(まずい……。これ……やばい……。どうやっても逃げられない……。俺を犯る気だ)
人差し指の爪先が胸倉に伸びてくる。キサラギが着ている上衣のボタンを外し、脚絆の腰部分を絞っていた革帯を解く。あっという間に押し倒され、組み敷かれてしまった。
毛皮の敷物が背中を擽る。顔面は雄大な爆乳の渓谷で覆われ、上下左右のいずれにも逃げ道はない。強引に脱がされた脚絆から飛び出た男性器は果敢にも反り勃っている。直上に跨がった女性器に対し、本能的な威嚇反応を示していた。
「俺……。こういうの経験がないんだけど」
視線を目一杯に上げても、ゼフィラの首までしか見えない。
大柄巨躯の恵体に包まれたキサラギは不安であったが、同時に居心地の良さを強く感じていた。強い女性に愛護されている安堵感。抱かれている側の気持ちになってしまう。
「奇遇だな。私もだぞ。処女だ」
「大丈夫なの? ほら……えっと……あれだ。魔軍が戻ってきたら、すごく気不味い雰囲気になるぜ……?」
「魔天使カザルドの絶命を魔軍は感知したはずだ。まず間違いなく、刺客は送られてこないだろう。それにこの狩猟小屋は里から離れている」
「……生殖行動って愛する男女が子作りする行為だぞ。ゼフィラは分かってるのか?」
「煮え切らん男だな。矜持を傷つけないように尊重しているが、焦らすのなら私から動くぞ」
ゼフィラの腰がゆっくりと降りていく。巨尻から発せられる体熱、濡れた女陰の湿り気が亀頭に伝わってきた。
稚拙な男根は勇猛に勃起し、迎撃の体勢となっている。キサラギの内心は微妙な感情が渦巻いていた。
(本当は年上の大人っぽい女性が好みだったんだけどな。……でも、まぁ、ゼフィラも年上のお姐さんではあるか)
この期に及んで拒絶するような男ではない。キサラギはゼフィラの想いを受け入れる。情けなく童貞を奪われては男の尊厳が著しく損なわれてしまう。
病室で習った性教育の本を思い出しながら、挿れるべき穴を探す。数十秒の間誤付きを経て、やっとキサラギはゼフィラの入り口を見つけ出した。その間、ゼフィラは淑女のように待ってくれていた。
(オマンコに毛が生えてる。そりゃ、そうか……。ゼフィラは大人だもんな。……ん? じゃあ、腋毛は剃ってるのか?)
気恥ずかしさのあまり、どうでもいいことを考えてしまう。真っ裸で抱き合い、互いの恥部を合体させる。男女の営みを客観的に考えてしまうと羞恥の極みだ。
「私の尻を掴んで押し込め。傷つけまいと臆していては私の処女膜は破れないぞ」
「びびってない! 優しくしてやろうとした俺の気遣いだぞ。そんなに乱暴がお望みなら、荒っぽく抱いてやる!」
煽り言葉でムキになったキサラギは性衝動の感情に突き動かされる。両手でゼフィラの巨尻を掴み、満身の力を絞り上げた。屈強な女戦士の純潔証明を破るべく、処女膜に硬くなった亀頭を穿ち込む。
「――いいぞ。それでいい。私の処女を捧げる♥︎」
ゼフィラは赤裸々に愛欲を激白する。肉厚な膜が裂けて破瓜の愛血が滴り流れ出た。ずぶりずぶりとオチンポが突き進み、狭苦しいオマンコに囚われ、根本まで包み込まれた。
完全に合体し、キサラギとゼフィラは性交を遂げた。
竜郷ドラカ=ヴェルグで生き残った唯一の戦士ゼフィラは、この世ならざる者に処女を捧げてしまった。人種が異なるどころか、別世界の異形と交配に至った。
禁忌の交わりであったが、その事実をゼフィラは知らない。仮に知っていたとしても、止めどなく湧きだす愛護の欲望には抗えなかったはずだ。
死と生は表裏一体。世界に死を撒き散らすが、世界に生も与える。理の天秤はどちらにも傾かない。
竜人族の生者が死に喰われた。キサラギがゼフィラの前に顕現した理由は均衡を調整するためだ。死んだ者達の数だけ、生者を増やす。生と死の流転。それゆえに結ばれた契約であった。
