純愛が好みと語る官能小説家うだきさん。創作の原点は幼少期に動画サイトで出会った「東方Project」。二次創作の小説から始まり、中学生になると三島由紀夫の「金閣寺」で純文学に惹かれた。創作10年目を迎える現在、万年筆と紙を愛用する“古き良き文豪スタイル”で構想を練り上げ、読者に寄り添い、愉しませる物語を考える。純文学と官能小説で挑戦を続ける、うだきさんにインタビューした。
【取材:三紋昨夏】
読み上げ音声:「VOICEVOX:ずんだもん」「VOICEVOX:四国めたん」「VOICEVOX:小夜/SAYO」
創作の原点は「東方Project」
――創作活動を始めた「きっかけ」について教えてください。
創作活動を始めたきっかけは小学生のとき、インターネットで「東方Project」に出会ったことです。
YouTubeでゆっくり実況などの動画を見ていて、次第に小説の二次創作も読むようになり、それから自分も「小説を書いてみたい」と思うようになりました。ネットに初めて小説を投稿したのは中学1年生だったので13歳くらいです。
――中学生の若い感性なら素晴らしい作品が出来上がっていそうですね。私は重度の罹患者でしたが、うだきさんはいかがです?
自分も厨二病全開の作風でしたね(笑)。
「東方Project」の二次創作が最初に書いた小説です。今になって当時の作品を読み返すと、鳥肌が立っちゃいます。
――全年齢向けの二次小説を書かれていたそうですが、それから成人向けの官能(エロ)を書くことになった理由はありますか。
以前から「ノクターンノベルズ」の作品を読んではいました。エロ小説を書き始めたのはつい最近です。
明確なきっかけや理由はなかったと思います。最初に投稿したエロ作品『転生したので美少女幼馴染を俺好みに育てます』が予想以上に好評で、PV数が爆上がりして……気が付けばという感じですね。
フランス書院さんで書籍化していただいたのですが、まさか初投稿の官能小説でデビューできるとは思いませんでした。
――ご自身のペンネームに由来はありますか。
中学生の頃からペンネームはころころと変えていましたが、本名をもじった「雨田キヨマサ/うだき」に落ち着きました。
私はロックバンド「スピッツ」のファンで、ボーカル・ギターを担当している方が草野マサムネさんというお名前で、漢字とカタカナ4文字の絶妙なバランスに憧れていました。
それで漢字の「雨田」とカタカナの「キヨマサ」で、自分のペンネームを作りました。エロ小説を執筆するにあたり、別名義が必要と思って頭文字3文字の「うだき」としています。
読者が求めるユートピアを考える
――専門の活動ジャンルは? 性癖やエロに関する「こだわり」はありますか。
エロに関しては純愛が一番好きです。書けとお願いされれば、さまざまなジャンル、シチュエーションに対応できますが、自分で書きたいと思うのは純愛です。シンプルに一番気持ち良くなれますから。
これまで純愛とハーレムの作品を書いてきましたが、エロ以外においても今後は様々な挑戦をしていきたいです。
――純愛作家さんにお聞きしたかったのですが、純愛とハーレムは両立できるものでしょうか?
そこは自己矛盾を抱いている部分があります。純愛は一対一のイメージが強くあるじゃないですか。ハーレムは一対多、これを自分の中でどう言い訳をつけるか……って感じですね。
今のところ、異世界ファンタジーでハーレムを描いているので、世界観や文化に助けてもらって、折り合いをつけています。
――「処女作」「代表作」など、思い入れのある作品を教えてください。
官能小説の処女作である『転生したので美少女幼馴染を俺好みに育てます』は、自分の想像を超えた反響がありました。とても思い入れが深い作品です。
1日で何万PVもハネ上がって「なんじゃこりゃ!?」と驚愕しました。書籍化した際も、イラストレーターのトモゼロ先生が最高の表紙イラストを描いていただき、感無量でした。
もう一作品、『姫士の国~女性しか魔法が使えないファンタジー世界に転生したら、なぜだか俺も魔法が使えるみたいなのでスケベに過ごします~』が竹書房のヴァリアントノベルズで書籍化しているのですが、出版の打診が偶然にも同じ日だったんです。「こんな日が人生にあっていいのか!? ひょっとしたら明日、死ぬのか?」と思ってしまいました。
――作品作りのコツなど、創作するにあたっての「ネタ出し」「企画」はどのように考えていますか?
読者目線で企画を立ててから書き始めます。「自分だったら何が読みたいか?」「どうなったら面白いか?」「主人公をピンチに陥れるには?」「主人公が美味しい思いを味わうには?」とアイデアを広げて、プロットを練り上げている感じです。
企画に合ったキャラクターを作り、プロットに沿って活躍してもらいます。一人称で書いているので、物語内での視点は主人公になることが多いです。一人称視点は物語の世界に没入しやすく、読者のカタルシスや理想、ユートピアに訴求できる気がします。
万年筆と紙の愛好者
――執筆で愛用しているツールは何ですか。また、サービスや参考資料など、創作活動で役立つオススメがあれば教えてください。
最近だと珍しいかもしれませんが、自分はアナログ派で万年筆と紙の愛用者です。小説家らしさを取り入れたくて、万年筆は「スーベレーンM800」、紙はコクヨの原稿用紙や「Midori MDノート」「ツバメノート」を使っています。

