僕らは食べてないよ」

「三皇后からお呼びがかかっています。宰相閣下、元帥閣下、神官長猊下、各々が個別に陛下の御来訪を求めておられます」

「あらら⋯⋯。3人が別々に? 珍しいね。宮廷の規則上、三皇后のお呼びは調整してるんじゃなかった?」

「はい。三皇后は三人がそれぞれ正妃。実態はどうであれ、序列を作らない規則です。今回の呼び出しは私的なものです。皇后特権に基づく召喚命令ではありません」

「困るよ。つまり、僕が選り好みしていいんだ」

「その通りでございます。もちろん、三皇后のお誘いを無視し、このまま愛妾であるセラフィーナさんとのセックスを続けることも⋯⋯」

 ベルゼフリートは抓んでいたセラフィーナの乳首を解放し、挿入中の陰茎を引き抜いた。

 ほんの一瞬だろうと躊躇があれば、セラフィーナは両足を閉じて、ベルゼフリートの下半身を拘束していただろう。けれど、するりと逃げ出し、ベッドから降り立った。

「そういう訳にはいかない。お風呂で綺麗になったら、すぐ出発しよう。セラフィーナの匂いを付けたまま出向いたら、どんな顔をされちゃうかな。念入りに洗わないと」

 ヴァネッサは洗練された動作で、全裸の主君に上着を羽織らせ、履物を足下に置いた。

「湯殿の準備は整えております」

「さっすが女官総長。手際が良いね」

「警備の都合上、来訪先に警務女官を先行させます。最初はどちらに向かわれますか?」

「順番はカティア、レオンハルト、ウィルヘルミナ」

「承知しました。カティア猊下が一番最初ですね。ハスキー。大神殿に警務女官を派遣しなさい」

「もう一つお願い。秘密のお話をしたいから、カティアに人払いを頼んで」

「承知しました。他にご要望はございますか?」

「レオンハルトには手土産を持っていくよ。接収したアルテナ王国の国宝で、良さげな物を宝物庫から見繕って。それで夜はウィルヘルミナの離宮に泊まる」

「レオンハルト元帥に手土産ですか⋯⋯? アルテナ王国の財物に手を付けるなら、セラフィーナさんにご許可をいただかないといけません。管理は財務女官がしておりますが、所有権はアルテナ王国の女王にあります」

「大丈夫。いいよね? セラフィーナ。お詫びの品ってことでさ」

 セラフィーナはつい笑いそうになった。戦勝者の特権で略奪が可能だというのに、メガラニカ帝国の人々は律儀だ。帝国の風土に根付いた国民性であった。

 講和条件で賠償は求めないと明記してある。だが、それを反故にしたところで、セラフィーナに反抗の手段はない。けれど、メガラニカ帝国は契約を遵守するのだ。

「お好きなの宝物を一つ、陛下に献上いたしますわ。レオンハルト元帥にお贈りください。ですが、不躾ながら、私にも贈り物をいただけないでしょうか?」

「おねだり? セラフィーナは何がほしいの? 言っておくけど、僕は小遣い制だ。お金とかは無理だよ」

 皇帝だから放蕩三昧かといえばそうでもない。財布は女官総長ヴァネッサが管理している。

 たとえば、財力のあるラヴァンドラ王妃が多額の献金をしようと、皇帝は限られた額しか使えない。

 政治的な権限が制限されているのと同じだ。財政面も厳格な管理下に置かれている。こうした宮廷制度をベルゼフリートは、日頃からお小遣い制と茶化していた。

「帝城ペンタグラムの一室をお与えください。寵姫に選ばれた女は、このお城の部屋を貸し与えられると聞いておりますわ」


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