竜郷復興の宿願は叶う。裏切り者によって虐殺された同胞の埋め合わせは、ゼフィラの胎盤で贖われる。
「ゼフィラの膣内って……めっちゃ熱い……」
「寒かったのだろう? 私が暖めてやる」
ゼフィラの頭部に生えた竜角が赤熱で染まる。荒ぶる尻尾が床板を破壊した。
「……小屋を壊すなよ」
「予想を凌駕する快楽に興奮が抑えきれない。今までは力付くで相手を手籠めにする者達の気持ちが理解できなかった。なるほど、なるほど……♥︎ 確かにこれは……♥︎ 暴力を使ってでも奪いたくなる♥︎」
「え? こわ……」
「キサラギは美しく優秀な女を孕ませたくないのか? 本能では分かっているはずだ。私の子宮を男根で突くのは、そのためだろう?」
「あのなァ……。獣じゃないんだぜ。もし俺とゼフィラの間に子供ができて、母親からそんな言葉を聞いたら子供が泣くぞ」
「もし? 違うな。絶対に私はキサラギの子を産むぞ。竜人族の里を復興させるために」
「一人でどんだけ産む気なんだよ……」
「濃い子種を私の胎に注ぐのだ。私はたくさん産むぞ。仇討ちを手早く済ませたら、子作りに専念する。私は優秀な母胎となれる自信があるぞ」
「ご立派なことで……。じゃあ、子供を泣かせない立派な母親になってくれ」
キサラギはぎこちない上下運動で抽挿を早める。抜き差しの摩擦で生じる性的快楽をゼフィラは堪能する。息切れで動きが鈍り始めた矢先、オチンポの脈動が発生する。
初めての感覚にキサラギは戸惑う。だが、何を為すべきかは本能が導いてくれた。生成された若々しい精子は、美しく強い女戦士の子宮に放たれる。
「んっ……くっ……!」
歯を食いしばり精通に注力する。大樹のような女体を抱きしめ、巨尻に獅噛みつき、全身全霊で腰を突き上げた。騎乗位でセックスを愉しむゼフィラも合わせてくる。膣圧を高めながら、深奥部に押し込んできた。
(重たい! ゼフィラの体重が伸し掛かってくるっ……! すごく強い身体だ。チビでひょろひょろに細い子供の俺なんかとは比較にならない。完璧な強者の肉体……。恵まれてるよなぁ。マジで羨ましい)
病弱だったキサラギとは正反対の筋肉質な健康体。生命力で漲った精悍な肉付きが妬ましい。
――だが、その美女を抱いている。異世界に降り立ち、死の化身キサラギは女戦士ゼフィラを我が牝に収めた。男の征服欲が充足し、この上なき極悦を堪能した。
「キサラギ……♥︎ そうだ♥︎ 出せ♥︎ 一滴残らず♥︎ 絞り出せ♥︎ しっかり私を孕ませろ……♥︎」
「はぁはぁ……。でもさ、妊娠したら戦えなくなるぜ? 魔軍への復讐は中断しなきゃならないぞ。子育てはどうすんの?」
「休む必要はあるが、復讐の手段は多ければ多いほどいい。子供が育てば立派な戦士となる。子育てはミリアム寺院に手伝ってもらう。心配無用だ」
(うげ……。子供を復讐の道具にする気じゃん。価値観が野蛮な毒親過ぎる……。もしかしてゼフィラは母親になったらダメなタイプなんじゃ? 父親になったら俺が子供を守らなきゃヤバそう)
将来の恐怖を感じ取りつつ、キサラギは膣内射精を完遂した。もう後戻りはできない。この種付けで妊娠させてしまった可能性もあるのだ。
「どうした?」
「出し終わった」
「待て、抜くな。一滴残らず出してほしい」
「だから、もう全部出したんだ。種切れ」
「一回目だぞ。まだ続ける」
「ちょ、えぇ? は? 待て! 待て! あのな、男は一回出すだけでも、めっちゃ疲れるんだぜ?」
「まだ勃っているぞ。私の膣内にいるから分かる。疲れたのなら、そのまま動かなくていい。私が搾り取る」
(二回目……。たぶん……できるけど……。これが三回目や四回目まで続いたら……。ゼフィラの奴、処女だったくせに自分が満足するまで止めない気だ。あぁ……やばい……。俺、搾精に耐えられるか……?)