――何人かの作家さんに取材してきましたが、万年筆と紙を使う文豪スタイルの方は初めてだと思います。
私が文壇の古い作家に強い憧憬を抱いているからかもしれません。中学生の時、三島由紀夫の『金閣寺』に出会ってから、純文学に憧れを抱くようになりました。
プロットは紙のノートに万年筆で書き込み、アイデアをまとめ上げています。実はアナログのほうが捗ることもあるんですよ。もちろん、執筆ではノートパソコンやiPadなどのデジタル機器も使いますけどね。
キーボードにもこだわりがあって、カスタマイズできる「HHKB Studio」を使用しています。データベースに小説を読み込ませて、頻繁に使うキーの配置を固めてみたりする時期もありました。
諦めない執念が肝要
――これから創作活動を始めようとしている人にアドバイスするとしたら?
絶対に諦めないことです。
私は小学生から書き続けて、2016年2月に初めて小説を投稿し、そろそろ10年目になります。
繰り返しになりますが、諦めないことが肝要です。覚悟を決めてハングリーであり続ける。ガンギマリの人は無敵です。
――実際、創作活動を4年以上続けられる人はかなり稀有ですからね。
結果が出る出ないの以前に続けられること、これも誇れる才能だと思います。
――今後の目標、目指しているものを教えてください。
エロ小説を書く前は「芥川龍之介賞を男性作家の最年少23歳までに取る」でした。純文学の新人賞にも応募していたりします。なかなか純文学を書けずにいるので、ひとまずは官能小説で売れっ子作家になりたいですね。
デビューから1年目となる2026年7月までに本を5冊出す。それが差し当っての目標です。マンダラチャートに理想を書き込んで、日々精進しています。

――最後にメッセージをお願いします。
いつも応援いただきありがとうございます。レビューや感想に支えられて、小説を書いています。作品で読者の皆様に恩返しをしていきたいです。
――インタビュー取材にご協力いただきありがとうございました!
下記でプロフィールと作品をご紹介しています。
読者の皆様、ぜひご覧ください。
【プロフィール】うだきさん

うだきもしくは雨田キヨマサと申します。
幼馴染好きのえちち作家です お仕事お待ちしております。
【作品紹介】
転生したので美少女幼馴染を俺好みに育てます

さっきまで残業していたのに、目が覚めたら学校の教室だった。──僕は小学生に転生していて、隣の席には絶世の美少女がいた!? 彼女は僕の隣家に住んでいる幼馴染の春音ちゃんというらしい。今のうちから仲良くして(調教して)、俺好みの嫁さんにするぞ! スキンシップ多めのエッチな生活を送り、一目惚れした幼馴染と歩む、人生再スタートの青春純愛ノベル! 婚約編書き下ろし付き!
姫士の国
~女性しか魔法が使えないファンタジー世界に転生したら、なぜだか俺も魔法が使えるみたいなのでスケベに過ごします~

異世界のド田舎に転生した俺、レンは幼馴染の美少女カヤと甘い生活を送っていたが、特別な「姫士」の才能を秘めているカヤは、王都で魔法学園に通うことになってしまう。
突然の別れに戸惑う間もなく、カヤは平民が姫士になるのを妨げるために刺客に襲われるが、彼女を守ろうとした俺にも姫士の才能が発現し、俺もカヤといっしょに王都へ向かうことになった。王都でカヤと淫らな夜を送りながらも、俺は巨乳メイドのルア、生真面目なお嬢様のエリスたちからも思いを寄せられ、やがて自分だけのハーレム作りを目指すように……。
けなげで可愛いい美少女たちとの、いちゃラブ異世界ファンタジー!



