映画「教皇選挙」をAmazonで見ました。
Amazonは広告が入るようになって、満足度が低くなった動画サービスですが、洋画の充実具合でつい利用してしまう。無職ゆえに時間もあるしね!
内容は主人公のローレンス枢機卿が教皇選挙コンクラーベで奮闘するお話。リベラル派として票集めに腐心しつつも、コンクラーベを執り行う進行役でもあるローレンス。

最初に躍進したアフリカ系アデイエミ枢機卿は「過去に修道女(超若い)と肉体関係に至り、男児の隠し子がいる」という過去で失脚。大昔の過ちであったが、なぜかローマにその修道女が派遣されていて過去が露見。初のアフリカ系黒人教皇の道は閉ざされる。
次に上がった候補は保守派のトランブレ。主人公ローレンスは同じリベラル派閥の親友ベリーニを推していたが「伝統主義の超保守派テデスコが教皇になるくらいなら、トランブレのほうが増し!」と票をトランブレに集約しようとする。
――だが、トランブレは前教皇によって不正を暴かれ、死の直前に解任を言い渡されていた。疑惑は賄賂。次の教皇選挙で勝つために金をバラまいていた。
ローレンスはコンクラーベの規則を破り、前教皇の部屋に立ち入って不正告発の報告書を入手。親友のベリーニに「トランブレを追い落として、君が教皇になるべきだ。汚れ役は自分がやる」と訴える。しかし、トランブレの不正を表沙汰にすれば、教会の信頼が地に堕ちると難色を示す。そう、ベリーニも買収されてしたのだ。
この辺りの転回は実によくできたストーリーでした。
ローレンスはトランブレの不正を公の場で告発し、シスター・アグネスが「トランブレ枢機卿がアデイエミ枢機卿を失脚させるため、過去に肉体関係があった修道女をローマに招集し、大昔の過ちが露見するように仕組んだ」と暗躍を指摘。トランブレも教皇候補から脱落となる。
その結果、超保守派のテデスコ枢機卿が最有力候補に。さすがにこのままでは不味いわけで、選挙を取り仕切るローレンスが教皇になる流れかと思いきや⋯⋯。
教皇選挙中のヴァチカンで自爆テロが起こり、大勢の民間人が亡くなる事態に。テデスコ枢機卿は「イスラム教徒を招き入れたリベラル派の元凶だ。分かり合えるはずがない」と煽り立てる。そんな中、前教皇が秘密裏に任命し、コンクラーベの直前で存在が明らかにされたベニテス枢機卿が素晴らしい演説を披露。いっきに枢機卿達の票はベニテス枢機卿に集まっていく。
――ぶっちゃけ、この辺は映画的なご都合感が出ちゃってるなと思います。
現実だったら、強硬派のテデスコ枢機卿か、混沌とした選挙を取り仕切って事態の収拾に努めた主人公ローレンス枢機卿が選ばれるかと。それだけの働きはしたしね。
無名の候補だったベニテス枢機卿が教皇に選出されるが、実は彼にも大きな秘密が⋯⋯。
ベニテス枢機卿の身体には子宮があったのだ。
つまり、両性具有! インターセックス! ついてるからお得! ふたなり!! ある意味での女教皇が誕生してしまったのだ。
染色体的には女性、盲腸の手術をした三十代後半まで子宮と卵巣があるとは知らなかったくらいなので、ほぼ男性ではあるのですが、カトリック的には大問題。
なぜベニテス枢機卿に票が集まる?
テロがあった後、良い感じの演説的説教でベニテス枢機卿が選ばれましたが、無名の人物にいきなる投票はおかしくない? っと思ってしまった。雰囲気的には主人公ローレンスが教皇になる流れだったじゃん(当人はめっちゃ嫌がってたけどね!)。
せめてローレンスがベニテス枢機卿に票を入れるように扇動したとか欲しかった。投票結果にご都合感がね。
ただベニテスが清廉潔白な人物じゃなかったのは魅力。ローレンスが最後まで教皇になりたくなかったので、自分が教皇になったときの名前を考えていなかった。改心した親友のベリーニに促されてやっと考えたくらいなのに、ベニテスは即答で「イノケンティウス」と答える。彼女あるいは彼も無欲じゃなく、教皇になろうとする野心があった証左。
そんでもって前教皇はクリニックを紹介して「子宮の摘出手術しときなよ」ってしてるのに、ベニテスは直前でドタキャンをかましている。……前教皇の遺志に反しているが、ベニテス枢機卿は「神が御作りになったまま」を重要視したんだとか。
頭脳明晰だった前教皇も出し抜いてるっぽいのがね。失脚した有力候補のアデイエミ枢機卿とトランブレ枢機卿を対消滅させたのは、前教皇の策略。子宮さえ取ってくれればベニテス枢機卿を後継者にするつもりだったのかな。
ローレンス枢機卿の唖然とした表情がもうね。「俺⋯やっちまった感⋯」の表情が痛烈に刺さる。