童貞と処女の初々しい逢瀬は終了し、竜人族の豪放な交尾が始まった。焔の吐息で喘ぎながら、ゼフィラは凄まじい勢いで腰を揺さぶる。衝突した艶肌が喧々たる肉音を奏でた。
「んっ♥︎ んぅ♥︎ あんっ♥︎ んぁっ……♥︎ あぁっ……♥︎ あぁっ……♥︎」
(ゼフィラでもこんな声を出すんだ……。俺のオチンポで喘いでる)
激しい動きに引っ付いているのでやっとだった。もちろん、膣穴に捕食された男根は、けして逃れられない。行為の最中、尻を撫でるとゼフィラが悦んでいる気がした。試しに引っ叩いてみる。
「んぃっ♥︎ んああぁっ……♥︎」
(やっぱりだ。悦んでる? じゃあ、こっちなら?)
キサラギはゼフィラの乳首を咥えた。乳輪を舌先で舐めて、桃色の突起を甘噛みする。恥じらいを捨て去り、男として女の性感を攻め立てる。
「おっ♥︎ んきゅぅっ♥︎ んんっ……♥︎」
愛くるしい嬌声が聞こえた。ゼフィラの顔を見られないのがとても残念だった。びくびくと身体を震わせて、下半身の動きが緩慢になる。
(へえ。女の絶頂ってこんな感じなんだ。膣が痙攣してる)
乳首をしゃぶるのに夢中で、キサラギはゼフィラの尻を叩く手を止めてしまった。
「止めるな……♥︎ もっと強くっ……!! んぁっ……♥︎」
「んはぁっ……ふぅ……。尻を叩かれて悦ぶって、意外と変態じゃん。なぁ、オッパイも強く吸っていい?」
「いい♥︎ 好きにしろぉ♥︎ 望むままにっ♥︎ んぅっ♥︎ 私の身体はキサラギに捧げた……♥︎ はぁんっ♥︎ あんっ♥︎ だから♥︎ 私の胎に寄越せ♥︎ 子種を……♥︎ 強い赤子を……♥︎」
「ゼフィラって里に好きな人とかいなかったの?」
「いない。相応しい相手がいなかった。だが、今なら……♥︎ 私はキサラギが好きだ♥︎ 貴様に惚れた……♥︎ 魔軍最強の魔天使カザルドを葬った男……♥︎ 私を孕ませる男にふさわしいっ……♥︎」
「強い美女に迫られるのは悪くないな。俺の力が遺伝するかは分からないぜ?」
「竜郷ドラカ=ヴェルグを復興させるためだ……♥︎ それに一人は嫌だ……。一人で死ぬのは絶対に嫌だ……!」
ゼフィラは凄まじい力で抱き締めてきた。身体の震えは快楽によるものか、それとも弱った女の怯えによるものか。どちらであれ、出会って一日で肉体関係を築こうとした意図は透けてしまった。
「そっか……。安心しろよ。契約が続く限りは一緒にいるぜ。俺には契約を破棄する権限はない。ゼフィラの気が済むまで付き合う」
二度目の膣内射精が敢行される。弱音を漏らした女戦士は少年に慰められて頬を赤らめる。だが、悦びで心が躍っていた。竜角の熱はさらに上がり、鉄すらも溶かす高温に達した。
「キサラギ……♥︎ もう一度……♥︎」
「あのさ。ゼフィラ? 付き合うとは言ったけど、射精回数に限界はあるからな? ……それと、めっちゃ熱くない?」
「竜人族の特性だ。激しい興奮や極度の悦びで竜角が熱を宿し、竜炎の吐息が漏れ出す……。そう……♥︎ 私は……発情してしまっている……♥︎」
「キスするなら口から炎を出さないでくれよ? 俺、猫舌なんだ」
「案ずるな……♥︎ んぅっ♥︎ 私の熱でキサラギが傷つくことは絶対にない♥︎」
「なんで?」
「愛し人は竜炎で火傷を負わないからだ」



